ガンダムビルドファイターズ トライNEXT   作:諦斬

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聖鳳学園ガンプラバトル部に入部した高等部2年生のマナタ・シノ、アスノ・タイキは日々トライ・ファイターズの面々とガンプラバトルに打ち込み、楽しんでいた。




episode1アリアン再来編
第1話 新たな出会い


「やった・・・ついに完成したわ!」

 

 淡い桃色の髪をした少女、マナタ・シノが小さくガッツポーズをしながら叫んだ。

 

「シノ~、うるさいわよ」

 

 晩ご飯の支度をしていた母親が笑顔で注意する。

 

「ごめんなさいママ~、やっとこれで、タイキのガンプラが・・・!」

 

 最後のほうを小声でミホはもう一度小さくガッツポーズをした。

 

ー - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 

~翌日~

 

「急げ、急げ」

 

 シノは聖鳳学園の敷地内を全力で走っていた。

 

「まさか寝坊しちゃうとは」

 

 シノは一人感傷に入りびたりがら学園内を走り、プレハブのガンプラバトル部の部室に着くとドアを勢いよく開けた。

 

〈Gunpla bttle combat mode startup. Model damage level, set to C.〉

 部室のドアを開けて最初に耳に入ってきたのは、今までに何度も聞いて少し落ち着きも感じるバトルシステムから発せられる機械音声だった。

 

「おお、シノくん、ようやく来たか」

 

 シノが部室に入ってから最初に声をかけたのは学園関係者ではないが聖鳳学園ガンプラバトル部のコーチを務めているラルさんだ。

 

「すいません、徹夜でガンプラ作ってたら寝坊しちゃって・・」

 

 ミホは息を切らしながら苦笑いでラルさんに答えた。

 

「そうなのか、でも急ぎたまえ、君のガンプラを待っている人がいるだろう」

 

 ラルさんにそう言われシノは大事なことを思い出す。

 

「そうだった、タイキ!」

 

 シノはバトルシステムの前に立つ親友のクラスメイトでシノの唯一無二の相棒、黒髪の少年、アスノ・タイキにカバンの中に入れていたガンプラを手渡した。

 

「ゴメン遅くなって、これが私とタイキの新機体よ」

「ありがとう、シノ。危うくバトルができないところだったけどね」

 

 タイキにもっともな正論を言われてシノは言葉に詰まる。

 

「あ、アハハハ・・」

 

 またしてもシノは苦笑いを浮かべる。

 

「まったく、待ちくたびれたぜタイキ、早くバトルを始めようぜ」

 

 そう言うのは聖鳳学園高等部2年、熱血武闘家で赤髪の元気な少年、ガンプラバトル部のエース、カミキ・セカイ。

 

「セカイくん、ちゃんと準備はできてる?」

 

 高等部3年で艶やかな黄色い髪を後でポニーテールで結んだバトル部の部長、ホシノ・フミナがセカイに問いかけた。

 

「大丈夫ですよ先輩。俺とカミキバーニングはいつでも絶好調ですから」

 

「そうやって慢心していると痛い目にあうぞセカイ」

 

 そうセカイに注意をするのはセカイと同じクラスで先月行われたガンプラビルダーズコンテスト、メイジン杯でグランプリを獲った青髪のクールな少年、コウサカ・ユウマ。

 

「遅れてしまってすいません。それじゃあバトルを始めましょう!」

 

〈Please set your GP Bace〉

 

 タイキ、セカイ、ユウマ、フミナの四人はそれぞれのGPベースと呼ばれるガンプラとビルダー、ファイターの情報が入った手の平サイズの端末をバトルシステムにセットする。

 

〈Beginning Plavsky particle dispersal〉

 

 バトルシステムから多大な量の聡明な蒼のプラフスキー粒子が垂直に放出されバトルフィールドを形成していく。そしてプラフスキー粒子は本物となんら遜色ない小さな荒野を創り出した。

 

〈Field2, desert. please set your Gunpla.〉

 

 四人はそれぞれのガンプラをバトルシステム上にセットする。それぞれのガンプラの足元から蒼い波紋が頭頂部まで駆け抜け、緑の双眼がまぶしく輝く。

 タイキ、セカイ、ユウマ、フミナの四人はホログラムの黄色い光球状の操縦桿を握り、シノはセコンド用のオペレーターパネルに両手を添える。

 

〈Battle start〉

 

「ホシノ・フミナ、スターウイニングガンダム」

「コウサカ・ユウマ、ライトニングZガンダム」

「カミキ・セカイ、カミキバーニングガンダム」

「アスノ・タイキ、マナタ・シノ」

「ガンダムクアンタドライバー、行きます!」

 

 シノの声と同時に4機のガンプラはバトルシステム上に飛びたった。

 

「みんな、シノさんも聞いてて、さっき話した通り今回は2対2のチームバトルを行うわ。チーム分けはさっき決めた通りセカイくん、私のチームとユウくん、タイキくん、シノさんのチームよ、いい?」

 

4人「了解!」

 

「それじゃあ、バトル開始!」

 

 フミナの宣言と同時にスターウイニングとカミキバーニング、ライトニングZとクアンタドライバーが合流した。

 

「よろしく、ユウマ」

 

 タイキがユウマに軽く会釈する。

 

「よろしく。そうだ、タイキにはおそらく近距離戦闘を任せることになる、相手は間違いなく格闘特化型のカミキバーニングだ、まだそのガンプラのチューンが終わっていない状態で頼んでしまうが大丈夫か?」

 

 ユウマが少し申し訳なさそうにタイキに問う。

 

「大丈夫だよ、そうだろシノ」

 

 タイキは確かめるようにシノに言った。

 

「ええ、このクアンタはタイキが扱う前提で作ってあるし格闘寄り万能機に仕上げてあるから大丈夫よ」

「頼もしいな、それじゃあいくぞ」

2人「了解」

 

 クアンタドライバーが先行しライトニングZが照準をあわせビームライフルからピンクのビームを発射する。直後セカイとフミナのホログラムパネルがアラート音を発した。

 

<CAUTION>

 

「ユウくんの狙撃!?」

 

 2機はビームをよけて体制を立て直す。

 

「先輩、向こうから来るガンプラは?」

 

「タイキくんとシノさんのガンプラね、ベースはダブルオークアンタ、未調整とはいえすごい出来だわ」

「俺、タイキとシノのガンプラと勝負してきます。先輩はユウマを頼みます」

「あ、ちょ、ちょっとセカイくん!まったく・・まあシノさんの機体は見たところは格闘機体だしカミキバーニングに任せるのが一番か」

 

 フミナは自分を納得させるとスターウイニングのブースター出力を上げライトニングZへと向かった。

 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 

 

「勝負だタイキ、シノ!」

 

 セカイは高らかに告げるとカミキバーニングのスラスターを吹かし、クアンタドライバーに接近する。

 

「前方からセカイくんのカミキバーニングガンダムが接近!」

「シノ、武器は?」

「スロット3番、GNソードⅤ」

 

 クアンタドライバーは腰に携帯していたGNソードⅤを抜剣しカミキバーニングに斬りかかる。対するセカイもカミキバーニングの太刀を抜刀し対抗する。両者の刀身がぶつかり激しく火花を散らす。

 

「やっぱり刀は使いにくいな、行くぜタイキ!」

 

 カミキバーニングは鍔迫り合いをしていた場所から太刀を捨てて距離をとり構えをとった。

 

「くる!」

 

「行くぜ、次元覇王流、聖拳突き!」

 

「くっ!」

 

 カミキバーニングの拳が猛然とクアンタドライバーに迫る。

 

「タイキ、スロット4番!」

「行け!ソードビット!」

 

 機体背部にあるGNシールドに装着されている6基の遠隔操作式兵器ソードビットが機体前方に飛び全ビットを円環状に配置しGNフィールドを発生させた。カミキバーニングの拳とGNフィールドがぶつかりしばらくせめぎあいが続いたが、カミキバーニングはいったん離れてクアンタと距離をとった。しかしすぐさま

 

「次元覇王流、聖槍蹴り!」

 

 今度は鮮烈な飛び蹴りをカミキバーニングが放つ。

 

「バスターソード!」

 

 展開していたソードビットがクアンタドライバーの元に戻り、GNソードⅤに合体し巨大なバスタソードになった。クアンタドライバーはバスターソードを突き出すように繰り出し聖槍蹴りに対抗した。

 

「すっげー強いな、タイキとシノのガンプラ」

 

 

「ありがとう。でも、私たちのガンプラはまだまだ全開じゃないわよ」

 シノが自信気にセカイに言う。

「望むところだ!行くぜ、次元覇王流・・・」

 

 カミキバーニングが距離をとって構えをとりその拳にプラフスキー粒子が込められていく。

 

「流星螺旋拳!」

 

 再びカミキバーニングの拳とクアンタのバスターソードがぶつかる。両者ともほぼ互角でなかなか拮抗が崩れない。

 

 一方そのころフミナとユウマのバトルは、両者共に激しい射撃戦を展開していた。

 

「行け、スターファンネル!」

 

 スターウイニングからガンビット、バリアビット2基ずつの計4基が射出されユウマの操縦するライトニングZに向かって突撃した。ユウマもビームライフルを撃って応戦するが独特な軌道をするスターファンネルになかなか当たらない。

 

「くっ」

「そこよ!」

「しまった!」

 

 スターファンネルがライトニングZのビームライフルを両断した。ライトニングZはライフルを捨て、誘爆から逃れる。

 

「逃がさない」

 

 スターウイニングはライトニングZを追いかける、しかし

 

「そこだ!」

 

 ライトニングZのシールドから放たれたビームキャノンによってスターウイニングは手に装備していたメガブレードを破壊された。

 

「うっ、さすがユウくん」

「まだまだですよ、ホシノ先輩」

 

 ライトニングZはビームサーベルを持ちスターウイニングに斬りかかった。スターウイニングも戻ってきたビット1基を手に持ちビームサーベルに対抗した。

 

「シノ、そっちの状況は?」

 

 ユウマが現状確認のためシノに通信を送る。

 

「セカイくん、大丈夫?」

 

 フミナも同じくセカイに通信を送る。

 

「大丈夫ですよ先輩、だけど・・・」

 

「なかなか拮抗が崩れない、いや崩せないわ」

 

 セカイとシノからそれぞれに通信が返ってくる。

 

「こっちも全く同じだわ」

 

 フミナが悔しそうに言う。

 

「シノ、タイキ、一度合流しよう。ポイントはB-23」

2人「了解」

 

 ユウマはそう決め、スターウイニングと鍔迫り合いをしていたライトニングZが離脱し高速でスターウイニングから離れていく。

 

「まっ、さすがユウくんのライトニング、速い」

 

「先輩すいません」

 

 フミナのモニターにセカイからの通信が入ってくる。

 

「どうしたのセカイくん」

「タイキとシノに逃げられました」

「逃げ・・違うわセカイくん!」

 

 フミナは何か考えついたようですぐさまセカイの「逃げた」という表現を否定する。

 

「え、どういうことですか!?」

 

 セカイは驚いて大きな声で聞き返す。

 

「おそらくユウくんとタイキくん、シノさんは合流するつもりよ」

「合流・・」

「セカイくん、すぐにこっちのほうに来れる?」

 

 フミナはやや焦り気味でセカイに確認する。

 

「分かりました、すぐに向かいます!」

 

 セカイはカミキバーニングの出力を上げ、フミナのスターウイニングの元に向かった。

 

(まずいわ、ユウくんのライトニングは高機動だし、シノさんたちのクアンタにも、おそらくトランザムシステムがある。違う、クアンタには・・量子テレポートがある!!)

 

 まずいと思ったフミナはすぐさまセカイに通信を入れる。

 

「セカイくん!」

「どうしたんです、先輩」

「クアンタはどのようにして逃げたの!?」

「なんでそんなこと聞くんですか先輩」

「いいから教えて!!」

 

 フミナに気負され若干怯むセカイ。

 

「え、えーとなんか変な輪っかの中に入って一瞬で消えちゃいました、スゲー!って思いましたよ」

「そ、そうなの。わかったわ、ありがとう(これは間違いなく量子テレポート!量子テレポートができるなんてすごい作りこみ・・・となると、すでに2人は合流して・・・)」

 

 直後フミナのホログラムパネルから警告音が鳴った。

 

「まさかもう!」

 

 アラートのほうを見るとそこには予想通りライトニングZとクアンタドライバーの姿があった。

 そこからライトニングZとクアンタドライバーの猛攻をなんとか凌いでいたが少しずつジリ貧になりスターウイニングガンダムは撃墜された。

 

「先輩!」

 

 一足遅く到着したセカイはライトニングZとクアンタドライバーと対峙する。

 

「先輩をよくも!」

「どうするセカイ、さすがのお前でもライトニングとクアンタ両方の相手はしんどいぞ」

 

 ユウマがセカイにリタイアするかを遠回しに問う。

 

「そんなこと分かってるよ、でも俺は諦めない!」

「そうこないとね、セカイ!」

 

 そう言ったタイキはカミキバーニングに斬りかかる。対するセカイも苦手な太刀を抜きクアンタドライバーのGNソードⅤに斬りかかる。しかしすぐさまクアンタドライバーはGNソードⅤを切り返し下段から斬り上げる。カミキバーニングは太刀を弾かれ手から離れてしまった。

「しまった!」

「これで終わりだ!」

 クアンタドライバーがカミキバーニングの胴を薙ごうとした瞬間。

 

〈Over the time limit. Battle ended.〉

 

 システム音声が制限時間試合終了の合図を知らせプラフスキー粒子の散布をシステムが停止する。

 ホログラムが解け、さっきまで機敏に動いていたガンプラたちもカチャリと音をたててバトルシステム上に落ちる。

 

「くぅ、あとちょっとだったのにな」

「けど俺はまだあそこでやり返せてたぜ」

「セカイ、嘘は言うもんじゃないぞ」

「何ィ、本当だぞユウマ」

「やめなよ二人とも」

 

 毎度おなじみのセカイとユウマの口論にタイキが仲裁に入る。それをにこやかに見ているシノにフミナが話しかけた。

 

「ねえ、シノさん」

「どうしたんですか、フミナ先輩?」

「セカイくんから聞いたんだけど、クアンタドライバーの量子テレポート、実現したの?」

「はい、まあなんとか」

 

 シノ少し照れ気味に答える。

 

「すごいじゃない!どうやったの?普通のクアンタでもかなりチューンしないとできないでしょ?」

 

 フミナの眼がキラキラと輝く。

 

「それは、話せば長くなるんですけど・・」

「うんうん!」

 

 フミナの眼がいっそうキラキラ輝く。

 

「まず太陽炉からのGN粒子散布濃度をすべて統一してそれから・・・」

 

 シノの長い説明に飽きることなく眼を輝かせているフミナ。

 

「何はともあれいいバトルだったよ」

 

 そこにラルさんがわいわいする部員達をなだめるように言った。

 

「ああホント、いいバトルだったよ」

 

「え・・・」

 

 見知らぬ声がして声の方向に振り向くと黒いフードを被った人物が窓に腰かけこちらを見ていた」

 

「き、君は・・・!」

 

 ラルさんが驚愕の声をあげる。

 

「誰なんだ・・おまえ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

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