三村かな子に双子の兄がいたら。   作:ラムネ色

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今回ちょっと長めです。
書いてたらこんな時間になってしまった。



バイト先に妹とプロデューサーが現れた。

「ありがとうございましたー! またのご来店お待ちしております!」

 

 

かな子がアイドルになると言って数日が過ぎた。

 

 

正直、今でもかな子がアイドルになるなんて信じられない。

 

 

あの時、かな子からアイドルになると言われた時、俺はあまりの衝撃にクッキーを落としてしまいそうになったよ。

 

 

で、驚きながらもかな子に詳しい話を聞いたところ、色々なことが分かった。

 

 

まず所属する芸能事務所は『美城プロダクション』らしい。

 

 

美城プロダクションは古くからの歴史をもつプロダクションだ。 事務所の規模はとても大きい。

 

 

歌手や俳優などが所属し、新しいのではアイドルなども所属している。人気がある芸能人が多く所属しているイメージだ。

 

 

まだ所属する部署などは決まっていないらしい。

 

 

……それにしてもかな子がアイドルか、どんなアイドルになるんだろ。楽しみだけど凄く不安だ。芸能界って怖いらしいからなぁ。 できるだけかな子の力になってあげたいものだ。

 

 

「店員さんすいませーん、注文いいですか?」

 

 

「はーいただいま向かいます!」

 

 

そんなことを考えているとお客様から声を掛けられた。

 

 

そうだバイト中だった、集中しないと。

 

 

「コーヒーとサンドイッチ下さい」

 

 

「畏まりした。 コーヒーとサンドイッチですね? 少々お待ちください」

 

 

ふぅ……今日はかな子が所属する部署が決まる日のはず。バイトが終わったらどうなったか聞いてみようかな。

 

 

そう思いながら俺はバイトが終わるまで一生懸命働いた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ああ疲れたあぁぁ」

 

 

「陸くんお疲れ様です! 水でも飲んで落ち着いてください」

 

 

「安部さんありがとうございまーす」

 

 

机に突っ伏している俺に水を渡してくれたのはバイト先の先輩である安部菜々さんだ。

 

 

身長はかな子よりも低く童顔。 カフェの制服と兎耳リボンがトレードマークだ。

 

 

最初は年下だと思っていた。

 

 

「今日お客様多かったですからねー陸くんが疲れるのも無理ないですよっ!」

 

 

「本当に疲れましたよ、安部さんは大丈夫なんですか?」

 

 

「ナナはウサミン星出身なんで地球人とは体力が違うんですよっ!」

 

 

「え……でも前はウサミン星は電車で一時間って言ってませんでした?」

 

 

「え…………ナナそんなこと言った覚えありませんよぉ! キャハ!」

 

 

「……」

 

 

このバイト先である安部さんは歌って踊れる声優アイドルを目指してウサミン星からやってきたらしい。

 

 

そして、俺のバイト先でもある346カフェで時々働きながら日々頑張っているらしい。

 

 

あ、ちなみに俺が346カフェでバイトしている理由は時給が良いのと、芸能人を間近に見ることができるかもしれないという邪な考えからだ。

 

 

 

実際にカフェで働くようになってからは色々な芸能人をみている。 前は高垣楓さんを見たかな? なんかオーラがすごかったよ。

 

 

「そ、そういえば陸くんは今日どこか上の空でしたけどなにかあったんですか!?」

 

 

いつものように俺に設定を突っ込まれた安部さんが心配そうに少し早口でそう聞いてきた。

 

 

ウサミン星の設定は少し甘いけど、やっぱり安部さんは優しいな。

 

 

「いえ、妹がアイドルになるらしくて兄としては不安なんですよ」

 

 

「ええっ!? 陸くんの妹さんアイドルになるんですか!?」

 

 

「はい。 しかも、美城プロダクションに所属するんですよ」

 

 

「兄弟揃って美城プロダクションに所属するんですね! 凄いです!」

 

 

「いやいや、俺はカフェのバイトで妹はアイドルですよ。 全然違いますよ」

 

 

「でも、兄弟揃って美城プロダクションに関わっているのには間違いないですよ」

 

 

「まぁ、確かにそうですね」

 

 

「そうですよ!あ、そうだ陸くん陸くん! 妹さんがデビューしたらサインお願いしていいですか!?」

 

 

そう言って安部さんは前のめりになりながら俺にお願いしてきた。

 

 

安部さんは本当にアイドルが好きだなぁ。

 

 

「うーん……どうなるか分からないですけど一応お願いしてみますね」

 

 

「やった!! 陸くんありがとうございます!!」

 

 

安部さんは兎耳をピョンピョンさせながら嬉しがっている。

 

 

永遠の17歳らしいが、時々17歳以下に見えてしまう。

 

 

まぁ、女性は若く見られると嬉しいと聞く。 悪いことではないだろう。

 

 

それに嬉しがってる安部さんは可愛いらしいし、見ていて和む。

 

 

「じゃあ俺はここら辺であがらせてもらいますね」

 

 

「分かりました! バイトお疲れ様です! 気をつけて帰って下さいね!」

 

 

「安部さんそれ、お母さんみたいですよ」

 

 

「ナ、ナナは全然そんな歳じゃありませんよぉ! まだピッチピチでナウい17歳なんですからぁ! キャハ!」

 

 

「そ、そうですね」

 

 

「ちょっとちょっとー! 反応が酷すぎますよぉ!」

 

 

「ははは……ではお疲れ様です!」

 

 

「あ、逃げましたね!」

 

 

これ以上ここにいてはいけない。俺にも安部さんにもダメージがきそうだ。

 

 

俺は安部さんから逃げるようにスタッフルームから出た後、 急いで家に帰ろうとした。

 

 

 

しかし、カフェの中をふっと見てみると、制服に身を包んだかな子と、スーツ姿の男の人が一緒にカフェで座っているのを見つけてしまった。

 

 

どうしてかな子がここに? ってか、あの男の人は誰だ?

 

 

俺は気になりすぐ近くの席に座って様子を見ることにした。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「私が『シンデレラプロジェクト』のプロデューサーです。 三村さん、これからよろしくお願いします」

 

 

「は、はい! よろしくお願いします!」

 

 

ふむふむ。 あの男の人はプロデューサーなのか。

 

 

でもこの人三白眼で凄い無表情だぞ。 なんか怖い。

 

 

かな子怖がってないか?

 

 

そう思ってかな子を見てみると案の定かな子は怖がっている。

 

 

まぁ、身長190cmぐらいありそうな怖めの男の人と一対一で会話はきついだろうなぁ。

 

 

だけど頑張れかな子。これからお前はこのプロデューサーさんと一緒に頑張っていくんだ。 逃げちゃダメなんだよ。

 

 

「それで三村さん、シンデレラプロジェクトについてご説明をしたいのですがよろしいでしょうか?」

 

 

「は、はぃぃ……あ、でも待って下さい。せっかくカフェにいるんですからなにか頼みませんか?」

 

 

……それでいいのかかな子。 ただ単に机にあるパフェに目がいってるだけなんじゃないか?

 

 

「……それもそうですね。 せっかくカフェに来ているのに何も注文しないのはお店側にも悪いですし」

 

 

お店に貢献ありがとうございますプロデューサーさん。

 

 

「私ここのカフェは兄さんから聞いたことあったんですけど、来たことなかったんですよ〜」

 

 

「お兄さんですか?」

 

 

「はい、兄はここのカフェでバイトしてるんです。 今日も確かバイトだと言ってたんですけど……」

 

 

「三村さんのお兄さんですか……。 一度お会いしたいですね」

 

 

「え、なんでですか?」

 

 

「家族の方は三村さんのアイドルデビューに少なからず不安があるはずです。 なのでしっかり話をして少しでも不安がなくなれば良いなと思いまして」

 

 

「プロデューサーさん真面目なんですね」

 

 

「いえ、そんなことはありません」

 

 

……このプロデューサーさん、悪い人ではなさそうだな。ちょっと無愛想でなに考えてるのか分からないけど。

 

 

そう思っていると、二人とも注文が決まったのか店員さんを呼んだ。

 

 

ん?……あの兎耳はまさか!?

 

 

 

「お待たせいたしました。ご注文はなにになさいますか?」

 

 

「私はミルクティーとこのケーキセットをお願いします♩」

 

 

「私はアイスコーヒーを一つお願いします」

 

 

 

「ミルクティーとケーキセット、アイスコーヒーが一つずつでよろしいでしょうか?」

 

 

「大丈夫です」

 

 

「私もです」

 

 

「では暫くお待ちください」

 

 

「分かりました。あ、後一つ聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

 

 

「どうなさいました?」

 

 

「このカフェに三村陸が働いていると思うんですけど、もう帰っちゃいましたか? 私、三村陸の妹でかな子って言うんですけど……」

 

 

 

「え!? 陸くんの妹さんですか?」

 

 

「はい、そうです」

 

 

「お兄さんからよくかな子ちゃんの話は聞いてますよ!いつも陸くんには私お世話になってます!」

 

 

いやいや、安部さん何言ってるんですか。いつもお世話になってるのは俺ですよ。 ってか、ヤバイ。この場から去らないといけない気がするのに、微妙に距離が近いから店から出ようにも出れない。

 

 

「いえいえ、私こそいつも兄さんがお世話になってます。 これからもよろしくお願いしますね♩」

 

 

「はい! 任せて下さい!」

 

 

「……あの三村さん。 お兄さんの件は一体……?」

 

 

そうだそうだ、 話が脱線し過ぎだ。 ナイスツッコミですプロデューサーさん。

 

 

「あ、そうでしたねすいません。陸くんはちょっと前にあがりましたよ。 まだこの辺にいると思いま……」

 

 

あれ、可笑しいな。なんで言葉が途中で途切れるの? そしてなんか視線を感じるぞ?

 

 

「あの、店員さんどうしたんですか?」

 

 

「いえ、あがったはずの陸くんが割と近くの席にいてナナはびっくりしてます」

 

 

「ええ!? 本当ですか?……あ、本当だ!見えづらい位置にいるけど凄い近くに兄さんいた!」

 

 

「あの方が三村さんのお兄さんですか」

 

 

うん。近くの席に座っているからバレる覚悟はしていたよ。

 

 

でも、安部さんによってバレるとは思いもしなかったなぁ。

 

 

「三村さんのお兄さんはじめして。 私は『シンデレラプロジェクト』のプロデューサーです。以後お見知りおきを」

 

 

そう言ってプロデューサーさんは俺に近づいて来て、名刺を渡してきた。

 

 

「ご丁寧にありがとうございます。 俺はそこにいる三村かな子の双子の兄の陸です。 これからよろしくお願いします」

 

 

「はい、よろしくお願いします。しっかりと三村さんをサポートさせていただきます」

 

 

うん。 やっぱりこの人礼儀正しい人だ。

 

 

「あの、プロデューサーさんと兄さん。 せっかくだし三人でお茶しませんか? プロデューサーさんも兄さんと話たがってたし、兄さんもアイドル活動について知りたがってたから良い機会だと思うんですけど」

 

 

「私は是非お願いしたいです。 陸さんはどうですか?」

 

 

「俺もプロデューサーさんと一緒です。 是非お願いします」

 

 

「なら、注文しないとね!兄さんはコーヒーとこのケーキセットでいい?」

 

 

「……別にいいけどさ、そのケーキ選んだ理由、かな子が食べたいからでしょ? 兄さん分かってるんだからね」

 

 

「えへへ……バレちゃったか。……ダメ?」

 

 

「いや、別にいいよ」

 

 

俺もかな子が頼んだケーキ食べてみたいしね。

 

 

「いやーとっても仲が良い兄弟ですねー羨ましいですっ!」

 

 

「はい、とても良い関係だと思います」

 

 

「あはは、そうですかね? それと安部さん」

 

 

「どうしたんですか?」

 

 

「そろそろ注文持ってかないとヤバイですよ」

 

 

「あ……す、すぐお持ちします〜!」

 

 

そう言って安部さんはこの場から去っていった。

 

 

やっぱりどこか抜けてるなぁ。

 

 

「では、注文が届くまで『シンデレラプロジェクト』について説明したいと思うのですが、三村さんと陸さんいいですか?」

 

 

「「いいですよ」」

 

 

「ありがとうございます。ではまず、シンデレラプロジェクトについて説明しますね。その後はーーーー」

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「以上で説明を終わらせていただきます。 なにか質問とかはございますか?」

 

 

「私は大丈夫です。兄さんはどう?」

 

 

「俺も大丈夫です」

 

 

あれから俺たちは注文したケーキなどを食べながら『シンデレラプロジェクト』について説明を聞いた。

 

 

 

説明を聞いてる途中にかな子が俺のケーキをつまみ食いしようとしてきたりしたが、特に問題もなく話を聞くことができた。

 

 

まぁ、かな子が頼んだケーキが少し無くなってしまい、かな子が悔しそうにしてたが気にしない。

 

 

うん、とっても美味しかったよケーキ。

 

 

「では、私はこの辺で失礼します」

 

 

説明を終えた後、プロデューサーさんはまだ仕事があるのでと言い、カフェを出て行ってしまった。

 

 

「ふう、まあシンデレラプロジェクトがまともそうで安心したよ。 それにプロデューサーさんも良い人そうだ」

 

 

「うん、でもまだちょっと怖いかも……」

 

 

「そこはおいおい慣れていくと思うよ」

 

 

「そうかな?」

 

 

「そうだよ。 あ、でもプロデューサーさん良い人そうでシンデレラプロジェクトもまともそうだけど、なにがあるか分からない。かな子が一人で辛いって思ったらちゃんと家族や仲間には頼るんだよ」

 

 

「うん分かった。 兄さんのことも頼りにしてるからね」

 

 

「おうよ!どんどん頼れ!」

 

 

「ふふ……じゃあ、そろそろお家帰ろっか。もう外も暗くなるよ」

 

 

「そうだね、もう帰ろうか」

 

 

俺たちは346カフェを出た後、家に向かって歩き始めた。

 

 

さて、かな子のアイドル人生はどうなるかな?

 

 

「あ、兄さん。 さっき私のケーキ食べた罰としてコンビニでお菓子買ってほしいな」

 

 

「え、あれはかな子が先にやろうとしたから……」

 

 

「買ってほしいな♪」

 

 

「……はい」

 

 

……お菓子の恨みは怖いな。

 




CPのメンバーといつ会えるのだろうか。
色々なアイドルと関われるようにしたいです。
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