ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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ついに400話!
正直、ここまで続くとは思ってなかった!


61話 絶望は更に深く

本気も本気、超最終決戦………か。

俺は周囲の気配をこの身に感じながら、アセムの言葉を脳内でリピートさせていた。

 

三大勢力からは悪魔、天使、堕天使。

ギリシャ神話勢力からはオリュンポスの戦士。

北欧神話勢力からはヴァルハラの英霊やヴァルキリー部隊。

他ではインド、エジプト、須彌山とあらゆる神話勢力がこの場に集っている。

更に細かく言うならば、妖怪、ドラゴン、それから吸血鬼の姿も見ることが出来る。

話では複数の種族で混成された部隊もあるとか。

そういう点では一つ一つの部隊がチーム『D×D』みたいな感じだな。

 

この中でも特に強力なのはオーディンのじいさんやゼウスのおっさんと言った主神クラスの神々、超越者であるサーゼクスさんや現魔王であるセラフォルーさんと彼女に並ぶ実力のグレイフィアさんだろう。

アザゼル先生やバラキエルさん、ミカエルさんもかなりの強者だ。

 

あとは神滅具所有者だろう。

この場には俺、ヴァーリ、サイラオーグさん、デュリオ、幾瀬さん、曹操、それから………ラヴィニアさんだったかな?

面識はないけど、ヴァーリの隣にいる魔法使いのお姉さんが多分、そうなのだろう。

隣に氷で出来た人形らしきものを連れているし、彼女の容姿も聞いていた特徴と一致する。

というか、ラヴィニアさんのおっぱい大きいな!

最高のおっぱいをお持ちじゃないか!

………ゲフンゲフン、おっぱいに見とれている場合じゃなかったな。

とりあえず、ここには七名の神滅具所有者が揃っている。

神をも滅ぼす具現がこれだけ揃うことは早々ないだろうな。

まぁ、一人を相手にするのにここまでの戦力が集うこと自体が異常ではあるのだが。

 

とにかく、神クラスも含めた戦士達が地上も空も覆い尽くして、アセムを取り囲むように配置しているのが現状だ。

普通、これだけの戦力を前にしたら絶望しそうなのだが、アセムは薄く笑みを浮かべ、余裕の表情をしている。

 

アセムが言う。

 

「いつでも良い、かかってくるならおいでよ。それとも、僕から行こうか?」

 

奴の体から濃密な波動が放出される。

波動に触れた瞬間、悪寒が俺を遅い、背筋に嫌な汗が流れた。

 

こいつ、また力が増大してやがる………!

どこまで上がるって言うんだ!?

 

アザゼル先生が目をヒクつかせながら言う。

 

「現段階で、野郎はどれだけトライヘキサを掌握できてるんだ? これでまだまだ上があるとかなら洒落にならんぞ………」

 

「一戦交えた俺でも、今のあいつの底が見えません。これ以上、強くなる前になんとかしないと、マズいのは間違いありませんね」

 

俺の言葉に周囲の者に緊張が走るのが分かった。

その時―――――。

 

「ここで迷っていても仕方がない。早期的な決着を望むなら出るしかないだろう?」

 

そう言って飛び出すヴァーリ。

白いオーラを身に纏い光速でアセムへと迫るヴァーリは力強く呪文を唱え始める!

 

「我、目覚めるは律の絶対を闇に落とす白龍皇なりッ! 無限の破滅と黎明の夢を穿ちて覇道を往くッ! 我、無垢なる龍の皇帝と成りて―――――汝を白銀の幻想と魔導の極致へと従えようッッ!」 

 

『Juggernaut Over Drive!!!!!!!!!!!』

 

強い光を放つと共にヴァーリは白銀の極覇龍へと姿を変えた!

最上級死神プルートを瞬殺した、神をも降す覇の力!

ヴァーリは拳に白銀を乗せて、鋭い一撃を見舞う!

しかし、アセムはその場から一歩も動かずに片手だけで白銀の拳を受け止めてしまった。

 

『DDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDivide!!!!!』

 

その状態からヴァーリは半減の力を使い、アセムの力を半減させてみるが、アセムの力に変化は見られない。

神格に半減が通じにくいとは言え、白銀状態での半減すら全くの無意味か。

 

「なるほど、半減の力が意味を成さないほどの力を有しているということか」

 

ヴァーリもそのことにふむと考えながら、光の軌道を宙に描きつつ、魔力と魔法の混合による砲撃をぶっ放していく。

一つ一つが極大で強力。

ルシファーの膨大な魔力と精密に構築された魔法はヴァーリの高い才能と努力によるものだ。

真正面から受ければ、神クラスとて致命傷は避けられないのだが、アセムは平然としている。

肌が少々、焼け焦げる程度の微少なダメージだ。

そのダメージすらも一瞬で回復してしまうのだが。

 

傷を回復しながら、アセムは笑顔で返す。

 

「うん、良い攻撃だ。リゼ爺にはない真っ直ぐな攻撃。あ、彼と比べるのは君に対して失礼かな? でも、この程度で僕に届くと思ったのかな?」

 

「これしきで届くようなら、この戦いはとっくに終わっている。確かめたかったんだ、今の俺と貴様の差をな」

 

「そっか。それで、君の全力で僕は倒せそうかい?」

 

「悔しいが全力を出しても今の俺一人では難しいだろう。だが―――――」

 

その時、アセムの背後に回る者がいた。

アセムは瞬時に体を捻り、放たれた攻撃を素手で受け止める。

 

アセムを攻撃した者―――――獅子の鎧を纏うサイラオーグさんが口を開く。

 

「この場にいる全員の力を以て、おまえを砕くのだ。手を貸すぞ、ヴァーリ・ルシファー」

 

「フッ、バアル家の次期当主サイラオーグ・バアルと共闘する日が来るとは思わなかった。こんな感覚は兵藤一誠の時以来か?」

 

黄金と白銀の鎧を着こむ二人はアセムから距離を取ると、互いに強く頷いた。

 

ヴァーリは白銀の呪文に続き、新たな呪文を謳い始める―――――

 

「我に宿りし無垢なる白龍よ、覇の理を降せ―――――」

 

覇を超えた白銀の鎧に――――漆黒が加わっていく。

 

『我が宿りし白銀の明星よ、黎明の王位に至れ―――――』

 

アルビオンの歌声に応じて、背中の光翼が黒くなる。

 

「濡羽色の無限の神よ―――――」

 

ヴァーリの歌にオーフィスが続く。

 

『玄玄たる悪魔の父よ―――――』

 

ヴァーリの背には六対十二枚に及ぶ漆黒の翼が生えていた。

鎧の形状も至る所が鋭角に、有機的な形状へと変化した。

 

「『窮極を超克する我らが戒めを受け入れよ―――――』」

 

ヴァーリとアルビオンの声が重なると、あいつの鎧にはめ込まれている宝玉の全てに魔王ルシファーの紋様が浮かび上がる。

そして、全身の鎧が激しく輝いていく!

強く神々しい光が周囲一帯を照らす!

最後にヴァーリとアルビオン、オーフィスの三人が強く言葉を発した! 

 

「『『汝、玲瓏のごとく我らが耀にて跪拝せよッッ!』』」

 

『LLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLucifer!!!!!!!!!!!』

 

『Dragon Lucifer Drive!!!!!!』

 

けたたましい音声が鳴り響いた次の瞬間、莫大なオーラが解き放たれ、周囲を激しく揺らした!

巻き起こる突風と目映い光が治まり、目を開けた俺達の前に立っていたのは漆黒と白銀を基調にした美しくも、見る者を畏怖させる鎧。

―――――白龍皇と魔王ルシファーの力を解放したヴァーリ・ルシファー。 

 

これが魔王化ってやつか!

神器を通して、ヴァーリの進化は伝わっていたけど、なんてオーラを振り撒いてやがる!

 

ヴァーリの新たな姿にこの場にいる殆どの者が呑まれ、驚愕を通り越して唖然とする中、更なる力の解放があった。

 

サイラオーグさんの闘気が膨れ上がり、こちらも胸の獅子と共に呪文を口にする!

 

「此の身、此の魂魄が幾千と千尋に堕ちようとも!」

 

『我と我が王は、此の身、此の魂魄が尽きるまで幾万と王道を駆け上がるッ!』

 

獅子の鎧が雄々しく攻撃的なフォルムに変化していく。

 

「唸れ! 誇れ! 屠れ! そして、輝けッ!」

 

『此の身が魔なる獣であれどッ!』

 

「我が拳に宿れ、光輝の王威よッ!」

 

サイラオーグさんの周囲一帯が闘気の嵐で吹き飛んでいく!

止まることを知らない破壊の嵐が更に巨大になっていく!

 

サイラオーグさんと獅子レグルスが最後の一節を読み上げた。

 

「『覇獣(ブレイクダウン・ザ・ビースト)解放(クライムオーバー)ァァァァアアアアアアッ!』」

 

極大の闘気が弾け飛び、先程のヴァーリに引けを取らない規模に影響を及ぼしていく!

そして、巻き起こった大嵐の中から大地を強く踏めて姿を見せるサイラオーグ・バアル。

―――――紫金の鎧を纏った獅子王。

 

これが覇獣………!

見ただけで身震いするような、とんでもない覇気だ………!

まさに破壊の権化って感じだな!

 

真の力を解き放った二人の姿にアセムが静かな口調で言った。

 

「いきなり奥の手が二つも出て来るなんて、大盤振る舞いじゃないか」

 

ヴァーリとサイラオーグさんに交互に目をやり、観察するように見ていく。

俺の時もそうだったけど、アセムの奴は………。

 

『これから先、力が伸びそうな奴かどうかを見定めている節があるな。ヴァーリ・ルシファーもサイラオーグ・バアルもまだまだ強くなる可能性は十分にある。それを確かめているのかもしれん』

 

ドライグがそう言ってきた。

 

アセムが全勢力を巻き込んでこの戦いを起こした理由の一つはいずれ来る異世界との戦いに備えるため。

俺も含めて、この戦いで成長した人はいる。

ヴァーリ以外にも木場なんかもその一人だ。

これまでの戦いで疲弊しているとは言え、木場から漂う雰囲気が少し前と違う。

新たな力を得たのは間違いない。

………さっきはツッコミに疲れて精神崩壊してたけど。

 

そんなことを考えている間に三者の戦いが再開される。

無音でその場から姿を消すヴァーリとサイラオーグさん。

二人は瞬時にアセムを間合いに捉えると、二人合わせたように拳を繰り出した。

 

振るった余波だけで周囲を破壊し尽くす拳打だ。

流石のアセムも先程のように受け止めることはせず、二人の拳を受け流していた。

 

逆にヴァーリとサイラオーグさんはアセムから撃ち込まれてきた拳を避けることで対応している。

アセムの拳もまた、神をも容易に砕くレベルの代物。

いかにあの二人と言えど、一撃でも受ければ致命傷は免れない。

アセムとは初めて拳を交える二人も戦いながら、その点を理解したのか、下手に受け流すことはせず、完全に回避するようにしているようだ。

 

だが―――――二人の鎧にヒビが入り始めていた。

アセムの繰り出した拳圧だけで鎧が欠け、掠めたところは完全に消失してしまっている。

 

アセムが人差し指をヴァーリに向けると、指先にオーラが集中していき―――――漆黒の砲撃が放たれる!

触れるもの全てを消し去る滅びの力!

 

「避けろ、ヴァーリッ!」

 

「ッ!」

 

アザゼル先生の言葉に反応したヴァーリはギリギリのところで避けるが、突き抜けて行った漆黒は遥か彼方に着弾して――――――この一帯を激しく揺らした!

少し遅れて、爆発で生じた風がここに到達し、多くの戦士が吹き飛ばされてしまう!

 

サイラオーグさんが戦慄する。

 

「僅かな動作でこれほどの………ッ!」

 

アセムが平然とした表情で答えた。

 

「おっと、この程度で驚いてもらっては困るな。こんなのまだ序の口さ」

 

すると、次の瞬間、アセムの体を大きなシャボン玉が覆う。

あれは―――――。

 

「俺もいるってね。―――――断罪の嵐だ、くらっとけ!」

 

デュリオが掌を向けたと同時に、シャボン玉の中で力が渦巻く!

雷、豪雨、巨大な雹が降り始めると、そこからありとあらゆる天災がシャボン玉の中で発生し、アセムを襲う!

嵐のせいで、シャボン玉の中の様子が見えないが………。

 

数秒後、パァンという音と共にシャボン玉が弾け飛んだ。

嵐を受けたアセムは―――――無傷。

 

「うん、中々に面白い能力だ」

 

首を鳴らしながら、まるで聞いてないと言わんばかりのアセムにデュリオは苦笑いする。

 

「ハハハ………。まぁ、トライヘキサにも一度は破られてるし、分かってたけど………これはショックっすね」

 

「いやいや、君の力は神に十分、通じるものさ。だけど、僕には届かない」

 

ハッキリとそう告げるアセム。

 

不意にアセムが首を傾げたと思うと、その横を聖なる波動を放つ槍が通過してく。

曹操が背後からアセムを狙い撃ちしたのだ。

 

「ふむ、この奇襲を容易く避けるか」

 

「僕はこの戦場全てを認識している。この僕に奇襲は通じないよ、英雄君?」

 

「今の俺は英雄ではない。―――――ただの人間、ただの曹操だ」

 

「なるほど、そう言うのは嫌いじゃない」

 

アセムが振り向き様に刃のような波動を繰り出した瞬間、曹操が転移の力を使ってその場から姿を消す。

曹操は相手に自分の位置を掴まれないように、ランダムに転移しながら、アセムの隙を伺うが………その手は奴には通じない。

 

「その戦法は僕も使ったことがあるものだ。君の居場所などお見通しさ」

 

アセムがあられもない方角に手を向け、そこからオーラで形成された刃を発生させる。

オーラの刃はかなりの距離まで伸び―――――出現した曹操を貫いた!

 

「ガッ………」

 

胸を貫かれ、苦悶の表情を浮かべる曹操。

 

マジか………あの曹操がこうも簡単に………!?

全勢力に危険視されていた英雄派の首魁が一瞬でやられたと知り、周囲から動揺の声が聞こえてくる。

 

曹操の胸を貫いていたオーラの刃が消えると、奴は真っ逆さまに落ちていく。

そして―――――奴の肉体は光となって消えた。

 

次の瞬間、アセムの手首が宙を舞った!

何事かと目を見張ると、そこには致命傷を負ったはずの曹操がなに食わぬ顔で立っていた!

 

アセムはなるほどと頷いた。

 

「そういえば、君の禁手の能力の一つに分身を作るものがあったね。すっかり忘れていたよ。だが、今のは確かな手応えがあった」

 

「なに、簡単なことさ。そういう分身を作り出したまでだよ」

 

あの野郎、アセムですら見切れないレベルの分身を作り出したというのか!

全く、流石は最強の神滅具所有者だよ!

 

しかも、よく見ると曹操の瞳は俺達と別の世界を見ているような………。

領域(ゾーン)と似ているが、それとは違う。

より高位の次元に立っているように見えて―――――。

 

曹操は自身の掌を見つめて言う。

 

「アポプスの時は掴めなかったが、少し分かってきたな。これの扱い方が………」

 

その言葉で得心した。

あれが曹操が到達した新たな次元。

人間の極限を超えた力―――――。

 

そう思った時、曹操の姿が消える。

現れたのはアセムの正面!

真正面から挑もうと言うのか!

 

だが、俺の考えとは裏腹に曹操はとても人間とは思えない力でアセムに猛攻を仕掛けていく!

元々、尋常ではない技量を誇っていたが、今の曹操はそれすらも超越している!

槍の穂先が捉えられない!

 

繰り出した連撃はアセムの体の各所に傷を追わせている。

小さい掠り傷とはいえ、アセムが避けきれないスピードということか!

 

だが、あれほどの力を人間である曹操が発揮し続けるには尋常ではない負荷がかかっているはず。

先程の曹操の発言からして、まだ不完全な力のようだ。

消耗が大きい上に、扱いきれていない力。

完全に短期決戦用の力になる。

曹操もそのつもりなのか、怒濤のラッシュをかけていく!

アセムの攻撃を槍の柄で流し、破壊力重視、転移、分身、武器破壊と言った禁手の能力をフルに活用して反撃に出ている!

 

アセムがオーラで形成した剣で聖槍を受け止めながら楽しそうに言う。

 

「人の身でよくぞここまで!」

 

「お誉めに預かり、大変光栄と言っておこうか………ッ!」

 

不敵な笑みで返す曹操だが、脂汗を流し、かなり苦しそうな表情をしていた。

アセムもそれは見抜いていて、

 

「フフフッ、相当無理をしているようだね? ほら!」

 

「ぐぅっ!」

 

アセムの繰り出した鋭い突きが曹操を襲う!

曹操は槍で防ぐが、衝撃は殺しきれずに吹き飛ばされてしまった!

 

あまりに強烈な一撃のせいで、空中で体の制御が出来ていない。

あれでは、そのまま地面に叩き付けられてしまう。

 

と、その時。

地面に到達する直前に曹操の体がフワリと浮いた。

曹操の能力………ではないな。

 

「ゲオルク………すまない、助かった」

 

曹操の視線は英雄派の一団、その内の一人、魔法使いのゲオルクに向けられていた。

そう、ゲオルクが魔法を発動させて、墜落を防いだんだ。

 

「ああ。時間は稼げたぞ、曹操」

 

彼らの戦いはほんの僅かな時間だった。

それでも、こちらにとっては大きな時間を得ることが出来て―――――。

 

「「「撃てぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!!!」」」

 

怒号のごとき号令と共に一斉に放たれる砲撃の数々!

ヴァーリ達が戦っている間に限界までチャージしていたであろう力を全員が解き放った!

 

たった一人を相手にオーバーキルも良いところだが、それぐらいしなければ、勝てない相手なのだ。

重なりあった力が相乗効果を生み、更なる威力を叩き出す!

全勢力による一斉攻撃は空間を割り、地形を変え、味方をも巻き込みかねない、あり得ない規模で降り注ぐ!

 

神々しい力も、聖なる力も、魔なる力も。

ありとあらゆる力が、世界を破壊しながらアセムを呑み込んでいった―――――。

 

 

 

 

永遠にも感じられた時は終わり、攻撃の手が止む。

残ったのは底の見えない巨大すぎる穴と、世界があげた悲鳴の跡。

割れた空間は世界の持つ復元力により元に戻っていく。

 

アセムの姿は―――――そこになかった。

あの不気味で底が見えなかった気配も感じられない。

 

「やった………のか?」

 

誰かの呟きが聞こえた。

 

姿が見えなくなっても、警戒は解かなかった。

だが、時間が経ってもアセムが姿を見せることはなく―――――。

 

 

 

 

 

 

アセムは完全に消滅した―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

《―――――とでも思ったかい?》

 

 

 

 

 

 

 

響いてくる奴の声。

その声は巨大な穴の底から聞こえてきて―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

更なる絶望が俺達を覆おうとしていた。

 

 

 




今回はシリアスでしたー

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