ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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7話 波乱の前触れ

「ぷはー」

 

俺は家の地下一階にある大浴場の脱衣所で湯上がりのフルーツ牛乳をあおっていた。

 

あー、うまい!

 

湯上がりの一杯てのは良いもんだな!

 

それにしても、この大浴場、地下一階にあるんだぜ?

いまだに信じられないよ。

 

いや、アリスの城にも住んでいたし、部長の城にも泊まったから大豪邸には慣れてるんだけどさ。

自分の家が大豪邸に変わると話は別だ。

だって、ほんの一ヶ月前は普通の家だったんだ。

誰でも驚くって。

 

地下二階には屋内プールもあるし。

まぁ、俺も錬環勁気功の修行の一環として水面を走る修行も出来るからありがたいんだけどね。

女子も気が向いたら泳いでるしな。

 

で、地下一階にある大浴場には入浴後の飲料として各種牛乳が冷蔵ケースに入って完備済みだ。

 

部長曰く

 

「日本の湯上がりは各種牛乳よね」

 

だそうだ。

 

部長の日本へのこだわりは凄まじいね。

 

ちなみに俺は日替わりで飲むものを変える。

部長と美羽、イリナはフルーツ牛乳派、朱乃さん、アーシア、小猫ちゃんはノーマル牛乳派、ゼノヴィアとレイナはコーヒー牛乳派だそうだ。

 

さっきまで修行してたからな。

今は汗を流してさっぱりさ。

 

皆、どんどん強くなってきている。

それも、かなりのスピードで。

 

・・・・・俺も次のステージに進まないと。

 

まだ扱いきれてない力もあるわけだしな。

 

まぁ、慌てても仕方がない。

俺に才能なんて無いのはとうの昔に気づいていることだし。

俺は自分のペースでゆっくり強くなっていくさ。

 

 

大浴場を出ると、向かいにある大広間の明かりがついていた。

 

地下一階には大浴場の横に大広間があり、映画鑑賞も出来るし、各種トレーニングも出来る。

 

俺もさっきまでここで修行していたんだ。

 

扉が開いてるので覗いてみると、練習用の剣を振るうゼノヴィアの姿があった。

トレーニングウェアを着込んで真剣に剣を振るっている。

ゼノヴィアが俺の気配に気づいたのか、こちらに顔を向けた。

 

「・・・・イッセーか」

 

「よっ。覗くつもりはなかったんだけど、明かりがついていたもんだからさ」

 

俺はそのまま入室した。

 

「修行か?」

 

「うん、ゲームも近いからね」

 

「でもよ、日が落ちる前にも相当、修行してたろ? あんまりやり過ぎるとオーバーワークになっちまうぞ」

 

ゼノヴィアはこのところ、修行量を上げていた。

今日もオーバーワーク寸前と思えるほど打ち込んでいた。

何かに取り憑かれたような表情で。

 

木場と手合わせもしていたが、焦りすぎているせいか、隙を突かれてカウンターを食らうことも多かった。

 

「私は―――木場よりも弱いからな」

 

ゼノヴィアは真っ直ぐな瞳で言った。

 

確かに、出会った当初は木場よりもゼノヴィアの方が強かった。

だけど、木場が聖魔剣を得てからは才能を開花させていき、今では立場が逆転してしまった。

 

それは日々の修行で明らかになっている。

 

「単純に才能という点では私よりも木場の方が上なのだろう」

 

ゼノヴィアは少しだけ目を陰らせた。

同じ剣士として木場に嫉妬している部分もあるんだと思う。

 

「才能、か。まぁ、木場の才能は俺達の中でも抜きん出ているよ」

 

「それはイッセーよりもか?」

 

ゼノヴィアの問い頷く。

 

「ああ。というより、部長の眷属に俺より才能が無いやつなんていない。俺が一番才能が無いんだよ」

 

ゼノヴィアはどこか驚いたような表情で見てくる。

 

おいおい・・・・・。

俺、結構主張してるぜ?

どれだけ信じてもらえて無いんだよ・・・・・。

 

「才能なんてものは努力さえ続けていればいつかは追い抜ける。だけどな、やり過ぎは良くない。強くなりたいんなら、しっかり修行して、しっかり飯食って、しっかり休む! これが一番の近道だ。だからさ、そろそろ休めよ。あんまり気合い入れすぎると、体が付いてこなくなるぞ?」

 

まぁ、俺が言えたことじゃないけどな。

俺の場合、オーバーワークなんてレベルじゃなかったわけだし・・・・。

 

俺の言葉にゼノヴィアは何やら考え込む。

 

少しすると顔を上げて微笑んだ。

 

「そうだな。今、やり過ぎても体を壊してしまっては元もこもない。私もそろそろ休むとしよう」

 

「おう、そうしとけって。修行なら俺がいつでも付き合ってやるからさ。あんまり無茶はするなよ?」

 

「本当か?」

 

「本当だよ。つーか、嘘言ってどうするよ? 俺はおまえみたいに努力してるやつが好きなんだよ」

 

「そうか。ありがとう、イッセー」

 

よし、ゼノヴィアも分かってくれたみたいだ。

 

 

ん?

 

なんだか、ゼノヴィアの顔が赤いような・・・・。

 

どうしたんだよ?

 

 

俺が怪訝に思っていると、ゼノヴィアが口を開く。

 

「イッセーはその、なんだ・・・・・私のことが好きなのか?」

 

・・・・・え?

 

俺はいきなりの質問に頭が一瞬フリーズした。

 

「え、えーと、なんでそんなことを?」

 

「さっきイッセーが言ってたじゃないか。『おまえが好きだ』と」

 

ちょ、ちょっと待てぇぇぇぇぇい!!

 

言葉足りてないって!

間の言葉はどこに行った!?

俺は慌てながら迫るゼノヴィアを止める。

 

 

「いやいやいや、俺は『おまえみたいに努力するやつが好きだ』って言ったんだよ! どんな解釈してんだ!?」

 

「ん? つまりそれは私のことが好きだということだろう? イッセーも大胆だな・・・・・」

 

あれ!?

こいつ、全く理解してねぇ!

確かに俺はゼノヴィアのことは好きだけどさ!

こいつの言葉にはどこか違和感がある!

 

つーか、なんで服脱ごうとしてんの!?

 

「私もイッセーのことが好きだ。そして、イッセーも私のことが好き。これは両想いというやつなのだろう? そうと決まれば早速、子作りだ」

 

おいぃぃぃぃぃ!

 

なんだその短絡思考!

 

マジか!?

マジでここでするのか!?

 

「待て待て! おまえ本気か!?」

 

「もちろんだとも。それとも何か不服か? ・・・・・もしかして、私が汗をかいているのを気にしているのか? 私としてはどのみち汗だくになるから気にしなくても良いと思うんだが・・・・・。イッセーは嫌か・・・・。それならちょうど隣の部屋が大浴場だ。そこで汗を流した後、子作りに励むとしよう。いや、どうせなら浴場でするのもアリか」

 

なんか、話が勝手に進められてる!?

 

ヤバい!

このままじゃ、俺は風呂場でゼノヴィアと激闘を繰り広げることになっちまう!

 

・・・・・それも良いかな、と思ってしまう自分がいるけど。

 

 

ガシッ

 

 

俺は腕をゼノヴィアに掴まれる!

そして、再び大浴場に直行!

 

ウソッ!?

マジで連れ込まれちまった!

 

目の前で服を脱いで行くゼノヴィア!

ゼノヴィアが服に手をかけて、脱いで行く!

 

 

ぷるん

 

 

現れるゼノヴィアのおっぱい!

汗のせいか、おっぱいに艶が出ている!

 

 

ブフッ

 

 

ゼノヴィアの見事な脱ぎっぷりに鼻血が噴き出る!

エロいよ! エロすぎる!

なんで、男の俺が見ている前で、そんな大胆なことが出来るんだ!?

 

つーか、この間の体育倉庫でも同じことがあったよな!

 

 

とりあえず、ありがとうございます!

 

俺が心の中でお礼を言っていると、ゼノヴィアは服を全部脱ぎ終わり、一糸纏わぬ生まれたままの姿のゼノヴィアがいた。

 

ゼノヴィア、大事なところ見えちゃってるから!

 

「イッセーはまだ脱いでないのか? 仕方がない、私が手伝ってやろう」

 

は、はああああああああ!?

 

そんなことしなくても自分で脱ぐ、ってそうじゃねぇだろぉぉおおおお!

 

止めようよ、俺!

 

 

ああっ!

 

 

あっという間にゼノヴィアに身ぐるみ剥がされた!

なんという鮮やかな脱がしのテクニック!

おまえ、そんな技術をどこで手に入れた!?

 

「ふむ・・・・。何だかんだで、イッセーもやる気十分じゃないか」

 

ゼノヴィアは俺の下半身を見て、そう呟く。

 

それを聞いて俺は咄嗟に手で股間を隠すが、すでに遅かった!

 

「男性のを生で見るのは初めてだが・・・・・。ここまで大きくなるのか・・・・・」

 

いや、感想とか言わなくて良いから!

何、観察してくれちゃってんの!?

 

こうなったの、おまえのせいだからな!

 

つーか、何でこんなことになった!?

 

「さて、準備は整った。後は浴場でするだけだ」

 

ゼノヴィアは再び俺の手を掴み、浴場の扉を開ける。

扉を開けたときに脱衣所に入り込んできた湯けむりが俺の肌に触れた。

 

それが俺の興奮を一気に高めることに!

 

どうしよう!

俺はこのまま、風呂場でゼノヴィアと!?

 

 

 

 

「あれ? ゼノヴィアさんと・・・・・イッセー君!?」

 

 

 

 

突然、聞こえてきた第三者の声。

 

見れば湯船に浸かるレイナの姿。

 

 

ブッ!

 

 

鼻血が再び噴き出ることに!

レイナの裸とかレアだ! レアすぎる!

 

やっぱり、レイナも良い体してるよな!

おっぱいも大きいし!

スタイル抜群だ!

 

よし、脳内保存!

 

 

「むぅ・・・・・。まさか、レイナが入っていたとは・・・・・想定外だ」

 

横で何やら呟くゼノヴィア。

想定外って・・・・。

 

ここ、大浴場だからね?

そりゃ、俺達以外も使うって。

 

こいつ、そのあたりを全く考えてなかったのな・・・・・。

 

「え、え、えーと、二人ともお風呂かな?」

 

レイナが尋ねてくる。

 

俺がこの場を収めるために「そうだよ」と答えようとした時、先にゼノヴィアが答えてしまう。

 

「いや、私達は今から子作りをするところだ」

 

こ、このおバカさん!

 

それ、言っちゃう!?

 

「こ、こここここここ子作り!?」

 

「そうだ。レイナがいたのは想定外だったが・・・・・まぁ、いい。どうだ、レイナも一緒にイッセーと子作りをしないか?」

 

おいぃぃぃぃぃ!

 

何言ってんの、この娘!?

レイナを巻き込むな!

 

見てみろ! 

レイナの思考が完全に停止してるから!

 

 

そして、レイナが我に帰った時―――

 

 

 

 

「えええええええええええええええええ!?」

 

 

 

 

レイナの絶叫が家全体に響き渡った。

 

 

その声を聞き付けた皆が風呂場に駆けつけてくるのは当然のことで・・・・・。

 

 

その後、俺は部長達から説教を受けることになった・・・・・。

 

 

俺だけ説教されるのは納得いかない・・・・・

 

 

まぁ、ゼノヴィアとレイナのおっぱいを見れたから良しとするか。

 

 

ちなみにだが、説教の後に皆で風呂に入ることになったのはまた別の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

[アザゼル side]

 

 

「通信で悪いな、サーゼクス。例のグラシャラボラス家次期当主の不審死とディオドラ・アスタロトの魔力増大についてだが・・・・」

 

『やはり、繋がったか。・・・・・悪魔はいまだ問題を抱えるばかりだ』

 

はぁ、とため息をつくサーゼクス。

 

普段はにこやかにしているが、こいつも色々とストレスが溜まってるのかね?

 

「まだ、確証は得ないが、ヴァーリの忠告を信じるならば、ディオドラは―――。例の案、やるしかないかもな・・・・・はぁ・・・・・・」

 

今度は俺がため息をついた。

 

ったく、身内のイベントでただでさえテンション低いのによ。

 

通信用の魔法陣を通して、サーゼクスの笑い声が聞こえてくる。

 

『ふふふ。聞いたぞ、アザゼル。グリゴリの幹部がまた一人婚姻したようだな』

 

「ああ、そうだよ。・・・・・どいつもこいつも、焦りやがって。何よりも俺に黙って裏で他勢力の女とよろしくやってたなんてな・・・・・。クソ、そろそろ独り身は俺だけか!」

 

『ははははは!』

 

爆笑するサーゼクス。

 

クソ、腹立つなこいつ。

 

『アザゼルも身を固めたらどうだ? なんなら私が紹介してもいい』

 

「余計なお世話だ。それに俺は趣味に生きる男だ。・・・・・お、女なんていくらでもいる!」

 

『そうだな。そういうことにしておこう。―――さて、例の案についてだが、各勢力のトップは承諾してくれた。ミカエルもだ』

 

「そうか。まぁ、これは奴等を潰す絶好の機会だからな。乗ってくるとは思ってたぜ」

 

『ああ。・・・・・彼、イッセー君には話したのか? 彼の力は必要になる』

 

「いや、まだだ。今、あいつに話してしまうと他のメンバーにバレる可能性がある。イッセーには直前に話そうと思う。出来るだけ情報の漏洩は避けたい」

 

『しかし、それでは・・・・・』

 

「おまえの懸念は分かる。だが、あいつは意外とその辺りは冷静だからな。理由を話せば理解はしてくれるだろう」

 

まぁ、それでも怒るとは思うけどな。

なにせ、あいつの仲間を危険に曝すことになるからな。

その時はいくらでも殴られてやるさ。

 

それで足りないときは―――

 

「全ては提案した俺の責任だ。なんとかするさ」

 

 

[アザゼル side out]

 


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