三村かな子に双子の兄がいたら。   作:ラムネ色

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アニメの5話です。


ちょっとオリジナル入ります。



バイトに行ったらバイト先が占拠されていました。

ザワザワ……ザワザワ……

 

 

「え、なにこの状況」

 

 

俺がバイト先に来たらなんかカフェ占拠されてるんだけど。

 

 

本当にどんな状況?

 

 

俺は後ろの方にいる安部さんに声を掛ける。

 

 

「あのー安部さん。 この状況は一体?」

 

 

「ナナにもなにがなんだ分からない状況です……」

 

 

そう言って困った顔をする安部さん。

 

 

このままだと営業するの難しいし、確かに困るな。

 

 

俺は今回の犯人と思われる人物を見る。

 

 

……あの後ろ姿は前川みくちゃんと城ヶ崎莉嘉ちゃん、杏ちゃんじゃないか!?

 

 

なんでこんなことしてんだ!?

 

 

「我々はー……なんだっけ?」

 

 

「週休8日を要求する!」

 

 

「勝手なこと言っちゃ駄目にゃ!」

 

 

……本当になにしてるんだ!?

 

 

なにが目的でカフェを占拠してるのか全く分からないよ!

 

 

分かるのは杏ちゃんの要求だけは違うってことぐらいだよ!

 

 

「またストライキしてる!?」

 

 

俺の耳にそんな声が聞こえたので、声が聞こえた方に顔を向けるとジャージを着た女の子が数人立っている。 近くにいるのはきらりちゃんと緒方智絵理ちゃん。

 

 

あれはシンデレラプロジェクトの子達か。

 

 

ってことは、かな子もいるのか?

 

 

「ナ、ナナちょっとあの子達に言ってきますね!」

 

 

「え、ちょっと待って下さい安部さん!」

 

 

俺が考えことをしていると、安部さんはこの状況を打破するために、ストライキしている三人に近づいて行く。

 

 

俺が声を掛けた時には既に遅く、もう安部さんが三人に話し掛けてしまっていた。

 

 

「あのー困るんですけど……」

 

 

「オーダーは?」

 

 

「ええっとアイスティーを一つ……」

 

 

「OK!」

 

 

そう言った後、前川さんはアイスティーを準備して安部さんに渡す。

 

 

いやいや安部さん。

 

 

助かりますって言ってる場合じゃないよ。 それでいいの? 状況をもっと考えてよ!

 

 

俺は注文を持っていく安部さんの背中に文句を言う。

 

 

駄目だ。 安部さんならきっと大丈夫だと思ったけどそんなことはなかった。

 

 

ここは俺が頑張らないと。

 

 

「あの〜ちょっと良いかな?」

 

 

「にゃ? オーダーはなんにゃ?」

 

 

「いや、オーダーはないんだけど……」

 

 

「あれ? 陸じゃん。 これからバイト?」

 

 

俺が前川さんさんと話していると杏ちゃんが俺に話し掛けてくる。

 

 

それに疑問符を浮かべる前川さんと城ヶ崎莉嘉ちゃん。

 

 

そりゃあ、友達が仲良さそうに話してたら知り合い?って思うよな。

 

 

「ん? ああ、二人は知らなかったね。 この人は三村陸。 かな子ちゃんのお兄ちゃんだよ」

 

 

「「かな子ちゃんのお兄ちゃん!?」」

 

 

「いつも妹がお世話になってます」

 

 

杏ちゃんが二人に俺を紹介すると、二人は驚いた顔を見せる。

 

 

そして交互に「かな子ちゃんに似てる!」「雰囲気がそっくりにゃ!」と言ってくる。

 

 

まあ兄妹ですから。

 

 

ってか、今はそれどころじゃない。

 

 

「あの〜このままだとお店回らないからストライキやめてほしいんだけど」

 

 

「えー駄目だよ! 私達はこのままじゃ終われないんだよ!」

 

 

「そうにゃそうにゃ!」

 

 

「杏は週休8日が通るまでは諦めないぞ!」

 

 

「それは違うにゃ!」

 

 

うーん……やめてくれないのか。どうしたものか……。

 

 

「お前達は完全に包囲されているー! 大人しく投降しろー!」

 

 

「しないもん!」

 

 

 

本田未央ちゃんが三人にそう言うが、城ヶ崎莉嘉ちゃんが否定する。

 

 

うーん……これはどうしたものか。

 

 

「美嘉姉泣いちゃうぞー!」

 

 

「ええ!? ならやめる!」

 

 

「「「ええええ!?」」」

 

 

解決方法を考えていると、本田未央ちゃんが続けて言った言葉に城ヶ崎莉嘉ちゃんはあっさり降伏した。

 

 

それに驚きを隠せない前川さんと杏ちゃんと俺。

 

 

本当にこの子達はなにがしたいんだ!?

 

 

「ちょ、ちょっと莉嘉ちゃん!?もう! 二人で頑張るにゃ!」

 

 

「我々の正義の為に!」

 

 

前川さんは城ヶ崎莉嘉ちゃんが抜けたことに狼狽えたが、直ぐに持ち直す。

 

 

そして、拡声器で自分の思いをぶち撒けた。

 

 

「みく達のデビューを約束して欲しいにゃ!」

 

 

……もしかして、なかなかデビューできないからストライキしたのか?

 

 

前川さんの背中を見ながら考える。

 

 

前川さんの姿には焦りや悔しさが滲み出てるような気がする。

 

 

今の発言だって必死さが伝わってきた。

 

 

……昨日かな子から島村卯月ちゃん、本田未央ちゃん、渋谷凛ちゃん、アナスタシアさん、新田美波さんがCDデビューすると聞いた。

 

 

島村卯月ちゃん、本田未央ちゃん、渋谷凛ちゃんが城ヶ崎美嘉のバックダンサーをすると決まった時、前川さんが抗議したのもかな子から聞いている。

 

 

かな子が言うには、前川さんはアイドル意識がすごい高いらしい。

 

 

同期が先に進んでいるから焦っているのか?

 

 

「ええ!? じゃあ杏はいいや。 降りるね」

 

 

「杏ちゃんまで降りるの!?」

 

 

……杏ちゃんだけなにがしたいのか本当に分からない。

 

 

城ヶ崎莉嘉ちゃんは前川さんと同じ理由でストライキしたのだろう。

 

 

なら、杏ちゃんはなにが目的でストライキしたんだ?

 

 

本当に週休8日を要求するためか?

 

 

……杏ちゃんちゃんならないと言えないのが怖い。

 

 

「みくちゃん〜もうやめよう。 みんな困ってるよ〜」

 

 

「プロデューサーさんにデビューのこと相談してみようよ!」

 

 

俺がそんなことを考えていると、きらりちゃんとかな子が前川さんに声を掛ける。

 

 

それを聞いた前川さんは少しずつ自分の気持ちをみんなに吐き出した。

 

 

内容は何度も相談したけど駄目だった、みく達も頑張っているのになんで駄目なのか、ドンドン置いてかれてほっとかれて、このままじゃ嫌だ、アイドルになりたい、デビューしたいという内容だった。

 

 

言葉の一つ一つに前川さんの強い想いが籠っているのが分かる。

 

 

……かな子から話を聞いているとはいえ、俺は部外者で詳しい話までは知らない。

 

 

ここで俺がそれっぽいことを言っても、きっと逆効果だ。

 

 

ストライキを止めたいけど、俺の言葉じゃこのストライキを止めることはできない。

 

 

だからーー

 

 

「すみません、前川さん!」

 

 

ーープロデューサーさん、貴方にお願いします。 貴方の言葉で、前川さん達をとめてください。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「本当にすいませんでした!」」」

 

 

あの後、プロデューサーさんがみんなのデビューをちゃんと考えていると伝えた。

 

 

まだ決定じゃなかったから話せなかったみたいだ。

 

 

それを聞いた前川さんは腰を抜かしたのか、その場に座り込んだ。

 

 

その後はあれよあれよと進んでいき、騒ぎは収束していった。

 

 

今はストライキを起こした三人とプロデューサーさんが、店長と安部さんに謝っている。 なぜか俺もいる。

 

 

「この度は迷惑をかけてしまい、誠に申し訳ありません!」

 

 

プロデューサーさんも三人と一緒に頭を下げる。

 

 

それに対して店長も安部さんも大丈夫だよと言って笑っていた。

 

 

俺も勿論大丈夫ですと答えておいた。

 

 

「ストライキとかで使った机とかはちゃんと私達が片付けます!」

 

 

「私も、前川さん達と同じで片付けさせていただきます」

 

 

謝罪が終わった後、前川さんは俺達に片付けをさせて欲しいとお願いしてきた。

 

 

それに店長も安部さんも良いよっと答える。

 

 

なら俺も手伝おうかな。

 

 

「店長、安部さん、俺も前川さん達のお手伝いしていいですか?」

 

 

そう言うと前川さんが驚いた様子で話し掛けてくる。

 

 

「えっ!? これはみく達がしちゃったことにゃ! かな子ちゃんのお兄ちゃんは手伝わなくて大丈夫にゃ!」

 

 

「まぁまぁ、どうせ片付けるなら人数多い方がいいでしょ? それに早く片付いた方が店的にも良いしね。だから、店長手伝ってもいいですか?」

 

 

俺がそう言うと店長は大丈夫だと言ってくれる。

 

 

それに対して前川さんは渋い顔をしながらも了承してくれた。

 

 

「陸さん、本当に申し訳ありません……」

 

 

「いえいえ大丈夫ですよ。 でも、片付けが終わった後、少し時間もらってもいいですか? ちょっとお話ししたいことがあるので」

 

 

「……分かりました。 片付けが終わった後、お話しをしましょう」

 

 

「じゃあ、さっさと終わらせましょうか」

 

 

プロデューサーさんと話していた俺は服の裾を巻く。 少しでも動きやすくした方がいいからな。

 

 

「あ、兄さん!」

 

 

俺が片付けをする為に店の中に入ると、シンデレラプロジェクトのメンバーが全員いた。

 

 

あれ? なんでいるの? ってか、全員知ってはいるけど見るのは初めてだな。

 

 

「へぇ〜あんたがかな子のお兄さん?」

 

 

「そっくりです!」

 

 

「うちの兄貴と違って優しそうー!」

 

 

「お菓子の妖精の血縁者か!?」

 

 

「○○○○……アーかな子にソックリ、です」

 

 

「かな子ちゃんと同じで優しそうね」

 

 

「優しそうでいいなー! みりあもこんなお兄ちゃん欲しい!」

 

 

「さっきはごめんねーかな子ちゃんのお兄ちゃん」

 

 

「陸くんおっすおっす☆」

 

 

「は、初めまして! かな子ちゃんからお兄さんの話はよく聞いてます!」

 

 

「メーデメーデ!」

 

 

「お手伝いよろしくお願いするにゃ!」

 

 

「ふーん、その格好ロックだね」

 

 

うわっ! みんな俺を見た瞬間に感想を言ってくる。

 

 

居心地悪いなぁ……まあ、悪口がないだけましか。

 

 

「さっきも言ったけど、この人は三村陸。 私の双子の兄さんなんだ」

 

 

「いつも妹がお世話になってます。 こんな妹ですがこれからもよろしくお願いします!」

 

 

「ちょ、ちょっと兄さん!」

 

 

かな子は恥ずかしかったのか、俺をポカポカ叩いてくる。その顔は少し赤い。

 

 

その姿を見たシンデレラプロジェクトのみんなは笑いながらよろしくと言ってくれる。

 

 

うん。 悪くは見られてないみたいだ。

 

 

「それでは皆さん、片付けを始めましょう」

 

 

俺がそう思っていると、プロデューサーさんが店に入ってくる。

 

 

それにシンデレラプロジェクトのみんなは元気に返事を返す。

 

 

さて、さっさと片付けましょうかね。

 

 

俺はシンデレラプロジェクトのみんなと協力しながら、店の片付けを始めた。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「疲れたー」

 

 

「お疲れ様です」

 

 

「あ、プロデューサーさんもお疲れ様です」

 

 

あの後、みんなで片付けをしたけど大変だった。

 

 

シンデレラプロジェクトの女の子がたくさん話し掛けてきたからだ。

 

 

かな子の兄だからってみんなフレンドリー過ぎじゃない?

 

 

何人かに名前で呼んでも良いって言われたし。

 

 

まぁ、新田さんのお陰で助かったよ。

 

 

あのままいってたら、呼んで良いって言ってくれた子全員、名前で呼ばなくちゃいけなくなるところだったし。

 

 

ちなみに名前呼びになったのはみりあちゃん、莉嘉ちゃん、蘭子ちゃんの三人だ。

 

 

小中学生までなら名前呼びしても緊張しないからな。

 

 

「お疲れ様です……それで、話とは一体なんでしょうか」

 

 

プロデューサーさんが俺の目を真っ直ぐ見ながら聞いてくる。

 

 

バイトに出ないといけないし、プロデューサーさんも忙しいかもしれない。

 

 

早く話するか。

 

 

俺もプロデューサーさんの目を見ながら話始める。

 

 

「今回の出来事は意思疎通ができてなかったことが原因だと思います」

 

 

「……仰る通りです」

 

 

「なので、相手の気持ちをもっと考えながらプロデュースして欲しいんです。 あ、別にプロデューサーさんが相手の気持ちを考えてないって言いたい訳じゃないですよ!」

 

 

「……はい。 今回の出来事で意思疎通の大切さを改めて実感しました。 もっとアイドルの皆さんと意思疎通ができるよう、努力していきます」

 

 

そう言うとプロデューサーさんは顔を伏せる。

 

 

どうやら、今回の出来事はプロデューサーさんにとってショックが大きかったみたいだ。

 

 

「すいません、さっきなにもできなかったのに偉そうなこと言っちゃって……」

 

 

「いえ、大丈夫です。 陸さんが言いたくなる気持ち、分かりますから」

 

 

「すいません、かな子のことを考えると言っておきたくて」

 

 

「いえ、大丈夫です」

 

 

そう言うプロデューサーさんだが、精神的にくるものがあったのか、いつもより暗い気がする。

 

 

言いづらいけどもう一つ、俺の気持ちを言おう。

 

 

「プロデューサーさん。 よければ、俺もシンデレラプロジェクトのお手伝いをさせて下さい」

 

 

「え!?」

 

 

俺の発言にプロデューサーさんは驚いた顔を見せる。

 

 

驚いた顔なんて初めて見るな。

 

 

「お手伝いですか?」

 

 

「はい。 プロデューサーさんみたいにプロデュースは難しいですけど、ライブの準備をスタッフとして手伝ったり、プロデューサーさんの話を聞くくらいはできます。 かな子がお世話になってるんですから、それくらいはさせて下さい」

 

 

「し、しかし陸さんに迷惑がかかるのでは?」

 

 

「可愛い妹の為に働けるんです。 迷惑じゃないですよ」

 

 

「……」

 

 

俺がそう言うとプロデューサーさんは少し驚いた後、黙り込む。

 

 

どうやらお手伝いについて考えてるみたいだ。

 

 

「……まだ上に話してみないと分かりませんが、上が許可を出したら陸さんはお手伝いすることができると思います」

 

 

「本当ですか!?」

 

 

「はい。 しかし、本当に手伝ってもらっていいのか個人的に悩んでいます」

 

 

プロデューサーさんは首を摩る。

 

 

うーん、考え方が硬いというか、不器用というか。

 

 

「なら手伝ってもらって、プロデューサーさんが手伝いはいらないと思ったら、その時点で俺に言って下さい」

 

 

「しかし、それは失礼なのでは?」

 

 

「別に大丈夫ですよ。だから、物は試しにやってみましょう!」

 

 

「……」

 

 

俺の言葉を聞いてプロデューサーさんは目を閉じる。

 

 

そして、ゆっくり目を開けながら俺の顔を見て話始めた。

 

 

「では、陸さん。 上の許可が貰えたらお手伝いをしてもらってよろしいでしょうか」

 

 

「はい! 勿論!」

 

 

「……更に迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いします」

 

 

「こちらこそ迷惑かけるかもしれませんがよろしくお願いします!」

 

 

 

俺はそう言って、プロデューサーさんに頭を下げる。

 

 

プロデューサーさんも慌てて頭を下げてきた。

 

 

「では、今日のところはこの辺で失礼します。 今日の仕事が終わり次第、上に話してみるのでお手伝いの件は後日お伝えしますね」

 

 

「よろしくお願いします!」

 

 

プロデューサーさんは仕事をする為に帰って行く。

 

 

あんなことがあった後もお仕事があるのか、大変だな。

 

 

まぁ、俺も今からバイト出るんだけどさ。

 

 

俺はカフェへと向かって歩き始める。

 

 

さて、お手伝いの件、許可もらえるといいな。

 




無事シンデレラプロジェクトのみんなと対面した模様。
本当はここで陸とみんなを会わせる予定ではありませんでした。 書いていたらこうなった、何故だ。
ちなみに最後に陸と会わせる予定だったのは李衣菜です。
まじロック。
さて、これから陸くんはシンデレラプロジェクトのお手伝いをできるのか!? 乞うご期待。
後、ロシア語が分からないので、アーニャがロシア語を話す時は○○○と表示させて頂きます。
アーニャファンのみなさんすいません。
次はアニメの6話で丸々一話使うか、6話と7話を混ぜて一話で終わらせる予定です。
感想等お待ちしております。
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