ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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最近忙しくて執筆が進まない!

と、ここで個人的な報告を。
夏に受けた資格試験に合格しました!

やったぜ!

そんなわけで、どーぞ!


7話 ゲーム目前! 空中都市へ!

ゲーム当日。

 

「おおー、スゲー」

 

俺は空中都市に続いているゴンドラの中から上空に浮かぶ島を眺めていた。

 

横ではアーシアやゼノヴィアも窓から外の風景を眺めていた。

ちなみに、このゴンドラには試合に出るグレモリー眷属が乗っている。

 

レイヴェルは先に現地にいて色々と準備を整えてくれているようで、他のオカ研メンバーはヴェネラナさん達と別のルートで応援にくるそうだ。

 

アガレス領の空に浮かぶ島、アグレアス。

 

島を浮かばせている動力は、旧魔王の時代に作られたものらしいが、アジュカさんにしか詳細は分からないらしい。

島の深奥部の調整は現ベルゼブブ眷属が行っているようだ。

 

にしても、空に浮かぶ島ってのは凄いもんだな。

アスト・アーデでも見たことがないや。

 

都市から地上に水が滝のように落ちていく。

それが複数。

幻想的な光景だ。

 

このアグレアスは空に浮かぶ島の上に造られた都市で、この辺り一体の空の流通を取り仕切る場所らしい。

あと、観光地でもあるそうだ。

 

都市への入り方は大きく三つ。

 

一つは魔法陣によるジャンプ。

これはVIPクラスか特別な行事の時にしか使えない方法らしい。

 

アグレアスは冥界にとって重要な場所であるから、なるべく魔力での移動は禁止しているようだ。

 

二つ目は飛行船などの乗り物。

これが一番メジャーとのこと。

 

で、三つめが俺達のように下の乗り場でゴンドラに乗って島に上がっていく方法。

リアスがゴンドラからの眺めを知っていて、その感想を聞いていたので全員がこの方法を希望した。

 

うん、今日が晴れてて良かった!

絶景だもんな!

 

 

ただ・・・・・・気分が晴れない人もいるようで。

 

『うぅ・・・・・グスン・・・・・女の乳でパワーアップするのは今回きりだって約束したのに・・・・・・。なんで、また・・・・・』

 

はい、相棒のドライグさんは先日の一件から数日経った今でもこんな感じです。

 

禁手に至った時、ドライグは涙声だったものの、今回限りだと言って、割りと言いたいことを我慢してくれていたようなんだが・・・・・・。

 

俺が再びおっぱいで新たな可能性の扉を開いちゃったから、精神が不安定気味になっているようで。

 

『・・・・・禁手に至った後はまともにパワーアップしてたじゃないか。天武も天撃も修行して手に入れてたじゃないか・・・・・・。なんで、ここに来て乳なんだ・・・・・・』

 

それは・・・・・・俺がおっぱいドラゴンだからさ!

 

『うわぁぁぁぁん!! おうち帰るぅぅうううう!!! 引きこもってやるぅぅうううう!!』

 

おおう!?

 

ドライグの言葉遣いが急変した!?

 

つーか、おまえの家ってどこ!?

 

『まぁまぁ、いいじゃないの。どんな形であれ、相棒が次のステージに進めるんだから』

 

と、イグニスがドライグを慰めている。

 

しかし、ドライグは納得できないようで、

 

『俺は二天龍の赤龍帝と多くの者に畏怖されてきたんだぞ! その俺の宿主が女の乳でパワーアップするなど言語道断! 女のおまえに俺の気持ちが分かるか!』

 

ま、まぁ、そうだよね。

 

本当にゴメンね、ドライグ。

 

でも、しちゃったものは仕方がないし、受け入れてくれ。

 

『受け入れられるか!』

 

こりゃ、相当ご立腹だな。

 

どうしたものか・・・・・・。

 

流石に今回の件は俺が悪いし・・・・・・ここは謝り続けるしかない、か?

 

すると――――

 

『あんまり、いつまでもグチグチ言ってるとしめるわよ? お姉さん怒らせるとどうなるか、分かってるのかな~?』

 

『おい、待て! 貴様、何をするつもりだ!?』

 

『ん~、とりあえず、神器の中をピンク色に変えようかな。ほら、歴代の女の子達がいるじゃない? あの子達で遊ぼうかな~』

 

『やめろぉぉおおおおおお!!!』

 

うおぉい!

 

イグニスさん、あんた何をしてるの!?

 

また歴代の女の子のおっぱいを揉む気か!?

 

なんて羨ましいこと・・・・・・じゃなくて!

 

ベルザードさーん! エルシャさーん!!

 

その人止めてーーーー!!!

 

『『ごめんなさい、無理です』』

 

即答!?

 

『だって、私も揉まれるし・・・・・』

 

『俺は眺めている方が面白いかな』

 

ダメだ!

 

歴代最強のお二人でも無理か!

 

このままでは神器の中がピンク色の空間へと変貌してしまう!

 

「イッセー君、汗かいてるけど大丈夫かい?」

 

「あんまり大丈夫じゃないかも・・・・」

 

ドライグ、後で助けにいくから耐えてくれ!

 

 

と、ここでリアスと視線が合った。

 

「・・・・・・・」

 

あ、顔が真っ赤に・・・・・・。

 

そうでした。

 

リアスもあの一件以来、目が合うだけでこんな感じかな。

 

あの後、リアスは自分の発言を思い返して、かなり恥ずかしいことを言ってたことを認識。

顔がゆでダコのように赤くなっていたのを覚えている。

 

直後、「皆には言わないで!」と涙目で言われてしまったよ。

ま、まぁ、自ら望んでスイッチ姫になろうとして、実際になってしまったことなんて知られたくないわな。

 

だけど、それは叶わない望みであってだな・・・・・・。

 

家に住む女性陣はそのあたりのことに鋭くて、リアスは直ぐに自ら打ち明けることになってしまったんだよね。

 

いやー、女の子の勘って怖いねー。

 

『それは実体験かしら?』

 

・・・・・・うん。

 

でも、リアスが以前と比べてどこか自信を持った表情をしているような気がするんだよね。

 

 

アリスの方は・・・・・・驚きの変化があった。

 

なんと、あの日からおっぱいが育ち始めたのだ!

 

見た目にはほとんど変化がないが、おっぱいが大きくなっていて、今朝測ってみると5mmほど大きくなっていた!

 

言っておくが誤差ではない!

何度も測ったんだ、間違いはない!

確かにアリスのおっぱいは成長している!

 

当の本人は涙を流して喜んでいた。

 

アリスのおっぱいの今後が楽しみで仕方がないです!

 

とにかく、スイッチ姫として覚醒した二人にも色々と変化があったということだ。

 

 

俺の方はと言うと二人のおかげで新たな可能性への扉は開いた。

 

だけど、今すぐにどうこうなるものではなく、今後の修行次第のようだ。

 

まぁ、俺にもまだ伸びしろがあるだけでも良しとしよう。

 

 

「実はな、今回のゲーム会場設定は上の連中がもめたらしい」

 

と、アザゼル先生が空を眺めながら言った。

 

「もめた?」

 

俺が聞き返すと先生は頷く。

 

「現魔王派の上役はグレモリー領か魔王領での開催を望んだんだが・・・・・ここにバアル派がバアル領での開催を訴えてな。なかなかの泥仕合になったそうだ」

 

っ!

 

そんなことがあったのか。

 

「現魔王は世襲じゃないからな。家柄、血筋重視の上級悪魔にとっちゃ、大王バアル家ってのは魔王以上に名のある重要なファクターなんだよ。なんせ元七十二柱の一位だからな」

 

「旧魔王派に荷担してた悪魔達も過去にそんなこと言ってもめたんですよね? 同じことを繰り返しているのがわからないんですかね?」

 

俺がそう訊くと先生は嘆息する。

 

「あれはあれ、これはこれってな。悪魔も人間と同じ、体裁やら何やらが色々あるのさ」

 

「・・・・・それで結局アガレス領」

 

小猫ちゃんがぼそりと呟く。

 

それに先生が頷いた。

 

「大公アガレスが魔王と大王の間を取り持ったって話だ。中間管理職、魔王の代行、か。時代は変われど毎度苦労する家だぜ」

 

中間管理職ですか・・・・・。

 

まぁ、話を聞くだけでも大変そうだな、大公。

 

木場が先生に尋ねる。

 

「僕たちのゲームは魔王ルシファーと大王バアルの代理戦争ということになるのでしょうか?」

 

「ま、そういう風に見る連中もいる。そんでもってバアル派の連中は最後までイッセーの参戦を拒んでいたみたいだぞ」

 

「俺、ですか・・・・?」

 

俺は自分を指差しながら聞き返す。

 

嫌われてるのか、俺?

 

特に何したってわけでもないはずだけど・・・・・・。

 

「若手悪魔の会合でおまえがやらかしただろ? 悪魔上層部のお偉いさん方に睨み利かせたそうじゃねぇか。その一件以来、一部の上役はおまえを危険視してるんだよ」

 

あちゃー、アレが響いてたのね・・・・・。

 

あいつら会長達の夢を笑ってたからムカついて、ついやってしまったんだが・・・・・。

 

「今言ったようにこのゲームを魔王と大王の代理戦争と見る連中もいる。だが、そんなことをおまえ達が気にする必要はない。仮に負けたとしてもサーゼクスが政治的に不利になるなんてこともないしな。ただ、大王家の連中とサイラオーグの後ろについた奴らがあまい汁を吸うだけだ」

 

「サイラオーグさんの後ろに政治家ですか」

 

「体一つでのし上がってきたあの男が今更政治家の意見に左右されることはないだろうがな」

 

まぁ、それもそうか。

 

あれだけ信念を持ってる人が他人の意見にほいほい流されるわけないもんな。

 

サイラオーグさんが政治家と繋がっているのも夢のためだろう。

 

「とにかくだ。上役の思惑はどうであれ、おまえ達は自分達の夢を叶えるために全力で突き進め。いいな?」

 

『はいっ!』

 

 

それから数分後、俺達を乗せたゴンドラはアグレアスに到着した。

 

 

 

 

 

 

ゴンドラから下りた俺達を出迎えてくれたのは入り待ちのファンとマスコミの大群だった。

 

「こいつはスゲー数だな」

 

「おまえ達がそれだけ注目されているってことさ」

 

俺の感想に先生がそう返す。

 

俺達はフラッシュと歓声に包まれながら、多数のスタッフとボディーガードの誘導のもと、表に用意されたリムジンに乗り込んだ。

 

「お待ちしておりましたわ」

 

リムジンの中で待機していたのは先にアグレアスに来ていたレイヴェルだ。

 

「おまたせ。色々準備してくれたみたいで、ありがとな」

 

レイヴェルにそう言って座席につく。

 

リムジンの車窓から後ろを見ると――――マスコミの車らしいものが追ってきていた!

 

こういうシーンって、テレビではよく見るけど・・・・・まさか、自分がその立場になるなんて思ってなかったよ。

 

先生が言う。

 

「おまえ達もマネージャーをつけた方がいいな。特にリアスとイッセーはな。今回の試合の結果に関わらず、認知度は上がる。日が経てばそれも落ち着くだろうが、しばらくの間はこんな感じになるだろう」

 

「マジっすか・・・・・。で、先生のマネージャー的存在がレイナなんですね」

 

俺が訊くと先生は盛大にため息をついた。

 

「レイナーレのやつ、肩書きは俺の秘書だが、実際はただの監視役だぞ。なんでもかんでもシェムハザに報告しやがかって・・・・・・そんなに俺は信用ないのか!」

 

『うん』

 

「声揃えて頷くんじゃねぇよ! ・・・・・まぁ、とにかくだ。おまえ達にもマネージャーは必要ってことだ。あー、そうだな。レイヴェル、おまえがイッセーのマネージャーをしたらどうだ?」

 

「わ、私がですか・・・・・?」

 

先生に言われたレイヴェルは少し驚いたようにして、自分を指差した。

 

先生は頷いて話を続ける。

 

「おまえなら悪魔業界のことはよく知ってるし、イッセーのサポートを十分にしてやれるだろう。それにこいつに付けば勉強にはなると思うぞ? スケベだがな」

 

最後に余計なこと付け足さないで下さいよ。

 

まぁ、事実ですけど。

 

でも、レイヴェルが俺のマネージャーとしてサポートしてくれるなら色々助かるかも。

 

同じ眷属の人に任せるわけにもいかないしな。

 

「俺からも頼むよ。俺ってまだまだ悪魔の世界で知らないことも多いしさ。レイヴェルがいてくれたら心強いよ」

 

「そ、そうですか・・・・・? わ、私でよければ引き受けて差し上げましてよ?」

 

「よし、決まりだな。じゃあ、詳しいことはまた今度話そうな」

 

「は、はい!」

 

おー、なんか気合い入れてるなぁ。

 

レイヴェルは真面目だから今から責任感とか感じてるのかな?

 

そんな風に考えているうちにリムジンは都市部を走り、会場となる巨大なドームを目前にしていた。

 

 

 

 

 

 

この空中都市には様々な娯楽施設がある。

 

その中でも一際目立つ巨大な施設――――アグレアス・ドーム。

 

今回のゲーム会場となる場所だ。

 

俺達はそのドーム会場の横にある高層高級ホテルに移動していた。

 

豪華絢爛な造りで広いロビーに天井にはデカいシャンデリアがある。

悪魔になってからこういう高級な場所に足を運ぶ機会が増えたな。

 

ボーイさんに連れられて、俺達の専用ルームに案内される。

 

試合は夜なのでまだ時間はある。

 

それまではその部屋で待機となる。

 

 

通路を進んでいるときだった。

 

通路の向こう側から不穏な雰囲気と肌にピリピリと刺すような冷たいオーラを放ちながら歩いてくる集団がいた。

 

顔が見えないくらいにフードを深く被り、足元が見えないほど長いローブを着こんだ不気味な雰囲気の集団。

 

その集団の中央には司祭の服らしきものを着込んだ――――骸骨がいた。

 

骸骨が司祭の服を身に包み、頭部には司祭が被る帽子。

手には杖を携えている。

 

そして、その体から発せられるものは他の者よりも数段上。

 

俺達はその骸骨に警戒を強める。

 

《これはこれは紅髪のグレモリーではないか。そして、堕天使の総督》

 

おおっ、喋った!

 

口から発せられた感じじゃないから、魔法的なもので言葉を飛ばしてるのか?

 

骸骨司祭の声を聞き、先生は皮肉そうに笑んだ。

 

「これは冥界下層――――地獄の底こと冥府に住まう、死を司る神ハーデス殿。悪魔と堕天使を何より嫌うあなたがここまで上がってくるとは・・・・・。しかも死神(グリムリッパー)をそんなに引き連れて」

 

冥府の神・・・・・ハーデス。

 

この骸骨、神様なのか。

 

確かに戦闘体勢でもないのにこのオーラだもんな。

 

そう言われれば納得だ。

 

《ファファファ・・・・・カラスめが、言うてくれるわ。なに、最近上で何かとうるさいのでな。視察に来たまでのこと》

 

「骸骨ジジイ、ギリシャ側の中でもあんただけが勢力間の協力に否定的なようだが?」

 

《だとしたらどうする? この年寄りも屠るか? ロキのように》

 

ハーデスがそう言うとその後ろに控えているローブの集団が殺意を放ってくる。

 

・・・・・おいおい、ここでやる気かよ?

 

試合前なんだから勘弁してほしいぜ。

 

アザゼル先生は頭を振って嘆息した。

 

「別に。オーディンのエロジジイみたいに寛容になれって話だ。少しくらいそうなっても損はないと思うぜ? 骸骨ジイ様よ。つーか、黒い噂が絶えないんだよ、あんたの周囲は」

 

《カラスとコウモリがピーチクと鳴いておるとな、私も防音対策をしたくもなる》

 

うわー、凄い敵視した蔑みだ。

 

カラスが堕天使でコウモリが悪魔ってか。

 

ハーデスが視線を俺に移し、その眼孔が光る。

 

《赤い龍か。白い龍と共に地獄の底で暴れまわっていた頃が懐かしい限りだ》

 

言われてるぜ、ドライグさんよ。

 

何やらかしたんだ?

 

『ちょっとな』

 

その言い方だと、ちょっとじゃないだろ!

 

マジで何やらかした!?

 

謝っとく方が良いのか?

 

相棒がしでかしたことだし・・・・・・。

 

《ファファファ・・・・・、まあよいわ。今日は楽しみとさせてもらおうか。今宵は貴様達の魂を連れにきたわけではないのでな》

 

それだけ言い残すとハーデス達は俺達のもとを通りすぎて行く。

 

皆は息を吐いて、張り詰めたものを解いていた。

 

「北欧時代に先輩のヴァルキリーからハーデス様の話は聞いていましたが・・・・・・魂を掴まれているような感覚は生きた心地がしませんね」

 

と、ロスヴァイセさんがつぶやく。

 

うん、確かにそんな感覚だ。

 

あの骸骨に睨まれると息苦しさを感じるんだよね。

 

「はぁ・・・・・。あの骸骨の人、プレッシャーが半端じゃないっすね」

 

俺がそう言うと先生も堅苦しかったのか、首をコキコキと鳴らせていた。

 

「そりゃ、あの骸骨ジジイは各勢力の主要陣の中でもトップクラスの実力者だ。俺やイッセーよりも強いぜ」

 

「トップクラスですか・・・・・。それはまたとんでもない人が来たもので・・・・・・」

 

「ああ。絶対に敵対するなよ? ハーデスもそうだが、周囲にいる死神共も不気味だ」

 

付き人が死神って時点で怖すぎだろ!

 

絶対に関わりたくねぇ!

 

「悪神なんですか?」

 

俺が訊くと先生は首を横に振る。

 

「いや、人間には平常通りに接する神だぞ。単に悪魔と堕天使・・・・・というよりは他の神話に属するものが嫌いなんだろうさ、あのジジイはな。ま、俺もあのジジイは嫌いだけど」

 

あら、ハッキリと嫌いって言っちゃったよ。

 

俺は嫌いって言うよりは苦手って言うべきなんだろうな。

 

親しく接しろって言われたら難しいところだ。

 

「デハハハハ! 来たぞ、アザゼルゥッ!!」

 

「こちらも来たぞ、アザゼルめが! ガハハハハ!」

 

と、先程までの重たい空気をぶち壊すかのように豪快な笑い声が通路に響き渡った。

 

その豪快な笑い声とともに先生のもとに駆け寄ってきたのは体格の良いひげ面のおっさん二人。

 

二人は先生にまとわりつき、先生は半目で嘆息する。

 

「・・・・・来たな、ゼウスのオヤジにポセイドンのオヤジ・・・・・。相変わらず暑苦しいこった。あの骸骨ジジイもこの二人くらい分かりやすけりゃいいのによ」

 

マジっすか!

 

この上半身裸のおっさん達がゼウスとポセイドンなのか!

 

超有名な神様じゃん!

 

た、確かに暑苦しいぞ!

 

二人は先生を弄り回していた。

 

「嫁を取らんのか、アザ坊! いつまでも独り身では寂しかろう!」

 

「ワシが紹介してやろうか! 海の女はいいのがたくさんだぁぁぁぁ!!」

 

「あー、余計な心配しなくていいって・・・・・・」

 

おおっ、先生が押されてる!

 

シェムハザさんとは違った押され方だ!

 

つーか、ゼウスもポセイドンもフレンドリーだな!

 

豪快すぎるぜ!

 

 

「来たぞ、おまえ達」

 

今度は聞き覚えのある声。

 

振り返ればそこにはチビドラゴンと化したタンニーンのおっさんが宙に浮いていた。

 

「おっさんも来てたんだな」

 

「うむ。今回のゲームは両陣営とも関わりを持っているからな。観戦しないわけがないだろう」

 

「聞いたよ。サイラオーグさんの修行相手をしてたんだって?」

 

「ああ。俺のところに頭を下げに来てな。ああされてしまっては受けないわけにはいかん。それに気にもなってしまったのだ。あの男がどこまでおまえに食らいつけるかをな」

 

スゲー楽しそうな笑みを浮かべてるな。

 

この口調だと本気のサイラオーグさんはかなり力を伸ばしてると考えて良さそうだ。

 

「今回のゲームは若手の一戦というレベルを越えているだろう。少なくとも俺はそう見ている。良いゲームを期待しているぞ」

 

「ああ、任せてくれ! 最高のゲームにしてみせるさ!」

 

親指を立ててそう返す俺。

 

俺の初舞台でもあり、リアスの夢を叶えるための大きな一歩になるゲームだ。

 

最高の試合をしてみせる!

 

リアス達もおっさんの言葉に気合いを入れているようだった。

 

「あっ! オーディン様!」

 

突如、ロスヴァイセさんが素っ頓狂な声をあげる。

 

ロスヴァイセさんが指を向ける方向にはオーディンの爺さんの姿。

 

ポセイドンとかゼウスという神様も呼ばれて来たみたいだったしオーディンの爺さんもそれで来たんだろうな。

 

オーディンの爺さんはロスヴァイセさんの姿を確認すると「これはマズい!」と叫んでその場から走り去っていく!

 

逃げた!?

 

それを見てロスヴァイセさんが吼えた!

 

「待てぇぇえええええ!! このクソジジイィィィィイッ!! その隣の新しいヴァルキリーはなんなのよぉぉおおおおお!!!!」

 

瞬時にヴァルキリーの鎧姿と化したロスヴァイセさんは、逃げ去るオーディンの爺さんを追いかけていく!!

 

ロスヴァイセさん、そこまでオーディンの爺さんへの怒りが強かったのね・・・・・・。

 

まぁ、置いていかれたわけだし・・・・・・。

 

リアスが額に手を当てて嘆息する。

 

「・・・・・イッセー、祐斗、ゼノヴィア、お願いできるかしら」

 

「り、了解・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 


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