しかも、今月はまだRGのフルコーンまで………!
もってくれよ、俺の財布ぅぅぅぅ!
というわけで、お待たせしました!
最終決戦、総力戦の始まりです!
トライヘキサを取り込み、アセムの力は時間を経るごとに増大してきている。
その力はモーリスのおっさんの剣を、ストラーダのじいさんの振るったデュランダルを砕くほどだ。
あの二人が組んでもアセムは更に上の次元に立ち、二人を追い詰めたんだ。
先の戦いで力を使い果たした俺もモーリスのおっさんもストラーダのじいさんも今のアセムには勝てない。
そんな絶望が俺達を呑み込もうとした、その時に光は現れた。
「お待たせ、お兄ちゃん」
美羽はそう言うと優しい微笑みを見せてくれた。
アリスに肩を担がれ、やっとの思いでここまで来たのだということは見てすぐに分かった。
これまでの戦いで負った傷はアーシアの治癒で治ったのだとしても、体力は酷く消耗している。
それでも、美羽はいつもの笑顔を俺に向けてくれた。
どんなに辛いことがあっても折れない強く優しい――――。
美羽だけじゃない。
美羽を担いでいるアリスやリアス達も、あの激戦を潜り抜け俺の元まで駆け付けてくれた。
希望を繋いでくれたんだ………!
先程の砲撃によって立ち上る煙の中からモーリスのおっさんとストラーダのじいさんが飛び出て、こちらまで戻ってきた。
俺の側に着地した途端に二人はその場に膝をついてしまう。
二人とも肩を上下に揺らしていて、かなり息が荒い。
そして、ストラーダのじいさんの方は元の老人の姿に戻ってしまっていた。
二人ともトライヘキサを吸収したアセムを相手にして限界ギリギリのところまで戦っていたらしい。
額から汗を流すおっさんは苦しそうにしながらも、ニヤリと笑んだ。
「ったく………遅ぇよ。いくら俺達でも限界はあるんだぜ? だが、よく来てくれた。よく間に合わせてくれた。アーシア、小猫はイッセーの治療をしてやってくれ」
「ちょ、モーリス!? しっかりしなさいよ!」
初めて見るおっさんの苦しそうな姿にアリスも慌てた声を出す。
今まで、一度たりともこんな光景は見たことがなかった。
『剣聖』の存在は俺達にとって、それだけ圧倒的で絶対的だった。
どんな敵が来ても余裕の笑みで倒してしまう、最強の剣士。
そんなおっさんがここまでなるなんて………。
リーシャはおっさんの元に駆け寄ると胸に手を添えて、体を支える。
「無理をしすぎですよ、モーリス。いくら、あなたが強いと言っても相手が相手なのですから」
その隣ではモーリスのおっさんと同じく、疲労の色が濃いストラーダのじいさんの体をゼノヴィアとイリナが支えていた。
ゼノヴィアが言う。
「猊下、遅くなり申し訳ありません」
「なに、私は私の成すべきことをやったまで。戦士ゼノヴィア、戦士イリナよ。よくぞ、ここまで来てくれた」
じいさんの言葉にイリナが返す。
「はい。私達には頼もしい仲間がいますから。猊下、ここから先は私達にお任せください」
「猊下達が命をかけて繋いでくれた希望の灯は決して消させません」
教え子二人の逞しい言葉にじいさんは満足そうな笑みを浮かべて頷いた。
俺のところにはアーシアと小猫ちゃんが来てくれる。
二人は俺の胸に飛び込むように抱きついてきた。
二人の顔を見ると目元を薄く涙で濡らしていて、
「イッセーさん、またこんなにボロボロになって………でも、良かったです………! イッセーさんとこうしてまた話せました。イッセーさんが生きて、私達のところにこうして帰ってきてくれました。それだけで、私は………」
「先輩と話せなくて、寂しかったです………。ずっと、待ってたんですよ?」
アーシアも小猫ちゃんも涙ぐみながらも、微笑んでくれた。
アーシアの手から発せられた淡い緑の光が俺を包み、傷を癒し、体に触れる小猫ちゃんが乱れた体内の気を整えてくれる。
外側と内側の両方から行われる治癒は、全身を蝕んでいた痛みを一瞬で和らげてくれた。
治癒を受ける俺の横に美羽がしゃがみこむ。
美羽は俺の頬に手を伸ばすと、そっと触れた。
「お兄ちゃん………」
「美羽………」
憂いのある表情で見つめ合う俺達。
何も言わずとも美羽の気持ちが分かった。
美羽だって、俺の気持ちを理解しているだろう。
分かっていたさ、こうなることは。
俺達はずっと待っていたんだ、この時が来るのを―――――。
「お兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッッッッ!!」
「美羽ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッッッッ!!」
俺達は号泣しながら、抱き合った!
そうさ、俺達はずっと待っていたんだ!
兄と妹の触れ合いが出来るこの時をな!
「久し振りのお兄ちゃんだぁぁぁぁ!」
「超久し振りの美羽だぁぁぁぁ!」
この温もり!
この匂い!
この鼓動!
ついに来たよ、我が妹がこの胸に!
スーハー………スーハー………あぁ、補充されていく………。
圧倒的に不足していた妹成分、イモウトニウムが補充されていく………。
そこにアリスのツッコミが炸裂する!
「予想できてたけど、あえてツッコむわ………このいきなり過ぎるシスコンブラコン劇場はなに!?」
「ふぁぁ………お兄ちゃんと久し振りのハグ………。最高だよ………」
「無視!?」
アリスさんよ、そう声を荒げなさんな。
これは兄と妹の儀式的なものなのだよ。
これがないと生きていけないのよ、俺達。
超久し振りに抱き合う俺と美羽のところにディルムッドが来て、
「にぃに、ねぇね………私も………良い?」
「「ディルちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!」」
恥ずかしそうにするディルちゃんを抱き寄せる俺と美羽!
力強く抱き締められたせいで、少し苦しそうだが、頬を赤くして嬉しそうにしている。
「にぃに………にぃに………会えて良かった………良かった………」
目元に涙を浮かべて言うディルちゃん。
なんなんだよ………ちくしょう………!
もう意味が分からねぇよ!
無愛想系の妹のデレとか可愛すぎるだろ!
最高かよ!
にぃに、萌え死にそう!
「イッセーさん、美羽さん達ばかりズルいですぅ!!」
「私達もギュッてしてくれないと嫌です」
はぅっ!
ここに来てのアーシアと小猫ちゃんのダブル上目遣いだと………!?
プクッと頬を膨らませるアーシアと猫耳をピクピクさせて、尻尾をフリフリする小猫ちゃん………。
これは………これはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
「ガハッ!」
俺は吐血した。
うん、メチャクチャ血が出てきた。
鼻血もたくさん出た。
「イッセー君!? 戦闘とは関係ないところで、どれたけ血を吐くんだい!? というか、治療中にシスコン発揮し過ぎだよ!」
おおう、木場のツッコミも凄く懐かしく感じるぜ。
俺はついでに出てきた鼻血を押さえながら言う。
「いや、今回はシスコンだけじゃないぞ? アーシアと小猫ちゃんの癒しも入ってだな………。まぁ、美羽とディルちゃんで既に限界突破したけど。イモウトニウムが凄いことになったけど」
「イモウトニウムってなに!? 君はどれだけ妹が好きなんだ!?」
「愚問だな! 数日離れると発狂しそうになるぜ!」
「それはもう病気だよ! 一度、大きな病院で診てもらおう!」
「もう手遅れさ!」
「自分で言ったよ! 手遅れって認めちゃったよ!」
誰にも俺は治せない!
この想いはどこまでも!
「ゆ、祐斗先輩のツッコミがパワーアップしてますぅ!」
「ゆ、祐斗ったら、キャラ変わったかしら?」
「いえ、リアス。多分、あれが修行の成果なのですわ」
「どんな成果!?」
あ、少し離れたところでリアスのツッコミが………。
ん………?
ちょっと待て。
なんか、リアスのおっぱいが………あれ?
おかしいな、あり得ない光景が見えたんだけど………。
俺は何度も目を擦って何度も確かめてみるが、結果は変わらなかった。
それが現実だと分かった瞬間、手が震えた。
嘘だ………嘘だろ?
リアスのおっぱいがそんな………そんな―――――。
「リアスのおっぱいが縮んでるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
リアスのあの大きなおっぱいが無くなり、ペタンコになってるぅぅぅぅぅぅぅぅ!?
なんでだ!?
何があった!?
あの素晴らしいおっぱいは何処に!?
すると、俺の中にいるイグニスが言ってきた。
『うーん、これはチクビームの撃ち過ぎね。リアスちゃんの乳力を使い果たしたんだわ』
チクビーム!?
なにそれ、初耳なんですけど!?
『説明しよう! チクビームとはスイッチ姫にだけ許された乳技! 乳首からビームを撃つ技よ!』
そのまんまじゃねぇか!
つーか、リアスになんつー技を修得させてるの!?
教えたのあんただろ、この駄女神!
………って、ちょっと待て。
スイッチ姫にだけ許された乳技ってことは―――――。
『リアスちゃんだけじゃないわ。アリスちゃんもチクビーム撃てるのよ?』
「やっぱりかよぉぉぉぉぉ!」
アリスも撃てるのかよ、チクビーム!
よく撃つ決心したと思うよ、我が『女王』!
絶対に顔真っ赤だったよね!
絶対に涙目だったよね!
「うぅ………私、頑張ったもん。恥ずかしかったけど、チクビーム撃ったもん」
目元を押さえるアリスさん。
よっぽど危機的状況だったんだろうなぁ………。
チクビームを撃った影響でリアスのおっぱいはペタンコになってしまったが、アリスはと言うと、
「リアスと違って、あんまり変化がないような………なんで?」
アリスのおっぱいは大して縮んでるようには見えない。
個人差ってやつなのかね?
そんな疑問を抱いているとリーシャに支えられているモーリスのおっさんがボソリと呟いた。
「そりゃ、縮むもんが無いんだから縮みようがねーだろ」
………ヤバい。
おっさん、そいつは禁句だよ。
おっさんの呟きを聞いてコンマ数秒後。
「なんですってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
「ぶべらっ!?」
白雷のアリスパンチがおっさんに炸裂した!
空中で高速回転した後に地面をバウンドするおっさん!
「痛ぇ!? なにすんだ! こっちはボロボロなんだぞ!?」
鼻血を押さえながら抗議するおっさん。
しかし、アリスさんのお怒りは治まらない!
「私だってね………私だってね、これでも成長してるのよぉぉぉぉぉ!」
「お、おう………いや、それでもリアスのバストには追い付けるとは思えんのだが………。つーか、巨乳のおまえとか想像できん」
バキィッ!
鋭いストレートが再びおっさんを捉えた!
「二度もぶったな!? ブライトさんにもぶたれたことないのに!」
ブライトさんにぶたれた人の方が少ないと思うんですけど!?
つーか、こっちの世界に来てから間もないのに、よくブライトさんを知ってたな!
俺がツッコミを入れる間もアリスさんは号泣しながら拳を振り下ろす!
「うるさぁぁぁぁい! リアスさんみたいになれないのは私が一番分かってるわよおぉぉぉぉぉ! それでも、大きくするもん! イッセー好みのおっぱいにしてみせるもん! うぇぇぇぇぇぇぇぇん!」
「ギャァァァァァァ! 誰か! 誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 貧乳に殺されるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
「貧乳って言うなぁぁぁぁぁぁ! びぇぇぇぇぇぇぇん!」
おっさんがヤバイことになってる!
フルボッコにされてるよ!
いいの!?
剣聖の最期がそれでいいの!?
とりあえず、モーリスのおっさんに回復の光を送ってくれているアーシアちゃん、ナイス!
「なんか………完全に忘れられてますよね、俺達」
「匙、これについては諦めましょう。どうしようもありません」
ガックリと肩を落とす匙&ソーナ、二人の言葉にうんうんと頷くその他のシトリー眷属。
「いや~流石にイッセーどんの周囲は賑やかな人が多いっすよね~」
アハハといつもの軽い口調で笑うデュリオ。
そして――――――。
「むぅ………やはり、兵藤一誠に勝つには俺もああいうところを見習うべきなのだろうか」
「やめてください、サイラオーグ様。絶対に真似しないでください。バアル眷属には彼らのようなツッコミが出来る者はいません」
新しい道への一歩を踏み出そうとするサイラオーグさんを止めるクイーシャさんだった。
………最終決戦ってなんだっけ?
~あとがきミニストーリー~
サーゼクス「イッセー君、少し見てもらいたいものがあるのだが、良いかな?」
イッセー「これは………将来の希望職種アンケート?」
サーゼクス「うむ、これは冥界の子供達に書いてもらったアンケートの結果なのだが………一位がおっぱいドラゴンなのだ」
イッセー「あー、子供の時ってヒーローに憧れますからね」
サーゼクス「ついでにサタンレッドはランキング外だったよ………グスッ」
イッセー「………」