ガンダムビルドファイターズ トライNEXT   作:諦斬

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「いいバトルだったよ」

 見知らぬ少年の声がして6人は声のほうに振り向く。そこには浅くフードを被った人物が部室の窓に腰かけていた。

「誰だ・・・お前・・!」

 セカイがやや挑発気味に青年に問う。するとその人物はゆっくりと顔をあげ、下を向いていて見えなかった顔立ちが徐々に明らかになる。

「き、君は・・・!」

 ラルさんが驚愕の声を上げる。

「れ、レイジくんか・・!」

 すると青年はフードをとりにこやかに言った。

「久しぶりだな、ラルのおっさん」


第2話 再来

 場所は聖鳳学園ガンプラバトル部の部室。そこにはそうそうたるメンバーが揃っていた。まずガンプラバトル部員である私、タイキ、セカイくん、ユウマくん、フミナ先輩。そしてバトル部のコーチをしているラルさん。ここまでは大丈夫なのだ。しかし、ここからが問題だ。さっき突然姿を現したレイジさん(本名はアリーア・フォン・レイジ・アスナさんと言っていた)、さらになぜかメイジン・カワグチまで部室にいるのだ。何が何だか訳が分からず、私たち5人は呆然とその場に立ち尽くしていた。

 

「まあ君たちも座りたまえ」

 

 すでに椅子に座っているメイジン・カワグチに言われ私たち、いやセカイくん以外はおどおどしながら椅子に座った。セカイくんは別に驚く様子もなくけろっとしている。しかしここは自分たちの学校の部室なのに逆に招待されてるようですごい複雑な気持ちになる。

 

「あ、あの、ど、どうしてメイジンがこの学校に?」

 

 フミナ先輩が動揺を隠せずしどろもどろになりながらメイジンに聞いた。

 

「全日本ガンプラバトル選手権で優勝したことのあるチームの視察に来てはいけないか?」

「い、いえ!決してそんなことは!むしろ大歓迎です!」

 

 フミナ先輩はメイジンのほうではなく明後日のほうを向き大きな声で返す。かなり先輩動揺してるんだろうな・・・。

 

「それにしてもユウ・・おっと失礼、メイジン・カワグチに会えるとはね」

 

 ラルさんがメイジンに向かって何の気負いもなく話す。知り合いなのだろうか。

 

「大尉、本名で呼ぶのはあまりしないでもらいたい、何せ子供たちの前なのだから」

「すまんすまん」

 

 ラルさんは笑いながらメイジンに謝る。しかし大尉って、ラルさんは私が思っている以上にすごい人なのだろうか。

 

「しかしメイジン、私も驚いたが来てみてよかっただろう」

「ええ、まさかもう二度と会えないと思っていた人物に会えるとはね」

 

 ラルさんとメイジンはレイジさんのほうに目を向ける。察するにメイジンとラルさん、それにレイジさんは知り合いなのだろう。

 

「そんなわけねえだろ、俺はセイと約束したんだ、強くなったあいつとバトルするってな」

 

 レイジさんは腕につけているブレスレットのような物を握りしめる。

 

「セイって・・まさか、イオリ・セイさんのことですか!?」

「そうだけど、それがどうかしたのか?」

 

 レイジさんはすっとんきょうな顔でユウマくんの問いに答える。

 

「ってことは、レイジって・・・」

 

 私は目を見開きレイジさんを見つめる。イオリ・セイさんと知り合い、そしてレイジという名前、これは間違いない。

 

「ああ、彼こそ第7回ガンプラバトル選手権世界大会で優勝したファイター、セイくんの相棒、レイジくんだ!」

 

 ラルさんがかっこよくレイジさんを紹介する。

 

 

「あんた、世界一強いのか、おもしれえ、俺と勝負してくれよ!」

 

 セカイくんがレイジさんにバトルを申し込む。

 

「セカイ、言葉をわきまえろ。相手は世界一のファイターなんだぞ!」

 

 ユウマくんがセカイくんに無礼だと注意をする。

 

「タイキ、私たちもバトルしましょ!」

「し、シノ!?」

 

 私の言葉によっぽど驚いたのかタイキは私を見返した。タイキ曰く私はガンプラやバトルのことで熱くなると途端に目が変わってしまうらしい、自分で自覚は無いのだけれど・・。

 

「世界一のファイターとやりあえるチャンスなんてそうそうないわ、だからバトルしましょ!」

「そ、そうだな・・レイジさんオレもバトルさせてください!」

 

 私に若干、いやかなり推されてタイキはレイジさんにバトルを申し込む。

 

「た、タイキ、シノ!?」

 

 ユウマくんが驚いて私たちのほうを見る。

 

「私もバトルをさせてください!」

「ホシノ先輩まで・・・!」

 ユウマくんは少しあきれて溜息をつき、レイジさんに向き直った。

 

「僕もガンプラバトルやらせてください、レイジさん!」

 

「いいぜ、全員まとめてかかってこい!」

 

 レイジさんがそういうと隣にいたラルさんはバトルシステムを起動させた。

 

<Gunpla battle combat mode startup. Mdel damage level,set to C.Please set your GP Bace.>

 

 ダメージ度設定はC、ガンプラにはまったくダメージが入らない設定だ。ラルさんは元世界チャンプとの対戦なのだからどのようになるかわからない、といってCに設定した。

 私たち5人はGPベースをバトルシステムに差し込む。

 

<Beginning Plvasky particle dispersal.>

 

 バトルシステムから放出されるプラフスキー粒子が小さな谷を形成していく。

 

<Field 9, canion. Please set your Gunpla.>

 

 5人はそれぞれのガンプラをセットする。足元から蒼い波紋が広がりそれぞれのガンプラの双眼が緑にまぶしく輝く。

 

<Battle start>

 

「カミキ・セカイ、カミキバーニングガンダム」

「ホシノ・フミナ、スターウイニングガンダム」

「コウサカ・ユウマ、ライトニングZガンダム」

「アスノ・タイキ、マナタ・シノ」

「ガンダムクアンタドライバー」

「チームトライ・ファイターズ!」

5人「ゴー、ファイッ!」

 

 私たちのガンプラは一斉にバトルシステム上に飛び出した。

 

「ふぅ、レイジ、ビギニングガンダム、行くぜ!」

 

 レイジさんのガンプラもバトルフィールドに飛び立つ。

 

「相手の機体はビギニングガンダムか」

 

 タイキは淡々といった。

 

「素組だけど、スミ入れや塗装もして綺麗にしあげてる」

 

 私もレイジさんのビギニングガンダムの感想を言う。

 

「でも相手は世界チャンプ、油断しないで」

 

 フミナ先輩の言葉に私たち4人は「了解」と返す。

 

「最近張り合いのある相手がいなくてうずうずしてたんだ、悪いけど本気でいかせてもらうぜ!」

 

 レイジさんはビギニングガンダムの左シールド裏に装備されているビームサーベルを三本一気に引き抜き私たちのガンプラに接近する。

 そうはさせまいとユウマくんのライトニングZや先輩のスターウイニングがビームライフルで迎撃するがすべて簡単によけられてしまう。

 

「う、うまい」

「さすが世界一のファイターね」

 

 ユウマくんとフミナ先輩が感嘆の声をもらす。

 

「よーし、オレたちも行くぜ、タイキ、シノ!」

2人「了解」

 

 セカイの掛け声とともにカミキバーニングとクアンタドライバーは一気にビギニングとの距離を詰める。

 

「まずは俺から行くぜ、次元覇王流、聖拳突き!」

 

 カミキバーニングから次元覇王流拳法が放たれるしかしそれをビギニングが華麗な動きで避ける。

 

「避けられた!?」

「まだよ!」

 

 ビギニングが避けた瞬間を狙い間髪入れずにクアンタドライバーのGNソードⅤが上段から振り下ろされる。しかしそれもビギニングは体をきりもみするようにして避ける。

 

「避けられた!」

「すっげー、これが世界一のファイターの力か!!」

 

 私とタイキ、セカイくんは眼を輝かせてビギニングを見る。

 

「いいぞ・・それでこそガンプラバトルだ!」

 

 直後あらぬ方向からミサイルが飛んでくる。それを何とかビームライフルで迎撃し直撃を逃れる。

 

「え、援軍!?」

 

 フミナ先輩がミサイルが飛んできた方向を見る。

 

「ま、まさか!」

 

 私がそのガンプラの姿を光学カメラでとらえる。

 

「あ、あれは・・」

「メイジンの、伝説の、パーフェクトガンダム3・・!」

「アメイジングレッドウォーリア!」

「私もこのバトル、参加させてもらう!」

 

 メイジンはそういうとガンブレイドを一閃しこちらに向かって突撃してきた。

 

「くっ、速い!」

 

 タイキはすかさずGNソードⅤを下段から斬り上げアメイジングレッドウォーリアに対抗する。

 

「ほう、なかなかいい反応だな、ガンプラもよく作りこまれてある」

 

 メイジンが私たちのガンダムクアンタドライバーを見て感想を言う。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「邪魔するなよユウキ・タツヤ。俺が勝負してるんだぞ!」

「私はユウキ・タツヤなどという名前ではない、私は3代目メイジン・カワグチだ!」

 

 メイジン・カワグチはそう高らかに宣言すると鍔迫り合いをしていたクアンタドライバーを蹴とばし、ビギニングガンダムに斬りかかる。

 

「ぬお、さすがだな。なかなかやるじゃねえか!」

「レイジくんこそ全く腕が落ちていない。それどころかさらに強くなっている!」

 

 何度もビームサーベルとガンブレイドが激突し激しく火花を散らす。一度激突しただけで相手の技量がわかるなんてさすがメイジン、ニュータイプか・・。

 

「次元覇王流!!」

 

2人「何!?」

 

 レイジさんとメイジン・カワグチは驚きの声を上げる。セカイくんのカミキバーニングが一気に2機に迫る。

 

「流星螺旋拳!!」

 

 直後、カミキバーニングがビギニングガンダムとアメイジングレッドウォーリアに向かって回転する拳を叩きつける。

 

「なかなかやるな、カミキくん!!」

 

 メイジンがセカイくんを称賛する。

 

「まだまだですよ!俺とカミキバーニングの力は!!」

 

「へへっ、なかなかおもしろいじゃねえか」

 

 レイジさんも火が付いたらしくカミキバーニングに斬りかかる。

 

「オレだってまだやれますよ!」

 

 タイキも球体の操縦桿を動かしカミキバーニングを斬ろうとしていたビギニングのビームサーベルをクアンタドライバーがGNバスターソードで応戦する。

 

「僕だって!」

 

 直後ユウマくんのライトニングZガンダムから放たれたビームライフルがビギニングガンダムに直撃する。

 

「うおっ!」

 

 胴体を貫かれ大きく損傷したビギニング。

 

「ほお、とてもいい連携だ、手練れ相手に複数で戦闘する場合その連携が重要となる」

 

 ラルさんは淡々戦況を見て解説する。

 

「私だって!行け、スタークロス!」

 

 フミナ先輩のスターウイニングガンダムのガンビットとバリアビットが合体し1基のスタークロスになりメイジンが操るレッドウォーリアに突進した。

 

「むっ」

 

 スタークロスはレッドウォーリアに激突し大きくはじきとばした。

 

「そこよ!」

 

 私とタイキはGNバスターソードをバスターライフルに換装しアメイジングレッドウォーリアにビームを照射した。

 

「こ、これは・・・!」

 

 直後アメイジングレッドウォーリアが爆ぜシステム音声がバトル終了を告げる。

 

<Battle ended.〉

 

 バトルが終わりプラフスキー粒子の散布が終了する。

 

「よっしゃーー勝ったぜ!」

 

 セカイくんが歓喜の声をあげる。

 

「ああ、やったなセカイ!」

 

 タイキはセカイくんとハイタッチを交わす。

 

「2対4とはいえメイジンとレイジさんに勝ちましたよ!」

「ええ、やったわ!」

 

 フミナ先輩とユウマくんの2人もハイタッチを交わす。そして4人で同時に拳を合わせる。

 そんな中私は一人メイジン・カワグチとレイジさんの元に行き気になっていることを話した。

 

「レイジさん、メイジン、どうしてあの時攻撃をよけなかったんでか?」

 

 私が発した言葉にタイキたち4人は驚き私のほうを見る。

 

「ほお、君の観察力はすさまじいな、ニュータイプか?」

「ちゃかさないでください、メイジンの腕とアメイジングレッドウォーリアの性能ならよけれていたはずです。」

 

 私は苦笑しながらメイジンに意見を述べた。

 

「オレは単純に油断してた、まさかお前らがこんなに強いだなんてな、もっと本気でバトルをすればよかったぜ」

 

 レイジさんはそのように言う。

 

「私も少しばかり油断をしていた、素直に認めよう。だが次はこうはいかんぞ」

「私たちのクアンタもまだまだ底を見せていませんよ」

 

 そう言って私はメイジン、レイジさんと互いに握手を交わした。

 

「レイジさん、メイジン、また私たちとバトルしてくれますか?」

 

 フミナ先輩が2人に問う。

「ああ、いつでも相手になるぜ」

 

「私も時間があればいつでも相手になろう」

 

 その言葉に眼を輝かせる私たち5人。

 

「よーし明日からみんなで特訓よ!」

 

 部長のフミナ先輩の言葉に私たちは「おぉ!」と高々と拳をあげた。

 




 先ほどのバトルから1時間後、太陽は西の空に沈みかけ学園や街を夜の帳が包み込もうとしていた。その学園の一角で3人の男は話をしていた。

「まさか再びレイジくんと再会できるとは、思いもよらなかったよ」

 ラルさんが笑顔でレイジにはなす。

「何回も言うなよ、オレは約束を守る!絶対だ」

 レイジは拳を握りしめていう。

「レイジくん、あとからイオリくんに聞いたのだがこっちの世界には来れるようになったのかい?」
「あ、ああ。いろいろあってな。それにこっちの世界に来たのもセイとの約束を守るためだけじゃないんだ」

 レイジは意味深な言葉を言った。

「それはどういうことかね」

 ラルさんは不思議そうにレイジに聞く。メイジン改めユウキ・タツヤも同じといった表情だ。

「これはとても大切な話なんだ」

 レイジは一度言葉を区切ってからタツヤとラルさんに言った。

「ユウキ、ラルのおっさん、みんなを集めてくれねえか」

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