決戦当日。
現在、夜の十一時四十分。
もうすぐゲームが始まる時間だ。
ゲーム開始時間になるまでの間、俺達グレモリー眷属はオカルト研究部の部室で待機している。
小猫ちゃんは拳に皮のオープンフィンガーグローブを付けている。肉球のマークが可愛らしい。
今はビスケットを食べている。
木場は手甲と脛当てを付けた後、壁にもたれて読書をしている。
そうしていると落ち着くそうだ。
部長と朱乃さんはお茶を飲んだりして、ソファでゆっくりしている。
アーシアはやっぱり不安なのだろう。
俺の隣に座って手を握ってくる。
まぁ、アーシアは戦う力もなければ、戦闘経験もない。
緊張や不安をかんじてしまうのも無理はない。
「やっぱ、怖いよな」
「はい………」
「そっか。心配するな………って、言っても難しいよな。だからさ、信じろ、アーシア。必ず勝つよ、俺達は」
そう言って、俺はアーシアの頭を撫でてやった。
完全に不安を取り除けるわけではないが、少しでも気持ちを落ち着かせることに繋がれば、それで良いさ。
皆がそれぞれのやり方でリラックスしていると、部室に銀色の魔法陣が展開され、光と共にグレイフィアさんが現れた。
「皆様、準備はお済になりましたか?」
その言葉に眷属全員が立ち上がる。
それを準備完了の意思として捉えたグレイフィアさんがゲームに関する説明を始めた。
「開始時間となりましたら、こちらの魔法陣から戦闘フィールドへ転送されます。戦闘フィールドは人間界と冥界の間に存在する次元の狭間に構成された使い捨ての空間なので、どんな派手な攻撃をされても構いません。各々、思う存分にご自分の力を振るってください」
俺は手を挙げてグレイフィアさんに尋ねる。
「本当にどれだけ暴れてもいいんですか?」
「はい。フィールドはかなりの強度で作られていますから、崩れることはないでしょう」
よし、それなら問題ない。
不死のフェニックスを倒すんだ、ちょっとやそっとで壊れられたらこっちが困る。
俺の質問の後もグレイフィアさんの説明は続く。
「今回のレーティングゲームは両家の皆様も他の場所から中継で戦闘をご覧になられます。さらには魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見されておられます。それをお忘れなきように」
「そう、お兄様が直接見られるのね」
サーゼクスさんも観戦していると。
まぁ、部長のお兄さんだし当然か。
グレモリー家とフェニックス家―――――リアス部長とライザーの家族も見ているようだしな。
さて、そうなると、やはり―――――。
説明が終わるとグレイフィアさんは部室の真中に魔法陣を展開させる。
「これより皆様を戦闘フィールドにご案内します。この魔法陣の中にお入りください」
指示された通り全員が魔法陣に入ると、魔法陣の光が強くなる。
転移が始まるのを待っていると、グレイフィアさんが俺に声をかけてきた。
「兵藤一誠様、サーゼクス様からの伝言です」
「伝言?」
「はい。………『妹を頼む』と」
なるほど、ね。
もしかしたら、あの人もこの縁談には反対だったんじゃないかな?
嫌がる妹を無理矢理、結婚させるなんてお兄さんなら出来ないだろうし。
もしだ………俺が同じ立場なら絶対反対だね!
美羽が嫌がっているのに無理矢理結婚とかさせるなら、俺は大暴れして阻止してやるもんね!
お兄ちゃんを舐めるなってね!
『シスコン全開だな』
あったりまえだ、ドライグ!
妹を愛するお兄ちゃんなら当然のことなのだよ!
まぁ、それは置いておいてだ。
サーゼクスさんの場合は魔王っていう立場上、反対出来なかったってところなのだろう。
今の伝言がその証明だ。
俺はグレイフィアさんに向き直ると、笑顔で伝えた。
「分かりました。グレイフィアさん。俺の伝言をサーゼクスさんに伝えてもらえますか?」
「なんでしょう?」
「部長は必ず守ります、と伝えて下さい」
それを聞いたグレイフィアさんはどこか満足したような笑みを浮かべて頷いた。
「それでは皆様。ご武運を」
そうして、俺達は光に包まれながら転移した―――――。
▽
目を開けると、俺達がいたのは部室だった。
転移の失敗か?
なんてことを考えていると、どこからかアナウンスが流れた。
『皆様、この度、フェニックス家とグレモリー家の試合に置いて、審判役を任せられましたグレモリー家の使用人、グレイフィアと申します』
グレイフィアさんが審判なのか。
『この度のレーティングゲームの会場として、リアス・グレモリー様方の通う、駒王学園の校舎を元にしたレプリカを異空間に用意させていただきました』
マジでか!
この部室ってレプリカなの!?
部屋に置かれている備品から、雑誌、小猫ちゃん専用のおやつまで、非常に細かいところまで作り込まれてる。
………もしかすると、ここに隠している俺のエロ本まで再現されているのかもしれない。
部室の窓から外を見ると本当に校舎まであるところを見ると、駒王学園全体を再現したってことなんだろうな。
ただ、違うと言えば空だ。
見慣れた夜空ではなく、空一面が緑色のオーロラのような物に覆われた不思議な光景が広がっている。
これが悪魔、驚異の技術力ってところか。
俺が感心している間もグレイフィアさんの説明が続く。
『両陣営、転移された先が「本陣」でございます。リアス様の本陣は旧校舎オカルト研究部部室。ライザー様の本陣は新校舎生徒会室。兵士ポーンの方はプロモーションを行う際、相手本陣の周囲まで赴いてください』
部室から生徒会室まではそこそこに距離がある。
俺達と遭遇することを考えると相手の兵士のプロモーションは大体は防げるか。
『使い魔の制限ですが、兵藤一誠様の使い魔、龍王ティアマットの使用は禁止とさせていただきます』
あらら………ティアはダメですか。
「公式のゲームでも強力な使い魔は制限されているものね。仕方がないわ」
部長も苦笑しながらそう言う。
あー………じゃあ今後、レーティングゲームに参加する機会があったとしても、ティアの出番は無いな。
でも、確かに強力な使い魔を自由に使って良いとなると、使い魔合戦みたいになってしまうか。
『開始のお時間となりました。なお、ゲームの制限時間は人間界の夜明けまでとなります。それでは、ゲームスタートです』
グレイフィアさんがそう告げた直後、学園のチャイムが鳴った。
こうして、俺達にとって初のレーティングゲームが開幕した。
▽
「部長、地図を持ってきました」
木場がどこからか持ってきた地図を机に広げる。
それは学校の全体図の見取り図らしく、マスで区切られ、縦と横に英字と数字が書かれている。
これは………チェスに倣っているのか?
部長は旧校舎と新校舎に赤ペンで丸を着けると顎に手を当て、戦術を考え始める。
「やはり、体育館が重要な拠点になるわね。もし、ライザーに先に取られてしまうと、こちらが不利になるわ」
「こちらが先に押さえても、数の不利がある以上、体育館を守り続けるのも難しいですわね」
「部長、俺が行きましょうか? 多分、一人でもなんとかなると思いますけど」
俺の言葉に全員が考える。
すると、部長は何か思い付いたらしい。
「いえ、体育館はいっそのこと破壊してしまいましょう。そうすればこちらの手数を増やすことが出来るわ」
取られても不利、守っても不利なら無くしてしまえか。
確かにそれが最善だな。
部長の考えを聞いた木場が進言する。
「部長、相手も体育館を取りに来るなら、体育館を囮にしますか?」
「そうね。敵の撃破も兼ねて一石二鳥だわ。それでいきましょう。祐斗、小猫、朱乃はまず森にトラップを仕掛けて頂戴。それまではイッセーとアーシアはここで待機」
「了解です。部長」
部長に指示され木場と小猫ちゃん、朱乃さんの三人は使い魔を召喚して外に出ていく。
部室に残るのは俺、部長、アーシアの三人だ。
三人がトラップを仕掛けて戻ってくるまでに時間はあるし………待ってる間に相手の動きでも探っておきますか。
俺は目を閉じ、感覚を広げてフィールドにいる者の気の位置を把握する。
トラップ組は動きからして順調のようだ。
ライザー達は………まだ、新校舎にいるみたいだな。
特に何かをしているという様子はないが、こっちがゲーム初心者だからと甘く見ているのか。
それとも、部長に対するハンデのつもりなのか。
俺がフィールド内の気の動きに集中していると、部長が怪訝そうな声音で訊ねてきた。
「ねぇ、イッセー。さっきから何をしているの?」
「ライザー達の動きを探ってるんですよ。フィールド内の気の動きを把握して」
そう答えると、部長は目を丸くして、
「あなた、そんなことも出来るのね」
「ええ、まぁ」
「それで、ライザー達は?」
「特に動きはありませんよ。余裕のつもりなんですかね?」
「………そう」
一言だけ返す部長には緊張の色が見られた。
このゲームは部長の人生を決める重要なものだ。
だけど、そいつは人生初のゲームでもある。
ゲームが始まる前、部長は修行の傍らで戦術関連の本を何冊も読んでいたのは俺も目にしている。
それでも、部長の表情は厳しいものだった。
………不安だよな、部長も。
自身の今後もそう、上手く眷属を導けるのか、そして、このゲームに勝利できるのか。
いつもは凛としてて、学園のお姉さまな部長だって、まだまだ未熟な女の子だ。
ミスもするし、不安にもなる。
そんな部長に俺は―――――。
「部長、ちょっと良いですか?」
「え?」
俺はソファに座る部長の後ろに回り両肩に手を置くと、部長の気の流れを操作して、巡りを良くしていく。
「どうですか?」
「とても気持ちが良いわ。それに、体がポカポカして温かい………。すごく、心が落ち着くのを感じる………」
「部長の気の流れを良くして、体調を整えたんですよ」
「前々から気になっていたのだけれど、イッセーは仙術を使えるの?」
「う~ん、少し違うけど、まぁ、そんなところです」
ドライグから聞いた話だと、こっちの世界にも気を操る仙術ってやつがあるらしい。
遠くにいる相手の動きを把握できたり、身体能力を底上げすることもできるらしく、錬環勁気功と似ている。
ただ、一般的に仙術は直接的な破壊力は低いらしい。
それに硬気功のような技はドライグも見たことが無いと言っていた。
誰か仙術を修得している人がいたら一度、話を聞いてみたいところだ。
まぁ、その辺りは置いておこう。
今は部長のことだ。
「落ち着きましたか?」
「もう、イッセーったら私のことはお見通しなのかしら? 大丈夫よ、ありがとう」
「そうですか。それは良かった」
「フフフ、イッセー。私だけじゃなくてアーシアにもやってあげたら?」
「え?」
部長に言われてアーシアを見ると涙目で見てる!
しかも、頬を膨らませているし!
怒ってるの!?
怒ってるの、アーシアちゃん!?
俺は苦笑しながら、アーシアに手招きする。
「アーシアもこっちにおいで。やってあげるからさ」
「はい!」
それから少しの間、二人の気の流れを整えてあげたのだが………。
終わった後は二人ともスッキリした顔になっていて、帰ってきた三人が不思議に思っていたのは、また別の話だ。
▽
本陣である旧校舎の周囲にトラップを仕掛け終わったので、俺達も動くことになった。
俺と小猫ちゃんで体育館へ向かい、木場は森で待機して相手の『兵士』を迎え撃つ。
その間に朱乃さんは魔力をチャージしている。
体育館を破壊するためだ。
俺と小猫ちゃんが体育館に着いた時、通信機を通して部長が言ってくる。
『イッセー、小猫。朱乃の準備が整い次第、連絡を入れるわ。そちらも体育館で相手を無力化したら連絡してちょうだい』
「部長、その事なんですが体育館の破壊はやっぱり俺がします」
『どうかしたの?』
部長に尋ねられ、俺はここに来るまでに気がついたことを報告する。
「どうやら、敵の一人が俺達の様子を伺ってるみたいなんで。雰囲気からして『女王』だと思います。朱乃さんにはそちらの相手をお願いしたいんです」
敵が『女王』なら魔力の無駄使いは避けた方が良いからな。
すると、朱乃さんから通信が入る。
『分かりましたわ。イッセー君の言う通り、私がその者の相手をしましょう』
朱乃さんの了解を得られたところで木場に通信を入れる。
「木場。そっちに三人ほど向かってるみたいだ。お前がその三人を倒したら体育館を破壊する。良いな?」
『了解したよ。倒したら、直ぐに連絡を入れるよ』
「よし。それじゃあ、体育館に突入します」
俺は通信を切り、小猫ちゃんと裏口から体育館に入った。
▽
俺達は体育館の演壇の裏側にいる。
覗き込むと、コートには既に敵が待ち構えていた。
こっちを見ているってことは俺達に気がついているみたいだな。
「イッセー先輩」
「ああ。気づかれてるな。隠れてても仕方ないし、姿を見せますか」
そう言って、俺達は堂々と壇上に立つ。
コートには女性悪魔が四人。
チャイナドレスを来たお姉さんと棍を持った少女と双子らしき小柄な娘達。
確か、チャイナドレスのお姉さんが『戦車』で、他の三人は『兵士』だった気がするが、とにかく数はこちらのちょうど倍か。
すると、チャイナドレスのお姉さんが話しかけてきた。
「こちらが声をかける前に出てくるなんてね。随分潔いじゃない」
「まぁね。そっちも気が付いている以上、隠れてても時間の無駄だし」
「そう。ならさっさと始めましょうか」
その言葉を切っ掛けに相手は戦闘体制に入る。
「イッセー先輩は兵士をお願いします。私は戦車を倒します」
「分かった。気を付けてな、小猫ちゃん」
「大丈夫です。イッセー先輩に鍛えてもらいましたから」
俺と小猫ちゃんはお互いの相手と対峙する。
俺の目の前には『兵士』が三人、小猫ちゃんの前には『戦車』のお姉さんが一人。
俺と対峙する『兵士』のうち一人は棍を構え、双子はチェーンソーをニコニコ顔で取り出す。
そして――――
ドル、ドルルルルル!!
と、チェーンソーの機械音が体育館に響き始めた!
「解体しまーす♪」
「バラバラバラバラ!!」
双子は無邪気な声でそう言いながら突っ込んでくる!
映像でも見たけど、女の子がそんなこと言ったらいけません!
それから、チェーンソーは人を切る道具じゃないからな!
注意書をちゃんと読め!
人に向けるなって書いてあるから!
「ハッ!」
「おっと」
横から打ち込まれた棍を胸を反らして避けると、チェーンソーを持った双子が突っ込んできた。
だが、スピードは遅く、動きも単純で読みやすい。
魔力が込められた攻撃なのでそのまま受ければ、ケガもするだろうが、硬気功を使えば軽く防げる、そんなレベルの攻撃だ。
暫くこちらからは攻撃せずに回避に徹していると、双子がムキ―と叫んだ。
「あー、もう! ムカつくぅ!」
「どうして当たんないのよ!」
「………掠りもしないなんて」
棍を持った少女も少し焦っているみたいだ。
三人の攻撃を全て体捌きだけで避けていく俺はニヤリと笑みを浮かべて言う。
「フッフッフッ、そんな攻撃じゃあ、いくら振り回しても俺には届かないぜ?」
挑発も含めて悪役のように言うと、俺は本当に目を瞑る。
そうすると、案の定、三人は怒りに任せて攻撃してくる。
「言ったなー!」
「バカにして!」
「………絶対に倒す!」
攻撃が益々激しくなるが、それでも俺には当たらない。
髪の毛一本、掠めもしない。
気の流れや空気の流れで攻撃が丸わかり、というのもあるが、三人の感情が表に出過ぎているせいで、余計に行動が読めてしまうんだ。
怒りは徐々に焦りに変わり―――――やがては体力が限界に近づく。
その証拠に三人組の手数が減ってきている。
こちらは詰みに近い、か。
さて、小猫ちゃんの方はどんな感じかなと、小猫ちゃんの方を見るとこちらもこちらでチャイナドレスのお姉さんを圧倒していた。
相手の『戦車』は既に満身創痍だ。
「はぁ、はぁ、はぁ。攻撃が重い………っ!」
「修行の成果です」
そう言って小猫ちゃんは相手の鳩尾に鋭い一撃を直撃させるた。
ズドンッと重たい音と共に、チャイナドレスのお姉さんの意識が飛び、その場に倒れる。
そして、戦闘不能になったためか、体が光に包まれて、その場から消えていった。
『ライザー・フェニックス様の「戦車」一名、リタイア』
リタイヤのアナウンスが流れる。
なるほどなるほど、ゲーム中にリタイヤするとこうなるのね。
「イッセー先輩、こっちは終わりました」
「見てたよ。ちゃんと修行の成果が出ていて良かった」
親指を立てて、グッジョブのサインを送ると嬉しそうに微笑む小猫ちゃん。
うーむ、なんともこちらの保護欲をくすぐってくれる!
撫で撫でしたくなってしまう!
というか、後で撫でても良いですか!
「嫌です」
「そこだけ真顔で言うんだ!? そんなに嫌ですか!?」
酷い!
ここ最近の攻撃の中では、一番のダメージ受けたよ!?
小猫ちゃんにバッサリ切り捨てられた俺は目元に涙を浮かべながらも、こちらの戦いを終わらせに………いや、終わらせる前に少しだけなら良いかな?
俺の傷ついた心はこの技を以て癒そう―――――。
俺は突っ込んでくる兵士の三人の攻撃を潜り抜け、すれ違い様に触れて、
「
俺が指を鳴らすと同時にチェーンソーの双子、棍の少女の服が下着を含めて全て弾け飛んだ!
そして、白く丸みを帯びた女性の裸体が現れる!
くぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
久しぶりの洋服崩壊、最高だな!
三人とも少々発育不足だけど、これはこれで全然アリだ!
「「「イヤァァァァァアアアア!!!」」」
体育館に響き渡る悲鳴。
三人とも踞り、大事な部分を隠す。
まぁ、当然だよね!
でも、君たちの全てはこの目に焼き付いているのだ!
「俺の眼は数キロ先のパンチラすら逃さないってね! 中々に素晴らしい光景でした! ありがとうございます!」
「最低!」
「ケダモノ!」
「女の敵!」
お礼を言う俺に返ってくるのは、『兵士』三人からの罵りの言葉。
だが、それがどうした!
そんな言葉、とうの昔に聞きなれている!
「戦っている時はカッコ良かったのに。最低です、イッセー先輩」
流石に味方から言われるとヘコむかな………。
すると、アナウンスが流れる。
『ライザーフェニックス様の「兵士」三名、リタイア』
ライザーの『兵士』が倒された。
これをやったのは恐らく―――――
『イッセー君、こっちは終わったよ』
木場からの通信だった。
「みたいだな。待ち合わせは運動場な。先に行っといてくれ。直ぐに行くよ」
『了解。先に行って待っておくよ』
木場との通信を終えた俺は全裸になった三人を置いて小猫ちゃんの所に行く。
すると、何故か小猫ちゃんが後ろに下がった。
「近づかないで下さい、ドスケベ先輩」
「大丈夫だって! 味方には使わないから!」
俺は小猫ちゃんに無駄な言い訳をしながら体育館を出ると、手元に気を集中させ、体育館に放った。
俺の気弾によって体育館は爆破し、当然、中にいた三人も―――――
『ライザー・フェニックス様の「兵士」三名、リタイア』
アナウンスが鳴り、先程の兵士達がリタイアしたことが伝えられる。
「体育館も破壊できたし、木場のところに急ぐか」
「そうですね」
体育館を破壊したところで、作戦の第一段階は終了だ。
作戦を次の段階に進めるべく、俺達は木場が待つ運動場に向かおうとした―――――その時だった。
俺達を爆撃が襲った。
いやー、資格勉強に追われて書く時間がなかなか無いです。
次話は現在、書いてますのでもう少し早く投稿出来ると思います。