ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝   作:ヴァルナル

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やっと試験が終わりました!

しばらくはゴロゴロ出来るんだ!
こんなに嬉しいことはない!

というわけでどーぞ!



2話 打ち明けます!!

「・・・・・・・ん?」

 

眠っていた俺は僅かな重みを体に感じたので目を覚ました。

 

すると、

 

「あ、目が覚めた? おはよう、お兄ちゃん」

 

目が覚めたら俺の上に美羽がいた。

 

 

ロキとの戦いが終わり、それによるケガで始まった俺の入院生活。

 

アーシアのおかげで傷は塞がったものの、消耗が激しかったこともあり、俺はグレモリー領の中にある大きな病院に運ばれた。

 

診察の結果、しばらくは安静にしておいたほうが良いと担当医に言われたので、今日も一人おとなしくベッドの上で横になっていたんだ。

 

暇だから、窓の外を眺めたり、たまに様子を見に来る看護婦さんのおっぱいを眺めたりしたりもしていたけど、ただただ大人しくしていた。

 

昼飯を食べ、少し眠たくなった俺はそのまま昼寝。

 

 

――――そして、目が覚めたら美羽がいた。

 

ナースのコスプレ姿で!

 

しかも、俺にまたがった状態で!

 

「お、おはよう? つーか、今、夕方じゃねえか。学校はどうしたんだ?」

 

「ちゃんと行ったよ。授業が終わった後、アザゼル先生に頼んでこっちに送ってもらったんだ」

 

「な、なるほど。それで、なんで俺にまたがってるんだ? しかも、ナースの格好までして」

 

「んー、お兄ちゃんを元気にさせようと思ったからかな?」

 

そう言われ、美羽の体を順番に見ていく。

 

たゆんと揺れる豊かなおっぱい!

括れた腰!

スカートから覗かせるスベスベした白い太もも!

服の上からも分かる美羽の素晴らしい体つき!

 

しかも!

 

癒し系の美羽がナースの格好をしている!

 

特に露出が多いわけではないが、美羽とナース服という最強コンボが俺の心を掻き立てる!

 

「どうかな?」

 

「うん! メチャクチャ元気になった!」

 

親指を立てて嬉しさのあまり号泣する俺!

 

目覚めて早々、とても良いものを見させていただきました!

 

ありがとうございます!

 

「やっぱり、このコスプレは正解だったみたいだね」

 

ニコッと笑う美羽。

 

うん、流石は我が妹!

俺の思考を完全に把握している!

 

くぅぅ~、笑顔が眩しいぜ!

 

おっと、いかんいかん。

色々なところが元気になりすぎた。

落ち着こう。

 

まずは深呼吸だ。

 

「どうしたの?」

 

「妹という存在のありがたみに感謝しているところだよ」

 

「?」

 

よく分からないと首を可愛く傾げる美羽。

 

あー、癒される。

最近は色々と慌ただしかったから、それもあるんだろうな。

いつもより癒されている気がするぜ!

 

白衣の天使か。

実在したんだな。

 

とりあえず、美羽を撫でてやろう。

可愛すぎるわ。

 

「スゲェ元気でた。これで俺はしばらく生きていけるな」

 

「もう、大袈裟すぎるよ」

 

「大袈裟じゃないって。俺がどれだけおまえに癒されてきたことか。マジでありがとう」

 

「そ、そう? そこまで言われると照れるよ・・・・」

 

顔を紅潮させて恥ずかしそうにモジモジしてる。

その仕草がこれまた可愛いぜ!

 

なんで、こうも行動一つ一つに癒されるのか!

 

と、ここで俺はあることに気づく。

 

「そういえば、部長達は?」

 

皆はロキの事後処理とか他の悪魔の仕事に追われていたらしいけど、それも大方片付いたとアザゼル先生からは聞いている。

 

もしかしたら、そろそろ来てくれるかな、とか思ってたんだけど・・・・・・。

 

「皆はもうすぐ来るんじゃないかな? アザゼル先生も後で行くって言ってたし」

 

あ、そうなんだ。

 

ここ数日、皆の顔を見てないから、少し寂しかったんだよな。

 

入院生活もかなり退屈だし、早く退院して皆と過ごしたいぜ。

 

 

「・・・・・・皆、か」

 

美羽はそう呟くと少し表情に影を落とす。

 

理由は聞かなくても分かってる。

 

「やっぱり、不安か? 皆に俺達のことを話すのが」

 

先日のロキとの戦いで、俺達は思いもよらなかった事態に陥った。

 

それは、ロキが俺達の秘密を知っていたことだ。

 

俺が異世界に行って、あちらの世界の魔王シリウスを倒したこと。

そして、美羽がシリウスの娘だということ。

 

それを皆の前で暴かれた。

 

いつ、どこであいつが俺達のことを知ったのかは正直言って分からない。

どれだけ考えても結論はでなかった。

 

だけど、皆に知られてしまったことには変わりはない。

 

皆に俺達のことを明かす時が来たんだ。

 

美羽は小さく頷く。

 

「・・・・うん。少しね」

 

自分の過去を話して、皆に受け入れられるか不安っていった顔だな。

 

ったく、こいつは・・・・・・

 

「美羽」

 

「えっ? うわっ!」

 

俺は美羽をそのまま抱き寄せる。

 

「何も心配はいらないさ。俺達は固い絆で結ばれた仲間なんだぜ? 皆は絶対に受け入れてくれる。皆とはこの数ヶ月、苦楽を共にしてきた。互いを信じて死線だって乗り越えてきたんだ。絶対に大丈夫だ。それに」

 

「それに?」

 

「おまえをこっちの世界に連れて来た時に言っただろ? 何があってもおまえを守るってな。だから、心配すんな!」

 

そう、俺はシリウスから美羽を託された時から誓った。

美羽を必ず守り抜いてみせると。

 

その誓いは今でも――――いや、これから先も消えることはない。

 

美羽は一瞬、目を見開いたけど、それから少し微笑んだ。

とても、嬉しそうな表情で。

 

「うん・・・・・。ありがとう、お兄ちゃん。・・・・・イッセー」

 

美羽は力を抜いて、そのまま体を俺に預けてくる。

 

これで少しくらい不安は取り除けたかな?

 

つーか、美羽に『イッセー』って呼ばれたのはいつ以来だろう。

久しぶりすぎて逆に新鮮だな。

 

 

さて、俺も改めて覚悟を決めることが出来た。

 

実のところ、皆に隠し事をするのは内心、辛かったんだよね。

だから、今回は良い機会だとも思っている。

 

隠し事はいつかはバレる。

そう考えれば、皆に明かすのが少し早くなったってところなのかな?

 

 

とりあえず、皆が来るまではゆっくりしよう。

 

俺はそんなことを考えながら目を閉じた。

 

 

すると――――

 

 

ガララッ

 

 

部屋の扉が開かれた。

 

扉の方を見てみると部長や部員の皆がそこに立っていた。

 

皆、なぜか息をきらしてるけど・・・・・・何事だよ?

 

皆はこちらを見ると目を見開く。

皆の視線は俺と、俺の体に密着している美羽に集まっていた。

 

 

 

 

・・・・・・あ、これは死んだ

 

 

 

 

俺がそう思った瞬間。

 

 

「「「「これはどういうこと!?」」」」

 

 

皆の声が病院中に響き渡った。

 

 

皆、院内ではお静かに。

 

 

 

 

 

 

皆が部屋に来てから十分ほどが経った。

 

「大体、美羽も私達に黙って来るなんてズルいわ。それにナースのコスプレまでして」

 

「うぅ・・・・・ごめんなさい」

 

 

その間、俺達は部長達から説教を受けるはめになったけど・・・・

 

ずっと正座だったから足が痺れた・・・・・・

 

アザゼル先生が爆笑しながら俺を指差す。

 

「ハハハハハハ! そこまでにしといてやれよ。一応、こいつは入院患者なんだぜ?」

 

先生・・・・・止めてくれるのはありがたいけど、心の中では『いいぞー! もっとやれー!』なんて思ってるでしょ?

 

顔にそう書いてあるし!

 

「そ、そうね。私達もイッセーのお見舞いに来たわけだし・・・・・。ギャスパー」

 

「はい!」

 

部長に言われてギャスパーが持ってきたのはよくあるようなフルーツの盛り合わせ。

 

ただ、見たことないような果物ばかりだ。

グレモリーの特産品か?

 

「イッセー先輩、これ食べて元気になってください!」

 

「おう! ありがとうよ!」

 

ギャスパーからかごを受け取り、ベッドの横の棚におく。

果物の色がが鮮やかでキレイだからこのまま飾っとくのもありかも、なんて思えるな。

 

「イッセーさん、体の具合はいかがですか?」

 

「問題ないよ。アーシアの治療もあって、今はピンピンしてるよ。ありがとな、アーシア」

 

そう言ってアーシアの頭を撫でてやると、アーシアは顔を紅潮させてモジモジする。

 

「い、いえ、私は出来ることをしたまでですから」

 

うん、可愛いな。

 

「イッセーはいつ頃退院出来るんだ? また、私の修行に付き合ってもらいたいんだが」

 

ゼノヴィアがそう尋ねると、それには先生が答えた。

 

「そうだな・・・・。右腕の治療もあるし、あと、4、5日ってところか? ま、これだけ元気なら体を動かしても問題ないだろうよ。退院直後にでも付き合ってもらえ」

 

「了解した。じゃあ、イッセー、その時はよろしく頼むよ」

 

「いいぜ。俺も体を動かしたいしな。入院生活でなまった体をほぐすにはちょうどいい。どうせなら木場もやろうぜ」

 

「そうだね。僕もイッセー君に修行をつけてもらいたいと思ってたんだ」

 

「よし、決まりだ。じゃあ、退院後に三人でやるか」

 

なんていう会話がしばらく続いていく。

 

・・・・・・

 

うーむ、どのタイミングで切り出すべきか。

 

なんと言うか、どことなく皆の表情が固いような気もするし・・・・・・。

 

美羽は美羽で少し緊張しているような感じだ。

 

仕方がない。

少し唐突のような気もするけど・・・・・・

 

 

俺は少し息を吐いた後、皆の顔を見渡す。

 

 

 

「なぁ、皆。少し話たいことがあるんだ。・・・・・俺と美羽のことについてだ」

 

 

 

「「「―――――!」」」

 

皆の表情が変わる。

さっきまで笑っていた先生も厳しい顔となった。

 

恐らく皆は俺と美羽が自分から話すのを待っているはず。

だったら、俺はそれに応える。

 

「皆も気になっているのは分かってる。ロキの言葉、そのことについて今から話そうと思う。質問があるなら後で受け付ける。だから、とりあえずは俺の話を聞いてほしい。・・・・まず、俺のことから話そうか。――――俺は二年前、中三の夏に異世界に飛ばされたんだ」

 

 

 

 

 

 

 

それから、俺は二年前に自身に起こったことを全て話した。

 

 

俺が異世界に飛ばされたこと。

 

そこの人達と触れ合ったこと。

 

人間と魔族の種族間戦争に巻き込まれたこと。

 

親友を失ったこと。

 

全てを守るために必死で修行したこと。

 

魔王シリウスと激闘を繰り広げたこと。

 

そして、シリウスから美羽を託されたこと。

 

何も包み隠すことなく経験した全ての出来事を話した。

 

皆は驚きながらも、静かに俺の話を聞いてくれていた。

 

「それからこっちの世界に戻ってきた俺は美羽の生活を考えて、父さんと母さんにも全てを打ち明けたんだ」

 

「それじゃあ、やはりイッセーのお父さまとお母さまは・・・・」

 

「ええ、異世界のことを認知してます。父さん達にも美羽の素性を明かさないように頼んでいました。・・・・・ゴメン、皆。俺も皆に隠し事をするのはどうかと思ったんだけど、美羽の安全を考えると、異世界のことは口にしない方が良いと判断したんだ」

 

すると、左手に宝玉が現れる。

 

宝玉が点滅し、ドライグの声が聞こえる。

 

『おまえ達、どうか相棒のことを許してやってほしい。相棒はおまえ達に隠し事をすることを本当に心苦しく感じていた。決しておまえ達を信用していない訳ではないのだ。それに、相棒に黙っておくように助言したのは俺だ。批難は俺が受けよう』

 

いや、ドライグは悪くない。

 

ドライグはいつも俺に最善の道を助言してくれた。

美羽のこともそうだ。

 

皆はただただ驚いたといった表情でその場で無言になってしまっていた。

 

まぁ、いきなりこんな話をされてもすぐに理解するのは難しいよな。

 

父さんと母さんの時もそうだったし。

 

 

しかし、俺の話を聞いて一人うんうんと頷いている人がいた。

 

「なるほどな。そういうことなら色々納得できる」

 

 

俺が語っている間、壁にもたれて話を聞いていたアザゼル先生がベッドの側まで歩いてくる。

 

「納得できる? どういうことですか?」

 

先生の言葉に俺は聞き返す。

その問いに先生は頷いた。

 

「三大勢力の会談の時、おまえのことを調べたと言ったのを覚えてるか?」

 

「あー、そういえば言ってたような・・・・・。それがどうかしたんですか?」

 

「その調べている過程でおまえには色々と疑問に思うところがあったんだよ。その中で一番気になったのは、そこまでの強さを持っておきながら、悪魔になるまでにその力を使った形跡が全くなかったということ。ここが俺の中でずっと引っ掛かってたんだよ。普通、全く見つけられないなんてことはあり得ないからな」

 

まぁ、流石のグリゴリでも異世界のことまでは調べられないしな。

俺が神器に目覚めたのもあっちの世界だし。

 

調べられないのは無理はない。

 

なるほど、先生はそれで会談の時に聞いてきたのか・・・・。

 

 

先生の視線が美羽に移る。

 

「それに美羽についてもだ。おまえに関しちゃ、どこで産まれて、どこで生きてきたかさえ分からなかった。まぁ、今回のことでハッキリしたがな。・・・しかし、驚いたぜ。まさか、おまえが魔王の娘だったとはな。しかも、そのシリウスってのはこちらの世界の魔王と同等の力量なんだろ?」

 

すると、ドライグが言う。

 

『いや、それについては少し訂正したい』

 

「訂正?」

 

『単純な力量で言えば魔王クラスだ。だが、美羽がアーシア・アルジェントを救った時に見せた魔法などを考慮すると、総合的な力ではこちらの魔王を上回るのかもしれん』

 

「なに?」

 

『つまり、あの男はまだ力を隠していたのかもしれんということだ。・・・・いや、何らかの理由で使えなかった。あるいは使わなかったと言った方が正しいか? まぁ、これもただの推測だ。既に亡き今、確認する術はないがな』

 

俺もドライグの意見と同じだ。

 

あの時、シリウスが手を抜いたというのは考えられない。

互いに死力を尽くしてぶつかり合った。

それは間違いない。

 

それでも、シリウスにはまだ力があったんじゃないか?

最近の戦闘で美羽を見ていたらそう思えてならない。

 

 

「ま、とにかくだ。おまえと美羽のことは理解したぜ。異世界のこともな。俺はおまえらが俺達に隠してたことを責めるつもりはない。むしろ、当然の判断だろう。俺も同じ立場ならそうした。異世界なんてもんが知られたら大騒ぎだからな。それに、美羽の存在がろくでもない奴に知られたら、実験材料にされる可能性もあったはずだ。リアス、おまえらもそこのところは分かってやれよ?」

 

「ええ。それは分かってるわ。話を聞いてすごく驚いたし、今でも理解していないこともあるわ。でも、イッセーが私達を信用してない訳ではないことが分かっただけでも十分よ」

 

それに、と部長は続ける。

 

「美羽、私はあなたが異世界の人間だからといって突き放すなんてことは絶対にしないわ。私にとってあなたは大切な家族なんですもの。ねぇ、皆」

 

部長がそう言うと皆は微笑んで頷いた。

 

「ええ。私にとってイッセー君はイッセー君で、美羽ちゃんは美羽ちゃんです。それ以外の何者でもありませんわ」

 

朱乃さん・・・・・・

 

その言葉を聞いて、美羽の瞳から雫が落ちた。

 

「イッセー君、美羽さん。僕達は仲間だ。それに僕も誓ったよ。僕は皆の剣となって皆を守ると。二人のことも守ってみせるよ。・・・・まぁ、今の二人に勝てる気は全くしないんだけどね」

 

ありがとう、木場。

その気持ちだけで十分だぜ。

 

「私はお二人にどんな過去があったとしてもお二人のことが大好きです! 私の大切なお友達で家族です!」

 

「・・・・私もイッセー先輩も美羽先輩も私にとっては優しい先輩です」

 

「僕も先輩方のことは大好きですぅ!」

 

アーシア、小猫ちゃん、ギャスパー・・・・・

 

「ああ、私にとっても二人は二人でしかない。私のかけがえのない友達だ!」

 

「私もよ。私は二人に救われたもの。二人がどんな過去を持っていても関係ないわ!」

 

「え、えっとね、私にとってもイッセー君は大切な幼馴染みだし、美羽さんも私にとっては大切な存在よ! あれ? 今思ったんだけど、イッセー君の妹ってことは私にとっても妹的なポジションなのかしら?」

 

ゼノヴィア、レイナ、イリナ・・・・・・

イリナ、最後の方の意味はよく分からなかったけど、とにかくありがとう。

 

俺は美羽の方を見る。

 

「な? 心配なかっただろ?」

 

「うん・・・・! ありがとう、皆! ボク、ボクは・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!」

 

あらら、号泣してるよ。

涙が滝みたいになってる。

 

まぁ、悲しみの涙ではないのは明らかだし、良いかな。

 

「皆、俺からも礼を言うよ。本当にありがとう!」

 

俺、悪魔になって良かったと思う。

 

悪魔になってからは戦い続きで大きなケガをすることも多くなった。

 

でもな、それでも後悔はしていない。

 

こんなにも最高の仲間に出会うことが出来たんだからな!

 

 

 

 

 

 

美羽も泣き止み、病室が良い感じの空気になった時だった。

 

 

「まぁ、イッセーと美羽の過去については良いのだけれど・・・・・」

 

部長はそこで言葉をとぎらせる。

 

どうしたんだろ?

 

「ねぇ、イッセー」

 

「なんです?」

 

「イッセーはその世界で三年過ごしたのよね?」

 

「ええ、そうですよ」

 

「それで、帰ってきたら時間は進んでいなかったって・・・・」

 

「はい」

 

うん、あの時は驚いたね。

 

まぁ、時間が経っていなかったおかげで行方不明扱いにならなくてすんだけど。

 

もし、こちらの世界でも三年が経っていたらその間に父さん達が警察に届け出を出してたかもしれない。

そう考えると不幸中の幸いだったのかな?

 

部長はうつむき、少し考えると俺の方を見て再び尋ねてきた。

 

「ということは、イッセーは私や朱乃よりも年上・・・・・?」

 

 

「「「「あっ」」」」

 

 

部長の言葉に部員の皆はハッとなる。

 

 

・・・・・・・・ん?

 

 

「だって、異世界での三年がこちらの世界で一瞬だと言うことは・・・・・」

 

「・・・・・イッセー君は私とリアスよりも二つ年上と言うことになりますわね」

 

部長に続き朱乃さんが言う。

 

「ま、普通に考えりゃそうなるわな。イッセーは今、十七歳だが、実際の歳は二十歳ってことになるな」

 

先生がそう言うと、皆の視線が俺に集まる。

 

 

・・・・・・・・・・

 

え、えーと、どうしようこの空気。

 

「い、いや、でもこちらでの時間は経ってなかったんだし・・・・十七ということには」

 

「ならんだろ。おまえの肉体と精神は異世界でこちらの者よりも三年長く生きていることになる。認めろよ。おまえは二十歳だ」

 

「い、いや、でも!」

 

俺が食い下がろうとする!

 

しかし、先生は無視しやがった!

 

「よーし、今度から酒の相手はおまえにしてもらうか。二十歳なんだからいけるよな? 二十歳なんだし」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!」

 

俺の絶叫が病院中に響き渡った。

 

まともに青春を送らないまま二十歳認定なんて嫌だぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そうそう。ロスヴァイセが私の眷属になったからよろしくね、イッセー」

 

「ええええええええええええええええっ!?」

 

 

 


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