お待たせしました。ラブランコ回です。
よかったら見てください。
「シンデレラプロジェクト、ランダムユニットですか?」
「はい。現在企画中です」
ある日の昼下がり。俺とプロデューサーさんはご飯を一緒に食べた後、廊下を歩いていた。
すると、プロデューサーさんが手に持っていた資料を俺に見せ、ある企画を教えてくれた。
それがシンデレラプロジェクト、ランダムユニットだ。
どうやらある番組で1ユニットだけ、その日限定ユニットとして活動するらしい。
今のところプロデューサーさんの中での候補は3つ。
1つは杏ちゃんときらりちゃんのユニット。
次に卯月ちゃんとかな子のユニット。
最後が蘭子ちゃんとアーニャちゃんのユニットだ。
アイドル同士の相性、曲とのイメージを合わせた結果、アイドル一人ひとりのスケジュールの関係を考慮した結果、この3組が候補になったらしい。
「陸さんはどう思いますか?」
「どうとは?」
「いえ、この3組の候補について陸さんはどう思うのか気になりまして」
うーん……正直どの組も見てみたい。
普段から仲が良く、なんだかんだ相性が良い杏ちゃんときらりちゃん。
正統派アイドルみたいな可愛さを持つ卯月ちゃんとかな子。それに、兄としてはもっとテレビで見たい気持ちがある。
同じ寮に住んでいて仲が良く、合宿でも一緒に行動していた。それに銀色な綺麗な髪をしていて目を惹きやすいアーニャちゃんと蘭子ちゃん。
……やっぱり3組とも見てみたいな。
「みんな見てみたいですね」
俺が正直に答えると、プロデューサーさんも私もですと答えた。
やっぱりプロデューサーさんも見たいんだな。
「でも、俺たちが見たくても実際にするのはアイドルであるみんななんで、みんなの意見聞かないといけないですね」
「そうですね」
俺たちはそんなことを話していると、いつの間にかみんながいつもいる部屋の前まで来ていた。
「今の時間帯、誰が部屋にいますかね?」
「今はみなさんいらっしゃると思います」
「なら、ちょうど良い機会ですね」
俺は部屋をノックする。
すると中からどうぞーという元気な声が聞こえてきた。
この声は未央ちゃんとみりあちゃんかな?
「お疲れ様です」
「陸とプロデューサーお疲れ様」
「な、なにか飲みますか……?」
部屋に入るとみんな各々好きなことをしていた。
杏ちゃんは昼寝してて、それを見ながら捲れてる服を直しているきらりちゃん。
みりあちゃんと莉嘉ちゃんに囲まれて話している美波さん。
智絵里ちゃんの携帯を覗き込んで目をキラキラさせているみくちゃんとアーニャちゃん。
かな子とお菓子を食べながらおしゃべりしてる未央ちゃんと蘭子ちゃん。
李衣菜ちゃんが音楽プレーヤーを弄り、李衣菜ちゃんのオススメ曲を聴いているのであろう卯月ちゃんと凛ちゃん。
みんな楽しそうだ。
「渋谷さんお疲れ様です。 緒方さん、お気遣いは嬉しいのですが、先程陸さんとご飯を食べてきたばかりなので大丈夫です」
「わかりました」
「また機会がありましたらお願いします」
「はい!」
智絵里ちゃん、プロデューサーさんと話すとき笑顔が増えてきたな。プロデューサーさんも以前に比べると雰囲気が柔らかい。
「陸さんはどうしますか?」
「俺も遠慮しようかな」
「わかりました」
俺も機会あったら智絵里ちゃんにお願いしようかな。
「それではみなさん。 お話がありますので私の近くまで来てくれますか?」
プロデューサーさんがみんなに声を掛ける。
するとみんな動きをやめてこっちにゾロゾロと集まって来た。
「プロデューサーお話ってなーに?」
「きっとお仕事の話にゃ!」
「はい。前川さんの言う通りです」
「やっぱりにゃ!」
「それってみんなでやるお仕事ですか?」
「みなさんでやるお仕事ではないですが、みなさんに少しは関係があります」
「えーどういうこと?」
「莉嘉ちゃん。多分今からプロデューサーさんが話してくれるから聞きましょう」
「わかったー!!」
美波さんが莉嘉ちゃんにそう言うと、少しソワソワしていたみんなが落ち着く。
それを見てプロデューサーさんはシンデレラプロジェクト、ランダムユニットについて説明を始めた。
出れるユニットは1つ、プロデューサーさんが考えたユニット候補と理由を説明するとみんな色々な反応があった。
特に反応が凄かったのはみりあちゃん、莉嘉ちゃん、蘭子ちゃんの3人。
みりあちゃんと莉嘉ちゃんは面白そう!私もやってみたい!って感じで、蘭子ちゃんはやらせてほしいって感じだった。
「神崎さんの意思は分かりました。 他の皆さんはどうですか?」
プロデューサーさんがみんなに聞く。
するとみんな蘭子ちゃんがやりたいなら蘭子ちゃんにやらせてあげたいと言った。
蘭子ちゃん、フェスの時に誰かと一緒になにかをするの凄くドキドキしたって言ってたもんな。
できる機会があるならしたいのは当然だよね。
そんなことを思っていると、ランダムユニットとしてアーニャちゃんと蘭子ちゃんがテレビに出ることが決まった。
みんな2人に頑張って! 期待してるよ!と声を掛ける。
さて、俺も2人が成功する、なおかつ楽しく活動できるようにできることはしようかな。
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「神崎! そこのステップが少し遅い! アナスタシアは腕が下がってきてるぞ!」
アーニャちゃんと蘭子ちゃん、ラブランコが結成されてから数日が経った。
普段の仕事の合間で練習しているから、練習時間はいつもと比べたらあまりとれないのが現状だ。
しかし、レッスンは順調に進んでいる。
蘭子ちゃんはラブライカの2人を身近で見ていたから振り付けなどがよく分かるし、寮生組の2人なので寮でもよく練習をしているらしい。
住んでるとこが一緒、身近で見てきたからこそできることだよな。
「よし! 2人とも今日はここでおしまいだ! よく頑張ったな!」
「「あ、ありがとう……ございました!!」」
そんなことを思っていると、今日のレッスンが終わる。
今日もトレーナーさん厳しかったな。
蘭子ちゃんもアーニャちゃんも汗だくだ。
「お疲れ様2人とも。 これスポーツドリンクどうぞ」
そう言って渡すと、2人ともスポーツドリンクをすぐに飲む。
まだまだ暑いもんな。
「あ、ありがとう」
「○○……ありがとう、ございマス。とてもおいしいです」
「どういたしまして」
あ、ドリンクだけじゃなくてタオルも渡さないと。
俺はカバンの中からタオルを2枚出す。
すると、荷物を片付けたトレーナーさんが俺たちの方に顔を向けた。
「私はまだ他のアイドルのレッスンがあるからお先に失礼させてもらうよ。 2人ともしっかりストレッチをして身体を休めるようにな。無茶な特訓はダメだぞ」
そう言うとトレーナーさんはレッスンルームを出て行った。
やっぱりトレーナーさんも忙しそうだな。
「○○……ランコ、ストレッチしましょう」
「う、うん」
2人は立ち上がってストレッチを始める。
ゆっくり時間をかけてストレッチを行なう2人。
2人とも身体柔らかいなぁ……よし、俺もストレッチしよ。
3人でストレッチをする。
2人とも少しずつ元気が出てきたのか、ストレッチをする中で会話が増えてきた。
「◯◯……少しずつダンス、合ってくるようになりましたね」
「うむ……これも皆がサポートしてくれているおかげ」
「◯◯……みんなに感謝ですね」
「そうだね」
ラブランコが結成されてから、みんななにかとサポートしてくれている。
みくちゃんはよく寮で声をかけてくれるらしいし、ニュージェネの3人はお花とか生ハムメロン、フライドチキンをよく差し入れしてくれるらしい。
でも、1番サポートしてくれているのは美波さんだ。
美波さんがなぜスケジュール等が合わなかったのかは理由がある。
それは大学のテスト期間真っ最中だったからだ。
美波さんはアイドル活動をしながらでも成績は保てている。
でも、みんなアイドル以前に学生だ。
学生の本分は勉強。アイドル活動が忙しくて勉強できなかったからテストは駄目でした。
それでは駄目だとプロデューサーさんは考えている。
だから、どのアイドルでもテスト期間が近づくと勉強ができるようにプロデューサーさんが仕事を調整しているのだ。
中には親元から離れて活動しているアイドルもいる。
アイドル活動が忙しくて成績が落ちたとなると、親御さんに申し訳ないからプロデューサーさんの配慮は大切なことだと俺も思う。
実際、プロデューサーさんの配慮のおかげで、みんな成績はアイドルを始める前と比べてマイナスの方に影響は出ていない。
むしろ、勉強の時間が確保できた、しっかりアイドル活動をする為に集中して勉強した、分からないとこをみんなが教えてくれるおかげで成績が上がったという子もいるらしい。
美波さんも今回のテスト、前回より手応えあったって言ってたな。
「○○……ランコ、私このユニット成功させたいです」
「私もだよアーニャちゃん」
アーニャちゃんが蘭子ちゃんの目をしっかり見ながら言うと、蘭子ちゃんもはにかみながら言う。
「アーニャちゃんとユニット組めて嬉しい。 みんなが期待してくれていてドキドキするけどワクワクする……ソロだとできなかったからことや見えなかったこと、色々なことが新鮮で楽しくてビックリして……みんなの期待に応えたいし、私も頑張りたい!」
それを聞くとアーニャちゃんはキョトンとした後、クスッと笑う。
それを見た蘭子ちゃんがアワアワと慌てたけど、それを見てアーニャちゃんが更に面白そうに笑った。
そして、蘭子ちゃんを優しく見ながらアーニャちゃんがこう言った。
「◯◯……ランコ、とても可愛いくて輝いてる。 そんなアナタとユニットを組めて、ワタシは光栄です」
それを聞いた蘭子ちゃんは顔を真っ赤にして俯く。しかし、口元はユルユルで必死にニヤニヤしないようにしているのが丸わかりだ。
そんな蘭子ちゃんが可笑しくて可愛くて、気がついたら俺とアーニャちゃんは顔を見合わせて笑っていた。
ラブランコがテレビに出る日が更に待ち遠しくなったな。
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「私、今日のオススメケーキセットが食べたいな」
「私もかな子ちゃんと一緒のがいいです!」
「美波ちゃんと杏ちゃんはどうするにぃ?」
「私はコーヒーだけでいいわ」
「杏はジュースがいいなぁ。 きらりはどうするの?」
「きらりはこのパフェにするよ!」
「なら注文しますね!」
「残念。 もう店員は来てるんだよ卯月ちゃん」
「うわっ、陸来るの早くない?」
「ちょうどお客様のお皿片付けてたからね」
今日はランダムユニットの収録日。俺はバイトに勤しみ、卯月ちゃん、かな子、美波さん、杏ちゃん、きらりちゃんはカフェでお茶会をしている。
プロデューサーさんと蘭子ちゃん、アーニャちゃんは午前中にテレビ局へと向かって行った。
今頃収録している頃だろうな。
「蘭子ちゃんとアーニャちゃん大丈夫かなぁ」
「あの2人なら大丈夫よかな子ちゃん」
「あの2人がどれだけ頑張ったか杏達は見てるしね」
やっぱりみんな蘭子ちゃんとアーニャちゃんのことが気になってるのか。
「まぁ、ランダムユニットの話が出た時、杏は蘭子ちゃんとアーニャちゃんが適任だなあと思ったよ」
「あ、それ私もよ」
「私もです!」
「?? なんでそう思ったの?」
5人とも蘭子ちゃんとアーニャちゃんが適任だと思ったみたいだけどなんでなんだろ?
「だって蘭子ちゃんラブライカの2人の振り付けとかよく見てて、ある程度踊れるぐらいには元々なってたでしょ? なら、その時点で杏達よりアドバンテージあるじゃん」
「私たち、自分のユニットで手一杯でしたから、短い準備期間で他のユニットの振り付け覚えてテレビ出るのは難しいですよ」
「卯月ちゃんと同意見かな。 私もキャンディーアイランドだけで手一杯だよ」
「きらりもちょっと難しいかなーって。 それにやりたい子がいるならやらせてあげたいって思ったしね」
へぇ……みんなそんなこと思ってたんだ。
「私もあの候補なら蘭子ちゃんが1番適任だなって思ったわ。 でも、アーニャちゃんとラブランコとしてテレビに出る、メモリーズを歌うってことは嫉妬しちゃった」
「美波さん……」
「でも、今回2人から学べることは多かったわ。今まで気付けなかったことや新たに発見したことが何個もあった。 それはきっとこれからラブライカにとって大きな財産になると思うし、アーニャちゃんや私、勿論蘭子ちゃんにとっても大きな財産になると思うの。だから、今回のは良い勉強になったわ」
……カッコいいな美波さん。 そうやって考えれるってカッコいいし、俺も見習いたい。
「蘭子ちゃんとアーニャちゃんのユニット、ラブランコは大丈夫よ。 成功するわ」
そう言うと美波さんは微笑む。
……そうだよな。 きっと成功するよな。
俺がそう思っていると、美波さんが「ちょっと陸くんいーい?」と遠慮気味に俺に声を掛けてきた。
……どうしたんだろ?
「あの、ずっと話してた私達が悪いんだけど、そろそろ注文いいかな……?」
「……あっ」
そうだよ。俺、注文取りにこのテーブルに来たんだった。
……うわっ……よく見たら安部さんが早くしてくださいよって顔してる……。
俺は慌てて注文を取って厨房の方に戻る。
5人とも苦笑いをしてて、安部さんからはまったくもーとプリプリお説教されてしまった。
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後日、ラブランコ回がテレビで放送された。
評価は高く、ネットなどでは「二大天使キタコレ!」、「尊いんじゃ〜」など書かれていたらしい。
中には「ラブランコ(ver.美波)もやろう!」、「ラブライカ+蘭子をやろう!」、「逆に三人で衣装を揃えて蘭子ちゃんのソロ曲を歌おう!」などの書き込みがあった。
蘭子ちゃんとアーニャちゃんはとりあえずホッとしたみたいで嬉しそうに笑っていた。
プロデューサーさんは「ネットの方達の意見は参考になりますね……」と感心していた。
美波さんはラブランコ(ver美波)もやろう、3人でやろうと言われて嬉しかったみたいだ。
ただ、蘭子ちゃんのソロ曲を歌うなら、あの衣装私に似合うかしらと美波さんが呟いていた。
……あの衣装をきた美波さんか……。
……うん! 全然ありだな!!
後々、ラブランコ(ver美波)とかをしたのかは謎です。
4ヶ月お待たせしました。 これからはもっと早く更新できたらなと思います。
次はアニメ二期から始める予定です。
それではまた。