『―――――貴様を滅ぼす理由はそれだけだ』
ドライグがリゼヴィムにそう告げる。
そうだ、奴は俺達の逆鱗に触れるには十分すぎる非道を行った。
俺には俺の理由があり、ヴァーリにはヴァーリの理由がある。
だけど、目的は一つ。
―――――何がなんでも、こいつだけは、このクソ野郎だけはこの手で………!
だからこそ、俺達はこうしてリゼヴィムの前に立っている。
こいつが二度と立てぬよう、徹底的に潰す覚悟でここにいる。
目的のためなら手段を選ばない、という訳ではないが、俺とヴァーリにとってこいつは絶対に許せない相手であり、こいつは世界を混乱に陥れる『悪』の権化。
だったら、共闘してでも潰すしかないだろう?
俺とヴァーリ、赤いオーラと白いオーラが神々しい輝きを見せる。
二人のオーラは繋がり、混ざり、そして膨らんだ。
赤と白、相反する力が共存し、凄まじいプレッシャーをリゼヴィムに放っていた。
流石のリゼヴィムも俺達の放つプレッシャーに一歩後ろに下がった。
冷や汗を流し、喉を鳴らしている。
俺の『透過』によってリゼヴィムの『神器無効化』は通じなくなった。
それが無くても奴は強いが………今の俺なら、俺とヴァーリならやれるはずだ。
俺達の迫力に息を呑んでいるリゼヴィムだったが、途端に懐を探りだした。
懐から取り出した手に握られているのは幾つかの小瓶だった。
「うひゃひゃひゃひゃ。そんじゃ、持久戦といくか? 涙ならたんまりあるんでね。おまえらの体力がもつか、俺がやられるのが先か。いっちょ、根比べといこうかね?」
奴が取り出したのはフェニックスの涙を入れた小瓶だった。
これについては特段驚くことではない。
こいつが涙を所持しているのは天界の時から分かっていることだ。
―――――問題はそれに対してどう対処するのか。
リゼヴィムは小瓶の蓋をとると、
「では、一つ目をいただこうか」
そのままあおった。
フェニックスの涙の効果により、今まで受けた傷が回復する…………はずだった。
フェニックスの涙を呑んだリゼヴィムには何の変化も起きなかった。
「…………」
自分に回復が起こらず、眉根を寄せるリゼヴィム。
「…………どういうことだ? なぜ、傷が癒えない?」
何度も自分の体を確認して、リゼヴィムは疑問を口にする。
その時、
「…………本物でしたよ。今、その時までは」
展望台の方から声が聞こえてくる。
その声の主は――――――傷を負った王者だった。
彼の手元には小型の魔法陣が展開されている。
その一言に得心したのか、リゼヴィムは王者を睨んだ。
「………貴様、無効化したのか…………? フェニックスの涙の効果をなくしたというのか!?」
「………べリアルの特性『無価値』は本来対象者の能力にだけ働く。ですが、『物』も例外ではない。………構成されている物質と原理さえわかれば『無価値』にできます。今、あなた方が所有する全てを『無価値』にしました」
それを聞かされたリゼヴィムは全てを把握した。
「………フェニックス家とのマッチングは最初からこれを想定していたというのかッ!」
そう、王者は端からこれを狙ってライザーとのゲームを組んだ。
ライザーの魔力を解析して、涙の構成を知り、この時を待っていた。
そして、クリフォトが所持する全てのフェニックスの涙を無効化したんだ。
「ディハウザー………! 貴様、ここで裏切るというのか………ッ! この俺を、ルシファーの息子たるこの俺を………! 赤龍帝と組み、俺を裏切るのか………!」
「………」
激怒するリゼヴィムに何も答えない王者。
王者の裏切りは完全に想定外だったんだろうな。
リゼヴィムは明らかに焦っていた。
まぁ、俺もさっき話を聞くまでは全くの予想外だったんだけどね。
確かにめざとい人だ。
とにもかくにも、これでリゼヴィムは殆ど詰んだ。
俺とヴァーリの猛攻に相応の傷を負った上に回復手段は絶たれた。
そして、俺とヴァーリはどこまでもこいつを追いかける。
逃がすようなヘマはしないだろう。
ヴァーリが言う。
「本当なら一人で決着を着けたかったが、この際、もう我が儘は言わない。―――――消えろ、リゼヴィム。この世から一片の肉片も残さずにな」
ヴァーリの殺気が高まっていく。
籠手を解除した後、ヴァーリは手元に魔法で生み出した光の剣を握った。
これで終わり、この場の誰もがそう思った。
油断をしたわけじゃない。
この狡猾な野郎に油断なんて出来ないからな。
しかし――――――。
「くくくくくく…………ひゃひゃひゃ…………ふはははは……アーハッハッハッハッハッ!」
突然、リゼヴィムは狂ったように笑い始めた。
両手を広げ、空を仰ぎながら、高らかに笑う。
………気でも狂ったのだろうか?
追い詰められ、完全に詰んだと思われる状況。
一瞬、オーフィスの分身体であるリリスを呼ぶのかと思ったが、彼女を呼ぶ気配もない。
俺もヴァーリも王者も、三人全員が怪訝な表情を浮かべ、今もなお狂った笑いをするリゼヴィムに違和感を覚え始めていた。
何か………何か企んでいるのか?
この状況を逆転できる手がこいつに残されているのか?
警戒を高め、構える俺達。
ようやく笑うのをやめたリゼヴィムは深く息を吐く。
「やれやれ…………こいつだけはまだ使うつもりはなかったのだが…………致し方あるまい」
手に握った小瓶を捨て、再び懐を探るリゼヴィム。
次にその手に握られていたのは………試験管?
理科の実験で使うような試験管が一本、奴の手に握られている。
ガラスの容器の内側には何やら黒いものがうねうねと蠢いている。
それを見た瞬間、悪寒が走った。
俺の中で警戒警報が全力で鳴ったんだ。
「なんだ…………あの禍々しいものは…………?」
バトルマニアのヴァーリですら、奴の握るそれに強い警戒を示している。
リゼヴィムが試験管を空に掲げながら語りだす。
「オーフィスの蛇。旧魔王派の悪魔が蛇を使って強化していたのは知っているな?」
それは知ってる。
というか、実際に相手をしたからな。
オーフィスの蛇を使った奴は三流の力を一流に変える。
シャルバを魔王クラスにまで引き上げる程、凄まじい強化を与えた代物だ。
だが………オーフィスの蛇はそこまで禍々しい雰囲気を放つものじゃない。
使用者のオーラが禍々しくなるのは見たが………。
「こいつはな、生き残った旧魔王派の悪魔から蛇を抜き出し、俺専用に調整を行ったものだ」
「調整………?」
「リリスを強化しようと方法を模索する過程で、ついでに作ったものだ。英雄派の持つ研究資料と外法とされる禁術を重ねがけて作ったのがこれだ。効果は単純な強化という点では従来の蛇と同じ。だが―――――こいつの強化は従来の蛇を大きく上回る。軽く十倍くらいはあるだろう」
「「――――――っ!?」」
その言葉に俺とヴァーリは息を呑んだ。
十倍の強化…………!?
『王』の駒みたいなものか………?
『王』の駒は強すぎる者に対して使うと命の危険を伴う。
それに対してオーフィスの蛇はそのようなリスクがなかったはず。
だったら、なぜ、リゼヴィムは今になってそれを持ち出してきたんだ?
俺の疑問を見透かしたようにリゼヴィムは続ける。
「ま、改造し過ぎて、使うのに色々とリスクを伴うという欠点があるがな。ヴァルブルガに使わせたのも、そのリスクを確認するためだ。最も、確認する前に倒されてしまったが…………」
リゼヴィムは試験管の蓋を外す。
中で蠢いていたものが、試験管の外へと溢れだし、腕を伝ってリゼヴィムの体にへばりつく。
黒いそれは暫く蠢いた後、口からリゼヴィムの体内に入っていった!
刹那――――――。
ドクンッ!
リゼヴィムの体が大きく脈動する!
何度も跳ねた後、手足が震え始め、全身の血管が浮き彫りになっていく!
同時に奴が纏うオーラも禍々しさを増し、濃密で巨大な邪悪が俺達の目の前で広がっていった!
ルシファーの翼が大きく広がり、奴の肉体は服を引きちぎって膨張を始めた!
額からは二本の角が生え、その姿はまるで鬼のようにも見える。
一回り大きくなったリゼヴィムは口から瘴気を吐くと、変質した声音で不気味に笑いだす。
『うひゃ………ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!』
いつも以上に不快な笑いが周囲にこだまする。
なんだよ…………こいつは…………!
化け物じゃないか…………!
巨大で邪悪な…………『悪』と『魔』を体現したような存在!
リゼヴィムの深い紫色になった瞳が俺達を捉える。
『ちょいとばかし、イカつくなっちまったがよ。―――――こいつが真の「
そう言うと、奴の姿が音もなく消える!
完全に見失った俺達は奴を探そうと辺りを見渡すが、次の瞬間―――――背後から凄まじい衝撃を受ける!
後ろに回り込まれた!?
いつの間に!?
咄嗟に手刀を横凪ぎに放つが、俺の攻撃は虚しく空を切った。
「ガハッ!」
横からヴァーリの苦悶の声が聞こえてくる。
見ると、化け物と化したリゼヴィムの拳がヴァーリの純白の鎧を砕き、生身にダメージを与えていた!
リゼヴィムはヴァーリの腕を掴むと振り上げ、そのまま庁舎目掛けて投げつける!
庁舎の上階を崩壊させながら、ヴァーリは下の階まで突き抜けてしまった!
「てめぇ!」
俺はビットを展開し、奴に殴りかかる。
当然、拳にもビットにも『透過』は付与してある。
そうすれば奴の『神器無効化』をすり抜けられるからだ。
拳と蹴りを織り交ぜ、全力のラッシュをリゼヴィムに仕掛ける。
更にビットによる遠隔攻撃で、砲撃と斬撃を交ぜて手数を増やしていく。
だが、それすらもリゼヴィムは受け止め、流し、破壊していく!
しかも、こいつ…………!
「神器無効化を使わずに俺の攻撃を止めてやがるっ!」
『うひゃひゃひゃひゃ! 無効化なんざ、使わなくてもなぁ! 今の俺なら素手でその鎧をぶち抜けるんだぁよッ!』
奴の拳が俺の腹にめり込む!
内側から込み上げてきたものを吐き出すと、真っ赤な血が大量に溢れた。
一撃でこのダメージかよ…………!
「リゼヴィムッッ!」
翼を広げて急上昇してくるのはヴァーリ。
危険な程の荒々しい白いオーラをたぎらせてリゼヴィムに迫る。
リゼヴィムの翼が意思を持ったようにうねりだし、ヴァーリに降り注ぐ!
先端がドリルのように鋭くなり、ヴァーリを貫こうとする!
ヴァーリは高速で動いて、それらを交わしていくが、リゼヴィムの翼はヴァーリの動きを次第に捉えていく。
一度、腕を掠めてしまったと思うと、足、腹、肩と次々に掠められていく。
遂には腹を完全に貫かれ、建物に叩きつけられてしまう!
貫かれたヴァーリの腹からは夥しい両の血が流れ、純白の鎧を赤く染めてしまった。
ヴァーリを助けにいきたいところだが、そんな余裕は今の俺には無かった。
強化されたリゼヴィムはEXAの力をも超えてくる!
一体、どんな外法を使えば、ここまでの強化を可能にしたんだ!?
奴から放たれる拳と蹴りの威力は俺の理解を越えていて、掠めただけで、鎧を破壊されてしまう!
俺も全力で防御と回避に徹するが…………避けきれない!
イグニスを呼び出して、奴に振るうが、全く当たる気配を見せない!
巨大な力も当たらなければ意味がないってか!
リゼヴィムに足首を掴まれると、そのままヴァーリの倒れる近くに叩きつけらた!
全身に響く衝撃!
なんて力だよ…………!
俺達を見下ろすリゼヴィムは醜悪な笑みを見せる。
『クソ雑魚ドラゴン君たちはそこで永遠におねんねしてなぁぁぁぁ!』
リゼヴィムの翼がうねり、俺達目掛けて降ってくる!
避けようにも体が動かねぇ………!
俺もヴァーリも奴に貫かれようとした。
その時―――――。
俺とヴァーリを庇う者がいた。
俺達とリゼヴィムの間に立ち、俺達の代わりにリゼヴィムの翼に貫かれたのは―――――王者だった。
「ぐっ…………!」
腹と胸を貫かれ、よろめく王者。
リゼヴィムは蔑むような目で王者を見る。
『悪に染まりきる度量もない若造が。何の真似だ?』
「………これ以上、彼ら若者に重荷を背負わせる訳にはいかない…………」
『ハッ! 散々やっておいて、今更かよ! まぁ、良い。今更、おまえがそいつらを庇ったところで、死への時間を僅かに延ばしたに過ぎない』
リゼヴィムはそう言うと翼を引き抜く。
こうして、今のリゼヴィムを見上げていると、今のあいつは悪魔と言って良いものか………そんな風に思ってしまう。
いや、元々そういう存在だったのかもしれないけど、それをも超えた…………怪物。
力も容姿も化け物だ。
リゼヴィムが何か思い出したように相槌を打つ。
『そーだ、そーだ。一つだけやること忘れてたわ』
リゼヴィムが指を鳴らす。
すると、上空に歪みが生じる。
その歪みは徐々に広がっていき、この浮遊都市の空全体に広がっていった。
そこには何かが映し出されていて、何かの映像であることがわかる。
あれは…………町か?
あちこちに灯る明かり。
公園らしきものも見える。
映像全体を見渡していくと、俺の目に衝撃的なものが入ってきた。
それは学校。
見覚えのある形の校舎だ。
そこは俺達が普段通っている―――――。
「まさか…………!」
そこがどこなのか理解した俺。
俺の反応を見たリゼヴィムはニンマリと笑みを見せ、
『そうでーす! ここはおまえらが住んでる駒王町! 皆、おなじみだよね!』
両手を広げてふざけた口調で話すリゼヴィム。
この声の感じからするに、魔力か魔法かでアグレアス全体に発信しているのだろう。
つまり、奇襲作戦に参加した『D×D』メンバーに向けてメッセージを送っているということ。
嫌な予感がする…………。
この野郎、駒王町の映像なんて見せて何を…………?
『チーム「D×D」の本拠地、三大勢力の重要拠点! ここは大事だよねー? 親や友達だって住んでるし、とってもとっても大事だよねー? おじさんは今から君達の駒王町に邪龍軍団を送っちゃおうと思います☆』
「なっ………!?」
この野郎………あの町に、俺達の町に邪龍を送りつけよってのか!?
なんてことを…………!
だが、あの町は三大勢力で張った結界で守られている。
そう簡単に入ることなんて…………。
しかし、リゼヴィムは醜悪な笑みと共に続けた。
『皆、そんなこと出来ないと思ってるよね? それが出来ちゃうんだよなー! 考えてみろよ、オーフィスが襲われたのはどこだ? あの地下空間だろう? あそこに行くには駒王町に張ってある結界も突破する必要がある。つまり! あの町の結界ごとき、余裕で抜けられるってわけだ! ってなわけで』
リゼヴィムが再度、指を鳴らす。
それから数秒後。
映像に黒い群れが出現し始めた。
量産型の邪龍…………!
百や二百じゃきかないぞ!?
なんて数を送り込んできやがるんだ!
『うひゃひゃひゃひゃ! がら空きになった拠点を落とすのは当然のことだろ? だからよ、落とさせてもらうわ、おまえらの町をなぁ! ほれほれ、早く何とかしないと、邪龍にぶっ壊されるぜ!?』
下衆な笑いを響かせるリゼヴィム!
この野郎…………!
俺は咄嗟に通信用魔法陣を展開。
仲間に通信を送る!
「アーシア、ゼノヴィア、イリナ、レイナ、レイヴェル! おまえらは町に戻って邪龍共から町を守ってくれ!」
『了解だ!』
『ま、任せてください!』
アーシアなら町の人が大ケガをしても治療できるし、ゼノヴィアとイリナはアーシアを守ることにかけてはピカチイだ。
レイナとレイヴェルなら、邪龍を倒しつつ、すぐに堕天使、悪魔の両陣営に援軍を呼べるはず。
『イッセー! 私も行きます!』
『俺も行くってね!』
そう通信を送ってきたのはリーシャとデュリオだった。
一人で大勢を相手に出来る二人なら直ぐに殲滅出来るはず!
「だけど、リーシャはラズルと戦闘中じゃないのか!?」
『かなりの距離がありますから、彼に追い付かれる前に転移することは可能です。急がなければ、イッセーのお父様もお母様も危ないです!』
「…………っ! …………頼む!」
そう応じる俺。
すると、上空に映し出された邪龍達が次々に撃ち抜かれていくのが見えた。
リーシャが狙撃して撃ち落としたんだ。
デュリオが天候を操り、大量の邪龍を殲滅していく。
ゼノヴィア達も悪魔の翼を広げて邪龍を落としていった。
…………やられた…………!
この大騒ぎに町の人達が気づかない訳がない。
少なからず、何か異変が起きていることぐらいは察知されているはずだ。
リゼヴィムの野郎、俺達の町を攻めると同時に一般の人間に異形の存在を暴露する気か!
しかし、リゼヴィムの行動はそれだけにとどまらなかった。
アグレアス上空に赤い何かが現れる。
一つ、二つ、三つと増えていくそれは空を埋め尽くす程の数となる。
『赤龍帝軍団のご登場です! 只でさえ少ない戦力を二つに分けてしまったチーム「D×D」! 一体一体が魔王クラスの攻撃力を持つ赤龍帝の複製体を相手に生き残れるか! 見ものです!』
まるでゲームの実況でもするような口調のリゼヴィム!
とことんまでやるつもりか…………!
アグレアスの町へと降下していく複製体の群れ。
今も戦っているリアス達に襲いかかっていく…………!
駒王町ではゼノヴィア達と量産型邪龍の群れ。
この浮遊都市ではリアス達と複製体の群れ。
分断された上、数で圧倒されている………!
いくら下にモーリスのおっさんやクロウ・クルワッハがいるとはいえ、この数は…………!
―――――朱乃、危ない!
―――――リアス!? くぅ………! このままでは…………!
―――――こんのぉ!
―――――ギャスパーくん、こっちにも送ってほしい! 数が多すぎる!
――――――囲まれてしまいましたね………!
リアス、朱乃、ギャスパー、木場、ロセ………!
――――――こんな時に!
――――――早くしないとお母さん達が…………!
――――――ちっ! 面倒なことをしてくれるぜ!
アリス、美羽、おっさん…………!
――――――アーシア! こっちも頼む!
――――――はい!
――――――私達の町は絶対に守るんだから!
――――――そうよ! ここは私達の大切な場所なんだから!
――――――イッセーさまに任されたのです! 守りきってみせますわ!
――――――弟に頼まれましたからね。ここから先は通しませんよ!
ゼノヴィア、アーシア、イリナ、レイナ、レイヴェル、リーシャ………!
ソーナや匙、デュリオの声まで届いてくる!
皆が戦っている声が聞こえる!
皆、命をかけて戦っているんだ…………!
あの町には父さん、母さん、松田、元浜、桐生、俺達の家族、友達も住んでいる。
守らないとダメなんだよ…………!
俺は約束したんだ。
皆と、絶対に帰るって。
また、皆と………父さん、母さん…………俺は!
リゼヴィム…………ッ!
てめぇの好きには………絶対に…………!
そんなこと…………!
「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
『―――――――Agios Burst!!!!!!!!!』
というわけで、本日はここまで!
ラストはあのシーン!
ネタ的にやっておかないとね!(笑)
~後書きミニエピソード~
イグニス「イッセー覚醒! 見て、イッセーの下半身がギンギンに――――――」
イッセー「うぉい!? それ違うから! それ違う覚醒………ってしてねーし!」
ティア「はぅぅぅ…………」
イッセー「ティア姉は何で恥ずかしがってるの!?」
イグニス「そりゃあ、ティアちゃんの初めてを奪ったのがイッセーの―――――」
イッセー「それ以上言うなよ!? それ以上言ったらマジで怒るからな!?」
~後書きミニエピソード、終~