ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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45話 追い詰められる眷属

[美羽 side]

 

 

「チ………チクビィィィィィィィィィムッッ!」

 

真っ赤な顔で、半分泣きながら叫ぶアリスさんの乳首がピンク色に光輝く。

そして、乳白色の光線が先端から放出された!

乳白色の光線が多くの複製体を呑み込み―――――。

 

 

チュドォォォォォォォォォォォォンッッ!

 

 

全てを無に返していった!

デュリオさんの複製体達がまとめて吹き飛ばされていく!

 

「え、えええええええええええ!? アリスさんのおっぱい………乳首からビーム出たぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

なんで!?

なんで乳首からビーム!?

というか、『チクビーム』って技名が酷すぎない!?

危機的な状況なんてどうでも良いくらい、ツッコミしか出てこないよ!

 

イグニスさんの声が頭に届いてくる。

 

『やったわ! これぞ、スイッチ姫………(にゅー)タイプとしての必殺技チクビームッ! 乳首に(にゅー)パワーを集約させ、放つ母なる技! その力はたとえ神でも抗えるものではないわ!』

 

なんで、そんなテンション高いの!?

母なる技って………母乳じゃん!

大丈夫なの、乳首からビームって!?

 

『大丈夫よ、美羽ちゃん。母乳はおっぱいドラゴンたるイッセーをパワーアップさせるための愛の力。対してチクビームはスイッチ姫、(にゅー)タイプとしての正義の力だもの』

 

ごめんなさい、意味が分からないよ!

理解しようとしてと思考が追い付いてこないんだもの!

そもそも(にゅー)タイプってなんなのさ!?

 

『ちなみにイッセーがチクビームを受けるとパワーアップするわ』

 

じゃあ、母乳と変わらないじゃん!

結局、お兄ちゃんのパワーアップアイテムじゃん!

 

ツッコミが止まらないボクの横でアリスさんは目元を押さえていて、

 

「うぇぇぇぇ………わ、私、とうとう乳首からビーム出しちゃった………。なんでこうなるのよぉぉぉ………」

 

『だって、スイッチ姫だもの。(にゅー)タイプだもの。これもあなたの、おっぱいドラゴンの伴侶としての宿命よ。アリスちゃん、これは誇って良いことよ? あなたのおっぱいは―――――世界を救うわ』

 

なんだろう、言ってることはおかしいのに、イグニスさんが言うと妙に説得力がある。

T・O・Sとかもそうだけど、結果は出してるからね。

言ってることはおかしいけど。

 

「あぁ………なんだろう。なんでこんなにも悲しい気持ちになるんだろう」

 

「悲しいのは私なんですけど!? どうして私ばかりこんな役回りなの!?」

 

『それはスイッチ姫だからよ』

 

「泣くわよ!? というか、もうすでに泣いてるし!」

 

『ほらほら、そんなこと言っている間にも相手は来てるわよ?』

 

「うっ………もぉぉぉぉぉぉッッ! いいわよ、やってやるわよ! チクビィィィィィィムッッ!」

 

放たれる乳白色チクビーム。

吹き飛ばされる複製体。

ベルによって召喚された火山なんて丸ごと消し飛ばされている。

 

そして…………、

 

「うぇぇぇぇぇぇん! イッセーのバァカァァァァァァッ!」

 

号泣するアリスさん。

ビームを撃つ度に彼女の大切なものが削られているような気がするのは気のせい………じゃないよね。

 

アリスさんが号泣しているの眺めている中、ボクはふと疑問に思ったことがあった。

 

「アリスさんが撃てるなら、リアスさんも撃てるのかな? ほら、同じスイッチ姫だし」

 

アリスさんとリアスさんはダブルスイッチ姫として、お兄ちゃんを色々な意味で目覚めさせてきた。

白雷のスイッチ姫、アリス・オーディリア。

紅髪のスイッチ姫、リアス・グレモリー。

二人のおっぱいはおっぱいドラゴンをパワーアップさせる奇跡のおっぱいだ。

 

スイッチ姫たるアリスさんが出来るなら、リアスさんも出来ると思うんだ………チクビーム。

 

イグニスさんは自身満々の声で言った。

 

『ええ、撃てるわ。今のところ、(にゅー)タイプとしての素質はリアスちゃんが頭ひとつ抜けているの。さっき、リアスちゃんに念話を送ってみたけど、ものすんごい威力を誇ってたわ』

 

 

~その頃のリーアたん~

 

 

「チ………チクビィィィィィムッッ!」

 

「凄いわ、リアス! あの数の邪龍が瞬く間に! でも、惜しいわね。もう少し早ければ、ラズルにも有効打を与えられたでしょうに」

 

「うぅ………なんでこんなことに………」

 

リアスもまたチクビームを修得していたのだった。

 

 

~その頃のリーアたん 終~

 

 

『やっぱり、リアスちゃんくらいのバストだと凄いわ。連射性能高いし』

 

「それって、私の胸が小さいって言いたいの!?」

 

『まぁまぁ、アリスちゃんもまだまだ大きくなるわ。心配しないで、エロに関して最強のお姉さんが保証してあげるから』

 

「本当!? 私の胸、まだ大きくなるの!?」

 

『ええ、イッセーに揉まれたり、つつかれたり、吸われたりしていれば、確実に大きくなるわ』

 

イグニスさんにそう言われて、アリスさんは胸を手で押さえながら小さく頷いた。

 

「う、うん………頑張るもん。あいつ好みのスタイルになるもん………」

 

うん、可愛い。

アリスさんはデレた時こそ真価を発揮するよね。

 

 

 

 

アリスさんのチクビームによって、多くの複製体が消滅させられた。

狙ってか、そうでないのかは分からないけど、大地をマグマの海に変えていた絵も消滅している。

おかげで地面が元に戻っている。

イグニスさんの読み通り、絵を消滅させたら、召喚されたものも消えるのか………。

 

とにかく、道が開けたのは大きい!

 

ボクは一直線に空を飛び、ついにベルの元に辿り着く。

彼女の目の前に来たと同時にとびっきりの魔法を放った!

 

巨大な魔力の塊。

ここで決めるつもりの、全力の攻撃!

 

「やぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 

放った黒い魔力がベルを襲う!

黒い力はベルの乗っていた魔獣を消し飛ば巣だけに止まらず、周囲にいた複製体、そして、宙に浮く絵画をいくつも消し飛ばした!

その中には『D×D』メンバーの絵画も含まれている。

これで、彼らが召喚されることはなくなるはず!

 

爆音が止んだ後、一帯に漂う黒いオーラの中からベルが飛び出してくる。

衣服が破れてはいるけど、生身にダメージはない!

 

ベルは普通に魔法を使っても強いけど、その真価は召喚した存在と組合わさることで発揮させる。

だったら、ベルが新たに絵を描く前に畳み掛ける!

 

「終わらせるよ!」

 

「………ベル、負けない」

 

始まる壮絶な魔法合戦。

高速で結界内を飛び回りながら、互いに魔法陣を全面に、幾重にも重ねて攻撃魔法を撃ち出していく。

ロスヴァイセさんのような全属性フルバーストの超連射だ。

一撃一撃が地形を変える威力を持っていて、受ければかなりのダメージを与えられるだろう。

だけど、ベルはこちらの攻撃を真っ向から相殺してくる!

 

「………お姉ちゃん、やっぱり強い。ヴィーカ達、ベルとここまで魔法は撃ち合えない」

 

魔法は………か。

他のアセム配下三人は他の能力が突出してるから、魔法で撃ち合うなんてあんまりしなさそうだけどね。

 

強力な魔法を立て続けに撃ってくるベルだったけど、ここで左手を横に突き出した。

掌を下に向けた状態で、オーラを高めていき―――――新たに絵画を召喚した!

 

「まだあったの………!?」

 

驚愕するボクにベルは眠たげな目を向けながら言う。

 

「………さっきまでの、ベルが描いた一部。絵はまだまだあるよ………?」

 

召喚された絵画の一枚が輝く。

すると、地面が不気味なオーラを放ち始め、何かが飛び出してきた。

それは地面から生える巨体な触手だった!

この一帯が無数の触手で埋め尽くされている!

そして、その全てがボク目掛けて動き出す!

 

空に逃げようとしても、伸びて、どこまでも追ってくる。

魔法を撃って消滅させても、次から次へと寄ってくる。

この触手を召喚した絵を破壊しようとしても、触手がそれを阻んでくる。

 

やがて、防御魔法陣を展開して、飛び回っていたボクの腕に触手が巻き付いてきた!

それを切っ掛けに足、腹、胸、首と全身を触手に巻き付かれて、完全に捕縛されてしまった!

 

「この………ッ!」

 

触手を消滅させようと魔法陣を展開しようとして―――――展開した魔法陣が霧散した。

 

「もしかして………!」

 

この感覚に覚えがある。

これはアウロス学園の時と同じだ。

 

ベルが言う。

 

「………それに捕まると、魔法が使えなくなるの」

 

「それだけじゃないよね………。この触手、ボクの力も吸い取って………!」

 

捕まえられた瞬間から、ボクの力が急激に減っていく。

これはディルちゃんの槍があっても、ほどけるものじゃない。

アリスさんならなんとか出来そうだけど、今はディルちゃんのところに向かってもらっている。

ここは一人で乗り切るしかない………!

 

「………出来ないよ。お姉ちゃんの力じゃ、ベルに勝てない」

 

ベルはそう言うと、手をこちらに向けてきた。

魔法陣が展開されて、こちらに狙いを定めてくる。

魔法陣の輝きが時間が経つにつれて、より強く、凶悪になってきている。

更に悪いことに体に巻き付いているこの触手、締め付ける力が強くなっていて、体のあちこちが軋み、激痛が走っていた。

 

でも、ボクにはあの時のような焦りはなく、痛みに耐えながらも笑みを浮かべていた。

ボクの笑みにベルは怪訝な表情を浮かべて訊いてくる。

 

「………どうして、笑っているの?」

 

「うん、我ながら良い感じの時間でセット出来たなって」

 

「………?」

 

ボクの言葉に可愛く首を傾げるベル。

 

次の瞬間―――――上空から轟音が聞こえてきた。

見上げた先にあるのは落ちてくる隕石の数々。

 

「―――――流星群。いざという時に仕掛けておいた、遅延発動型の魔法だよ。これなら、魔法封じも意味をなさないよね?」

 

「………っ!」

 

眠たげなベルの目が大きく見開かれた。

無数の流星が降ってきたのはその直後だった―――――。

 

 

 

 

「アリスさん達は………大丈夫だよね?」

 

流星が降り終わった後、無惨な姿と化した大地を見て、ボクはそう呟いた。

 

加減が難しいよね、この魔法。

いや、そもそも加減なんて出来ない相手だけど、下手すると味方を巻き込んでしまう。

本来なら味方を結界で覆ってから発動させないといけないんだけど………今回はそれをしていない。

 

………大丈夫、大丈夫。

敵意外は誰も巻き込んでいない………はず!

 

冷や汗を流して、必死に言い聞かせていると、砂埃の中からベルが現れる。

 

「流石に無傷って訳にはいかなかったようだね」

 

ところどころから血を流しているベル。

どうやら、今のは完全に防ぐことは出来なかったようだ。

こちらが思っていた程のダメージはなかったけど。

防御魔法陣で防いだとしても、あれを受けてこのダメージって………。

 

ベルが言う。

 

「………お姉ちゃん、無茶苦茶。あんなのチート」

 

「君に言われたくないよ!」

 

なんで、ボクより無茶苦茶やっていて、かつチートな娘にそんなこと言われないといけないのさ!?

無茶苦茶やったのは認めるけど!

 

ふと、ベルが指を上に突き出した。

指先には赤い血が着いていて、どうやら、それをボクに見せつけているようだった。

 

「………これ、お姉ちゃんの血」

 

「ボクの血………?」

 

ボクも何ヵ所か傷を負っていて、血が出てる。

リーシャさんの複製体に撃ち抜かれた肩なんて、まだ血が止まっていない。

 

「それをどうするの?」

 

「………ん、これで絵を描く」

 

そう言うとベルは宙に絵を描いていく。

描かれた絵は人形のシルエットで、体型からしてボクのシルエットだろう。

一瞬、ボクの複製体でも作るのかと身構えたけど、そんな動きはない。

 

怪訝に思うボクを見ながら、ベルはそのシルエットの腕を弾いた。

すると、ザシュッという何かが裂ける音がして、同時に腕に痛みが走った。

 

見ると、二の腕に大きな切り傷が出来ていて、

 

「これって………!」

 

続けて、ベルはシルエットの足を弾いた。

腕の時と同じく、太ももに痛みが生じて、切り傷が出来ているのが分かった。

 

もしかしなくても、ベルは相手の血でその人物を描くと、その絵に傷をつけることで、本人にも同じ傷を着けることが出来る………?

 

そんな最悪の予想を立てていると、ベルは怪訝そうに首を傾げる。

 

「………やっぱり、お姉ちゃん強い。普通なら骨が折れたりするんだけど、お姉ちゃんは切り傷しか出来ない」

 

今の発言からして、相手の力量で負わせることが出来る傷の度合いが変わるようだ。

ボクは神姫化しているおかげで、切り傷だけで済んだようだけど、そうじゃなかったら骨を折られていたかもしれないと。

なんて恐ろしい力なんだ………!

 

「ハァァァァァァァァッ!」

 

ベルの隠されていた能力に戦慄していると、ボク達の間に何かが降ってきた!

まるで爆撃でも受けたかのように地面が爆ぜ、舞い上がる! 

今ので作られた巨大なクレーターの中央ではヴィーカとアリスさんがぶつかっていて、

 

「そろそろ倒れなさいよ!」

 

「そっちこそ、いい加減にした方が良いわよ? 片手だけで私に勝つなんて片腹痛い!」

 

片手………?

ヴィーカの言葉に疑問を持ったボクはアリスさんが抱えているものに気づいた。

アリスさんの左手には血塗れの少女が抱えられていて、

 

「美羽ちゃん! この娘をお願い!」

 

アリスさんが放り投げた少女を受けとると、少女は瀕死の重症を負っていて―――――。

 

「ディルちゃん!?」

 

全身に貫かれた跡、そして聖なる弾丸を受けた形跡がある。

聖なる弾丸の影響か、傷口から煙があがっていて………。

それに呼吸が浅く、心臓の鼓動が弱い………!

このままじゃ………!

 

「しっかりして! ディルちゃん! ねぇ、ディルちゃん! ―――――サラァァァァァァァッ!」

 

何度呼んでも返ってこない声に、ボクは彼女の本当の名前を叫んだ。

 

 

[美羽 side out]

 




ディルちゃんの危機!
どうなる次回!
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