Fate/EXTRA 外伝 ~Distract Order~ 作:半裸ーメン
キャラ崩壊とかダイジョブな方はどうぞ。
※EXTRA及びCCCを最後にやったのは、もう思い出せない。
赤王が私の嫁です異論は認めます。
#01 Departure -新たなる旅立ち-
ーーー焼けた空と、崩れる視界。
ーーーここは、地獄だ。
忘れたい/忘れてはいけない
見るに耐えない/目を逸らしてはいけない
地獄が、そこにあった。
誰かの声が聞こえる。
ーーー足りない、と。
何が、と私は思う。これだけの地獄があって、一体何が足りないのかと。
ーーー君は知っているはずだ、と。
また、誰かの声がした。
ーーーあぁ、確かに私は知っている。
その答えはーーー
ーーー欠けた夢を、見ていた。
目覚めると、自分がベッドで寝ていることの方に気が付いた。とりあえず上体を起こして周りを見ようとしてーーー骨が軋む音がした。
ッ!?あたたたたたた!!??
全身に痛みが走り、私は悶絶した。どのくらい痛かったかと言うと、筋肉痛をさらに酷くした感じ。10倍くらい?なったことないので分からないけど。筋肉痛。
体が重い。まるで、
雰囲気としては、保健室、というより病院に近い。
真っ白な壁に薬品特有の匂い。結構なお値段がしそうな機械も沢山置いてある。医療機器的なものだろうか?
ここは、どこだろうか?
そう考えても、答えは出ない。周りに人もいないので、聞くことも出来ない。どうしようかと悩み始めたその時、
ウィ~ン、と呑気な音を立てて誰かが部屋に入ってきた。
「!」
入ってきた少女と、目が合った。
すると少女は、
「ドクター!目を覚ましています!」
と、安堵の表情を見せた。
続けて、今度は男性が部屋へと入る。
「ホントだ!良かったぁ…!もう目を覚まさないんじゃないかって、心配だったんだよ?」
…どうやら二人は、自分の心配をしてくれていたらしい。本当に心配してくれていたのが、その表情から分かってしまう程に。
その反応につい顔が綻んでしまう反面、大変申し訳ない気持ちになる。
「先輩、どうしました?顔色が悪いですよ?」
少女が私を見て、そう尋ねてくる。
本当だ、バイタルチェックしないと、と言いながら準備を始める男性。…やだ、冷や汗が止まらない。
この二人は、私のことを知っている。
そして、かなり心配してくれていたことから、比較的親しい関係であることが予想される。
それ自体は嬉しい。非常に嬉しい。嬉しい、のだが…。
ーーー残念な事に、私は、彼らのことを全く知らないのである。
どうしようどうしよう!?こういうのは、素直に言い出すべきなのか。それとも、ああもうわからないっ!いろんなことが一気に来て、完全にパニックである。
ーーーと、そんなことをしている間に、バイタルチェックが終わったようだ。男性がこちらへ向き直って笑顔で言う。
「体調は問題なさそうだね。それにしても、本当に顔色が悪いね…何か、スゴい汗もかいているみたいだけど」
「…先輩、やっぱりどこか体調が?」
ジィ~っと。少女が見つめてくる。
私の顔に穴が開きそうなくらい、真剣に見つめられる。男性の方も同じように、視線を投げてくる。何よりも心苦しいのは、二人が心配しているのが痛いほど分かってしまうことだ。
…………。
そろそろ、覚悟を決めなければいけないようだ。
私ーーー岸波白野は、正直に、真摯に、言葉を紡ぎだした。
「…………つまりキミは、2030年からタイムスリップしてきたと、そういうこと?」
男性ーーーロマニ、通称Dr.ロマンがそう尋ねてくる。
「驚きです。先輩は、頭でも打ったんですかね」
何て軽口を叩く少女ーーーマシュに私は、心のなかでツッコミを入れておく。
…まぁ、到底信じられる話ではないのも理解しているつもりなのだが。
「そうだね。素直に信じろ、という方が難しい。今の話は分かりやすく胡散臭いね、岸波くん」
「えぇ。ですが先輩は、この状況でそんな冗談を言えるような人ではないことも確かです、ドクター」
私の話を総括すると、2030年ーーー魔術が衰退し科学が世界の中心となった世界で、己の魂を霊子化し電脳世界へ送り込むことが出来る者たちを
沢山の人と出会い、友人を得て、幾度の死線を乗り越え、遂に聖杯と呼ばれているモノにたどり着いたのだ。
「…で、気が付いたらここで目が覚めた、と」
コクコクと首を縦に振る。本当のことなので、そんな可哀想な人を見るような目はやめて欲しい。
ちなみに、今の私は上体を起こしている。マシュに手を貸して貰ったのだが。
まだ体は硬いが、何とか手を動かせる程度には回復していた。
「仮にその話が本当なのだとして、元々この時代にいた先輩は一体どこへ行ってしまったのでしょう」
この時代、という言葉を聞いて思い出す。
そういえば、ここは一体どこなのだろう?
「…話を信じる訳じゃないけど、一応現状を知ってもらう必要はあるかなぁー。岸波くんであることには変わりないみたいだし」
そう言って、ロマンは話し始める。
2015年、人理継続保障機関・カルデアは、人類の未来を観測しそれを存続させるために設立された特殊機関らしい。近未来観測レンズ・シバを用いて人類史の未来を観測、その存続は100年先まで安泰ーーーのはずだった。
しかし、唐突にシバによって観測されていた未来は消滅し、2016年には人類の絶滅することが判明ーーーいや、証明されてしまったそうだ。その後、人類絶滅の原因と考えられる『観測不能の領域』が過去の歴史から発見された。過去への時間旅行ーーーレイシフトで過去へ飛び、『観測不能の領域』の修正を行い人類の未来を取り戻す。今は、その為の準備段階なのだそうだ。
私、岸波白野はレイシフトする魔術師達の中でも、一般枠(いわゆる補欠みたいなもの)として参加していて、コフィンと呼ばれるレイシフトを実行するカプセルのようなものについての実機訓練中の事故で、コフィンが誤作動を起こし気絶してしまったところを医務室に運ばれたらしい。
「うん、説明してて思ったけど、岸波くんはレイシフトして未来から来たのかと考えちゃったよ、あはは」
と、笑うロマン。
「そうですね、仮説としては面白いものですが、流石にその可能性は低いと思われます」
と、微笑むマシュ。
………意外に近いのかもしれない、と背筋がゾクッとした私。
その寒気を払いつつも、とりあえずの現状は把握した。まとめると人類絶滅の危機。うん、いつものことだ。そう思うと、私は大分落ち着きを取り戻した。
「お、おう…何だかいつも通りみたいな顔してるね…」
だって、いつも通りだし?月の裏側での戦いの時なんて…
と、思い起こそうとしたときとんでもない違和感に気付いた。
聖杯戦争では、マスターが直接戦うのではなく、サーヴァントと呼ばれる使い魔のようなものと契約し、マスターの代わりに戦う。
サーヴァントとは、ざっくり言えば歴史上の英雄など生前に偉大な功績を残した人、だったと思う。
そして、マスター一人に対してサーヴァントは必ず一人なのだが…。私には
同時に複数のサーヴァントと契約していた、なんて記憶はない。そもそも凡庸な魔術師である私に、そんな真似は出来ない。サーヴァントは、マスターと契約し魔力の供給を受けることで存在することが出来る。一人のサーヴァントでさえ魔力供給でヘトヘトになるのに、複数のサーヴァントとの契約など、現界させるだけならまだしも戦闘ともなれば一分足らずで
ならば、何故こんな記憶があるのか。
ーーー可能性、の話。
月の聖杯、ムーンセルとは、人類の歴史を記録するために、記録媒体として光を使う
光を閉じ込める
だが、そんな可能性の記憶などではないと、信じている自分がいた。だから、多分きっと、この記憶は本物なのだろう。
赤いドレスを纏う男装の麗人
赤い外套の弓兵
狐の耳と尻尾を持つ良妻系巫女
人類最古、英雄の中の英雄王
彼らとの記憶は、今の自分の魂の一部なのだと。
そう信じることにした。この謎はその内分かるだろう。それよりも、今やるべきことはーーー
ーーーさしあたって、私はここにいてもいいのだろうか?
どうやらこの時代の私と今の私は、人となりはどうであれほとんど別人だ。そんな、部外者みたいな人間がいても良い場所でもなさそうなのだが…。
「うん? いいんじゃないかな、このままでも」
えっ
「だって、記憶はどうあれ岸波くんは岸波くんなんだし…一応最低限の知識とかは学んでもらわなきゃだけど」
「はい、そこまで問題はないかと。人手は多いに越したことはないですし」
ーーー一瞬、言葉を忘れた。
人間の、暖かい部分に触れた気がした。
ふと、あの時のことを思い出した。
ーーーその足掻きが美しい、と
ーーーその行き汚さは自分に似ている、と
ーーーその魂に一目惚れした、と
そう言って、手を差し伸べてくれた彼らとの始まりを。
自然と、涙が頬を濡らした。
「ちょっ先輩!? どうしたんですか!」
マシュがびっくりして、あたふたしている。そんな様子、がちょっとあの白衣の後輩とダブった。
そうしたら、また涙が溢れてしまった。
何だか涙脆くなってしまったみたいだ。
「あわわ、ドクターどうしましょう私のせいでまた先輩がぁ!? わ、わたっ私、何か先輩が悲しむようなこと、しましたか…?」
そんなマシュを見ていたらーーー
ーーー大丈夫、マシュはそんなことしてないよ。
そう言って、マシュの頭に手が伸びた。
なでなで…
「っ………」
マシュは一瞬ビクッと肩を震わせて、そのまま俯いてしまった。そんな姿が愛らしくて、つい…
ナデナデェ…
「せっ先輩…恥ずかしいです…」
彼女から抗議の声があがる。その顔はリンゴみたいに真っ赤で、潤んだ瞳で上目遣いで…ますます桜と被ってしまう。
ーーーもしかして、イヤだった?
冷静に考えると、見知らぬ人同然の私に頭を撫でられるのは女の子的にはどうなんだろう?
「…ぃです…」
?
よく聞こえなかった。
「イヤ…じゃ、ないです…。むしろもう少し続けて欲しい…くらい、です…」
ふふん、そうだろう。
なんたってローマのちんまい皇帝さまを満足させるほどですので、はい。
そうこうしている間も、なでなでは継続中だ。
「んっ…ローマの、皇帝…?」
可愛い後輩とのスキンシップをしていると、
「ごっほん、いいかな?」
ロマンがわざとらしい咳払いをした。
マシュはまたまた顔を真っ赤にして、座り直す。かくいう私も、ちょっとやり過ぎたと反省はしている。
「とにかく、岸波くんには明日から訓練を再開してもらう。改めて魔術適正とかいろいろ検査しなくちゃいけないしね。ただ、今日はとりあえず休んだ方がいいと思うんだ。環境が違うし、整理したいこともあるだろうしね」
確かにロマンの言うことは正しい。
今のところはここにいて良いということだが、いつ立場が危うくなるかは分からない。そうなったときに、一番危ないのはマシュとロマンだ。
…自分のせいでこの二人に迷惑をかけることだけはしたくない。
するとそこへ、新たな人物がやってきた。
「ロマン…あぁ、いたいた。
マシュも一緒かい?」
「やぁ、レフ。ボクに何か用かな?」
「残念ながら、用があるのは私じゃない。所長が騒いでいたぞ、『またロマニはサボりかー!!』って。後で愚痴を聞かされるこちらの身にもなってーーーおや、そちらの少年は…?」
「げ。や、やだなぁ、ボクは別にサボっているわけじゃ…」
レフと呼ばれた青年が、こちらを見る。
明るく気さくそうな人だ、と思った。
「レフ教授、こちらは岸波白野さん。先ほどコフィンの誤作動に巻き込まれて、気絶してしまい医務室へ運ばれた方です」
マシュが、私のことを説明、してくれた。
「あぁ、君が噂の…。話すのは初めてだね、私はレフ・ライノール」
雇われの技師だよ、と最後に付け加えた。
どうも、と小さく頭を下げる。
「一般枠の最後の最後に滑り込んだって聞いてたから、どんな子だろうと思っていたけれど…意外と普通だね」
「教授、それでは先輩に失礼です」
「あぁ、ごめんね。
別に悪気はないんだが、
これからもよろしく、と差し出される右手。
ーーー大丈夫、気にしてない。
そう、一言返す。それが、限界。
「教授、先輩はまだ体を動かせる状態ではないのです」
っ、確かにその通りではあるが。
瞼の裏に、学校の廊下での出来事がフラッシュバックする。
ーーー
「そうだったのか、これはすまないことをした。
では、私はこれで。ロマニは早めに彼女の機嫌を取りに行った方が良いぞ。マシュもそろそろ時間じゃなかったかな?」
そう言い残して、レフは医務室を後にした。
「そうですね。ドクター、私達もそろそろお暇しま…先輩?」
心臓が、悲鳴を上げていた。
ユリウスと初めて対峙した、漠然とした圧迫感。そしてそれが、自分一人に集束して、明確な殺気へと変わる瞬間。
あの男、レフ・ライノールからはユリウスのそれに近い、だが明確に異なる“何か“を感じた。
………息が、整っていく。
手足は、動く。問題はなさそうだ。
「……先輩、大丈夫ですか?また顔色が…」
大丈夫、と弱々しく笑う。何かの間違いだと、自分の頭を誤魔化す。
あんなものは、間違いだと信じる。
ーーー少しは気分が戻ってきたようだ。
今までぶつぶつとサボってた言い訳を垂れ流していたロマンが、急に動き出した。
「とりあえずっ!岸波くんは今日一日休むことっ!いいね?」
その結論に特に異存はない。
整理したいことがあるのは事実なのだから。
「ボクは先に(怒られに)行くけど、岸波くん自分の部屋は覚えてる?」
はて、マイルームなら□ボタンから選択して…
「「覚えてないんだね/ですね」」
……返す言葉も御座いません。
ふ、二人でハモらなくたっていいじゃない!
「じゃあマシュ、悪いけど岸波くんを部屋まで送っていってくれないかな?」
「了解です、ドクター。お任せください」
任せたよ、と言ってロマンも医務室から立ち去ろうとする。
その背中に、
ありがとう、ドクター。
と、声をかける。
するとロマンが、振り返って笑う。
「そこでそういうことを言えるってことは、キミはボクらの知ってる岸波くんなんだよ、やっぱり」
……今度こそ行ってしまった。
何か締まらないなぁ、と私も少し笑う。
「私もそう、思います。先輩は、変わらない先輩なんだって」
そこで、自分の顔が熱を帯びてきたことに気付いた。
マシュも吊られて、顔をまた真っ赤にしてしまった。
照れ隠しに、そろそろ部屋へ行こうかと提案しようとする。
と、
「先輩、そろそろ部屋に…」
………。
「………」
完全にタイミングが重なった。
何故だか可笑しくて、二人で笑い合った。
何だか、今日はよく泣く日だな、なんて思った。
…そんなこんなで自室に到着。
他愛ないやり取りの間に、体の痛みにも慣れてきたようである。
そもそも私自身、痛みに慣れているところはあるのだ。
毒に蝕まれたことも、分解されかけたことも、生きたまま潰されそうになったことも、名前も自分も忘れ去りそうになったことまである。死にかけたことなど一度や二度では足りないのだ。
大概の痛みなど、無垢心理領域で受けた衝撃に比べれば大したことではない。
ーーー但し、それは
実際の肉体での痛みなど、体感したことがない。
言うなれば、痛みの種類が違う、というか痛みの感じ方が違う、という方がしっくり来る気がする。
要するに、体験したことないから慣れるのに時間がかかっただけのお話。
「……じゃあ私はこれで失礼しますね、先輩」
お大事に、と立ち去ろうとするマシュに、私は今まで伝えられなかった言葉をーーー
ーーーありがとう、マシュ。
こんな自分を信じてくれてーーー
心からの感謝と、
ーーーこれからも、よろしく。
素直な気持ちを伝えた。
「ーーーはい。どういたしまして」
マシュも、笑って返した。
パシュッと小気味良い音を立てて、ドアが開いた。マシュは行ってしまった。
これからやらなきゃいけないことはたくさんある。
が、ひとまずはーーー
ーーー寝よう。
オフトゥンには勝てなかったよ…
…はい。初めて書きました。
死ぬかと思った。自分のセンスのなさに絶望した。
完全なる二番煎じ、どころか何番煎じ?って感じのやつです。
誤字脱字言葉の間違った使い方いろいろ突っ込みどころ満載のガバガバ設定…。( ´Д`)ハァ…
作者はぼこぼこに叩いてオッケー!でも作品は叩いちゃダメ!
奇特な方は続きを気長に待ってくださいな。
嫁王のスキルあげ辛すぎはげそう