「「「お邪魔しまーす」」」
「はいはい、どうぞどうぞ」
「みんなようこそ〜お菓子もあるからゆっくりしていってね〜」
今日は三村家にニュージェネレーションズの三人が来る日だ。
どうやらテストが近いからみんなで勉強会がしたいらしい。
俺もテストが近いからこの提案はとても助かる。
それに、あのライブの時の願い事だから、俺が拒否する理由もないしね。
「いや〜ここがりっくんとかな子ちゃんのお家か〜」
「とっても甘い匂いしますね!」
「多分かな子がお菓子作ってたからだと思うよ」
「あ、私も作ったけど兄さんも作ったんだよ〜」
「へぇ〜りっくんってお菓子作れるんだ」
「かな子がお菓子よく作ってるから俺も興味出て作り始めたんだよ。 元々甘い物好きだったしね」
「どっちがお菓子作るの上手なんですか?」
「それはかな子だと思うよ」
「うーん、兄さんのも美味しいから特に考えたことないかなぁ」
「とりあえず、陸って女子力高いよね」
「「「確かに」」」
まあ確かに俺自身も女子力は少しはあるかなって思ってるよ?
でも、みんな普通の女の子より女子力あると思うんだけど。
「みんなも普通の女の子より女子力あると思うよ」
「え〜本当〜?まぁ、お世辞でも悪い気はしないかな〜」
「男の子に褒められたの初めてです!」
「まぁ、悪くないかな」
「兄さん、私も女子力あるの?」
「そりゃあるでしょ。自慢の妹だよ」
「そっか……えへへなんか照れるなぁ」
かな子は少し頬を赤くしながら笑う。
うん。 やっぱりかな子の笑顔は可愛いなぁ。
「「……シスコン」」
「やっぱり仲良いですね〜」
俺がかな子の笑顔を見ながら癒されていると、未央ちゃんと凛ちゃんは少し呆れた顔をする。
卯月ちゃんは少し羨ましそうな顔だ。
確か卯月ちゃんって一人っ子だっけ?
羨ましいのかな?
「まあ、かな子のことはとっても大事にしてるからね。シスコンって言われるのも無理ないかなぁ」
「私は兄さんがシスコンでも構わないかなぁ。 多分、私も他の人から見たらブラコンに見えるだろうし、私自身もちょっとブラコン気味かなって思うし」
俺達の言葉を聞いたニュージェネレーションズの三人は身体を寄せ合う。
そして、小声で話し始めた。
なんだなんだ?
「二人とも仲良しで微笑ましいです!」
「私のとこは仲は悪くないけど、ここまで仲良くないかなぁ」
「まぁ、でもいいんじゃない? それにかな子と陸の二人を見てると微笑ましいし問題ないでしょ」
結論が出たのか、ニュージェネレーションズの三人は俺達の方に身体を向ける。
そして、なぜか暖かい目で見られた。
なんだろうこの感じ。
凄いムズムズする。
「よ、よし! いつまでも話してないで勉強しよっか! 時間も勿体ないしね!」
俺は居間のドアを開けて、みんなを案内する。
俺の言葉を聞いた三人は目的を思い出したのか、いそいそと鞄から勉強道具を取り出した。
俺は飲み物の準備をし、かな子はお菓子を準備する。
さて、これから長い時間勉強するんだ。
なんとか頭に入れるぞ。
俺は気合いを入れながら飲み物を運ぶ。
さて、頑張るか!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「しぶりんここはどうするの?」
「え、どうするんだろ?」
「ここはこうすればいいんだよ〜」
「流石かな子ちゃん! やっぱり上級生だね!」
「あれ? ここって答えなんだっけ?」
「ここの答えはこうすれば出ますよ〜」
「あ、本当だ。 ありがとう卯月ちゃん」
「いえいえ〜あ、陸さん。 ここの問題分かります?」
「ここはこうすればいいよ」
「ありがとうございます!」
勉強を始めて数時間が経ったけど、勉強の進行具合は怖いほど進んでいる。
いつもはかな子と二人でやっているけど、まさかここまで勉強できるとは思わなかった。
卯月ちゃんとかな子と俺で分からないところはいい具合にカバーできるし、凛ちゃんと未央ちゃんは二人で教えあっている。
しかも、二人とも分からない時は年上の俺達が教えることができる。
みんなができることをしっかりとしているから、予想以上の成果が出ているんだ。
「ふぅ……そろそろ休憩しよっか」
俺がそう声を掛けると、みんな緊張の糸が取れたのか、グデーとそれぞれ楽な体勢になる。
ここはお菓子の出番だな。
「まだお菓子あるから取ってくるね」
俺はキッチンに入って冷蔵庫を開ける。
中には小さなカップケーキがたくさんある。
これはかな子が作ったやつだ。
冷やしても温めても美味しい。
「お待たせ〜カップケーキ持ってきたよ〜」
俺がお皿にカップケーキを乗せて居間に入ると、未央ちゃんとかな子が素早く反応する。
それを見た凛ちゃんと卯月ちゃんは苦笑いだ。
「ちゃんと全員分あるから落ち着いて食べてよ〜」
「分かってるよ!」
「甘い物の前では人は正気を保てなくなるんだ……」
「なにを言ってるの未央……」
俺達はカップケーキを食べながら雑談をする。
最近のアイドル活動についてや、学校での出来事をみんな楽しそうに話している。
女の子が集まると声が大きくなるって言うけど、やっぱり本当なんだな。
「そろそろまた勉強しましょう!」
カップケーキがなくなった頃に卯月ちゃんがまた勉強しようと言う。
それを聞いてみんなまた勉強を始める。
最初は集中できてなかった未央ちゃんも時間が経つと集中し始めた。
カリカリとシャーペンで文字を書く音だけが居間に残る。
そんな状況の中、卯月ちゃんがある言葉を言った。
「さて、そろそろ数学やりましょう。 かな子ちゃん、ちょっとこの問題教えてくれませんか?」
……ふっ、数学か。
俺はそれとなく飲み物の補充をするために席を立とうとする。
しかし、誰かの手が肩に置かれているから立ち上がることができない。
俺は後ろを振り向く。
そこには笑顔で俺の肩に手を置いているかな子がいた。
………………。
「か、かな子??」
「兄さん、逃げちゃダメ、絶対」
「い、いやーーーー」
「数学から逃げちゃダメ、絶対」
「……」
「兄さん。返事は?」
「……は、はい」
俺は力なく席へと座る。
嫌だ、数学だけは嫌だ……!!
「え、えっとかな子」
「どうしたの凛ちゃん?」
「えっと……陸ってもしかして数学苦手?」
「数学苦手じゃないよ、嫌いなんだよ」
「……本当なの?」
「はい」
俺は数学が大っ嫌いだ。
小学生の時からどうしても計算が嫌いなのだ。
いつも数学はかな子に頼りっぱなしだ。
「ヘ〜りっくんにも嫌いな教科とかあったんだ」
「私よりも頭良さそうだったからちょっとびっくりです!」
「……ふーん」
「凛ちゃんその顔なに?」
「いや、ちょっとね」
「くぅ……その勝ち誇った顔が憎たらしい」
数学が苦手だと知ると、ニュージェネレーションズの三人は俺に数学の問題を出してくる。
それに一問も答えることができない。
最初は楽しそうに問題を出していた三人も、途中から凄い心配そうな顔に変わった。
「り、りっくん! 数学一緒に勉強しよ!」
「私も手伝う。 まずは高1の範囲からがんばろう」
「島村卯月! がんばります!」
俺はニュージェネレーションズの三人に数学を教えてもらう。
いつもなら三人の女の子に囲まれて緊張するけど、今はそんな状態じゃない。
ただただ情けない気持ちでいっぱいだ。
「か、かな子ちゃんどうしましょう……陸さん凄い落ち込んでます!」
卯月ちゃんがかな子に声を掛ける。
でも、俺は知っている。
数学のことになるとかな子は容赦がなくなるんだ。
「大丈夫だよ卯月ちゃん。 兄さんは昔から数学が嫌いだからこれぐらいしないとダメなんだよ。 だから大丈夫だよ」
「そ、そうなんですか?」
「うん。 だから、今日は徹底的に数学をみんなで教えてあげよう」
「い、いや〜みんなの勉強もあるからそこまでしなくても……」
「あ、今日予想以上に進んでるから私は全然大丈夫だよ!」
どうしてそんなこと言うの未央ちゃん!?
「未央の言う通りだよ。 それに、いつもお世話になってるからね。 私も力を貸すよ」
なんでそんなドヤ顔で言うの凛ちゃん!?
「私も頑張りますね! だから一緒に頑張りましょう!」
なんでそこで卯月ちゃんは笑顔ダブルピースするの!?
「いつもは逃げようとするけど、兄さん今日は覚悟してね」
「……はい」
俺は肩を落とす。
その日は数学地獄だった……
余談。
数日後、なぜか数学が嫌いだということをシンデレラプロジェクトのみんなが知っていた。
暇な時にプロデューサーさんや千川さんが教えてくれるらしい。
もう感謝しかない。
でも、勉強中にスタドリを無言で隣に置くのはやめてほしいかな。
テストはみんな自己最高得点だった模様。
陸くんもなんとか数学は赤点を免れました。
いつもは赤点で補修をしています。
でも、もう数学の勉強はしたくない模様。
次はアニメ9話の予定です。