ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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ここのところ自分でも驚くくらいに更新スピードが速いです。

まぁ、八月~九月にかけてまた忙しくなりそうなので、出来るところまでは更新していきたいと思っています。


3話 激戦!? 体育倉庫!

「おいっちにーさんしー、おいっちにーさんしー」

 

俺とアーシアは早朝から体操着で二人三脚の練習をしていた。

ゼノヴィアも付き添いで来てくれていて、最近ずっと練習していた。

 

練習を始めた頃はアーシアがバランスを崩して何度も転びそうになっていたけど、今では競歩くらいの走りは出来るようになっていた。

 

「あぅ! いち、に! はぅぅ! さん、し!」

 

アーシアは俺に遅れないようにするため、必死でついてきている。

 

俺もアーシアに合わせるのが中々に難しいけど、上手いことタイミングを合わせるようにしているから転ぶことはない。

 

「うん。大分良くなってきたね。じゃあ、一度本番のように走ってみようか」

 

ゼノヴィアが俺達のヒモを直しながら言う。

 

ふと、アーシアを見ると、少し表情を陰らせていた。

 

「ディオドラのことか?」

 

「はい・・・・・」

 

ディオドラが部長達の次の相手と決まってからアーシアは悩んでいる様子だった。

 

あいつはアーシアが教会を追放される原因となった悪魔。

あいつがなぜ、そこにいたのかは分からないけど、あいつのせいで、アーシアが辛い目にあったことには変わらない。

 

アーシアにとっては悪い思い出でしかない。

 

「・・・・・私、彼を救ったこと、後悔してません。今でも彼を救えて良かったと思っています」

 

「・・・・・それでアーシアが辛い目にあったのに?」

 

俺の問いにアーシアは頷く。

 

「そっか・・・・・」

 

アーシアは心が強い。

 

今まで信じてきたものに裏切られたら泣き言の一つや二つ出てくるはずだ。

それをアーシアは言わない。

 

それどころか、原因であるディオドラを救えて良かったと言える。

 

こんなことは中々言えることじゃない。

 

「私は教会を追放されて悲しいこともありました。でも、それが無かったらイッセーさんとこうしてお話することも出来なかったと思います」

 

アーシアは続ける。

 

「私、ここが好きです。この駒王学園も、オカルト研究部も好きです。皆さんと過ごせる生活は本当に大切で大事で、大好きなことばかりでとっても素敵なんです。だから、私は今の生活にとても満足しています。幸せだと感じているんです。ずっと一緒にいたいです」

 

アーシアは眩しいくらいの笑顔で言った。

 

アーシアは本当に今の生活が好きなのだろう。

 

だったら、俺のやるべきことはアーシアが楽しく過ごせるこの生活を守ることだ。

 

俺はアーシアの肩を抱いて言う。

 

「そうだな、俺達はずっと一緒だ! アーシア、ディオドラことも深く考えるな。経緯はどうであれ、嫌なら嫌と言えばいいんだ」

 

俺の言葉にアーシアは少しきょとんとするが、すぐに笑みを見せてくれる。

 

「はい」

 

すると、今度はゼノヴィアが思い詰めた表情で言う。

 

「・・・・アーシア、改めてだけど、もう一度君に謝りたい。初めて出会った時に暴言を吐き、刃を向けたこと。今でも後悔しているんだ。・・・・・そんな私をアーシアは私をと、と、友達だと・・・・・」

 

おおっ、ゼノヴィアが珍しく顔を紅潮させてるな。

 

アーシアはゼノヴィアの手を取り、満面の笑みで言う。

 

「はい。私とゼノヴィアさんはお友達です」

 

真正面からの屈託のない一言。

ゼノヴィアは少し涙ぐんでいた。

 

「ありがとう・・・・・。ありがとう、アーシア」

 

うんうん。

感動的なシーンだよな。

俺まで泣きそうになったよ。

 

本当、アーシアちゃんは優しい子ですよ。

 

 

「うぅぅぅっ! 良い話よねぇ・・・・」

 

突然聞こえてきた嗚咽。

 

声の方向を見れば、イリナが号泣していた。

 

「イリナか。なんでここに?」

 

「うぅ、ゼノヴィアに誘われてね・・・・。早朝の駒王学園も良いものだぞーって。で、来てみたら、美しい友情が見られるんだもの。これも主とミカエル様のお導きだわ・・・・」

 

ハンカチで涙を拭いながら、天に祈りを捧げるイリナ。

 

「そういや、おまえ、オカ研じゃないよな?」

 

俺が尋ねるとイリナは満面の笑みで親指を立てる。

 

「ええ、実は私、クラブを作ることにしたのよ!」

 

「へぇ、それってどんな?」

 

俺が思わず聞き返すと嬉しそうに話すイリナ。

 

「うふふ、聞いて驚きなさい! その名も『紫藤イリナの愛の救済クラブ』! 内容は簡単! 学園で困っている人たちを無償で助けるの! ああ、信仰心の篤い私は主のため、ミカエルさまのため、罪深い異教徒どものために愛を振りまくのよ!」

 

妙なポーズで天に祈りを捧げながら、目を爛々と輝かせるイリナ。

つーか、ネーミングセンス悪すぎだろ・・・・・。

 

「……いや、うん。まぁ、がんばれ」

 

俺は適当に相づちを打つと、イリナは胸をどんと叩いて言う。

 

「任せて! もちろん、オカルト研究部がピンチのときはお助けするわ! 今回はリアスさんのお願いでオカルト研究部の部活対抗レースの練習を助けるの!」

 

ということは、体育祭は俺達のところに参加するのね。

 

「一つ訊くけど、部員は他にいるのか?」

 

「まだ私だけよ! おかげで同好会レベルに留まっていて、正式な活動と運営資金は規制されているわ。まずはソーナ会長を説得するところからスタートね」

 

こんな怪しさ満点の同好会をソーナ会長は認めるのだろうか?

 

そもそも、部員が集まるのか?

 

「とりあえずはオカルト研究部に籍を置くことになっているの」

 

それってほぼオカルト研究部の部員じゃねぇか!

 

と、俺は思わずツッコミそうになったのを堪える。 

 

「それはともかく、練習を始めよう」

 

俺は気分を取り直して、アーシアとの練習を再開した。

 

 

 

 

「ふぅー。ちょっと、つ、疲れましたねぇ」

 

アーシアが体操服をバタバタさせながら息を吐いていた。

まぁ、早朝からずっと走っていたからな。

いくら人より強靭な悪魔とはいえ、体力の少ないアーシアは疲れるだろう。

 

俺の場合は体力的には問題ないけど、アーシアを気遣いながらだったから、精神的に気疲れしているところもある。

 

体育倉庫に道具を片付けたら一旦、部室に戻って一息つくか。

授業までまだ時間かあるし、大丈夫だろ。

 

そんなことを考えながらライン引きを倉庫の奥に片付けていると―――

 

ガラガラガラ、ピシャッ

 

扉がしまる音?

 

見ればゼノヴィアが後ろ手に倉庫の扉を閉めていた。

 

な、なんだ?

どうしたんだ、ゼノヴィアのやつ・・・・・。

 

アーシアもゼノヴィアの行動に可愛く首を傾げていた。

 

「どうしたんですか? ゼノヴィアさん」

 

尋ねるアーシア。

 

すると、ゼノヴィアは真剣な表情で語り出す。

 

「アーシア、私は聞いたんだ。私たちと同い年の女子はだいたい今ぐらいの時期に乳繰りあうらしいぞ」

 

………………。

 

………え?

 

「ち、ちちくりあう?」

 

アーシアが怪訝そうに聞き返す。

 

ゼノヴィアはハッキリとした口調で言う。

 

「男に胸を弄ばれることだ」

 

―――こ、こいつはいきなりなにを言い出しているんだ!?

 

まさか、ここでするつもりか!?

 

「む、む、む、胸を……っ!」

 

アーシアは顔を真っ赤に染め上げ、声も上ずっている!

 

「ゼノヴィア!こんなところでそんな話をいきなりするな!」

 

「イッセーは少し黙っていてくれ。まずはアーシアと話す。イッセーの出番はそれからだ。すまないが、倉庫の隅でウォーミングアップでもしておいてくれ。これから激闘になる」

 

出番!? 激闘!? ウォーミングアップ!?

 

そんなものしなくても、体力には自信が・・・・・

 

って、そうじゃねぇだろぉぉぉぉぉおおおお!!

 

マジか!?

ここでするつもりなのか!?

 

俺が混乱しているさなか、ゼノヴィアがアーシアに話を続ける。

 

「クラスの女子のなかには彼氏に毎日のようにバストを揉まれている者もいる。私はいろいろと調べたんだ」

 

どうしておまえはそういうことを真摯に調べてくるんだよぉぉぉっ!

 

「アーシア。私たちもそろそろ体験してもいいのではないか?」

 

ゼノヴィアはアーシアの肩に手を置き、真剣な面持ちで言う。

 

なんで、そこまで深刻な話しになってるんだ!?

 

「あ、あぅぅぅっ!そ、そんな、きゅ、急に言われても……」

 

アーシアも困惑していた!

 

「だいじょうぶだ。初めては多少くすぐったいらしいが、慣れてくればとても良いものらしいぞ。きっと乳繰りあえば、自然と二人三脚も上手にこなせる」

 

ええええええええええええっ!?

 

そこに持っていきますか!?

 

「・・・・・コ、コンビネーションはそこから生まれるのでしょうか・・・・」

 

アーシアちゃんが説得されかけてるぅぅぅっ!?

 

ウソだろ!?

 

それで良いのか、アーシア!

 

迷うアーシアにゼノヴィアは笑みで応える。

 

「アーシア、私達は友達だ」

 

「はい」

 

「乳繰り合いも共にしよう。二人なら大丈夫だ」

 

「・・・・え、えっと、そ、そうなのですか?」

 

おいおいおい!

 

話が纏まりつつあるよ!

 

ゼノヴィアがこちらに顔を向ける。

 

「では、しようか。私は子作り練習も兼ねるよ」

 

「ちょっと待て! いきなり、こんな場所で―――いや、雰囲気的に体育倉庫とか憧れるけどさ!」

 

狼狽する俺だが、ゼノヴィアが俺の手元を指差す。

 

「そうは言うが、イッセー。そんなに指を動かして、すでに準備万端みたいじゃないか」

 

ああっ!

気づけば俺は両手の指をわしゃわしゃと動かしていた!

無意識での行為ってやつか!

 

どうやら俺の体は正直者らしい!

 

 

俺が自分の欲望の強さに驚いていると、ゼノヴィアは体操着の上を脱ぎ捨てる。

 

 

ぶるん

 

 

ブラに包まれていても確かな存在を見せてくるゼノヴィアおっぱいが見参!

 

 

ブッ!

 

 

見事な脱ぎっぷりに俺の鼻血も噴き出た!

 

ゼノヴィアもおっぱいデカいよな!

良い形してるぜ!

 

そんなふうに思っていると、ゼノヴィアはブラのホックを外した。

 

 

ぶるっ!

 

 

抑えるものが無くなったためか、見事な乳房が俺の眼前に!

 

うん!

綺麗なピンク色の乳首だ!

 

 

「ほら、アーシアも」

 

ゼノヴィアがアーシアへ迫る!

 

おおおーい!

何アーシアの体操着を掴んで脱がそうとしてるの!?

 

「で、でも、心の準備がまだ・・・・・」

 

ゼノヴィアはもじもじするアーシアから強引に体操着の上を取り払った!

 

そして、現れるアーシアのブラジャー姿!

 

可愛らしいデザインのブラジャーじゃないか!

 

「大丈夫だよ、アーシア。不安なら私が先にイッセーとしても良い。私とイッセーの行為を見ていればどういうものか理解できて、勇気と準備が整うはずだ」

 

「え!・・・・・え、えっと」

 

「ふふふ、冗談だよ。やっぱり後から来た者に先を越されるのは嫌だと思っていた」

 

「い、いえ・・・・そういうことじゃなくて」

 

「今日がチャンスだよ。今は部長達もいない。誰にも邪魔されず、イッセーと乳繰り合えるチャンスは今しかないかもしれないんだ」

 

「―――――!」

 

その一言にアーシアが黙り込んでしまった!

 

た、確かにここには部長達もいないから、プールの時みたいに誰かが止めに入ることもないだろうけど・・・・

 

 

パチン

 

 

ゼノヴィアがアーシアのブラのホックをはずしたぁぁぁっ!

 

「―――――あっ」

 

あらわになった胸元をアーシアは顔を真赤にして手で隠す!

 

だよね!

それが普通の反応だよね!

 

ゼノヴィアさん、堂々とぶるんぶるんさせすぎ!

いえ、ありがとうございます!

最高です!

 

そのゼノヴィアが俺の手を引き―――――――トンと体を押した。

 

「おわっ!」

 

倒される俺。

 

舞うホコリの中、上半身だけ起こした俺は体育用マットの上に押し倒されたことに気付く。

 

 

がばっ!

 

 

何か覆いかぶさる!

 

 

ぶるぶるっ!

 

 

眼前で揺れるゼノヴィアのおっぱい!

 

ゼノヴィアは俺の左手を取り、自身の胸に当てる!

 

 

ブハッ!

 

 

鼻血が止まらねェ!

 

殺傷能力の高いやわらかさが俺の手に伝わる!

 

埋没していく俺の五指!

 

「イッセーさん・・・・私も・・・・」

 

隣に座ったアーシアが俺の右手を取って、自分の胸へ―――――

 

 

ふにゅん

 

 

ゼノヴィアほどではない。

しかし、確かな存在感のアーシアのおっぱいに俺の五指がぁぁぁ!

 

よくここまで育ってくれた!

 

俺は猛烈に感動しているよ、アーシア!

 

「・・・ぅん・・・・」

 

甘い吐息がゼノヴィアの口から漏れる。

 

「やはり、自分で触るのと、男が触ってくるのとでは違うね。さて、イッセー。私とアーシア、どちらも準備はOKだ。好きなだけ揉みしだくと良い」

 

「も、もみしだくって・・・・」

 

「ああ、存分にな。イッセーは女の胸が好きなのだろう?」

 

そりゃあもう!

 

大好物だぜ!

 

 

俺は両の手に軽く力を入れる。

 

すると、俺の指は二人の胸に更に埋没していく!

 

くぅぅ! なんて刺激的な光景なんだ!

 

ここまで来たら俺は止まらんぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

 

 

 

 

 

と、俺の中のエンジンがフル稼働しようとした時だった―――――――

 

 

ガラララ

 

 

突然開かれる扉。

 

「・・・・中々出てこないから心配してきてみれば、な、な、な、なんてことを!」

 

入ってきたのはイリナだった!

 

しまった!

 

完全に存在を忘れてた!

 

くそぅ、どうして毎回毎回、女の子とイチャイチャしようとしたらこうなるんだ!

 

 

いや、今しなければならないのは、イリナへの弁解だ。

 

だが、こんな状況で言い訳できるのか!?

上半身裸の女の子二人と男が一人だぞ!?

もう詰んでるだろ!

 

イリナのことだ、「不潔!」とかクリスチャン的な発言をしそうだが――――――――

 

「ベッドでしなさい! ここは不潔で衛生的によくないわ!」

 

・・・・・不潔の基準が違った

 

 

 

結局、俺は今回も大人の階段を上ることができなかった・・・・・

 

はぁ・・・・・

 

 

 


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