名・白木 春(しらき はる) 18歳
164センチ 48キロ
性格・明るくも静かな性格で学校では友人も多いほうらしい。
備考・8歳の時に両親が殺人事件に巻き込まれ他界 犯人は未 だに捕まっておらず事件は未解決として今もなお調査されている、 その後は祖母のもとで預けられていたのだが、去年、祖母も他界し 弟と二人で祖母の残した遺産と、自らが働いた給料などで現在は 共に暮らしている。
ープロローグー
ーそれは、突然の宣告だった。
「…今、何て言いました?」
私は思わず目の前にいる白衣を着た男に聞き直した。
「ですから、弟さん…祐樹くんの命はもってあと半年でしょう。しかも原因不明の病によるもので治療もできません。今日のところはお引取りを」
「っ…ふざけないでっ!祐樹は私のたった一人の家族なのよっ!あんた医者でしょ…医者なら治してよっ!!お金なら用意してみせるっ…だから」
私は只々必死に訴えかけた…しかし医者は首を横に振り”祐樹くんとの残された時間を大切にしてください”とだけいい、私を置いて何処かへ行ってしまった。
「いや…いやよっ…絶対に諦めない、絶対にッ!」
それは只、認めたくない現実を突きつけられた自分の心からの叫びだったのかもしれない。
祐樹は私が救う…方法はきっとある、きっと。
私は弟の病室には入らずに病院の外へとでた。違う、私の心が入ることを恐れたのだー。
理由は簡単だった、今、弟の顔を見てしまったら泣いてしまいそうだったから。
無情な神が決めた半年の命を弟が知ったらどうするのだろう。
.
私は只、呆然としたまま外を歩き続けた…途中からにわか雨が私を打ち始めた。
きっとこの空も私のことを笑っているのだろう。
『役立たず』
だまれ。
『お前に弟は救えない』
だまれ…っ
『お前は無力だ』
「だまれッ!!だまれだまれだまれッ…だま…れぇ…うぅっ…あぁぁぁっ」
何処から聞こえ頭に響く声は何一つ間違っていなかった。
わたしは無力だ、たった一人の家族を救うことさえ出来ない無力な人間だ。
だからこそ悔しくて悲しくて涙が止まらなかった。
雨空に顔を上げ、雨と共に頬を伝う生暖かい雫は、止めたくても止まらずに溢れ続けた。
「…泣いているの?」
いったい何分泣いていたのだろうか、突然私を打つ雨が止んだ…空を見上げていた私の視界には真っ黒な傘が差し出されていた。
「ぅ…だれ…?」
「私…?私は黒木 夢華(くろき ゆめか)…貴女は?」
「っ…私は白木 春、あの…もう大丈夫だから」
身長は私と同じくらい、服装は真っ黒なゴシックドレスのような服を着ている。
こんなにしっかりとしたゴシックドレスは初めて見たけれど、私だったら恥ずかしくて絶対着れないわ。
私は夢華の差し出した傘からでようとした、が、しかしそれと同時に夢華は私に身体を近づけ、私の手を傘を持たない手で掴み顔を近づけ目をじっと見つめてきた。
「っ…!な、なにっ?」
「…ふふっ、素敵な目をしているのね貴女…ねぇ春、私は黒が大好きなの、あなたは?」
「えっ…?」
「いいから、教えて欲しいの…いいでしょう?」
この子はなんでいきなり私の好きな色なんかを知りたいのだろう。
でも、断る理由もないし取り敢えずは答えておこうかな。
「えっと…白がすき、かな」
いきなりの問いに私は思わず戸惑ったが、正直に自分の好きな色を答えた。
答えずにいるよりかは、答えたほうがいい気がしたからだ。
「白が好きなんだ…じゃあ、正反対ね私たち。白は全てを塗り替えるもの、黒は全てを塗りつぶすもの、全てを塗り替えることのできるな貴女はきっといつか、世界を変える力を手に入れられるわ…なんていきなり言われてもわからないとおもうけれど」
夢華は何やらよく分からないことを言いながら服の内ポケットから一枚の真っ黒な封筒を私に差し出した。
「白木 春…貴女を招待しましょう、願いの叶う場所ー『極彩色の楽園』に」
「っねぇ…さっきから言っていることがわからないんだけど、私を馬鹿にしているの!?」
気づいたら私は夢華に怒鳴っていた、私でも驚くほどにその声は大きかった。
「信じられないのも無理はないわ、それに信じてくれなくてもいい…信じるも信じないも貴女次第よ?ただその気が起きたらその封筒をあけて、そしたら貴女は願いを叶えるチャンスを手に入れられるわ?…さて、長く話しすぎたわね、それじゃあまた会いましょう…次に会うのはそう遠くない『極彩色の楽園』でー」
「なっ…!ちょっとまってっ!」
夢華が話し終えた瞬間、夢華は私が瞬きをしたと同時に消えてしまった。
傘は持ち主を失い風で空高く舞い上がって消えていってしまった。
「なんだったの…一体」
夢華の言っている言葉の意味はわからなかった、でも。
『貴女の願いは叶うわ』
もし彼女の言う言葉が本当なら…なんて、私は心の何処かで思ってしまっていた。
私は黒い封筒をポケットに丁寧にしまいこみ、そのまま家へと歩き出した。
私の答えはもう出ていた。祐樹を助けるためなら私は。
「夢華、貴女の招待をうけてあげるわ」
私は黒い封筒をあけ、そして家の玄関ドアを勢い良くあけた。
その瞬間、視界は光に包まれ私は意識を失ったー。