ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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この章は原作15巻『陽だまりのダークナイト』に変わる章です。



閑話章 
1話 トレードします!


魔法使いの集団に襲撃されて数日が経っていた。

 

俺は自室でルーマニアに発ったリアス達からの吉報を待ちながら契約相手の魔法使いについて選抜を進めていた。

 

「というふうに、この方は――――」

 

隣でレイヴェルが書類を見ながら説明をしてくれている。

 

相変わらず知識の浅い俺に対して分かりやすく教えてくれるので、すんなりと頭に入ってくる。

これは非常にありがたい。

 

「うーん、でもさ―――」

 

「ええ、仰る通りです。なので―――」

 

と、俺の意見にも頷きをくれ、賛成するところは賛成し、反対するところはその理由も細かく言ってくれている。

 

こうしているとレイヴェルは誰かに教えるのが本当に上手いと思うよ。

 

手渡された資料を一通り見通したところで、レイヴェルが言う。

 

「そろそろ休憩にしましょう」

 

俺は資料を机に置いて、深く息を吐く。

 

魔法使いの資料を見るのに疲れたってのもあるんだけど・・・・・それよりも色々と気になることがあるからさ。

 

リアスの方はヴラディ家との会談が進んでいるとの報告を受けているから、大丈夫だとは思う。  

何かあれば連絡はあるだろうしね。

 

問題は先日のグレンデル、そして――――ユーグリット・ルキフグス。

 

グレンデルが出した小型のドラゴン。

あれに関してはまだ眷獣と断定は出来ないし、似たような術式か何かが埋め込まれた、としか今のところ考えられない。

 

イグニスは何やら心当たりがあるそうだが・・・・こちらも今の段階では教えてくれそうにない。

 

それで、ユーグリットの方だが・・・・

 

こいつが先日の襲撃の主犯。

そして既に死んだとされていたグレイフィアさんの実の弟。

 

冥界の悪魔側上層部はやつの登場に騒然となったそうだ。

 

ルキフグスは前ルシファーの直属の配下である家で、今ではその生き残りはグレイフィアさんだけだとされていたのだから。

 

現在、グレイフィアさんは審問にかけられているそうだ。

 

当然、ユーグリットの生存についてたが・・・・、上層部はグレイフィアさんが弟の生死を偽ったのではないかと疑っているようだ。

 

旧魔王、特に『ルシファー』に関連するものに関しては悪魔上層部は過敏なほどに反応する。

 

今回も同様だ。

 

グレイフィアさんを疑うなんて馬鹿らしいとも思えるが、今回は状況が状況だけにな・・・・・。

 

ルシファーの側近であるルキフグスの生き残り、しかも『禍の団』の一員となっていたのだから、仕方がないと言えばそうなる。

 

朱乃の話ではユーグリットのことを知ったグレイフィアさんは相当狼狽えていたそうだ。

あの人のそんなところは想像できないが、それほどまでに衝撃だったのだろう。

 

「・・・・グレイフィアさまのことをお考えですか?」

 

「まぁね。やっぱりわかる?」

 

「マネージャーですもの。それに・・・・今はイッセーさまの『僧侶』ですし・・・・」

 

頬を少し赤らめるレイヴェル。

 

そう、レイヴェルはこの間の騒動の後、俺の眷属になってくれた。

 

俺の勧誘を受けてくれたレイヴェルは、すぐに仮の主である母親に連絡。

俺とレイヴェルは冥界、フェニックス領へ向かい、そのままトレードを行った。

 

そして、めでたく俺はレイヴェルを美羽に続く『僧侶』として眷属に迎えることができた。

 

・・・・・・できたんだけど、

 

「・・・・ごめん・・・・」

 

俺は両手で顔を覆いながら謝った。

 

・・・・・今となっては最低の勧誘だったと我ながら思ってしまう。

というか、とっても恥ずかしい!

 

だって、美羽とアリスのおっぱい揉みながら眷属になってくれって言ってしまったんだぜ?

 

正直、嫌われてもおかしくないことをしてしまったと切に反省してます・・・・。

 

「い、いえ・・・・た、確かに突然のことに驚きましたけど・・・・・。ノックを忘れていた私にも非はありますし・・・・」

 

多分、レイヴェルもあの時の状況を思い出してるんだろうな・・・・。

顔が更に赤く・・・・。

 

うん、すごーく気まずそうにしてたもんね。

 

でも、レイヴェルは悪くないよ。

悪いのは完全に俺だから。

 

本当にごめんね、レイヴェル。

 

しかし、レイヴェルはこう続けてくれた。

 

「ですが、私はイッセーさまから眷属のお誘いをしてもらえたこと、とても光栄に思っていますわ。これからはマネージャーとして、眷属としてイッセーさまを支えていきたいと思います!」

 

うぅ・・・・なんて良い子なんだ!

 

ヤバイ、良い子過ぎて涙が止まらんよ!

 

俺はレイヴェルの手を取る。

 

「ありがとう! 俺もレイヴェルのこと一生守ってみせるさ!」

 

今度またレイヴェルにちょっかい出すような奴らが現れたら全員ぶっ飛ばしてやる!

 

俺はこの子を絶対に守りきって見せるからな!

 

「い、一生ですか!? そ、それは・・・それって・・・ぁぁぁぁ」

 

「レイヴェル? 顔から湯気出てるけど・・・・大丈夫か?」

 

「だ、だだだ大丈夫でしゅ!」

 

うん、思いっきり噛んだな。

 

あー、そうそう。

レイヴェルには異世界、アスト・アーデのことは話したよ。

もちろん、美羽とアリスの素性もね。

 

リアス達に打ち明けたときと同じように、今まで俺達が体験してきたことをレイヴェルにも全て打ち明けた。

 

最初はかなり驚いていたけど、割りとすぐに受け入れてくれた。

理由としては美羽の魔法があげられる。

 

レイヴェル曰く、

 

「『黄金の夜明け団』の設立者の一人であるマグレガーさまでも見たことがない術式ですもの。異世界のものと分かれば納得がいきますわ」

 

とのことだった。

 

とにかく、これでレイヴェルには俺達の秘密を打ち明けられたし、レイヴェルも受け入れてくれた。

 

レイヴェルを眷属に迎えて、改めて俺の上級悪魔ライフがスタートだ!

 

すると、レイヴェルは面白いものを思い出したかのようにクスリと微笑んだ。

 

「しかし、あの時のお兄さまには驚きましたわ。まさか、あんなことをするなんて」

 

あー、あれか。

 

まぁ、確かに俺もあれには驚いたよ。

 

 

 

 

 

 

レイヴェルに勧誘した次の日。

 

俺とレイヴェルは冥界、フェニックス領に来ていた。

 

ライザーを更正する時とは少し違い、レイヴェルが展開した魔法陣で直接、人間界からジャンプしている。

家関係者専用の魔法陣のようだ。

 

で、今は城の前にいるんだけど・・・・・

 

「やっぱ・・・でかいよなぁ」

 

俺は前回と同じ感想を漏らす。

 

リアスの実家グレモリー家の城もでかいと思ったけど、レイヴェルの実家フェニックス家もそれに負けていない。

 

上級悪魔になるとこういう城とかも建てる必要があるのかな?

 

おっぱいドラゴン関連で相当な額は貯まっているけど・・・・このレベルは無理だろうなぁ。

 

などと考えていると、城門が重い音を立てながら開いていき、俺達は中へと進む。

 

少し進んだところに数人の使用人と一人の女性。

 

高貴そうな雰囲気と面持ちで髪もアップにしてアクセサリーをつけていた。

 

あの女性・・・・レイヴェルに似ているような。

 

「ただいま戻りましたわ、お母さま」

 

その女性に対してレイヴェルは軽く会釈する。

 

やっぱりレイヴェルのお母さんだったんだ。

ヴェネラナさんの時も思ったけど・・・・この人もかなり若いよね。

二十代ぐらいの顔つきだ。

 

成熟した悪魔は魔力で見た目を変化できるから、この人もそうなのだろう。

 

うーむ、それにしても若い!

そして美人だ!

 

「おかえりなさい、レイヴェル。そして、ようこそいらっしゃいましたわ、兵藤一誠さん」

 

「こちらこそ、今回は話を受けてくれていただき、ありがとうございます」

 

昨日の夜に言って、今日これだもんな。

こちらとしては話が急だったような気がするから、申し訳なく感じていたんだけど・・・・。

 

レイヴェルのお母さんは微笑みながら言う。

 

「こちらも願ったり叶ったり、ということなのですよ」

 

そう言うとチラリとレイヴェルの方に視線を移していた。

当のレイヴェルは顔真っ赤だ。

 

「立ち話もなんですから、どうぞ中へ」

 

 

 

 

 

 

それから俺が通されたのは中庭が見えるサンルームだった。

窓から見える中庭は広大で・・・・中庭というより、ほとんど広場だ。

 

サンルームの中央には装飾の施された円形のテーブルがあり、俺はそこでレイヴェルとその両親―――フェニックス家の現当主と先程の夫人の四人でテーブルを囲んでいた。

 

俺と向かい合う形で座るのはフェニックス卿。

ライザーをかなり朗らかにした感じで、顎髭をたくわえたダンディーな人だ。

 

「今日はよく来てくれたね、兵藤一誠くん。君の活躍はよく耳にしているよ。先日の一件ではレイヴェルをテロリストの手から救ってくれたようで、本当に感謝しているよ、ありがとう」

 

「いえ、レイヴェルは俺が守りたい一人なんで。家で話して、笑って食卓を囲む。一緒に暮らした時間は短いですけど、もう家族みたいなもんです」

 

まぁ、俺が一方的に思ってることかもしれないけどね。

 

・・・・・俺の話にレイヴェルのご両親がどことなくニヤニヤしているような気が・・・・。

その視線は完全にレイヴェルに向けられていて、当のレイヴェルは赤面しながら縮こまっていた。

 

・・・・なんかまずいこと言ったかな?

 

とりあえず、それは置いといて本題に入るか。

 

「それでですね。今日、こちらに伺ったのはレイヴェルを俺の眷属にしたいと―――」

 

「わかりましたわ。早速トレードいたしましょう」

 

はやっ!

俺が言い終える前にレイヴェルのお母さん、頷いちゃったよ!

 

それで良いんですか!?

 

驚くしかない俺にレイヴェルのお母さんは言う。

 

「こちらとしてもレイヴェルをあなたの眷属にしていただきたいと思っていたのですよ。何より本人の希望でしたから」

 

「お、お母さまっ!?」

 

「うむ、君のことを話すときのレイヴェルはとても楽しそうでね。いつも目をキラキラと輝かせていたのだよ」

 

「お父さま!? そ、それは言わないでください!」

 

両親の言葉にあわてふためくレイヴェル。

うん、可愛い反応だな。

 

ってか、俺のことどんな感じで伝わってるんだろう・・・。

そこのところが気になってしまうが・・・・。

 

「兵藤一誠さん。あなたの『僧侶』の駒は持ってきていますね?」

 

「はい、ここに」

 

俺はポケットから未使用の悪魔の駒―――『僧侶』の駒を取り出した。

 

それを確認したレイヴェルのお母さんは椅子から立ち上がり、床に魔法陣をオーラで描き始める。

トレード用の魔法陣かな?

 

「では、早速トレードを致しましょう。こういうのはパパッとしまうものですわよ?」

 

床に描かれた魔法陣。

 

端っこに俺とレイヴェルのお母さんが立ち、魔法陣の中央にはレイヴェルが立つ。

俺は持ってきていた未使用の『僧侶』の駒を手に持っている。

 

レイヴェルのお母さんが手を突き出してオーラを高める。

すると、床の魔法陣に書かれていた悪魔文字がぐるぐると回り出していく。

 

レイヴェルの体が光り、次に俺の体が光を放つ。

同時に手にしていた『僧侶』の駒も輝きだした。

 

魔法陣を介してオーラの流れが変わっていき、俺とレイヴェル、次に俺の持つ駒とレイヴェルのお母さんの輝きが同調。

 

輝きが治まると、レイヴェルのお母さんはオーラを止め、床の魔法陣も消えていった。

 

そして、レイヴェルのお母さんは俺の『僧侶』の駒をすくい上げ、ニッコリと微笑んだ。

 

「これでトレードは終わりです。レイヴェルはあなたの眷属になりましたわ」

 

あ、これで終わりなんだ。

思ってたよりあっさりしてたよ。

 

まぁ、何はともあれ――――

 

「レイヴェル、改めてこれからよろしく頼むよ」

 

「もちろんですわ。眷属としても、マネージャーとしてもイッセーさまのために尽くしますわ」

 

互いにそう言うと俺とレイヴェルは握手を交わした。

 

ああ、この子がいてくれるのは頼もしいよ!

俺もレイヴェルのマネージメントに応えられるように頑張らないとな!

 

フェニックス卿が握手を交わしている俺達の肩に手を置いた。

 

「レイヴェル、彼をしっかり支えるのだよ? 兵藤一誠くんも娘をよろしく」

 

「「はい!」」

 

俺達の元気の良い返事にフェニックス卿は満足そうに頷いた。

 

すると――――

 

「それで、兵藤一誠くん。孫もよろしく。私は男の子でも女の子でもどちらでもいいが・・・・」

 

「何を言っていますの、あなた。まずは式をあげるのが先でしょう。そちらの方もさっそく決めてしまいましょう。こういうこともパパッと決めてしまうもの―――」

 

「お、お父さま! お母さま! 早すぎますわ! せめて大学を卒業するまではお待ちくださいまし!」

 

慌てて両親に叫ぶレイヴェル。

顔真っ赤で涙目だよ・・・・・。

 

つーか、あなた達も孫ですか!?

レイヴェルのお母さん、何でもかんでもパパッと決めすぎだろう!?

 

・・・・俺の周りの大人はなんとも気が早い人ばかりのようです。

 

 

 

 

 

 

トレードが終わってからは普段のレイヴェルの生活とか、今後の俺の方針とかの話をしていた。

 

レイヴェルのご両親は悪魔歴の短い俺に対して色々とアドバイスをしてくれて、すごく参考になった。

 

フェニックス卿が思い出したように相づちを打つ。

 

「おお、そうだ。君に渡したいものがあるのだよ」

 

フェニックス卿は指を鳴らすと執事の人がこちらへ近づいてくる。

 

その手には何やら小さな箱を持っていた。

その箱にも豪華な装飾が施されていて、見ただけで高価なものだとわかる。

 

執事さんが箱を開けると中には二つの小瓶。

 

「これは・・・・」

 

「そう、フェニックスの涙だ。少し遅くなってしまったが、君の上級悪魔昇格の祝いとして受け取ってもらいたい」

 

「こんな高価なもの・・・・・いいんですか?」

 

ただでさえ高価な涙、しかも最近は少し落ち着いてきたとはいえ、テロリストの被害で需要が増しているような状況だ。

 

そんな状況下で二つも俺にくれるなんて・・・・。

 

フェニックス卿は微笑みながら頷いた。

 

「君は常に最前線で戦い続けていると聞く。今後のことを考えれば涙は持っておいて損はないと思う」

 

「あなたは何度も『禍の団』と戦い、冥界を守ってきてくれました。同じ冥界を支える悪魔として、これくらいはさせてくださいな」

 

うーむ、確かにこれからの戦闘を考えると涙はあると助かるんだよね。

・・・・また『禍の団』の連中が動き出しているみたいだしな。

 

ふとレイヴェルの方を見ると彼女も頷いていた。

 

俺も頷きを返して、その箱を受け取った。

 

「ありがとうございます。ありがたく使わせていただきます」

 

「これからも君の・・・いや、君達の活躍に期待しているよ」

 

 

 

 

 

 

それから時間も経ち、俺とレイヴェルは人間界に戻ることにした。

 

戻ってからは美羽とアリスに無事トレードが済んだことを報告して、魔法使いの選考を再開っと。

 

「戻ってからは心機一転して気合いを入れていきますわ!」

 

さっそく燃えているレイヴェル。

 

小さな体がとても逞しく見えてしまうのは気のせいではないだろう。

 

その時、俺達の前方から一人の男性が近づいてきた。

 

ライザーだ。

 

「おー、レイヴェル、それから兵藤一誠。トレードは終わったようだな」

 

「今日のこと、知ってたのか?」

 

「当然だ。・・・・というより、昨日レイヴェルから連絡を受けたときの父上と母上の喜びようを見ればすぐに分かるさ」

 

ハハハ・・・・なるほどね。

 

今日の話を聞いてて思ったけど、フェニックス家は前々からレイヴェルを俺の眷属として送り出したかったようだな。

 

俺としても嬉しいけどさ。

 

「父上に孫の顔を見せろとか言われたんだろう?」

 

「・・・・よくお分かりで」

 

「うちの両親はレイヴェルに甘くてなぁ。娘の幸福を常に願っているのさ。孫の顔を見せてほしいと言うのも、おまえとレイヴェルの愛の結晶とやらを見たいのさ」

 

「あ、愛の結晶・・・・。ま、まぁ、それは俺達が学生を卒業するまで待ってもらうとするよ」

 

「お、良かったな、レイヴェル。言質は取れたぜ?」

 

「もう、お兄さままで! からかわないでください!」

 

プンスカ怒るレイヴェルとそれを見てニヤニヤと楽しげに笑みを浮かべるライザー。

 

本当に仲の良い兄妹なことで。

 

今更だけど、初めてライザーと出会った時はこんな感じで話せるとは思わなかったよな。

まぁ、あの頃はレイヴェルを眷属にするとも思ってなかったけど。

 

すると、笑っていたライザーが急に真面目な顔でこちらを見てきた。

 

そして――――

 

「妹を任せる。ワガママなやつだが、俺達にとっちゃ可愛い妹なんだ。しっかり守ってやってくれ」

 

そう言って、僅かに・・・・本当に僅かにだけど頭を下げてきた。

 

これには俺だけでなく、レイヴェルでさえも驚きを隠せないようだった。

 

ライザー・・・・・。

 

やっぱり、こいつも妹の・・・・レイヴェルのことを大切に思ってたんだな。

見た目は不良っぽいけど、中身は家族思いの良いやつなんだ。

 

「ああ。レイヴェルのことは俺に任せてくれ。もうレイヴェルを泣かせたりはしないさ」

 

「言ったな? 泣かせたら燃やすからな?」

 

俺とライザーは互いに不敵な笑みを浮かべると拳をぶつけた。

 

本当、出会った頃のライザーとは大違いだ。

 

人って短期間でこうも変われるものなのか、それとも俺がライザーを見誤っていただけなのか。

 

どっちにしても、今のライザーは良い兄貴だと思えるよ。

 

「さて、レイヴェルの件はこれで良いとしてだ。兵藤一誠、時間はあるか?」

 

「ん? まぁ、あることにはあるけど・・・・」

 

「それはいい。ちょっとばかし付き合え。俺も修行とやらをしていてな。今は己を鍛えることに専念しているのさ」

 

「なるほどね。俺に手合わせしてほしいと」

 

「そういうことだ」

 

「良いのか~? 加減しねぇぞ?」

 

「望むところだ。でなければ、修行にならんからな」

 

その後、俺とライザーはフェニックス家が所有している専用のフィールドでスパーリングを行うことになった。

 

驚くことに以前よりもライザーの力がはね上がっていてだな、鎧を使わなかったとはいえ俺も少し苦戦することに。

 

どうやら、不死鳥の兄貴も一皮向けたようだ。

次にレーティングゲームでやり合うときは一筋縄ではいかないかもな。

 

ま、ライバルが増えるのは一向にかまわないけどな!

 

次も俺が勝つ!

 

 

 


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