リクエストがあったので描いてみました!
その日の夕方。
「そっち行ったよー」
「へいへーい」
兵藤家地下にある屋内プール。
俺は美羽が投げたボールを手で弾いて、アリスに渡す。
部活から帰った俺達は息抜きに水球をしていた。
俺達以外のメンバーも集まっていて、家に住むメンバーに加えギャスパー、それからグリゼルダさんも遊びに来ていた(ゼノヴィアの様子を見に来た)
「あっぷ………! 泳げませぇぇぇぇぇん!」
悲鳴をあげるのはギャスパー。
水球に参加しているのは俺、美羽、アリス、小猫ちゃん、レイヴェル、黒歌、ルフェイ、ディルムッドそしてギャスパー。
で、ギャスパーは足を滑らせて溺れかけていた。
「ギャスパー! 男ならそれぐらい泳いでみせろ!」
「無理ですぅぅぅ! ヴァンパイアは水が苦手なんですぅぅぅぅ!」
なんて叫んでいるが…………水球やってたじゃん!
水に入って動いてたじゃん!
「ハーフだからいけるだろ! つーか、足ついてんじゃねぇか!」
「あ、そうだった」
思い出したように足をつくギャスパー。
こいつ、男らしくなったと思えば…………。
水着も女物だし!
ワンピースだし!
「うふふ、ギャーくん可愛いにゃ♪」
ギャスパーの頭を撫で撫でする黒歌だが………かなり際どいビキニのため、おっぱいがぶるんぶるん揺れてるんだよね!
水球で動こうものなら、そりゃあもう半端ないくらいに!
白音モードの小猫ちゃんを見ても思うけど、やはり猫又姉妹はエッチな体つきだよ!
まぁ、通常モードの小猫ちゃんもまさに癒しキャラって感じで最高なんだけどね。
それから、ディルムッドも中々のお体をしていてだな…………。
黒歌ほどではないが、おっぱいも大きいし、スタイルがいい。
髪と同じ紫色のビキニがあいつの魅力を引き立たせていて、こちらも中々に眼福だ。
もちろん、美羽やアリス、レイヴェル、ルフェイ、小猫ちゃん達の水着も可愛くて最高。
さっきなんて、美羽の水着が取れてポロリするアクシデントがあり、ガン見してしまった。
「ボクの裸なんていつも見てるでしょ?」
「そうなんだけど………ああいうアクシデントが結構良いんだよね」
「そういうものなの?」
「そういうものなのだよ」
ふぅんと首を傾げる美羽。
裸もいい、コスプレもいい。
しかしだ、ポロリイベントなどのアクシデントもまた良いものなのだよ。
これは男にしか分からないと思う。
あ、でも、
「やっぱり、ポロリは良いわよね! 分かるわ、イッセー! ほらほら、もっと動いてポロリといこう!」
プールサイドでビール片手にご機嫌なイグニス。
うん、こいつにはポロリの良さが分かると思ってたよ。
エロいもん。
俺よりスケベだもんな。
すると、イグニスは続けて――――――
「イッセーもポロリいこう! 今ならいけるわ!」
男のポロリなんて何が嬉しいんだよ!
…………とツッコミたいところだが、今この場においてそのツッコミは適切でない。
美羽が俺の腰に抱きついてきた。
「うーん、やっぱり可愛い! しばらく、このままでいない? ね、
…………今の俺の状況を説明したいと思います。
俺が着ているのは男用の水着ではなく、女用、それもビキニだ。
腰まである髪、前髪はやや目にかかるほど。
丸みを帯びた体に動くとポヨンと揺れる胸。
括れた腰から太ももにかけてのラインが艶かしい。
指も細くしなやかで、体を構成する要素が全て女性特有のもの。
もう分かったよね?
――――――今の俺の体は女の子、つまり女体化していた。
俺は天を仰ぐ。
「なんでこうなったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
▽
時は少し遡る。
部活を終え、帰宅した俺達は各自でゆったりとした時間を過ごしていた。
俺は久し振りに部屋に籠ってプラモデル制作活動。
兵藤家の空いている部屋を一つ占拠して、そこを俺専用のプラモデル部屋としているんだが、一部屋丸々使っているので、かなりの工具や塗料も置けるんだ。
この間はガラスケースを購入したので、作ったプラモデルを飾れるスペースが増えた。
で、今はアザゼル先生に譲ってもらったエアブラシに塗料を入れて、コンプレッサーを起動。
パーツを塗装中だ。
吹きすぎないように注意してっと………。
「うむ、我ながら良い感じじゃん」
塗りムラもなく、下地処理も完璧。
ふっふっふっ………1/60スケール、二万円もしたんだ。
今回はLEDも仕込んで完璧に仕上げてやるぜ。
そんな感じで一人ほくそ笑んでいると、部屋に入ってくる者がいた。
美羽だ。
「お兄ちゃん、見っけ。って、うわー、シンナーの臭いが………」
「ん? 臭い籠ってるか?」
「籠ってる籠ってる。しっかり換気しないと頭パーンってなるよ?」
「前から思ってたんだけどさ、『頭パーン』ってどういう状況?」
しかし、籠ってたか。
窓も開けてるし、塗装ブースのファンも回してるんだけど…………やっぱり、長時間やってると気にならなくなるんだよね、こういうの。
美羽は小さな魔法陣を指先に展開すると部屋の角に配置する。
すると、魔法陣から微風が発生して、部屋の空気を外と入れ換え始めた。
「これでよしっと」
「サンキュー。さて、こっちは大分進んだぜ」
ズラリと並べられているのは塗装済みのパーツ達。
帰ってきてからずっとやってたから、かなりのパーツを塗り終えることができた。
完全に乾くまでしばらく放置だ。
「んー………、やっぱ、座りっぱなしってのは体に悪いな。腰が………。足も痺れてら」
「それじゃあ、一緒にプールいかない? 新しい水着買ったんだ」
「新しい水着? この時期に?」
「家って時期関係ないしね」
まぁ、そう言われるとね。
屋内プールだし、温水も出来るし。
しかし、この直後、美羽は気になる一言を漏らした。
「着てみてよ。お兄ちゃんなら絶対に似合うって」
「…………俺?」
水着を一緒になって選ぶことはあるけど、買ってくるなんてことあるだろうか?
俺は美羽からそんな話は聞いてないし………。
大体、女子が男子の水着を選んで購入するなんて、店員から変な目で見られるんじゃないか?
そんな疑問を浮かべる俺だったが、美羽はニッコリと微笑んで続けた。
「そう、お兄ちゃんの。着たら絶対に可愛いって」
可愛い…………?
男物で………?
いや、ちょっと待てよ………。
この美羽の笑顔。
何かを企んでいるこの可愛い笑顔。
まさか………まさか――――――。
「ほら、これ! 絶対絶対ぜーったい、似合うって! お兄…………お姉ちゃん!」
美羽が何処からか取り出したのは―――――赤いビキニ!
露出高めのセクシーな水着だった!
「ちょ、おま、女物じゃん! これ着るのか!? 俺が!?」
「そう! お姉ちゃんになったお兄ちゃんなら完璧だと思うんだ! ほら、ちゃんと性転換銃もあるし!」
「おいおいおいおい! どこで見つけてきた!? ちゃんと隠してあっただろう!?」
「お兄ちゃんの思考パターンを読めないボクじゃないよ!」
「えぇい、流石は我が妹と言ったところか! だが、そんなものを何度もくらう兄ではないぞ!」
「それはどうかな! とうっ!」
そう叫ぶと共に美羽は宙に舞い、俺に飛び付いてきた!
これが敵ならいざ知らず、美羽を避けるなど俺には出来ん!
俺の体は無意識に美羽を真正面から受け止める!
「つっかまえたー♪ お兄ちゃんならボクを受け止めてくれると思ってたよ!」
「謀ったな!?」
ちぃっ!
俺の弱点を突いてきよったか!
あぁ………美羽は柔らかくてフワフワしてて…………可愛いなぁ!
「うふふ♪ それじゃあ、お姉ちゃんでレッツゴー!」
▽
…………なんてことがあった。
至近距離から、しかも抱きつかれた状態で撃たれてはどうしようも出来ず、俺はまた女の子になってしまった。
女の子にされてからは美羽にやりたい放題されて、俺は抵抗できないまま、美羽が買ってきたビキニを着ることに。
「サイズもピッタリだね♪ 流石にお母さんの目は凄いよね。この間の一件で女の子になったお兄ちゃんのスリーサイズを見抜くんだもん」
「なっ…………」
言葉も出なかった。
前回の騒動で母さんは女体化した俺のサイズを見抜いたというのか!
しかも、美羽は母さんと組んでこの水着を…………。
恐ろしい。
この先、俺は一体どうなるんだろう?
隠しても美羽によって発掘され、仮に破壊しても美羽達の依頼でアザゼル先生が新しい銃を作ってしまう。
俺はこうして、これからと美羽達に遊ばれる運命なのか…………。
「もー、かーわーいーいー。お姉ちゃん、可愛い。おっぱいだって大きいよ?」
「いや、俺、男だし………。自分の胸じゃあなぁ」
「でも、今は誰がどう見ても美少女だよ?」
「ひゃあ!?」
いきなりの刺激にビクンっと跳ねる俺の体。
自分の声とは思えないほど、可愛らしい声で悲鳴をあげてしまった。
美羽が俺の脇腹をくすぐっていたんだ。
「ほら、今のお兄ちゃんは可愛いお姉ちゃんです!」
「なんで、そんなにハイテンション!? ふひゃ、く、くすぐったいって! こ、こんのぉ!」
俺は美羽の手を掴むと、瞬時に後ろに回り込む!
そして、仕返しとばかりにくすぐり返す!
やられたらやり返す!
倍返しだ!
「ひぁっ! ふ、ふにゃぁ! お、お姉ちゃん、そこ、ふぁぁ!」
「誰がお姉ちゃんだぁぁぁぁぁ!」
「うやーん! お姉ちゃんが怒ったー!」
俺の手を逃れて水中へと逃げる美羽!
逃がすかよ!
俺も水中にダイブして美羽を追いかける!
こうして始まるのが兄妹による水中での追いかけっこ。
美羽は魔法使い、ウィザードタイプではあるが並の悪魔より身体能力はずっと高い。
日頃の修行の成果と言える。
だが!
肉体を扱うのはこっちが本業!
俺には敵わねぇ!
水飛沫をあげ、猛烈なクロールで追い付いた俺は美羽を捕獲!
今度は逃がさないぜ!
「さぁて………捕まえた」
「あ、あれぇ………お姉ちゃん? 顔が怖いよ………?」
「気のせいだって。ほら、こんなに笑顔じゃん」
ニッコリと微笑む俺。
訪れる僅かな静寂。
そして―――――――。
「おいたをする美羽にはくすぐり地獄の刑だ!」
「あぁん……そこ、はぁ! ら、らめぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
▽
「は、は、はっ………んんっ………いっぱい揉まれちゃった………」
俺にお姫様抱っこされた状態で体をビクンビクンさせる美羽。
割りと本気でくすぐりにいったからな。
水着の上からだけど、おっぱいもお尻もいーっぱい揉んだ。
というのも美羽の反応が可愛いもんで、ついついやり過ぎてしまったところもある。
まぁ、兄の体で遊ぶような悪い妹にはちょうど良いお仕置きだったかもしれない。
俺は甘い吐息を漏らす美羽をプールサイドにある長椅子に寝かせるとその横に座って一息ついた。
プールの中では小猫ちゃん達が俺達兄妹を放置して水球を再開。
あちらはあちらで盛り上がっているようだ。
「うわっぷ! 溺れるぅぅぅ!」
あ、ギャスパーがまた転んだ。
あいつには水泳の特訓が必要だな、うん。
「うーん、やっぱり、女の子のイッセーくんって可愛いと思うのよね! 普段とのギャップがあるから尚更!」
レイナちゃんが後ろから抱きついてきた。
…………なんで、俺の女体化はここまで好評なんだ?
着せ替え人形に出来るから?
レイナの言うように男が女になることで出るギャップ?
でも、アリスや小猫ちゃんには不評なんだよなぁ………。
主に胸の件で。
とりあえず、レイナちゃんのおっぱいが俺の後頭部に押し当てられているので、今は幸せだ。
ふいにプールサイドの一角で話し合うメンバーを見つけた。
ゼノヴィアとアーシア、イリナの教会トリオ。
ゼノヴィアが真剣な表情なので、生徒会選挙について話し合っているものと思われる。
「ゼノヴィアは変わりました」
と、俺に話しかけてくる人がいた。
振り向けばビキニ姿のグリゼルダさんだった!
普段、シスター服を着ているから分からなかったけど、むっちりとしたおっぱいがそこにあった!
エロい格好をしない清楚の塊がビキニなんて………しかも、そんなにおっぱいを強調されては!
まぶしい!
グリゼルダさん、まぶしいよ!
グリゼルダさんは俺の横に来る。
「………斬り姫。戦士時代のゼノヴィアの呼び名です。一誠さんもご存じですよね?」
「ええ」
ゼノヴィアはエクスカリバーとデュランダルを用いて、教会の敵となる存在――――悪魔、堕天使、吸血鬼、魔物を断罪してきた。
容赦なく相手を斬り伏せる姿と、何を考えているか分かりにくい性格から、いつしか『斬り姫』と揶揄されるようになる。
「手間のかかる子でした。同じ施設の出のため、私はあの子の世話役に抜擢されたのですが、何をやっても雑な子で、最低限のレディとしての振る舞いを教えるだけでも精一杯でした」
「あはは………。何となく察します」
「笑い事じゃありません。本当に手のかかる子だったんですから」
なんてことを言っているが、グリゼルダさんの表情は温かみのある笑みを浮かべていた。
口調も姉が妹を語るそれだ。
「ようやく年頃の女の子らしくなってきたのが、戦士イリナと出会ってからでしょうか」
「確か、ゼノヴィアと組むことが出来たのが唯一、イリナだけだったんですよね?」
「はい。あの子の思想と戦い方に順応できたのが戦士イリナだけだったのです。戦士イリナには感謝しています。あの子の傍にいてくれたこと。彼女がいなければ、今のゼノヴィアはいないでしょう。…………悪魔になったと聞いた時は卒倒しましたけど、あんな風に困って、笑って、温かい友人に囲まれて過ごすことができている。あの子の選択は間違っていなかったのだと思えます」
グリゼルダさんの視線の先にはあーだこーだと話し合う教会トリオ。
三人で笑いあっている微笑ましい光景が彼女の瞳に映っていのるだろう。
「生徒会長を目指していると聞きました」
「ええ。頑張ってますよ。放課後も仲間と残って選挙に関しての作戦会議をしてます」
「学校が本当に楽しいのでしょうね」
グリゼルダさんはゼノヴィアの変化を心の底から喜んでいる。
普段はゼノヴィアに対して厳しいけれど、実の妹のように可愛いのだと思う。
グリゼルダさんは俺に改まって言う。
「一誠さん、どうか、あの子のことをよろしくお願いします」
「ええ、もちろんです。あいつは俺にとっても大切な家族ですから」
「うふふ。あの子が好きになった男性があなたで良かった。………あの子の純潔を奪ったのですから、本当に大切にしてあげてくださいね?」
「は、はい!」
ぐ、グリゼルダさぁぁん!
目が!
目が笑ってないよ!
年末、グリゼルダさんに呼び出されたけど、ゼノヴィアが色々すっ飛ばして話したせいで、ややこしいことになりかけてたんだよね!
………ま、まぁ、アーシアがちゃんと説明してくれたようで助かったけど。
と、とにかく!
「ゼノヴィアは大切にします! 幸せにします!」
俺がそう宣言すると、向こうの方から―――――
「イッセー! もう一度! 今のをもう一度言ってくれるか!」
「こっちの話聞こえてんのかい! あー、もう! 幸せにするよ! とりあえず、おまえは選挙頑張れ! 全力で応援してやるからさ!」
「うぉぉぉぉ! 燃えてきたぞ! 私は生徒会長になってみせるぞぉぉぉぉぉ!」
叫ぶゼノヴィア!
ものすごいオーラだ!
瞳に炎が宿ってるし!
流石のグリゼルダさんも苦笑するだけで、
「あの子はまったく…………。そういえば、一誠さん」
「あ、はい」
「あの子と結ばれるとすると、私は一誠さんの義姉になるんでしょうか?」
「そ、そうなりますか…………ね」
た、確かに。
ゼノヴィアとそうなるということはグリゼルダさんは俺の義姉になるということで………。
グリゼルダさんは暫し考えると、小さく呟いた。
「………私にも姪が出来るのでしょうか? それとも、甥?」
「へ………? あ、あの、今………何と?」
「い、いえ。何でもありません」
「は、はぁ」
な、何か期待してませんか?
いや、グリゼルダさんがそんな………まさかな。
「しかし、あれですね………」
グリゼルダさんは俺と向かい合うと下から上へと視線を移していく。
そして―――――
「今の一誠さんが幸せにすると言うと、変な感じになってしまいますね」
「そ、それは言わないでください」
そうだった。
今の俺って女の子だったわ。
俺はちょっとだけ泣いた。
というわけで、今回は女体化イッセー(水着ver)を載せました。
今回は可愛くというよりはイッセーの叫びを重視しました(笑)
いかがだったでしょうか?
またリクエストがあれば描こうと思います。