『その』世界の麻雀競技人口は一億を超え、日本でも大規模な全国大会が毎年開催される。
その話題は新聞の一面を飾ることもあるし、テレビ番組やネットでも大きく扱われる時もある。
先日の県大会も地方紙だけではなく、各全国紙の一面にも載った。
でも、そこに載っていたのは、多くの人が注目するうちの白糸台高校の名じゃなくて、清澄高校の名。私は、地区大会を全て先鋒で終わらせていた臨海が載る、と思っていたけど、意外。監督さんの情報操作かな。
決勝の前日に行われていた、一回戦、二回戦のことも併せて報道されてた。
一回戦、二回戦の内容も、一面を飾るにふさわしい話題性は一応は持ってたみたい。
清澄高校のことは各社の社説にも載ったし、特集を組んだ所もあった。
右に倣う風習のある全国紙も、今回は意見が割れてた。
清澄高校を賛美する所、批判する所、またはそのどちらでもなく過去からも比較し客観的に見ようとする所とか、様々。
週刊誌では、暴力団が観戦していた、ということを書いている所もあった。
ネット上でも意見は割れてた。若干批判の方が多かったみたい。暴力団の観戦も併せて、八百長ではないか、という意見が批判の大多数。
逆に『彼ら』の闘牌に魅せられた者もいたみたい。プロ雀士のブログとか、直接彼らを見たフリーライターの記事等です。たぶん闘牌内容より、その雰囲気的な要素の方が多いと思うけど。
良くも悪くも清澄高校は話題の的になって、校内に取材に来るテレビ局、記者は沢山いた。
部長である竹井久さんは、それらの全員からのインタビューに一人一人応えてた。
全国大会を控えているのもあって、全てを答えたわけではなかったみたいだけど、殆どの疑問点に答えてた。すごい。
清澄に対するネガティブな印象を少しでも晴らしたかったからだって。
久さんは、大会で見せた一見不可解な闘牌には意味があるということを、具体的例を挙げながら、記者たちに伝えてた。
特に大将の闘牌に関しては、彼女は饒舌。彼女はここしばらく、一睡もしていなかった。
後日、清澄高校は全国大会に向け合宿をすることになった。
京太郎さんや、まこさんは、する必要はないのでは、という疑問を投げてたけど、久さんは答えた。
「今回の『アカギ君の成績』不甲斐なかったでしょ?」
まぁ確かに、清澄高校は優勝できたけど、彼の成績自体はマイナス約一万点。
彼は、自分の運も衰えた、と言ってたけど、久さんはそれを全否定して、あくまで実力不足を指摘してた。
それに対しまこさんは、うちらの方が、と言ったけど、
「あれは私の責任だし、まこは傀君×3と戦っていたのよ?悪いのはアカギ君と私よ」
と答えた。
なら傀君や竜君を付き合わせる理由はないのでは、という問いに対しては、
「アカギ君を強くするには、強い人と戦わせるのが普通でしょ?なら傀君も竜君も連れて行くのも、やっぱり普通でしょ?」
と答えた。
合宿は藤田さんや久保さんの計らいもあり、最終的に四校合同合宿という形になった。
藤田さんや久保さんの狙いは『選抜』に向けての優秀選手の確保のため。
勝った側が負けた側を招待する形でしたが、各校の反応は好意的でした。
来年もある後輩のことを考える者もいれば、リベンジに燃える者、純粋に清澄高校の者に会いたいと思う者もいた。
例えば、原村和さんは、親友を泣かせた傀君を倒したいと思っていたし、龍門渕透華さんは、周りには言っていませんが、竜君に会いたいと思ってる。
天江衣さんは早く『新しい自分』を『彼』に見せたいとわくわくしている。
みんながみんな、その日を待ちわびてた。
そして、この世界はその日へと続く
私も、あの人には早く会いたいなぁ…
そういえば、地区大会優勝した記念に、清澄高校の六人は集合写真を撮ったけど、彼らに写真は、まぁ、たまにはいいのかな。
【第一部】地区大会編
おしまい