三村かな子に双子の兄がいたら。   作:ラムネ色

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アニメ13話だけど、結構変わっています。


また、文字数も1万字近いです。


それでもいいなら是非読んでみてください。


アイドル達はフェスを頑張り、努力を実らせる。

「他にリハーサルで気づいたことある?」

 

 

「出ハケまだちょっとバタバタしてるかも」

 

 

「やっぱり人数多いからね」

 

 

「そうね。もうちょっと余裕を持って動きましょうか!」

 

 

美波さんが進行しながら話し合いが進む。

 

 

今日はフェス本番。俺はスタッフとして今回のフェスに参加している。

 

 

今居る場所はシンデレラプロジェクトの楽屋だ。

 

 

「他になにか気になったことある人いる?」

 

 

「やっほーみんな元気ー?」

 

 

話し合いの途中で楽屋に明るい声が響く。入ってきたのは城ヶ崎さん。城ヶ崎さんも今日のフェスに参加するアイドルの1人だ。

 

 

「今日は頑張ろうねー!!」

 

 

城ヶ崎さんの激励にみんな返事をする。

 

 

城ヶ崎さん、わざわざ様子を見に来てくれたのかな?

 

 

ニュージェネレーションズがバックダンサーをしたライブの時から思ってたけど、やっぱり良い先輩だな。

 

 

そんなことを思っていると、未央ちゃんが城ヶ崎さんに声を掛ける。

 

 

内容は前よりも一歩進んで見せる。その様子を見ていて欲しいという内容だった。

 

 

未央ちゃんの宣言に卯月ちゃんと凛ちゃんが頷く。

 

 

その後ろ姿からはやる気が満ち溢れてるように見えた。

 

 

「一歩じゃアタシ分かんないかもね〜♪」

 

 

「えぇ!? そんな〜!」

 

 

未央ちゃんが机に顔を伏せる。それを見て城ヶ崎さんは嬉しそうに笑った。

 

 

城ヶ崎さん、さっきの未央ちゃんの発言聞いた時、少し目が潤んだように見えたな。

 

 

……あのライブで未央ちゃんの挫折見たから、さっきの発言が嬉しかったのかもしれないな。

 

 

「美波ちゃんまだ練習する時間ある?」

 

 

「全体曲の練習?」

 

 

「うん!!」

 

 

「待ってね。私も付き合うわ」

 

 

みりあちゃんが美波さんに声を掛ける。ホワイトボードに全体曲の立ち位置注意って書いてあるから、確認するのかな?

 

 

「先に出ハケのことを連絡してきたいんだけど……」

 

 

「あ、ならそれ私がするよー!!」

 

 

さっきまで机に顔を伏せていた未央ちゃんが顔をあげる。

 

 

それを見て、美波さんは未央ちゃんに連絡を頼んだ。

 

 

話には聞いてたけど、リーダーの美波さんをサポートしてるな。

 

 

それに、今まで以上にみんな手を取り合って頑張っているように見える。

 

 

合宿の成果なのかな?

 

 

「では陸さん。 私達もそろそろ準備をしましょう」

 

 

「はい!!」

 

 

プロデューサーさんに声を掛けられ、楽屋を出る。

 

 

さて、俺もスタッフとして頑張りますか!!

 

 

俺は気合いを入れながらプロデューサーさんの後についていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「すごいね……」

 

 

「緊張してきたぁ……」

 

 

「2人とも大丈夫? お水飲む? 取ってこようか?」

 

 

「いえ、大丈夫ですよ美波さん! ねっ智絵里ちゃん!」

 

 

「は、はいい……みんなカエルさん、みんなカエルさん……大丈夫大丈夫」

 

 

「本当に大丈夫? なにかあったら言ってね?」

 

 

「「はい!!」」

 

 

「ちょっと暑いですね……」

 

 

「〇〇……ウヅキ、スタッフさんに言ってきましょうか?」

 

 

「いえ、大丈夫です! それにどうしても暑かったら自分でスタッフさんに言いますね!!」

 

 

「そうそう!! だからアーニャ気にしないで!!」

 

 

「……むしろなにかすることある? あるなら私手伝うけど……」

 

 

「〇〇……いえ、大丈夫です。 ウヅキ、ミオ、リン、ありがとうございます」

 

 

「いいよいいよ気にしないで!! 今日のフェス3人とも頑張ろうね!!」

 

 

「「「はい!(うん)」」」

 

 

準備をしながら周りを見ると、みんな各々自由に過ごしている。

 

 

でも、やっぱりキャリアの差があるのか、シンデレラプロジェクト以外のアイドルは髪をスタッフさんに綺麗にしてもらったり、お話をしている様子から余裕があるように見えるな。

 

 

まぁ、シンデレラプロジェクトのみんなも余裕はないけど、凄く追い込まれてる様には見えないから程よく緊張してるのかな?

 

 

「はーいみんな集まって!!」

 

 

機材を移動させながらみんなを見ていると、川島さんがみんなを集める。

 

 

そして、川島さんのありがたい言葉を聞いた後、円陣を組んで高垣さんが掛け声をかけた。

 

 

ギャグを入れた掛け声。みんなそれに戸惑っていた。

 

 

….…安部さんから聞いてたけど、本当に高垣さんはギャグが好きなんだな。

 

 

「ふふ……では改めて美城プロサマーアイドルフェス、みんなで頑張りましょう!!」

 

 

高垣さんの新しい掛け声にみんな声を張り上げる。

 

 

その様子を見て、スタッフさんも更に張り切っている様に見えた。

 

 

なんかいいな……みんなでやってる一体感があるというか……。

 

 

こんな感じ生まれて初めてだ。

 

 

「陸さん、その機材を運んだらみなさんと一緒に一旦楽屋に戻ってもらえますか? 私はまだここを離れることができないので」

 

 

「分かりました。 他にもなにかすることありますか?」

 

 

「いえ、今はみなさんと一緒にいて下さい」

 

 

「分かりました!! シンデレラプロジェクトのみんな!! そろそろ始まるから俺達は楽屋に一旦戻ろう!!」

 

 

俺がそう言うと、みんなゾロゾロと楽屋に戻って行く。

 

 

ふぅ……俺がアイドルとして出るわけじゃないけど、なんか緊張してきたな。

 

 

でも、みんな俺の緊張の比じゃないだろうから、少しでも緊張を和らぐことができるといいな。

 

 

そんなことを思いながら俺は機材を運ぶ。

 

 

あ、この機材重たいな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

♪〜♪♪♪♪〜♪〜♪♪

 

 

「始まったよ!!」

 

 

テレビから『お願い!シンデレラ!』を歌うアイドル達が映される。

 

 

フェスが始まったな。

 

 

「カエルさん……カエルさん」

 

 

みんなと一緒にテレビを見ていると、智絵里ちゃんの緊張がピークに達したのか、目を瞑りながら胸の前で手を握り、カエルさんと呟いていた。

 

 

それを見て不安そうな顔を見せるアーニャちゃんとかな子。

 

 

ちょっと声かけた方がいいかも。

 

 

「智絵里ちゃん、声出しに行く? もう少し時間あるから」

 

 

俺が智絵里ちゃんの方に向かおうとすると、美波さんが声を掛けた。

 

 

美波さんと智絵里ちゃんが会話をする。

 

 

どうやら、少しだけ声出しをすることになったみたいだ。

 

 

「じゃあ私達ちょっと声出ししてくるから、陸くんみんなを見てもらえる?」

 

 

「分かりました。 怪我とか事故に気をつけて下さいね!!」

 

 

「ふふっ。 分かったわありがとう!」

 

 

そう言って、智絵里ちゃん、かな子、アーニャちゃんと一緒に楽屋を出て行く美波さん。

 

 

うん。 みんな緊張とかはしてるみたいだけど、体調が悪そうな子はいないみたいだな。

 

 

でも、無理してる可能性もあるから気は抜けないかも。

 

 

「みんなちょっと聞いてー!」

 

 

俺が声を張り上げるとみんなこっちを向く。俺がプロデューサーさんの所に用事があるから向かうと言うと、みんな行ってらっしゃいと言ってくれた。

 

 

楽屋を出てプロデューサーさんのところに向かう。

 

 

プロデューサーさんはスタッフさんと話していたが、俺の存在に気づくとこちらに来てくれた。

 

 

「なにかありましたか陸さん?」

 

 

「ちょっと智絵里ちゃんが緊張気味だったので、美波さんとアーニャちゃん、かな子が声出しをしに楽屋を出ました。その報告がしたくてここに来ました」

 

 

「そうですか……緒方さんは大丈夫ですか?」

 

 

「それはまだ分かりませんが、美波さん達が一緒にいるので大丈夫だと思いますよ」

 

 

「そうですか……」

 

 

そう言うと、プロデューサーさんは少し考える素振りを見せる。どうしたのかな?

 

 

「私が合宿の時、新田さんに纏め役をお願いしたのを陸さんは知っていますか?」

 

 

「はい。 かな子から聞いてますよ」

 

 

それがどうしたんだろう?

 

 

「……私は陸さん達が天体観測をした日まで、新田さんが悩んでいることに気付いていませんでした」

 

 

「美波さんの悩み……?」

 

 

「はい。 本田さんなどの件です。 あの日、新田さんは陸さんとアナスタシアさんのおかげで助かったと言っていました」

 

 

もしかして美波さんが色々気負って弱気になっていたやつかな?

 

 

「私は新田さんの悩みに気付いていませんでした。 なので、合宿の時、新田さんに纏め役をお願いしていいのか悩みました」

 

 

「…………」

 

 

「でも、新田さんは纏め役を引き受けてくれました。 合宿では本田さんやアナスタシアさんと協力して、皆さんを支えてくれました。 今回のフェスでも、纏め役としてステージのリーダーも引き受けてくれました」

 

 

「そうだったんですか」

 

 

「はい……私は皆さんに迷惑をかけたりしています。 でも、みなさんと一緒に成長している、成長することができると思いました。 そう思えたのはアイドルのみなさんや陸さん、色々な方のおかげです」

 

 

そう言うプロデューサーさんの顔は、いつもより柔らかい気がする。

 

 

「なので陸さんありがとうございます。 私がみなさんと仲良くなれたり、このような考えを持てたのは陸さんのおかげです……私は、陸さんと出会えて本当に良かったです」

 

 

……プロデューサーさんはこう言ってくれるけど、お礼を言うのも出会えて良かったと思ったのは俺もなんだよなぁ。

 

 

「俺もプロデューサーさんと出会えて良かったです。 かな子があんなに楽しそうにアイドルをやっている姿や、みんなと仲良くなれたのはプロデューサーさんのおかげです……こちらこそありがとうございます……!!」

 

 

俺はプロデューサーさんに頭を下げる。お互い頭を相手に下げているので、周りから見たら変な光景に見えるだろうな。

 

 

「……まだ終わっていないのになんか終わったみたいな感じになってしまいましたね」

 

 

「そうですね……」

 

 

プロデューサーさんは色々恥ずかしかったのかそっぽを向いている。まあ、それは俺もなんだけどね。

 

 

「……そろそろ皆さんの出番なので、楽屋に戻りましょうか」

 

 

「プロデューサーさんもう戻っていいんですか?」

 

 

「はい。 ちょうど打ち合わせが終わった所に陸さんがいらっしゃったので」

 

 

「そうだったんですか。 なら戻りましょうか」

 

 

俺とプロデューサーさんは楽屋へと戻る。途中で美波さん達と合流したので、みんなで楽屋に戻った。

 

 

智絵里ちゃん声出しのおかげで緊張のピークが過ぎたのか、落ち着いていたな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「時間です。 みなさん、準備はいいですか?」

 

 

「「「「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」」」」

 

 

「それでは神崎さんよろしくお願いします」

 

 

「はい……!!」

 

 

ついにシンデレラプロジェクトの番になった。トップバッターは蘭子ちゃん。

 

 

みんな蘭子ちゃんに気合いを送っている。

 

 

「蘭子ちゃんファイトだよ!!」

 

 

「うむ!! そこでしかと見ているがいい、お菓子の妖精の血縁者よ!!」

 

 

俺が蘭子ちゃんに声を掛けると、元気な声が返ってくる。いつもより声に張りがある気がするな。

 

 

「……陸さん私ね、合宿の時、3人でスペシャルトレーニングをしたんです」

 

 

「そうなの?」

 

 

蘭子ちゃんが普通に話しかけてくる。

 

 

そう言えば、かな子が合宿でスペシャルトレーニングしたって言ってたな。

 

 

「その時に私、誰かと一緒になにかをするのって……凄くドキドキしたんです」

 

 

「……そっか」

 

 

「私今まで1人だったから、あの時誰かと一緒にやってみたいなって思うようになったんです……私、アイドルになって新たな目標ができたかもしれません」

 

 

そう言って蘭子ちゃんは笑った。プロデューサーさんがよく言う、良い笑顔だった。

 

 

「だから私、新たな目標のためにまだまだアイドル頑張ろうと思うんです。だから、私頑張りますね!!」

 

 

そう言って蘭子ちゃんはステージへと向かう。蘭子ちゃんの背中に生えている白と黒の羽がいつもより大きく、羽ばたいてるように俺には見えた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「次はラブライカの出番です!! 準備は大丈夫ですかー!?」

 

 

蘭子ちゃんのライブは絶賛大盛況だ。トップバッターとして、最高の出だしをしてくれたと思う。

 

 

次はラブライカの出番だ。この良い流れに乗って頑張れ!!

 

 

「2人ともファイト!!」

 

 

俺は衣装チェックなどをしているラブライカの2人に声を掛ける。

 

 

すると、2人ともこちらに顔を向けた。

 

 

「うん。頑張るわ!」

 

 

「〇〇……応援よろしく、です」

 

 

「はい!!」

 

 

俺が返事をすると、美波さんがこっちに歩いて来る。どうしたんだろう?

 

 

「陸くん、ありがとうね」

 

 

近付いてきた美波さんが耳元で囁く。なんかくすぐったいな。

 

 

「なにがですか?」

 

 

「あの天体観測の日のことよ。あの日から私、考え方とかが広くなったと言うか、人に頼ることができるようになった気がするわ。 これも陸くんやアーニャちゃんのおかげよ」

 

 

「そう言ってもらえて嬉しいですよ」

 

 

「もしあの日から変わってなかったら、1人で気負ってこのフェスに出れなかった未来もあったかもしれない。 だから、本当に感謝してるわ」

 

 

確かにそういう未来があったかもしれない。ちょっとしたことで未来は変わると思う。あの日、もし美波さん達と天体観測をしなかったら、このフェスは今とは別の感じになってたかもしれないな。

 

 

「俺も美波さん達のおかげで色々成長できてますよ。だから、お互い様ですね」

 

 

俺が笑いながらそう言うと、美波さんも笑った。それを見てアーニャちゃんが不思議な顔をしていた。

 

 

「〇〇……ミナミ、そろそろ出番です」

 

 

「分かったわアーニャちゃん」

 

 

「〇〇……リク、応援よろしくです!」

 

 

「うん!! 2人とも頑張って!!」

 

 

俺は2人にグットポーズをする。

 

 

すると、2人ともグットポーズを返してくれた。

 

 

2人は階段を登っていく。2人の手は強く繋がっていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ザァーザァーザァーザァー

 

 

「陸さんはお客様の誘導をお願いします!!」

 

 

「分かりました!!」

 

 

ラブライカのライブも蘭子ちゃんと同様大盛況だった。このままの流れで次のニュージェネレーションズにバトンを繋げて欲しいと思った矢先、雨が降り始めた。

 

 

雷も落ちて停電してしまい、今はライブができる状態ではない。

 

 

お客様も雨を防ぐために、建物の中に入ってしまった。

 

 

「傘は閉じて前の人を押さないで下さーい!! 具合が悪くなったらお近くのスタッフに声をおかけ下さーい!!」

 

 

俺はスピーカーを使ってお客様に声を掛ける。

 

 

やっぱり雨の影響でさっきよりお客様少ない気がするな。

 

 

俺はそんなことを思いながら声を張り上げ、誘導していく。

 

 

すると、雨は少しずつ弱り、再開できる目処が立った。

 

 

これならまだライブ続けられるな。

 

 

「みなさん初めましてー!!」

 

 

「「「ニュージェネレーションズです!!」」」

 

 

「待ってくれていたみなさん、ありがとうございます!!」

 

 

「雨、大変だけど、盛り上がるように頑張ります!!」

 

 

そう言って出てきたのはニュージェネレーションズの3人。

 

 

3人が出てきたってことは、ライブ再開ってことか!!

 

 

「聞いてください!! ニュージェネレーションズで『できたてEvo! Revo! Generatinn!』です!!」

 

 

軽快な音楽と一緒に3人が踊り出す。前のライブとは比べられないぐらい良い笑顔を浮かべている。

 

 

「あれニュージェネじゃん!! 見に行こうよ!!」

 

 

「おっ!! 元気な娘達が出てきたなぁ」

 

 

そう言って、俺の近くにいたお客様がカッパを着てステージの方に向かう。

 

 

他にも少しずつだが、着々にお客様がステージに向かっているのが分かった。

 

 

おお……凄い!! 凄いぞ3人とも!!

 

 

「「「ありがとうございました!」」」

 

 

Fooooooooooo!!

 

 

良かったぞー!!

 

 

凄い凄い!!

 

 

ニュージェネレーションズの歌が終わると、お客様はサイリウムを振りながら3人に声を掛ける。

 

 

声の多くは賞賛の声だった。

 

 

凄いな3人とも!! 雨で中断という非常事態だったのに、お客様の心をガッチリ掴んだぞ!!

 

 

これで前のライブのリベンジもできたし、城ヶ崎さんにも一歩進んだ姿を見てもらえたんじゃないかな?

 

 

「次はキャンディーアイランドだなプログラム的には」

 

 

「楽しみー!!」

 

 

俺が心の中で喜んでいると、お客様の声が聞こえる。

 

 

そういえば次はキャンディーアイランドだったな。早く戻らないと!!

 

 

俺は近くにいたスタッフさんに断りを入れて、みんなのところに向かった。

 

 

着いた頃には、キャンディーアイランドの曲が半分ぐらい終わっていたが、まだ残り半分あった。

 

 

俺は近くで3人の歌声と踊りを見る。

 

 

杏ちゃんは楽しそうに笑っているし、智絵里ちゃんはさっきまでの緊張していた顔が嘘みたいに、晴れやかな顔をしていた。

 

 

そして、俺の妹であるかな子。

 

 

かな子もみんなと嬉しそうに笑いながら歌い、踊っていた。

 

 

その姿を見て俺は思った。

 

 

俺の妹はアイドルで、こんなに可愛らしく歌って踊れる、凄いアイドルなんだぞと。

 

 

「「「ありがとうございましたー!!」」」

 

 

俺が3人を目に焼き付けていると、キャンディーアイランドの番が終わる。

 

 

さて、次は凸レーションだな。

 

 

「あ、陸くんだー!!」

 

 

「だー!!」

 

 

「次はきらり達の番だにぃ!!」

 

 

後ろから凸レーションの3人に声を掛けられる。

 

 

3人とも元気いっぱいだ。

 

 

「みんな頑張ってるし、お姉ちゃんも見てるかね!! あたしも頑張るよ!!」

 

 

「私もファンのみんなと楽しむよー!!」

 

 

「みんなでハピハピするにぃ〜!!」

 

 

「そっか。 なら俺のことも楽しませてくれるよね?」

 

 

俺がちょっと挑発気味に笑いながら言うと、3人が顔を見合わせる。

 

 

そして、眩しいほどの笑顔でこう言った。

 

 

「「「当たり前だよ!!」」」

 

 

それを見て俺も笑う。本当に3人とも元気だな。

 

 

「じゃあ行ってくるね〜!!」

 

 

「私も〜!!」

 

 

「また後でね〜!!」

 

 

3人はステージに向かって走っていく。 3人の後ろ姿はとても楽しそうだった。

 

 

「兄さんただいま!!」

 

 

「疲れたけどすごく良かったです!!」

 

 

「あ〜まだ全体曲があるのかぁ……でもまぁ、悪くないかなぁ」

 

 

凸レーションの3人を見送ると、入れ替えでキャンディーアイランドの3人が帰ってくる。

 

 

みんな楽しそうだ。

 

 

「お疲れ様。 可愛くてこっちも楽しい気持ちになったよ」

 

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

 

「陸がそう思うなら、ファンのみんなもそう思ってくれてるかもね」

 

 

「兄さん私楽しかったよ!!アイドルって凄いよ!!」

 

 

おお……3人ともテンション高いな。

 

 

でも、しょうがないか。こんな大舞台で成功したんだから。

 

 

「これからきっと更に忙しくなると思うよ。みんな人気出るだろうしね」

 

 

「うえ〜ドンドン仕事が増えていく〜」

 

 

杏ちゃんが俺の言葉を聞いて、ぐったりする。

 

 

でも、その顔は嫌そうには見えなかった。

 

 

「これから色々なところに行って、見て、感じることができるんだ……」

 

 

智絵里ちゃんが少しだけ顔を伏せる。 声が少し震えていたけど、顔を見るとなぜ声が震えているのかがよく分かった。

 

 

「兄さん、私前から思ってたけどアイドルやっていて良かった!! みんなに出会えて良かった……私幸せだよ!!」

 

 

かな子が目尻に涙を貯めながら言う。

 

 

……かな子はアイドルになって変わった。

 

 

感情豊かになってきたし、引っ込み思案だった性格も少しずつ変わってきた。

 

 

笑顔にも魅力が溢れ、イキイキするようになったな。

 

 

「俺もかな子と一緒だ。 みんなと出会えて良かった……かな子がアイドルになって俺も幸せだよ!!」

 

 

俺達兄妹は笑う。この時間を共有できていることに嬉しさを感じた。

 

 

「さて、3人ともそろそろ着替えないと風邪ひいちゃうかもだし、全体曲にも間に合わなくなるよ。 早く着替えないとね」

 

 

俺がそう言うと、3人は急いで更衣室に向かった。

 

 

後残るのはアスタリスクと全体曲だな。

 

 

アスタリスクは終わったらすぐに全体曲だから、ちょっと慌ただしいけど頑張ってもらわないと。

 

 

そんなことを思いながら凸レーションのライブを見る。

 

 

さて、フェスも終わりに近い。 みんなのために頑張るぞ!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「「「みんなありがとう!!」」」

 

 

凸レーションの番が終わった。次はアスタリスクだ。

 

 

「2人とも準備はいい?」

 

 

「当たり前にゃ!!」

 

 

「最後ら辺に歌うなんてロックでしょ!!」

 

 

俺が声を掛けると、2人とも気合い充分だった。

 

 

いつもは喧嘩してることが多いけど、ライブの時は仲が良いな。

 

 

2人とも特に自分の信念を持っているから、気が合うのかもしれない。

 

 

「ユニットでの最後だよ。大トリだ!! カッコ良いとこ見せてな!!」

 

 

俺が激励すると2人は歯を見せながら笑う。

 

 

うん。 良い笑顔だ。

 

 

「陸チャンは安心して見ているといいニャ!!」

 

 

「私達の音楽に酔うなよー!!」

 

 

2人はそう言って、駆け足でステージへと向かう。

 

 

みくちゃんと李衣菜ちゃんはグータッチをして、勢いよくステージに出た。

 

 

音楽が流れて2人が歌い、踊る。

 

 

みくちゃんの尻尾は可愛くて揺れ、李衣菜ちゃんの青い猫耳ヘッドホンも光を浴びて輝いていた。

 

 

「陸さん。 次は全体曲なのでお手伝いをお願いしていいですか?」

 

 

2人のライブを見ていると、さっきまでアイドルに話しかけたり、部長とテレビからライブの様子を見ていたプロデューサーさんが声を掛けてきた。

 

 

「分かりました! なにをすればいいですか?」

 

 

「タオルと飲み物を少しと、後はこの機材を持って来てください!!」

 

 

「分かりました!」

 

 

俺はプロデューサーさんに言われた物を持って行く。

 

 

さて、後少しで全体曲だ。

 

 

どんな歌を歌うのか楽しみだな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「掛け声は?」

 

 

「ファイト!! オー!!じゃないかなぁ?」

 

 

「よし、それでいこう!」

 

 

アスタリスクの番が終わり、残るのは全体曲。

 

 

今は城ヶ崎さんがMCをしてくれている。

 

 

今ここにいるのはシンデレラプロジェクトのみんなとプロデューサーさん、部長さん、千川さん、俺だ。

 

 

「じゃあみなみん掛け声よろしくね!!」

 

 

未央ちゃんが美波さんに声を掛ける。

 

 

美波さんは一旦目を瞑ると、みんなに話し始めた。

 

 

「みんなが協力しあって今、最高のライブができてます!! これもみんなのおかげです……みんなありがとう!!」

 

 

そう言うと、みんな顔を見合わせる。

 

 

すると、みんなが笑い始めた。

 

 

聞こえてくるのは、美波さんかたいよーとかプロデューサーみたいという声。

 

 

それを聞いた美波さんはちょっとポカーンとした顔を見せたけど、時間が経つと少し照れ臭そうに笑った。

 

 

それを見てプロデューサーさん、千川さん、部長さんも笑った。

 

 

良い雰囲気だな。

 

 

「ふぅ……それじゃあみんな!!」

 

 

みんなが笑い終わると、美波さんがキリッとした顔で話し始める。

 

 

それを真剣な表情で聞くみんな。

 

 

「精一杯やりましょう!!…………シンデレラプロジェクト!!!!」

 

 

カンッ!

 

 

みんなが履いているヒールの音が重なり、響く。

 

 

そして、それに続いたみんなの声が周りに響いた。

 

 

「「「「「「「「「「「「「「ファイトぉぉぉ……オーーーーー!!」」」」」」」」」」」」」」

 

 

 

みんなが手を繋いで、空に向けて手を掲げる。

 

 

……みんなの全体曲『GOIN’!!!』が始まる!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……あっという間だったなぁ」

 

 

「なんだかフワフワして夢みたい……」

 

 

「うん……」

 

 

「みなさん」

 

 

「あ、プロデューサー!!」

 

 

みんなの全体曲は無事終わり、フェスも終了した。

 

 

お客様も帰り、シンデレラプロジェクトのみんなもラフな格好をしている。

 

 

……あのライブ中のサイリウムの波は、一生忘れることができないだろうなぁ。

 

 

「なーにそれ?」

 

 

「みなさんへのファンレターです。それと会場で配布していたアンケートです」

 

 

きらりちゃんがプロデューサーさんと俺の持っているダンボールに興味を示す。

 

 

プロデューサーさんが言った言葉に、みんな驚きの声をあげた。

 

 

みくちゃんがファンレターと呟くと、卯月ちゃんがアイドルみたいですねと言う。

 

 

いや、卯月ちゃんアイドルでしょ?

 

 

俺が心の中でツッコミを入れると、みんな笑い始める。

 

 

そして卯月ちゃんに向かってみんながアイドルだよっ!!っとツッコミを入れた。

 

 

その後はそれぞれみんなファンレターやアンケートを見た。

 

 

途中で未央ちゃんが泣きながらプロデューサーさんと話していたからなにがあったのかと思ったけど、どうやらアンケートに嬉しいことが書いてあったらしい。

 

 

未央ちゃんの『アイドルやめなくて良かった!!』という言葉を聞いた瞬間、俺はとてつもなく嬉しい気持ちになった。

 

 

プロデューサーさんも俺と一緒だったのか、『良い笑顔でした』と言って小さく微笑んだ。

 

 

凛ちゃんもプロデューサーさんと話した時に、楽しかったと思うって言ったらしい。

 

 

片付けを手伝っていると、プロデューサーさんが嬉しそうに俺に話してくれた。

 

 

「なんか夢みたいですね……」

 

 

片付けをしていると、卯月ちゃんが少し惚けた感じで言った言葉が聞こえた。

 

 

「でも、夢じゃないんだね……!!」

 

 

凛ちゃんが確かめるように言う。

 

 

「うん。 今度こそーーー」

 

 

未央ちゃんが嬉しそうに声をあげる。

 

 

そしてーーーー

 

 

「「「「「「「「「「「「「「夢じゃない!!!!」」」」」」」」」」」」」」

 

 

ーーーーみんなの声が重なり、星空に響いた。

 

 

星空は爛々と煌めいて、とても綺麗だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。13話が終わりアニメ一期分が終わりました。


読んで分かったと思いますが、アニメとは違った感じになっています。


陸くんという存在でアニメとは違った関係性ができていたり、親密度になっているので、こんな展開ももしかしたらあったのかもしれないなと思いながら描きました。


とりあえず書きながらアニメ凄いなと思いましたね。


さて、次は二期に入るのですが、その前にオリジナル話を数話書こうと思います。


とりあえず決めているのが
①アイドル達がどんなファンレターやアンケートを貰ったのかという話。
②陸くんとかな子の話。
③ラブランコの話。
です。


アニメとは違ってラブランコが出なかったので、オリジナル話で書いてみようと思います。


やっと折り返し?地点に入りましたが、これからも読んでもらえると嬉しいです。


それではまた。



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