ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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2話 行ってきます!

修学旅行当日。

 

場所は東京駅の新幹線のホーム。

ホームの隅の人目につかない場所に集まっていた。

 

居残り組では部長が見送りに来てくれていた。

父さんや母さん、他の居残り組とは既に行ってきますの挨拶はしてある。

朱乃さんや小猫ちゃん、ギャスパーも来たがっていたけど授業もあるしね。

 

アリスは家でこの世界のお勉強だ。

・・・・・・・今のアリスに新幹線の駅はまだ早い。

 

 

「はい、これ人数分の認証よ」

 

 

部長が旅に出る俺達にカードらしきものを渡してくれた。

カードの表にはグレモリーの紋様が描かれている。

 

「これが噂の?」

 

木場が訊くと部長は頷く。

 

「ええ。これが悪魔が京都旅行を楽しむときに必要な、いわゆる『フリーパス券』よ」

 

京都の名所は寺が多い。

しかも、どこもが神聖な場所だ。

 

普通、悪魔がそこへ行けばダメージを受ける。

聖なるものは悪魔にとっては毒だからな。

 

そこで、このフリーパス券の出番。

 

京都の裏事情を牛耳る陰陽師だとか妖怪が悪魔が観光を楽しめるようにと発行してくれているそうだ。

当然、信用の出来る悪魔にしか発行はされない。

 

こう言うところでグレモリーの名前のありがたみを感じるな。

 

 

悪魔ではない美羽にも発行されているのは謎だが・・・・・。

関係者だから、一応とのことだろうか・・・・?

 

 

「私達グレモリー以外にもシトリー、天界関係者、堕天使にも配布されているわ」

 

「ちなみに入手してくれたのはシェムハザ様だけどね」

 

部長の情報に追加を加えるレイナ。

 

・・・・・・アザゼル先生って信用されてないのだろうか?

 

「総督が私の分を完全に忘れていたのよ。あの人はしっかりしてるのかうっかりしてるのか分からない時があるわ」

 

先生・・・・・・あんた、何してんの!?

 

そりゃ、レイナも怒るわ!

ほら、ぶつぶつと愚痴を溢し始めてるし!

 

「とりあえず、スカートか制服の裏ポケットにでも入れておきなさい。無くしちゃダメよ? いいわね?」

 

「了解です!」

 

返事をして、すぐに裏ポケットにカードを入れる。

よし、これでOK。

 

アーシアの携帯が鳴る。

 

「あ、桐生さんですか? はい。皆さんも一緒です。今からそちらに行くところです」

 

桐生からの呼び出しらしい。

 

アーシアは電話を済ませ、部長に一礼する。

 

「では、リアスお姉さま。行ってまいります!」

 

「お土産買ってくるからね!」

 

「行ってきます」

 

「行ってきまーす」

 

「それじゃあ、行ってきますね」

 

アーシア、美羽、ゼノヴィア、イリナ、レイナが部長に別れの挨拶をしてこの場を後にする。

 

「では、僕もこれで。お土産買ってきます」

 

木場も一礼して自分のクラスの方へと去っていく。

 

俺もそろそろ行かないと。

 

部長が俺の襟元に手をやる。

 

「イッセー。襟元をきちんとなさい」

 

「あ、すいません」

 

どうやら襟元が乱れていたようだ。

 

部長は俺の襟を直すと俺の肩に顔を寄せる。

 

「どうしたんですか?」

 

「・・・・正直、あなたがいない間、すごく寂しいわ。本心を言えばあなたと離れたくないのだけれど・・・・・・。王の私がそこまで甘える訳にはいかないものね」

 

そう言って苦笑する部長。

 

朱乃さん達にも「行かないで」って言われたっけな。

 

皆は大袈裟だなぁ。

 

 

ま、そう言ってもらえるのは男冥利に尽きるってものなのかね?

 

 

つーか、目元を潤ませている部長、超可愛い!

いつものお姉さまとのギャップが凄まじいぜ!

 

 

俺は部長の頭をポンポンと撫でてあげる。

 

「甘えたいときは甘えても良いよ、リアス(・・・)。リアスだってまだ年頃の女の子なんだからさ」

 

俺がそう言うと部長は少し驚いたようにする。

 

 

俺の実年齢が皆にバレてから、部長や朱乃さんは凄く甘えてくるようになったんだ。

まるで美羽みたいに。

 

だから、俺は何となく分かった。

 

どうすれば部長は安心するのかを。

 

 

部長は少し顔を赤らめて小さな声で言った。

 

「イッセーったらズルいわ。こんな時に歳上の発言するんだもの」

 

「ははは・・・・・。でも、本当にそう思っているよ。王として頑張らないといけないのは分かるけどさ、甘えたいときは存分に甘えてくれても良いんだぜ? 一応、俺の方が歳上だから」

 

俺は親指で自分を指しながら笑った。

 

 

ぶっちゃけると、半分諦めているところもあるんだよね。

 

先生からは二十歳、二十歳言われるし。

父さんは酒を勧めてくるし。

 

どーせ、俺は二十歳だよ!

 

良いもん!

二十歳で青春送ってやるもんね!

見てろよ!

 

 

 

部長――――リアスはクスッと笑うとお願いをしてきた。

 

「それじゃあ、一つお願いしようかしら」

 

「お願い?」

 

「行ってきますのキス・・・・・してくれる?」

 

 

思考が止まった。

 

 

 

 

 

 

な、なぁぁぁにぃぃぃぃぃ!!?

 

 

行ってきますのキスだとぉぉおおおお!?

 

 

流石にこれには驚いた!

 

た、確かに甘えても良いって言ったけど!

 

直球過ぎませんか!?

 

つーか、行ってきますのキスって甘えてるうちに入るの!?

 

 

リアスは自身の唇を指差して言う。

 

「早くしないと遅れてしまうわ。だから、ね♪」

 

おいおい、マジかよ!

 

この目は本気の目だよ!

 

「そ、それは・・・・・・」

 

「・・・・・甘えても良いって言ったのに」

 

プクッと頬を膨らませるリアス。

 

ぐっ・・・・・!

なんでこんなに可愛いの!?

 

そんな風に言われたら断るわけにもいかんじゃないか!

 

「わ、分かった・・・・・。そ、それじゃあ・・・・・」

 

俺はリアスの肩に手を置き、顔を近づけていく。

 

 

ドクンッ ドクンッ

 

 

ヤバイ!

ドキドキが止まらねぇ!

 

相手からされたことは何回かあるけど、自分からってのは初めてだから、かなり緊張する!

 

 

 

次第に俺の唇とリアスの唇が近づいて―――――

 

 

 

 

互いの唇が重なった。

 

 

 

ほんの一瞬。

それが限界だった。

 

俺は直ぐに唇を離した。

 

こ、これ以上は心臓が破裂しそうだ・・・・・・・!

 

 

こんな一瞬で良かったのだろうか・・・・・・。

 

そう思い、リアスの方を見てみると―――――

 

 

「初めて・・・・・・イッセーからキスされちゃった。すごく、嬉しい」

 

両手で頬に触れて、本当に幸せそうな表情をしていた。

 

メチャクチャ乙女な顔だ。

 

「ありがとう、イッセー。これだけで私はしばらく生きていけるわ」

 

「また、大袈裟な・・・・・。っとそろそろ行かないと。それじゃあ、俺も行ってきます、部長」

 

「あら? もう名前で呼んでくれないの?」

 

少し不機嫌そうにする部長。

 

「えっと、今からは十七歳ってことにするんで・・・・・。公私は分けるってことで許してもらえると助かります・・・・・」

 

流石に先輩を呼び捨てにするわけにはいかないだろう。

それにこの世界では俺は部長よりも年下ってことになってるし。

 

「フフフッ、冗談よ。大丈夫、分かってるから。それじゃあ、行ってらっしゃい、イッセー!」

 

「はい、行ってきます、部長!」

 

 

 

 

 

 

 

新幹線が東京駅を出発してから十分ぐらい経った頃。

 

 

「スー、スー」

 

 

穏やかな寝息をたてているのは美羽だ。

 

昨日はワクワクして眠れなかったのだろう。

今朝は完全に寝不足だった。

 

新幹線に乗ってから数分間ははしゃいでいたけど、今では完全に夢の中。

 

俺の膝に頭を乗せて熟睡してる。

 

 

ちなみに、俺と美羽の席は車両の一番後ろだ。

前の席には松田と元浜。

通路を挟んだ反対側の席にはゼノヴィアとイリナ。

その前にはアーシアとレイナ、桐生が座っていて、向かい合わせの席になっている。

 

 

松田が席の間から顔を覗かせる。

 

「美羽ちゃん、完全に寝ちまったな」

 

「昨日は眠れなかったみたいだからな。これは京都に着くまでは起きないぞ」

 

「・・・・やはり、美羽ちゃんの寝顔は天使のようだな。・・・・・これはチャンス」

 

「おい、元浜。なぜにカメラ?」

 

「この寝顔を撮るからに決まっているだろう。美羽ちゃんの寝顔は俺達にとっては超レアだからな」

 

「それを俺が許すと思うか?」

 

「そこを何とか!」

 

合掌して頭を下げてくる元浜。

 

それを見て少し一考する。

 

まぁ、元浜や松田には中学の時から美羽のことで色々助けてもらってるしなぁ。

 

 

元浜に俺は条件を提示した。

 

「絶対に可愛く取れよ? それからその写真は俺にもくれ。あと、他のやつにバラ撒いたりした場合はその写真は全て俺が回収させてもらうからな」

 

そして、その写真は全てアルバムに納めてやる。

例え同じ写真だったとしても美羽の写真だ。

捨てるわけがない。

 

「お安いご用だ、我が同士よ。それにこれは俺の美少女コレクションとして保存するだけだ。誰にも見せないことを約束しよう。礼と言ってはなんだが・・・・・・新たに入手した紳士の円盤『爆乳秘湯巡り・(スーパー)』を今度貸してやろう」

 

「それは・・・・・・シリーズ最高傑作で激レアと言われるアレか!」

 

「その通り! かなりの費用と時間を費やしたが、先日、入手に成功したのだ!」

 

おおっ!

流石は元浜!

俺ですら入手出来なかったものを持っていたとは!

 

こいつのエロへの努力には頭が下がるぜ!

 

 

俺の許可を得た元浜はパシャリと写真を撮っていく。

 

見せてもらったが、かなり可愛く撮れていた。

 

我が家の家宝にしよう。

 

「この旅行から帰ったら直ぐにプリントアウトして渡そう」

 

「頼んだぜ、元浜」

 

俺と元浜はグッと親指を立てる。

 

やはり持つべきものは友だな。

 

そんな俺を見て松田が言う。

 

「にしても、イッセーのシスコンぶりは凄まじいな。おまえに妹が出来たと聞いた時も驚いたけど、俺はおまえの変わりように驚いたぞ。まぁ、エロいところは全く変わってないけどさ」

 

「松田よ。もし、おまえに美羽のような妹が出来たらどうする?」

 

「それは・・・・・・・溺愛するな・・・・・」

 

「つまり、そういうことだ」

 

 

 

 

 

 

 

それから数分後。

 

それまで話をしていた松田と元浜も寝てしまった。

 

 

俺は、昨日は早く寝たので、そこまで眠くはない。

ただ窓から外を眺めてる。

 

すると、廊下を挟んで反対側の席に座るゼノヴィアが席から少し身を乗り出して言ってきた。

 

「イッセー」

 

「ん? どうした?」

 

「今回、有事の際にはイッセーが代理の王を勤めると聞いているんだが」

 

「ああ、そうだよ」

 

 

もし、この修学旅行中に非常事態・・・・・・例えば、禍の団のテロとかがあった場合は俺がグレモリーとシトリーを纏める王になることになったんだ。

 

俺で良いのか、と思ったんだけど部長や会長だけでなく、先生からも任命されてしまったから引き受けたんだけど・・・・・・・。

 

ま、これも将来、上級悪魔になった時の練習として考えれば良いのかね?

 

 

「それなら、先に言っておこうと思ってね。今、私はデュランダルを持っていない。完全に丸腰だ」

 

おいおい・・・・・・。

いきなりとんでもない情報を知らされたよ。

マジか。

 

「なんで?」

 

「なんでも正教会に属している錬金術師がデュランダルの攻撃的なオーラを抑える術を見つけたらしくてね。今は天界経由であちらに送っているんだ」

 

なるほど。

 

ゼノヴィアはまだデュランダルを制御出来ていないところがあるからな。

パワーでごり押しするにしてもまだまだ力にムラがある。

 

デュランダルが無いのはそういう理由か。

 

「了解だ。何かあったらアスカロンを貸せってわけね? まぁ、ほとんどおまえが使ってるけどさ」

 

「そういうことなんだ。だが、イッセーも今は籠手の能力を使えないだろう? 私が借りてしまっていいのか?」

 

「構わないよ。俺の武器はこれだし」

 

俺は自分の拳を見せながら言う。

 

錬環勁気功は武器が無くても相手を制圧できる総合格闘術だ。

剣が無くても俺は十分に戦える。

 

「そうか。そういうことなら私も安心できる。その時は遠慮なく使わせてもらうよ」

 

「おう」

 

それだけのやり取りをするとゼノヴィアは隣の席のイリナと会話を再開した。

 

 

さて、俺は・・・・・・・・。

 

 

松田と元浜も寝てるし、膝の上には美羽が頭を乗せて熟睡してる。

動くわけにもいかないし・・・・・・・。

 

 

 

 

京都に着くまで時間はある。

 

折角だし神器に潜ってみるか。

 

 

俺は瞑目して、神器に意識を持っていった。

 

 

 

 

 

 

暗い場所を抜けていき、その先にあるのはあの白い空間。

 

テーブル席がおかれて、歴代達が座っている。

 

 

無表情なのは相変わらずか。

 

話しかけても通じないことは分かってるし、ここは・・・・・。

 

 

「エルシャさーん、ベルザードさーん! 俺ですよー!」

 

 

大きな声で二人の名前を呼んでみる。

 

 

すると、一組の男女が現れた。

 

黒髪でダンディな風体の男性とウェーブのかかった長い金髪のお姉さん。

 

他の歴代達とは違い、二人には表情がある。

 

男声の方が朗らかに言う。

 

「やぁ、イッセー君。また、来てくれたみたいだね」

 

「どうも、ベルザードさん。暇なんで少しお喋りしに来ました」

 

俺がそう言うと女性は微笑んだ。

 

「やっぱりあなたって変わってるわ。残留思念とお喋りしに来る赤龍帝なんて、これまでなかったわよ?」

 

「別に良いじゃないですか、エルシャさん。こういう例外がいても」

 

「それもそーね」

 

そう、この二人は歴代最強と言われていたベルザードさんとエルシャさん。

ロスウォードの時に力を貸してくれたあの二人だ。

 

俺の後ろに赤いドラゴンが姿を見せる。

 

ドライグだ。

 

『まさか、こうして再び出てくるとはな。特にベルザードの方は意識を失いつつあったではないか』

 

ドライグの言葉にエルシャさんも頷く。

 

「それには私も驚いているのよ。まさか意識を回復させるなんて思ってもいなかったわ」

 

「それはイッセー君のお陰さ。神器の中から彼の行動を見て、実に面白い青年だと思っていた。彼に興味を持っているうちに俺は意識を取り戻すことができた」

 

そんなこともあるのか。

 

俺の行動がベルザードさんの意識を取り戻す切っ掛けになったと。

 

 

「そういえば、おっぱいドラゴンに興味津々だったっけ? それが一番の切っ掛けじゃなかったかしら?」

 

な、なにぃぃいいい!?

 

そうなんですか、ベルザードさん!?

 

 

俺の視線がベルザードさんに移る。

 

すると、

 

「そう! あれは俺を刺激するには十分だった! 爆笑した!」

 

ベルザードさんのテンション上がってる!?

 

そして、エルシャさんも爆笑し始めた!

 

「特に名前が決まった瞬間のドライグの表情は最高だったわ!」

 

 

おいいいいいいいいっ!!!

 

 

その話題をドライグの前でしないで!

 

泣くから!

 

 

『うおおおおおんっ!! こいつらにまで言われるのかぁああああ!!!』

 

ほら見ろ!

 

号泣してるじゃないか!

かつての相棒達に言われて涙が滝のようになってる!

 

最悪じゃねぇか!

 

 

この人達、本当にそこの歴代達と同じ残留思念なのか?

反応が違いすぎるぞ。

 

「他の歴代もこの二人くらいに話してくれたら良いんだけど・・・・・」

 

「そうね。他の人達は完全に闇に呑まれちゃってるから・・・・・。少しくらいの刺激じゃ反応しないかも」

 

 

刺激ねぇ・・・・・・。

 

どうしたものか・・・・・。

 

 

覇龍の時はあんなに活発だったんだけどな。

やっぱり力を――――覇を求めるというのが一番の刺激なんだろうか?

 

だけど、あれは危険すぎる。

 

前回は上手くいったけど、次も出来るとは限らない。

 

出来れば他の方法を探したいところなんだけど・・・・・・。

 

 

俺が思案している時だった。

 

 

「キャッ!」

 

 

突然、エルシャさんが悲鳴をあげた。

 

何事かと思い、そちらを見てみると―――――

 

 

 

「むむむ・・・・私よりも胸がある。それに感度も良いわ」

 

 

イグニスがエルシャさんの胸を後ろから揉んでいた。

 

「なんで、ここにあんたがいるんだよ!?」

 

「簡単な話よ。私とイッセーの間には経路(パス)が出来たって言ったでしょ? それを利用したのよ」

 

イグニスが説明してくれたけど、さっぱり分からん。

 

どういうことだよ?

 

俺が首を傾げているとドライグが言う。

 

『なるほど。神器は相棒の魂と直結している。相棒と繋がったおまえがここに入れるのも当然か』

 

えーと、それはつまり・・・・・・?

 

『分かりやすく言うとだ。イグニスは相棒を経由してこの神器に潜り込むことが出来るようになったと言うことだ』

 

マジかよ。

そんなことが出来るようになってたのか。

 

「そー言うことよ。だから、こんなことも出来ちゃう♪」

 

そこから更にエルシャさんの胸を揉みしだいていくイグニス!

 

あんた、何してんの!?

 

「ふぁっ・・・・・ひゃん! ちょ、そこは!」

 

「ふふふ、可愛い反応するじゃない。それなら――――」

 

イグニスはエルシャさんの服の中に手を滑らせていく!

 

そして、胸の辺りに手を持っていった!

 

「こうしたらどうなるかしら?」

 

「んっ! そこ・・・・、ダメぇ・・・・・・ひゃぁぁあああ!!!」

 

エルシャさんの体がビクンッと跳ねてその場に崩れていく。

 

 

イグニスって、こんなにエロい性格してたの・・・・・・?

もしかして、そっち系の人・・・・・?

 

 

あ、やべ・・・・・・今の見てたら鼻血が・・・・・。

 

精神世界でも鼻血って出るのな・・・・・・。

 

 

「うん、満足満足!」

 

 

顔を真赤にして横たわるエルシャさんを見て本当に満足そうな顔をしてるイグニス。

 

この人、一応、神様だったんだよね?

 

やってることはただの変態だよ!

 

「変態じゃないわ。欲求不満だっただけよ」

 

「いや、ダメだろ! つーか、心を読むなよ!」

 

「いいじゃない。私、ずっと一人だったからストレス溜まってたのよ。途中でシリウスが来たけど・・・・・あの人、堅物だったから、こういうのは出来なかったし。あなたも中々来てくれないしね」

 

それ以上言わないで!

 

あんたへのイメージが変わってくるから!

 

いや、もう手遅れか!?

 

 

って、後半とんでもないこと言わなかった!?

 

会いにいったらそういうことしてくれるんですか!?

 

 

イグニスの視線が歴代達の方へと移る。

 

「あっちにも可愛い娘がいる~」

 

 

テテテッと小走りで歴代のそばに寄るイグニス。

 

 

非常に嫌な予感がする・・・・・・・。

 

まさか・・・・・・・・

 

 

「それじゃあ、失礼して。いただきます」

 

 

イグニスは歴代の女性赤龍帝達の胸を揉み始めた!

 

あんた、ここに何しに来たの!?

 

さっきからツッコミどころが多すぎる!

 

 

すると、ベルザードさんが何かに気づいたように言った。

 

「むっ・・・・・・。イッセー君。あれを見たまえ」

 

ベルザードさんが指差す先にはイグニスに胸を揉まれている少女。

 

あれがどうしたんだろう?

 

変態が一人で盛り上がってるようにしか見えない。

 

「揉まれている彼女の表情が変わってきていないかい?」

 

「・・・・・・・えっ?」

 

言われてもう一度、目を凝らして見てみる。

 

すると、確かに変化が見えた。

 

 

なんか・・・・・・恍惚としてる。

 

 

 

無表情だったのが、トロンとした瞳になってきてる。

 

 

 

・・・・・・えっ?

 

マジで?

 

あれだけ何度も話しかけても変化無かったのに?

 

あんな変態行為で反応するんですか?

 

 

 

 

『うそん』

 

 

ドライグが絶句していた。

 

 

 

 

 

 


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