ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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2話 いざ、初詣! 祈願します!

…………ということがあってだな。

俺は初詣を前にして酷い目にあったんだ。

 

なんとか銃を奪って元に戻ったはいいものの…………あの銃は俺が厳重に封印しておこう。

 

家の女性陣は信用できないからな。

元に戻った時も残念がってたし。

 

「たまには『お姉ちゃん』でも良いんじゃない?」

 

「………美羽よ。あれは勘弁してくれ」

 

美羽ちゃんもノリノリなんだよね………。

そこまでお姉ちゃんになって欲しいですか?

 

「だって可愛いんだもん」

 

と、リアスと同じことを言う美羽であった。

 

アザゼル先生や黒歌達も参拝に誘ったんだけど、先生はトップ同士の会合があるようで来れないという。

 

黒歌達(黒歌、ルフェイ、ティア、ディルムッド)はアザゼル先生お手製のこたつでかなり寛いでいる。

今頃、ミカンとモチでも食ってるんだろうな。

ちなみにルフェイは三人のお目付け役。

 

………まさか、ティアがこたつにやられるとは思ってなかった。

 

九重が俺の手を引っ張る。

 

「イッセー、次はいつ会えるのかのう?」

 

「おいおい、今会ったばかりだろう? 次のことは早すぎるんじゃないか?」

 

「うぅむ………。そうなのじゃが、イッセーは忙しいと聞いている。イッセーと遊べないのは寂しいのじゃ」

 

あははは………。

完全になつかれてるなこりゃ。

 

まぁ、このぐらいの年頃だと年上の人にかまってほしいからね。

俺がその対象ってところかな?

 

「そういえば、フィス殿は来ておらんのか?」

 

九重はきょろきょろと俺達メンバーを見渡す。

 

フィスというのはオーフィスのことだ。

 

九重は一度、兵藤家に遊びにきたことがあるんだ。

その時は龍神であるオーフィスを祀る社を兵藤家に建てようという話になって、その関係で来てもらったんだ。

 

九重はオーフィスと仲良くなったんだが、流石に正体は明かせないため、ドラゴンの女の子『フィス』として紹介したんだ。

 

「フィスは家でお留守番だ。少し風邪気味らしくてな。ティアが面倒をみているよ。フィスも九重に会いたがっていたよ」

 

俺は嘘をついた。

というのも、オーフィスを外に出すわけにはいかないからだ。

 

ティアが面倒を見ているという点と、九重に会いたがっていたという点は嘘じゃないけどね。

 

オーフィスが来ていないことに残念がる九重だが、すぐに気を取り直す。

 

「龍の風邪は厄介と聞くぞ。裏の京都特性妙薬を用意するから待っておれよ!」

 

そう言うなり、ぱたぱたと奥に向かって走っていった。

 

薬を取りに家に戻ったのだろうが、友人としてオーフィスのことを心配してくれているようだ。

九重達を見ていると、いつか、オーフィスも自由に外出できるようにしてやりたいと思えるな。

 

その様子を見ていた八坂さんが朗らかに微笑む。

 

「ほほほ、赤龍帝殿、うちの九重と仲良くしてもらっているようじゃな」

 

「ええ。うちの子も仲良くしてもらってますしね。九重も素直で良い子ですよ」

 

俺は九重が走っていった方向を眺めながらそう返した。

 

すると―――――八坂さんは官能的な微笑みと共に俺の耳元に顔を寄せてきた!

大人の女性が放つ香しい匂いが俺の脳みそを刺激してくる!

 

「赤龍帝殿、九重が大きくなるまでしばし待ってもらえぬかえ? 待てぬならば、わらわがお相手しても良いのじゃが………。ほほほ、九重も兄弟が欲しいとせがむものじゃがらのぅ。それに若い男の肌は久しくてのぅ」

 

白く細くしなやかな指で俺の頬を撫でる八坂さん!

 

な、なんと…………九重の兄弟ですか!

そ、それはつまり…………!

 

艶のある声とその内容についついゴクリと喉を鳴らしてしまう俺!

 

しかし…………、

 

「母上! ご冗談が過ぎまするぞ! これは私が先約したのです!」

 

猛ダッシュで帰ってきた九重が俺の足にしがみついてきた。

可愛らしく八坂さんを牽制している。

 

「ほほほ、独占欲の強い子じゃ。その歳で『女』をしておるわ。わらわに似たのかもしれんのぅ」

 

娘の行動を余裕のある表情で微笑ましく見る八坂さん。

 

それを見た美羽が俺の横で、

 

「ふむふむ………八坂さんと九重ちゃんも…………と」

 

何かをメモってる!

 

そして、更にその横ではいつのまにか実体化していたイグニスがいて、

 

「母娘丼ね!」

 

親指を立てて楽しげにしていた!

 

母娘丼とか言っちゃいけません!

魅力的な響きだが、ここには小さい子供がいるんだぞ!?

 

「九重ちゃんが大きくなるまで…………あと十年くらいかしら? その頃が食べ頃ね!」

 

「食べ頃とか言うなやぁぁぁぁ!」

 

「食べ頃? イッセー、何を食べるのじゃ?」

 

「それはね―――――」

 

「やめんかい! エロ女神!」

 

えぇい、駄女神はやはり子供の教育にはよろしくない!

こんなのが近くにいたら小さい時から保険体育で満点取ってしまう!

 

「大丈夫! 思春期迎えたら自然と保険体育満点取れるわ! ねぇ、九重ちゃん。お―――――」

 

「やめい!」

 

何かとんでもないこと言おうとしたので、その口をガムテープで塞いでやった。

 

俺が駄女神の口を封印している横ではリアスと八坂さんが何かを話していた。

 

「リアス姫、例の件、よいのかえ?」

 

「はい、こちらとしても断る理由もありませんわ」

 

笑顔で応じるリアスに俺は訊く。

 

「何かあるのか?」

 

「ええ、九重が来年度から駒王学園の初等部に転入するのよ。その準備を進めているの」

 

「マジでか!」

 

へぇ、いつの間にそんな話になってたんだろう?

 

驚く俺に得意気な表情で九重は言う。

 

「ふっふっふっ、私もそろそろ人間界の生活を勉強しなければならないのじゃ。できるなら、妖怪が紛れ込んでも問題のない学舎が良いと思うてな!」

 

つまり、今年の春から九重も駒王町に来るのか。

 

まぁ、あの学校って悪魔、天使、堕天使から陰陽師、魔物使い、元ヴァルキリー、狼男に死神と多種多様だからな。

 

あれ………そうなると、九重も家に住むのかね?

 

う、うーん………そうなると色々と対策が………。

家ってお子さまの教育には色々アウトだと思うし………。

特にうちの事務所はダメだな。

R18指定空間だから。

『休憩室』とか『ラブルーム』はぜーったいに見せられない!

 

マジでどうしよ………。

 

俺が頭を悩ませていると、見知ったメンバーと遭遇した。

 

「あら、リアス達もようやく来たのですね」

 

ソーナをはじめとしたシトリー眷属だった!

こちらもジャケット姿のベンニーアを除いた女子メンバー全員が振り袖姿だった!

 

「ソーナ。京都に来るとは聞いていたけれど、ここにも来ていたのね」

 

「ええ。十分ほど前にここに到着しました」

 

幼馴染み同士で立ち話するリアスとソーナ。

 

匙が挨拶をくれる

 

「よっ、兵藤。明けましておめでとう」

 

「おう、匙。明けましておめでとう。そっちも初詣か」

 

「まぁな。ここで四件目だ。あと二つほど回ったら戻る予定。同盟のおかげで一部の悪魔なら初詣が出来るようになったのは役得だよな」

 

一部の悪魔というのは、主に俺達『D×D』メンバーとその協力者のこと。

対称者限定で京都の観光地が開放されている。

匙の言う通り、役得ではあるな。

 

しかし、シトリーメンバーは新年から京都観光か。

 

俺達は帰ったら自宅でのんびりだ。

とりあえず、俺はティアをこたつの魔力から解放してやらないと…………。

 

「副会長当選祈願か?」

 

「まぁな。でも、俺だけじゃないんだな」

 

匙が視線を横にやる。

 

ふと見れば、ゼノヴィアとシトリーの『僧侶』花戒さんが妙な迫力を放っていた。

お互いに熱い視線をかわし、バチバチと無言で火花を散らせている。

 

この二人は次期生徒会長の席を巡って争っている。

いわば、ライバルだ。

 

「負けるつもりはないわ、ゼノヴィアさん」

 

「ああ、桃。こちらこそ、やるからには絶対に勝つ」

 

握手を交わす二人。

 

良い感じにライバルオーラが出てるな。

冬の寒さなんてお構いなしに燃えてるよ。

 

匙が言う。

 

「見ての通り、俺以外にも当選祈願するメンバーがかいるのさ」

 

そういや、シトリーメンバーからは匙と花戒さん以外にも生徒会メンバーに立候補してたっけ。

 

それから少し話した後、シトリーメンバーは下山していった。

 

別れたところで、俺達も頂上目指して登ろうとした時だった。

 

イリナが俺の右腕に絡み付いてきた。

 

「うふふ、お正月の京都なんて風流よね。ダーリン♪」

 

「…………」

 

冬休み…………というより、あの夜を越えてからイリナは俺のことを「ダーリン」と呼んでくるようになった。

 

スキンシップも増してきていて、お風呂でも背中を流しにくるようになったし、ベッドへの侵入回数も増えてる。

 

年末、俺が事務所に『ラブルーム』が設置された日。

ちょうどその時にイリナが事務所に遊びに来てだな………。

『ラブルーム』の存在とその経緯を知ったイリナと使用することになった。

それが『ラブルーム』初使用だったりする。

 

それはともかく、最近では料理の勉強も始めているようだ。

 

俺は息を吐く。

 

「…………学校でその呼び方は止めてくれよ? ハニー」

 

「えー、ダメ?」

 

「ダーメー」

 

「ダーリンのケチ」

 

「言うこと聞かないとお仕置きするぞ、ハニー」

 

というのが最近の俺とイリナの間でのノリ。

 

出来れば「ダーリン」は止めてほしいところだが、イリナが呼びたいのであれば、仕方がない…………というより、半分諦めだな。

 

イリナとそんなやり取りをしていると、反対の腕にも絡み付いてくる者が。

 

「あらあら。でしたら、私も旦那さまとお呼びしようかしら」

 

ニコニコ顔の朱乃だった。

こちらもイリナと同じくらい超ご機嫌といった感じだ。

 

「ズルいわ、朱乃。私だって、イッセーと!」

 

そう言って、リアスも俺の腕に抱きついてくる!

朱乃と俺の腕を奪い合う形だ!

 

「あらあら、早い者勝ちですわよ?」

 

「それを言うなら、私の方が早いわ。ねぇ、イッセー。私のしょ――――」

 

「リアスゥゥゥ!? それ言っちゃダメ! ここ、他の人もいるから!」

 

周囲には上を目指す一般客もいるんだ!

こんなところで、そんな単語は使わないよ!

 

リアスと朱乃が俺の左腕を巡るなか、反対側では教会トリオが集結していた!

 

「イリナ、ここは三人で分けるべきなのではないか?」

 

「そうですよ。私もイッセーさんと―――」

 

「アーシアちゃん、それ以上はダメぇぇぇぇ!」

 

俺の心からの叫びだった。

 

左腕をリアス&朱乃、右腕を教会トリオ。

気づけば前を小猫ちゃん、後ろをレイナ&レイヴェルが押さえていた。

 

美少女に囲まれるのは嬉しいが、これは…………。

歩きにくい上に、この上なく目立つ。

周囲からの視線が…………。

 

後ろでは狐耳と尻尾を隠した九重が悩んでいる様子で、

 

「うーむ、あの中に入るには…………どうすればいいのじゃ?」

 

「九重ちゃん。こういう時はね、おんぶだよ」

 

「美羽ちゃん、それは無理があると思うわ…………」

 

アリスの指摘はごもっとも。

これにおんぶまで加わったら何かの要塞になっちまうぞ、俺。

 

「わ、私は…………我慢します…………」

 

ロセの我慢は正直、ありがたかった。

 

 

 

 

そんなこともありつつ、ようやく頂きの社に着いた俺達は手を合わせていた。

 

俺の願いは皆がケガなく、元気で過ごしてくれたら、それが一番かな。

今年は出来るだけ平和に過ごしたいものだ。

 

あとは今年も皆とエッチな生活ができたらいいな!

 

隣には参拝しながら話をするメンバー。

 

「願いを込めるとき、きちんと住所と名前も心の中で神様に伝えた方が良いんだよ? 知ってた、ギャーくん?」

 

「え!? そうなの、小猫ちゃん!? もう一度やらないと!」

 

「あとね、神社にも色々と系統があって、ここは稲荷系だから、商業に関するお願いをした方が良いんだよ。私達は今年の秋に修学旅行でここに来るからそのときでも良いと思うけど」

 

「修学旅行が楽しみですわ! 冬の京都も良いですけれど、秋の京都も回ってみたい!」

 

レイヴェルが白い息を吐きながらも瞳を輝かせていた。

 

小猫ちゃん、ギャスパー、レイヴェルは今年の春から二年生だから、秋には修学旅行がある。

おそらく、俺達と同じく京都だろう。

 

その時は襲撃なんて受けないと思うけど…………。

 

まぁ、その時はその時だ。

多分、アザゼル先生も着いて行くことになるだろうし、俺達も援軍として駆けつければ良い。

 

「早くファーブニルさんが治るようにお願いしてきました」

 

そう述べるのはアーシアだ。

 

ファーブニルはアーシアを守るため、重症の体でリゼヴィムに立ち向かった。

その後、力を使い果たして、一時的な休眠状態に陥っているのだが…………。

 

ゆっくりでも良い。

回復した姿をアーシアに見せてやれよ、ファーブニル?

ここにおまえの帰りを待っている女の子がいるんだからさ。

 

俺の横で深くお願いをしているゼノヴィア。

 

「何をお願いしているんだ?」

 

「…………今年こそ、イッセーの子供をだな」

 

「おいおい! ここは子宝のご利益はないと思うぞ!? あと、そこは学生終わってからと言っただろう!?」

 

「分かっているさ。イッセーがそう約束してくれたからな。今は練習だけで留まるつもりだ」

 

「そんなことは言わんでいい!」

 

練習だけって…………こいつ…………。

 

ゼノヴィアはおかしそうに笑う。

 

「ふふふ。まぁ、真面目な話、選挙の合格祈願かな。ここの神が悪魔の願いを叶えてくれるかは分からないけどね」

 

「でも、実力で取りたいって思ってるんだろう?」

 

「無論だ。勝利はもぎ取ってこそ、意味があるからな!」

 

不敵な笑みを見せるゼノヴィア。

 

さっき、ライバルと邂逅したのもあると思うけど、かなり気合いが入ってる。

新年から生徒会選挙に全力投球するつもりなんだろうな。

 

いつもの大胆不敵なゼノヴィアがそこにいた。

 

皆がそれぞれの思いを願い終える中、美羽とアリスが未だに何かを強く願っていた。

 

「美羽? アリス? そろそろ行くけど………まだ、何か願ってるのか?」

 

俺が問うと、二人は目を開けてこちらを振り返る。

 

二人とも晴れやかな表情で微笑んだ。

 

美羽が言う。

 

「今年も皆で賑やかに過ごせますようにって」

 

「そっか」

 

このメンバーなら今年どころか来年も、その次も賑やかに過ごせそうだけどな。

美羽も平和に楽しく過ごしたい、そう願ってたわけだ。

 

アリスも美羽に続く。

 

「書類が溜まりませんようにって。面倒な仕事はイッセーが請け負ってくれますようにって」

 

「このバカチン! なに願ってんだぁぁぁぁぁ!」

 

うん、今年も賑やかだわ。

 

 

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