ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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2話 冥界へGO!!

俺達が冥界に行くことが決まってから二日後。

 

最初に向かったのは俺の家から歩いて十五分くらいのところにある駅だった。

 

ちなみに服装は駒王学園の夏服。

 

冥界に行くならこの服装が一番らしい。

 

 

それにしても、なんで駅なんだ?

 

そんな疑問を抱きながら部長に着いていくと駅のエレベーターに着いた。

 

「まずは、イッセーとアーシアとゼノヴィア、それから美羽が乗ってちょうだい。私と先に降りるわ」

 

「降りる?」

 

部長の言葉を怪訝に思う俺。

 

なぜなら、このエレベーターは上の階にしか行けないはずだからだ。

 

美羽も頭に?を浮かべているところ同じことを考えているようだ。

 

「ほら、目をパチクリさせてないで入りなさい」

 

苦笑をしながら部長が手招きしてくる。

 

まぁ、ここは部長の言うことに従おう。

 

 

「朱乃、後のメンバーについては任せたわよ」

 

「了解ですわ」

 

と、そこでエレベーターの扉が閉まる。

 

すると、部長がスカートのポケットからカードらしきものを取り出すと電子パネルに当てた。

 

ピッと電子音がなる。

 

すると―――

 

 

ガクン。

 

エレベーターが下がり始めた!

 

マジで下があったのか・・・・

 

なんか魔法使いの映画にこんなのがあったような・・・・

 

 

エレベーターが停止して扉が開いた。

 

外にあったのはだだっ広い人工的な空間だった!

 

すげぇ!

 

地下の大空洞ってやつか!

 

この町の地下にこんなのがあったなんて知らなかったぜ。

 

 

それから少しすると朱乃さんやアザゼル先生が降りてきた。

 

「全員が揃ったところで、三番ホームまで行くわよ」

 

部長の案内に従いホームまで歩いて行ったんだけど、視界に映るもの全てが新鮮で驚きだった。

 

 

 

 

 

 

 

リィィィィィィン。

 

汽笛が鳴らされ、列車は動き出す。

 

部長は列車の一番前の車両に座っていて、眷属である俺たちは中央からうしろの車両にいる。

 

そのあたりは色々と仕来たりがあるらしい。

 

まぁ、美羽はただの観光客だけどね。

 

 

車両の中はかなり広く、まるでホテルのスイートルームみたいに豪華だった。(テレビでしか見たことないけど・・・・)

 

 

走り出して数分。

 

列車は暗がりの中を進む。

 

奥の席にいるアザゼル先生はすでに夢の中だ。

 

 

「どのくらいで着くんですか?」

 

俺が朱乃さんに聞く。

 

「だいたい一時間ほどで着きますわ。この列車は次元の壁を正式な方法で通過して冥界に到着するようになってますから」

 

「へぇ。てっきり魔法陣で行くのかと思ってました」

 

「通常はそうですわね。ですが、新眷属の悪魔は正式なルートで一度入国しないと罰せられるのです。・・・・そういえば、イッセー君はもう済ませたのですよね?」

 

「はい。以前、冥界の病院に運ばれた時に済ませましたよ」

 

そう。

 

実を言うと、俺はもう手続きを済ませていたりする。

 

冥界の病院に運ばれたその帰りに部長が「ついでだから済ませておきましょう」と言ってサーゼクスさんを経由して手続きをしておいてくれたんだ。

 

「でしたら、イッセー君は魔法陣でいつでも冥界に来られますわ。もしかして、今日は魔法陣の方が良かったのかしら?」

 

「いや、俺はこういう感じの方が好きですよ。旅って感じがするじゃないですか」

 

「うふふ、そうですわね」

 

「それにしても正式なルートで一度入国しないと罰せられるってのは物騒ですね。・・・・そういえば、俺が病院に運ばれた時のはどうなんですか?」

 

「あれは緊急でしたからセーフですわ」

 

 

それはよかった。

 

まぁ、特に悪いことをしたわけじゃないのに罰せられたんじゃあ、たまったものじゃない。

 

すると、朱乃さんは頬に手を当てて、うふふと笑う。

 

「イッセー君の場合、主への性的接触で罰せられるかもしれませんわね」

 

「なぬ!?」

 

それが本当ならアウトじゃないのか!?

 

俺、部長の体を何回も触ってるぞ!

 

おっぱいや、太もも触ったし、プールではオイルも塗った!

 

向こうに着いた瞬間に逮捕とか、勘弁してくれ!

 

 

俺が焦っていると、俺の膝に朱乃さんが乗った。

 

ちょ、朱乃さん!?

 

「主に手を出すのはあれですけど、眷属同士のスキンシップなら問題はありませんわ。ほら、こんな風に―――」

 

朱乃さんが俺の手を取り、自分の太ももに誘導していくぅぅぅっ!!

 

こ、これは!

 

朱乃さんの太ももの感触が!

 

「もっと奥に・・・・」

 

そう言うと、更に奥に―――スカートの中へと誘導していく!

 

そ、そこは禁断の領域ですよ!?

 

いいんですか!?

 

 

俺の手が布らしきものに当たったその瞬間―――。

 

俺の腕はガシッと何者かに掴まれた。

 

振り向くと美羽とアーシアが俺の腕を強く掴んでいた。

 

「・・・・それ以上はダメだよ、お兄ちゃん」

 

「イッセーさんが変態さんになってしまいます・・・・」

 

イタタタ・・・・

 

二人とも握る力が強いって・・・・・

 

こんな力、いつ身に着けたの?

 

「あらあら。男性は変態なぐらいな方が健康ですわよ?」

 

あれ?

 

今の話すると俺は変態確定ですか?

 

まぁ、朱乃さんのお体を触れるならそれでもいいかな!

 

 

・・・・そういえば、小猫ちゃんの痛烈なツッコミが来ないな。

 

視線の先では窓の外を見てボーッとしている。

 

どうしたんだろうか?

 

 

すると車両の扉が開き、部長が現れる。

 

「・・・・朱乃、何をしているのかしら?」

 

俺と朱乃さんの方を見て眉をピクピクさせてる!

 

そうだった。

 

今、俺の膝の上には朱乃さんが乗ってる状態だったんだ!

 

しかも、俺の手は未だに朱乃さんのスカートの中!

 

 

これはマズい!

 

部長から紅いオーラが発せられてるよ!

 

慌てて、手を離そうとするが―――

 

 

「あらあら、私の体は嫌だったかしら・・・・」

 

 

朱乃さん!

 

そんなことを言われたら手を離せなくなるじゃないですか!

 

俺だって本当はこの先に進みたい!

 

 

俺が困惑していると、朱乃さんは俺の頭を胸に抱き寄せる。

 

俺の顔に朱乃さんのおっぱいが!

 

顔がおっぱいに埋まってるよ!

 

くぅぅ、柔らかいし、良い香りがする!

 

「ふふふ、下僕同士のスキンシップですわ」

 

「あ、朱乃、いい加減に―――」

 

朱乃さんの挑戦的な物言いに部長がキレかけた時だった。

 

 

「リアス姫。下僕とのコミュニケーションもよろしいですが、手続きをしませんと」

 

そう言いながら部長の後ろから白いあごひげを生やした初老の男性が現れた。

 

格好からするに車掌さんかな?

 

「ご、ゴメンなさい、レイナルド・・・・」

 

「ホッホッホッ。あの小さかった姫が男女の話とは。長生きはするものですな」

 

レイナルドと呼ばれた男性は楽しそうに笑う。

 

男性は帽子を取ると俺達に頭を下げてくる。

 

「はじめまして。姫の新たな眷属の皆さん。私はこのグレモリー専用列車の車掌をしているレイナルドと申します。以後、お見知りおきを」

 

「あ、こちらこそはじめまして。部長―――リアス・グレモリー様の兵士をしている兵藤一誠です。よろしくお願いします」

 

「アーシア・アルジェントです!僧侶です!よろしくお願いします!」

 

「騎士のゼノヴィアです。今後もどうぞよろしく」

 

新人悪魔全員が挨拶した。

 

朱乃さんもいつの間にか元の席に戻っていて、少々名残惜しそうだった。

 

いやー、朱乃さんのエロ攻撃は凄まじいね。

 

俺でも動けなくなるしな。

 

 

レイナルドさんの視線が美羽の方へと移る。

 

「そこのレディは・・・? 悪魔ではないようですが・・・・?」

 

「あ、私は兵藤美羽といいます。兵藤一誠の妹です。今回はリアスさんに誘われて冥界の観光に来ました。よろしくお願いします」

 

美羽は自己紹介するとペコリと頭を下げる。

 

それにレイナルドさんも「ああ」と頷いていた。

 

「あなたの話は姫から聞いております。いつも姫がお世話になっているようで。これからも姫のこと、よろしくお願いします」

 

レイナルドはそう言うと何やら特殊な機器を取りだし、モニターらしきものでアーシア達を捉える。

 

「あ、あの・・・・それは・・・・?」

 

困惑するアーシアとゼノヴィア。

 

「これはあなた方、新人悪魔を確認するための機械です。兵藤一誠様は別の手続きを既に済ませてあるようなので必要ありません」

 

あー、なるほどな。

 

それで、俺にはないのか。

 

レイナルドさんの持つ機械はアーシア達を捉えると「ピコーン」という軽快な音を鳴らした。

 

どうやらOKだったらしい。

 

アーシアとゼノヴィアのチェックが終わると今度は美羽と爆睡しているアザゼル先生に向けた。

 

「・・・・よくもまぁ、この間まで敵対していた種族の移動列車の中で眠れるものね」

 

部長が呆れながらも笑っていた。

 

まぁ、アザゼル先生ですからね・・・・

 

「ホッホッホッ。堕天使の総督殿は平和ですな」

 

レイナルドさんも愉快そうに笑っていた。

 

 

 

 

 

 

列車が発車してから四十分ほどが過ぎた頃。

 

 

『まもなくグレモリー領に到着します。まもなくグレモリー領に到着します』

 

 

レイナルドさんのアナウンスが車内に流れた。

 

「外を見てごらんなさい。あ、もう窓を開けてもいいわよ」

 

と、部長が言ってきたので、窓を開けて外を見てみると、外には大自然が広がっていた!

 

「うおおおお! すげぇ! 山だ! あ、向こうには町もあるぞ!」

 

俺はついつい、大声ではしゃいでいた。

 

なんか、なつかしい風景だな。

 

異世界にいた頃、旅の途中で見た風景もこんな感じだった。

 

美羽もこの景色を見て、懐かしげな表情をしている。

 

「皆、元気かな・・・・」

 

皆っていうのは魔族の友達や知り合いのことだろうな・・・・。

 

成行で仕方がなかったとは言え、俺は美羽をこっちの世界に連れてきた。

 

美羽の安全を確保するためとは言え、俺はこいつから友達も奪ってしまったことになる。

 

こっちの世界と向こうの世界では通信して無事を確かめることも出来ない。

 

不安になるのは当然か。

 

俺は美羽の頭を撫でながら皆には聞こえない声で言った。

 

 

「大丈夫、アリスが上手くやってるはずさ。アリスは魔族と人間の和平を考えていたからな」

 

 

異世界の国の王女で俺の仲間だったアリスは旅の途中で、どうにか人間と魔族の間で争いを無くせないかと考えていた。

 

たとえ、魔王を倒して人間が魔族を蹂躙したとしても、いずれは立場が逆転するかもしれない。

 

実際、過去ではずっとその繰返しだったようだからな。

 

 

でも、俺は思う。

 

こちらの世界でも争い合ってきた三大勢力が互いに手を結べたんだ。

 

向こうの世界でもそれは出来るはずだと。

 

「そう、だよね・・・・」

 

美羽はそう言うと軽く微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

それから十数分後、再び車内にアナウンスが流れた。

 

『まもなくグレモリー本邸前。まもなくグレモリー本邸前。皆様、ご乗車ありがとうございました』

 

「さぁ、もうすぐ着くわよ。皆、降りる準備をしておきなさい」

 

部長に促され、俺達は降りる準備をしだす。

 

しだいに列車の速度は緩やかになり、駅に停止した。

 

そして、部長先導のもと、俺達は開いたドアから降車していく。

 

けど、アザゼル先生だけは乗ったままだった。

 

「先生は降りないんですか?」

 

「ああ。俺はこのまま、魔王領に向かう。サーゼクス達と会談があるからな。終わったらグレモリーの本邸に行くから、先に行って挨拶を済ませてこい。修業はそれからだ」

 

アザゼル先生も何だかんだで忙しいんだな。

 

まぁ、総督だもんな。

 

アザゼル先生の言葉で思い出したけど、修業があるんだった。

 

グレモリー領の風景がすごくて、完全に忘れてたよ。

 

・・・・俺の修業ってどんなやつになるのかな?

 

「じゃあ、また後で」

 

「アザゼル、お兄様によろしく言っておいて」

 

俺と部長が手を振ると先生も手を振って応えてくれた。

 

改めて先生を抜かしたメンバーで駅のホームに降りた瞬間―――

 

 

 

 

『お帰りなさいませ、リアスお嬢様!』

 

 

 

おおっ!

 

部長が汽車を降りた瞬間にこのお出迎え!

 

あちこちで花火が上がり、並んだ兵隊達が空に銃を放ってる!

 

しかも、楽隊らしき人達が一斉に音楽を奏で始める!

 

流石はお姫様か!

 

異世界の城でもここまで豪華じゃなかったぞ!

 

 

「ありがとう、みんな。帰ってきたわ」

 

部長が満面の笑みでそう言うと執事やメイドさんたちも笑みを浮かべる。

 

そこに一人のメイドさんが一歩出てきた。

 

銀髪のメイドさん、グレイフィアさんだ。

 

 

「お帰りなさいませ、リアスお嬢さま。道中、無事で何よりです」

 

「ただいま、グレイフィア。元気そうで何よりだわ」

 

「馬車をご用意したのでお乗りください。グレモリー家の本邸までこれで移動します」

 

グレイフィアさんに誘導され、馬車のもとへ。

 

だけど、そこにいた馬は普通の馬ではなかった。

 

俺が知っているものよりも巨大で目もギラギラしている。

 

これに乗るのな・・・・

 

「私はイッセー、アーシア、ゼノヴィア、美羽と乗るわ。この三人は不馴れでしょうから」

 

「わかりました。何台か用意しましたので、ご自由にお乗りください」

 

俺達が乗り込むと馬車は動き出した。

 

道が舗装されているためか、乗り心地は思っていたよりも良い。

 

流れる景色を見ていると、俺の視界に巨大な建造物が映った。

 

「部長、あのお城は?」

 

「あれが本邸よ。今から向かう場所よ」

 

へぇ、あれが部長の実家か。

 

綺麗な建物だな。

 

周りにはお花畑や見事な造形の噴水がある。

 

「着いたわ」

 

部長がそう言うと馬車の扉が開かれる。

 

部長が先に降りてその後に俺達も続く。

 

木場達が乗った馬車も到着して、全員が揃った。

 

 

道の両脇にはびっしりとグレモリー家の使用人が整列していて、足元にはレッドカーペットが敷かれていてる。

 

「皆様、どうぞ、お入りください」

 

グレイフィアさんに促され、俺達がカーペットの上を歩き、屋敷に入った時だった。

 

小さな人影が現れ、部長のほうへと駆け込んでいく。

 

「リアスお姉さま! おかえりなさい!」

 

紅髪のかわいらしい少年が部長に抱きついていた。

 

「ミリキャス! ただいま。大きくなったわね」

 

部長もその少年を抱き締めていた。

 

「部長さん、その子は?」

 

アーシアが聞くと、部長はその少年を紹介してくれた。

 

「この子はミリキャス・グレモリー。お兄さま、サーゼクス・ルシファー様の子供なの」

 

へぇ、サーゼクスさんの息子さんか!

 

ということは部長の甥にあたるってことか。

 

「ほら、ミリキャス。あいさつをして」

 

「はい。ミリキャス・グレモリーです。よろしくお願いします」

 

グレモリー?

 

あ、そうか。

 

今の魔王制度は襲名制度だったな。

 

だから、グレモリーを名乗ってるわけか。

 

「俺は兵藤一誠。リアス様の兵士をやってる。よろしくなミリキャス」

 

俺が自己紹介をすると、ミリキャスは驚きながらも目をキラキラとさせる。

 

どうしたんだろう?

 

俺が訝しげに思っていると、ミリキャスは興奮した様子で話始めた。

 

「あなたが兵藤一誠さんなんですね! ファンです! 握手してください!」

 

ファン?

 

はて? なんのことだ?

 

俺、ファンが出来るようなことなんてした記憶はないんだけど・・・・

 

断る理由もないから、とりあえず握手したら「やったー」と言って喜ぶミリキャス。

 

うーん。わからん。

 

理由を聞きたいところだが、部長がミリキャスを連れて先に行ってしまった。

 

仕方がない、後で聞いてみようか。

 

 

部長の後に続いて階段を上がる。

 

すると、階段を上りきったところに一人の女性がいた。

 

おお!

 

すっごい美少女!

 

おっぱいも大きいぞ!

 

部長とすごく似てるな。

 

違う点と言えば亜麻色の髪と、部長より少し目つきが鋭いところくらいか。

 

もしかして部長のお姉さんかな?

 

「イッセー。私のお母様に熱い視線を送っても何も出ないわよ?」

 

・・・・・へ?

 

え、え~と。今、お母様って言った?

 

あの美少女が?

 

「ええええええ!? お、お母様ぁぁぁぁあああ!? どう見ても部長と同い年くらいの美少女じゃないですか!」

 

気の流れも若者と同じそれだぞ!?

 

ウソだろ!?

 

どう見てもお姉さんじゃんか!

 

「あら、美少女だなんて、うれしいことをおっしゃいますわ」

 

部長のお母様(未だに信じられねぇ)は頬に手をやり微笑む。

 

うん。微笑んだ顔も可愛いぞ!

 

「悪魔は魔力で見た目を自由に出来るのよ。お母様はいつも今の私ぐらいの年格好なお姿で過ごされてるの」

 

見た目については今の説明で分かったけど・・・・。

 

なんで、感じられる気の流れも若いんだ・・・・?

 

「はじめまして。リアスの新しい眷属の皆さん。リアスの母のヴェネラナ・グレモリーです」

 

部長のお母さん、ヴェネラナさんは自己紹介をしてくれた。

 

すると、俺の顔をまじまじと眺めてきた。

 

「あなたが兵藤一誠君ね?」

 

「あ、はい。俺のことをご存じなんですか?」

 

俺の問いにヴェネラナさんは頷く。

 

「ええ、ライザーとのレーティングゲームを拝見しましたし、それに今のあなたは冥界でも有名人ですから」

 

「有名人?」

 

俺が尋ねるとヴェネラナさんは近くにいた執事さんに何かを持ってこさせた。

 

あれは新聞かな?

 

ヴェネラナさんは新聞を広げて見せてくれた。

 

「ほら、この記事にあなたのことが書かれているのよ『三大勢力トップ会談、和平の立役者はリアス・グレモリーの兵士、兵藤一誠!』って。あのコカビエルを倒し、歴代最強と称される白龍皇を倒してテロを防いだあなたの武勇は今や冥界全体に広まっていますわ」

 

デカデカと新聞の一面を飾る鎧姿の俺の写真。

 

俺は驚きのあまり、ヴェネラナさんから新聞を奪い取ってしまう。

 

 

そして―――

 

 

 

 

 

 

「なああああああああああっ!?!?」

 

俺の絶叫がグレモリー本邸に響いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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