思いつき短編集:モン娘のいる日常編   作:Des

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どうも、Desデス。

この思い付き短編ですが、1人につき2話とさせてもらいます。
最初にステイする3人だけとなるので、6話になると思います。
まあ、あまり話の構成を考えないので面白いかはわかりませんので、ご注意ください。

今回はラト編1から、家具や家の改装、日常を少し飛ばしています。
ラトの高感度は20%ぐらいでしょうか?構ってくれるいい人どまりかな・・・
今回で60%越えになると思います、(できればいいなぁ)

では、どうぞ!



魔法使いとモン娘のいる日常 ラト編02★

 普通の人間ではない亜人種、その中でも自らをドラゴンの血をひく一族としてプライドが非常に高いのがドラゴニュートという種族だ。

 彼らの素性ははっきりしておらず、自らドラゴンの一族と言っているので政府もそのように公開している。

 そんなドラゴニュートの女の子のラトを家にステイすることになって、もう1週間が過ぎようとしていた。

 

 この1週間は激動の連日だった。

 まず、部屋に案内してれば狭いだの、みすぼらしいだの五月蠅く、しかもトイレや風呂が使いにくいとの苦情のオンパレードだ。

 これには一理もあったので、墨須さんに相談したところ、次の日に家の改装と増築を手配していたとのことだった。なんということでしょうか、たった1日で家が大きく変わってしまったではありませんか。もうこれ、前の家の面影なしですよ。業者の人も人間か疑ってしまったほどのスピードだ。

 改装の間はラトを町に連れて行った。ラト用の家具や生活用品が必要だと思ったので、デパートまで行った。

 別にデパートでなければいけなったわけでないがラトが、

 

「ラトに似合う食器が欲しいから、アンティークショップに行くの!」

 

 だの我儘発動。しかたなくデパートまで行ったのだ。

 しかし、デパートに着くなり大人ぶっていた素振りはどこ行ったか、大はしゃぎだ。まるで子供だった。

 ドタバタしたが、無事に買い物も終了し、満足顔なラトを見たら疲れ何てどこかに行ってしまった。

 

 前にも言ったが、俺は異世界出身で元魔法使い、冒険者だったのだ。しかも趣味で身寄りがない子供たちの面倒を見てきたのだ。

 その苦労に言わせれば、ラトの我儘も可愛いものなのだ。

 この手のタイプは、周りの環境のせいで素直になれない貴族のご令嬢に似ている。実際に貴族かは怪しいところが目立つが、概ねあっているだろう。

 改装された家にラトは大満足だった。尻尾が揺れていた。

 

 そんなこんなで1週間が過ぎお互いに、というかラトが一方的に遠慮しなくなっていった。

 なんかお世話する度にご機嫌になっていくし、しまいには

 

「フルコースを作りなさい!」

 

 だぞ?これにはキレてしまい、怒鳴ってしまった。

 涙目になってしまい、我に返り謝ろうとしたのだが、

 

「そ、そうよね。フルコースは言い過ぎたから、いつも通りでいいから、ご飯お願い・・・。」

 

 俺が謝るより早く、申し訳ない顔で俯いてた。しかも、なんだかビクビクしているように見えた。

 

「・・・俺も悪かった。どっちも悪いってことで、夕食はラトが好きなモンでいいか?」

 

「!?う、うん、もちろんよ!ラトも子供じゃないから、それで許してあげる!」

 

 謝罪はしなかったが、それからは無茶な要求はしなくなった。悪いことをしたという自覚はあるようだ。しまいには、

 

「ラトがアンタの準備を見学してあげるわ、光栄に思って料理に励みなさいよ!」

 

 と言いだし、それからは話しながら夕食を作っていった。結構楽しかったのは、ラトに秘密にしている。

 

 これが俺とラトの日常である。

 そして、今日は・・・・

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

「ラトはこれから買い物に行ってくるわ!」

 

 突然のラトの発言から始まった。

 

「いや、まて、買い物って何を買うんだ?」

 

「バカね、アンタも。別に買うモノがなかったら買い物に行っちゃいけないわけじゃないわよ。貴族でもあるラトは1人で優雅に買い物を楽しむこともできるのよ。」

 

 つまり暇なのか。たしかに学校に行くわけでないから暇だろうな。・・・あれ?元の生活での亜人種の生活ってどんなのだ?野生に近いのか?

 

「・・・まあ、買い物に行くのは賛成だが、1人では行けないぞ?」

 

「何でよ!?墨須は言っていたわよ、アンタがいなくても外出出来るって!」

 

「それは俺が屋台を開いている時とか用事があってラトのお世話が出来ない時限定だぞ?外出許可証にもそう書いてあるぞ?」

 

「ウソ!?」

 

 ラトは自分が持たされている許可証をガン見している。

 『外出許可証』、これはホストファミリーが傍にいなくても亜人種が外出できるものだ。もちろん、誰でも持てるわけでなくホストが仕事などの特別な理由が必要だ。

 俺は不定期だが、公園で屋台を開いている。それでラトに許可証が配られたのだ。

 

「・・・ほんとだ。」

 

「な?だから、ラトが外に行くなら俺もセットが普通なわけだ。」

 

「そんなぁ~・・・・。これじゃせっかくの計画が・・・」

 

「計画?」

 

「あ!?な、なんでもないのよ!そう、なんでもないの!」

 

 必至になっているがバレバレである。でも、ラトが考える計画もおそらく大した事もないと思うので深く追求はしないでおく。

 

「ほれ、いつまでボサッってしているんだ。さっさと行くぞ。」

 

「で、でも、これはラトが1人で・・・」

 

「いいから、行くぞ。」

 

「あ・・・・。」

 

 ラトは準備しているみたいだし、俺も財布を持てばいいくらいなのでラトの手を握って玄関に向かう。

 

「・・・・・。」

 

「どうした、黙ったりして?」

 

「な、なんでもないのよ!さっさと行くわよ!」

 

 ラトは俺の手を振りほどいて、先に行ってしまった。とりあえず、俺も一緒に行くのに問題はなさそうだ。

 俺は財布と上着を着てラトの後を追った。

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

「もう、折角ラトが1人で出かける筈だったのに・・・。」

 

 今日はアイツがいつもラトのお世話をしてくれているから、ラト1人でもお使いを頼めるというのを見せつけてやる計画を立てたのに、見事にパァになった。

 あの時、いつもの癖でついフルコースを作ってなんていっちゃったけど、あれは本心のつもりはなかった。

 

 ラトはドラゴニュート。ドラゴニュートは自分達のことをドラゴンの一族と言っているけど、そんなことはない。

 生態的に蜥蜴に近い亜人種だから、ドラゴンとの関係なんてない。ただドラゴンに似ているから、ドラゴニュート族って言っているだけ。

 ウソでも上位の種族と思わせる為なのか、それともご先祖が勘違いしたのか分からないけどラト的に言えばいい迷惑。

 

 ホントはもっと構ってほしい。もっと甘えたい。これが本当のラトなのだ。

 いつんも口で言っている、貴族や種族の頂点なんて親からそう言えと小さい頃から言われたからで、そう言わないと褒めてくれなかったからラトはそれに従った。

 一族でそれを隠しているので、プライドを高く持ってなくちゃ仲間外れになる。それを何回も見たことがある。

 それで自然と貴族ぽくフリをしているだけで、本心とは違ったことを言っている。

 そんな理由があるからラト達、ドラゴニュートをステイする家は結構大変な思いをしている。

 

 やっと落ち着ける今のステイ先をラトは失いたくない。

 アイツが怒った時はとっても怖かった。また、人に煙たく思われることが、すごく怖かった。

 でも、満足に謝ることもできないラトをアイツ、●●は毛嫌いにならないで許してくれた。嬉しかったから、つい料理中なのに話し込んでしまったくらいなのだ。

 だから、少し負担が減らすことが出来ればいいなと一生懸命に考えて、今回の1人でのお買い物を思いついた。

 お買いものと言っても、1人でこの辺の町を見て回って土地勘を覚えるのが目的である。

 

「折角、許可証を貰ったのに・・・」

 

 でも、●●との外出も悪くない。なんだかんだでラトに気を遣ってくれる。とても嬉しい。

 

「ま、まあ、折角の外出なんだから、アンタはラトのエスコートを・・・・て、あれ?」

 

 いつもの癖で強気な発言をして、●●とのお買いものを楽しもうと姿を確認しようとして周りを見渡せば、知らない人ばかりでアイツの姿がどこにもいなかった。

 

「な、なんで、さっきまでそこにいたのに・・・。」

 

 まさかアイツがはぐれた?途端に不安になってくる。

 

「な、なによ!どうしても付いて来たいって言ったから、仕方なく!仕方なく、連れてきてあげたのに、なんでどこにもいないのよー!」

 

 強気に出て見たけど、不安が消える訳でなく余計に不安が込み上げてきた。

 

「まったく、普段ラトを子供扱いして注意しているけど、これじゃどっちが子供か分からないじゃない!」

 

 ど、どうしよう。ラトを探していないだろうか?

 あれ?でも、これは逆にチャンスじゃないかな、ここで大人らしく●●を許してあげれば・・・。

 

「し、仕方ないわねー。大人なラトは広い心で許してあげるわ!」

 

 そうすれば、●●もラトに頼ってくれるはず!

 

「そう決まれば、道を引き返して・・・あれ?」

 

 改めて周りを見渡すとあることに気が付いた。

 

「ここ、どこ?」

 

 商店街に向かっていた筈なのに、今いる所は高いビルが立ち並ぶ街中だった。

 ど、どうして?さっきまではアイツの後を付いていたのに。

 ・・・はっ!?そういえば少しよそ見した時に子猫がいてそっちに意識がいっていたような気がする。戻れるかな?

 

「だ、大丈夫。ラトは出来る、そう出来るのよ。」

 

 いつまでここに立っていても戻れるわけじゃないから、道を戻ろうとした。

 

「おいおい、見ろよ。他種族だぜ。」

「ほんとう、私初めて見たわ。」

「ちょっと前に下半身が蛇の女の子いたな。」

「ああ、あれは可愛かった。下半身は駄目だったけど。」

 

 い、いつの間にかに人に囲まれていた。皆がラトを物珍しそうに見ている。

 こ、怖い。でも、ラトはドラゴニュートよ!これぐらいで怖がるような鍛え方はしてない筈よ!

 

「写メとろうぜ、写メ!」

「ちょっとまて、あの子ドラゴニュートだ!」

「え?何が違うの?」

「ばっかっ!ドラゴンの血を引くだの言われてるんだぞ!人も軽々と持ち上げるって政府が公表してるぞ!」

「MAJIDE!?火も吐くかもしれないかも?」

「かもな、下手に刺激しちゃまずいだろ。」

「他種族交流法は?」

「直接的な行為じゃまいと適応されてないし、やっぱ刺激しないでおきべきだ。」

 

 この時ばかりはドラゴニュートの変なプライドに救われた気がした。

 周りの人たちも見てるだけで何もしてこない。い、今の内に戻って・・・。

 

「おい見ろよはにぃ!今度は蝙蝠の羽が生えた蜥蜴がいるぜ!」

「ほんと!おしりからデッカイシッポが出てキモイー!」

 

「っ!?」

 

 声が聞こえる方に顔を向けば、顔が茶色で髪が派手な男女の2人がいた。

 

「昨日は蛇女の連れに酷い目にあったからな!あの黒い女が色々言っていたけど、そんなじゃ俺のハートにとどかないぜぇ!」

「さっすがだぁりん!めっちゃいけてるぅ~!」

 

 へ、蛇!?ラトを爬虫類と同じだなんて失礼しちゃう!

 

「な、何よ!ラトはドラゴニュートなのよ!」

 

「は?どらこひゅーとん?カッコわりぃなぁ!」

「まじうけるぅ~!」

 

 こ、こいつら~っ!

 

「ううぅっ!」

 

「おおっと、他種族は人間様に手は出せないだろう?俺も少しは賢くなったんだぜ!」

「きぁああ、すてきぃー!」

 

「ぐっ・・・。」

 

 そうだ。出かける前にアイツからしつこく言われたやつだ。

 

「こいつらっ!」

 

「お?なんだよ?睨んでるのかそれで?怖くねぇし~。」

「目も赤くなぁい?泣くの?泣いちゃうの?」

 

 もう限界だ。安いプライドが涙を止めてくれている。いっそのこと簡単に大声で泣ければどれだけ楽なのか。

 この場から急いで逃げようとした時だった。

 

「俺の連れが何か失礼を?」

 

「あ・・・。」

 

 急に目の間にアイツの背中が現れた。それはいつもより、とっても頼もしく見えた。

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 やっとラトと合流出来たと思えば、何だこの状況は?

 

 俺は少し目を離したすきにいなくなったラトの姿を必死に探していた。当然だ、どの世界でもどの生き物でも知らない場所で1人はキツイものがある。俺もそうだ。

 異世界で初心冒険者だった頃はビクビクしていたものだ。今ではスッカリ平気だけど。やっぱり人間、1度死ぬ思いをすると結構細かいことは気にしないのである。

 

「なんだ?お前その蜥蜴モドキの連れかぁ?」

 

 おっと、話しが脱線しかけていたけど奴さんのお蔭で戻ってこれた。

 

「ええ、この娘はウチにホームステイしているんで。」

 

「他種族を家にステイってまじかよ~!」

「きも~い!人間やめてなぁ~い?」

 

 オーケー、今の言葉で大体この状況が把握できた。魔法使いの観察力なめんな。

 

「・・・・。」ゴゴゴゴ

 

「ね、ねえ、大丈夫だぁりん?あいつこっち睨んでる。」ヒソヒソ

「だ、大丈夫だ、蛇女の時は周りに人が見てなくて、しかも連れの男に国が絡んでいたから、ああなったんだ。こんだけ周りに人がいたらアイツだって何もできないさ。」ヒソヒソ

「あったまいい~。」

「俺は失敗を活かせるイカス男だ!」

 

 はいしっかり聞こえていますぞ、お二人さん。今の俺は魔法で身体能力向上していて30mくらい離れた所の小石が地面に落ちる音さえも聞こえるスーパーイヤーなのだ。

 ラトを探す為とはいえ、少ない魔力を使ってしまったが後悔はない。ここで使わないでいつ使うのだ。そのお蔭で異様に人が騒いでいた声を聞いてここまで走ってこれた。

 

「ね、ねえ、ラトは大丈夫だから、早く帰ろうよ~・・・。」

 

 俺を心配しているのかラトはこの場からの離脱を促している。

 でもな、身内が知らない間に少しとはいえ泣いていたのだ。俺のせいだとしても、こいつ等には痛い目にあって貰わくては気が済まない。

 

「大丈夫だ、俺に任せておけ。こんな状況、ギガントモンスターに挑むよりマシだ。」

 

「ぎ、ぎが?」

 

「心配しないでお前はそこで見とけ。」

 

「あ・・・。」

 

 ラトの頭に手を置いて優しく撫でて、クソどもに向かい合った。

 

「なんだぁ、なんだぁ。この人だかりで俺らに手をだすのかぁ?やっぱ他種族をステイさせている奴ってのは野蛮な人間だぜぇ~。」

 

 魔法使いなめんなよ?お前らがやってたこと倍以上にして返してやるよ。

 

「ラトはアイツらに何か言ったか?」

 

「う、ううん。特に何もいってないよ。」

 

 なるべく大きな声で周りの人に聞こえるようにして話す。

 

「そうか・・・。いやー、ラトは偉いなー!」

 

「え?」

 

「だってそうだろ?なにせドラゴニュートっていう種族でありながら、黙ってあのバカどもの言葉に耐えていたんだろ?それを良いようにして言葉攻めしているアイツらより大人だなー!」

 

「そ、そうよ!ラトはドラゴニュート!大人なラトは例え罵倒されても広い心で受け止めてあげるわ!」

 

 よしよし、ラトもいつもの調子が出て来たようだ。周りも聞き入っているし、携帯で撮っている奴もいる。ここからが本番だな。

 

「なっ!俺らよりその蜥蜴のほうが頭いいってか!?」

 

「だってそうでしょ?これだけ人の目があるから我慢できるくらいの賢さがあるのに、アンタらときたらこんな少女に寄ってたかって何やってるんだ?」

 

「ほんとのことじゃなぁい!そいつキモイのよ!アンタ人なんだからあたしらの見方しなさいよ!」

 

「どうも見ても悪いのはそっちだろ?誰か、このドラゴニュートのラトがこいつらに言い返したか見ていた奴はいないか?」

 

 これは賭けだ。名乗り出なくてもいいが、いた方が盛り上がる。俺はラトの意外とヘタレな性格に賭ける!

 

「俺は見てたぞ!その女の子は何も悪口言ってないかった!」

「私も見れたわ!そっちの男女が突然に言ってきたのよ!」

「あたしも見た!」「こっちもだ!」

 

「お、おまえらっ!」

 

 おしっ!掴みは上出来~↗!あとはあっちがキレてもっと言ってくれれば。

 

「なに言ってやがる!ほんとのことだろ!蝙蝠の羽が付いた蜥蜴じゃねぇか!」

「そうよ!人じゃないからキショイで何が悪いのよ!」

「そうだ!政府に認可されたか知らねえが、たかが他種族が人間様に刃向うんじゃね!」

 

 ここだ!

 

「いや~すごいな~アンタら!俺には真似できないわ!」

 

「「「「「え?」」」」」」

 

「ちょっと、アンタ何言ってるのよ!」

 

 いきなりの掌を返したような物言いにラトだけでなく、バカ2人と周りの見物客も驚いていた。

 

「だってそうだろ!今じゃこの国と言わず、世界レベルで認可されている他種族をここまで罵倒できるって相当な覚悟がないと出来ないだろ!?俺には真似できそうにないなぁ!しかも、これだけギャラリーがいて証人もいるのに、それでも他種族を否定する姿勢を変えないとか、まじパネェッ!」

 

「「・・・・・。」」

 

 俺の言葉におバカさんたちは見る見るうちに顔が青くなっていく。

 

「他種族で人間をバカにしいるなら、アンタらに賛同できるがどう見たって見た目か弱い女の子だろ!涙目にまでさせて恥ずかしくないのかねぇ!他種族言っている前に人間としてどうだろうな!それに空気を読んで我慢している他種族の方が人間出来ているっておかしい話だよな!これじゃ他種族を嫌っている奴らはこいつ等の何を見てるか分かんないな!何も変わってないじゃないか!」

 

「「・・・・。」」

 

 おう、おう。顔色が青を通し越して白くなってら。ここいらで止めさしとくか。

 俺は何も言えない2人に近づく。

 

「それ以前にさあ・・・。」

 

「「ひっ!」」

 

「俺の身内を泣かしてるんじゃねぇよ!」

 

「「ひひ~~っ!!」」スタコラサー!

 

 何だよ、もうちょっと耐えるかと思えば少し殺気を出しただけで逃げていくのかよ。張り合いがないな。

 魔法使いに口で勝とうなんて思わないことだな。

 

「「「おおおおぉ~!!」」」

 

「な、なに!?」

「ん?」

 

 バカ2人の姿が見えなくなった途端に周りのギャラリーから歓声が上がった。

 

「いいぞ~ステイ先の男!」「カッコよかったわ~!」

「スカっとしたぞー!」「俺は他種族を応援してるぞ~!」

「でも、アンなのに絡まれる前に助けてやれよ!」

 

「ほっとけ!」

 

 こういった所もどこの世界じゃ同じか。

 

「・・・・。」ポー

 

「ん?おーい、ラト?どうした?」

 

「・・・。」ポロ

 

「いっ!?」

 

「グズ・・・。」ポロポロ

 

「ちょ、まて、どこか痛めていたのか!?」

 

「ううぅ~~。」ギュッ

 

「うぇい!?」

 

 ちょ、いきなり涙が出てきたと思ったら今度は抱き着いてきたよこの娘!?

 あの、こういったダイレクトにくることには慣れていないのですが!その豊満なお胸が当たるぅー!しかもこの娘、ブラしてないんだぞ!

 

「「「ヒューヒュー!!」」」

 

 まだ周りに人がいたー!これじゃいい見世物じゃないか!?

 

「取りあえず、ここから離れるぞ!」

 

 俺はラトの手を引いて、急いでここから離れた。

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 ●●があの2人を追い返した時からのことをラトはあまり覚えていない。

 ただ、体の奥から何かが溢れてきて気が付けば抱き着いて、いつの間にか別の場所にいた。

 そして今ラトは・・・。

 

「お、重いとか言ったら承知しないわよ!」

 

「自覚があるなら、おんぶしてとかいってくるなよ・・・。」

 

 そう、コイツにおんぶされている。

 安心したら腰が抜けていて動けなくなっていた。こんな事になっても親は手を差し伸ばしてくれなかったから困った。

 でも、不思議と今は焦るまでいかなかった。それどころか。

 

『抱っこして・・・。』

 

 なんて言っちゃった!どうしようとても恥ずかしいよ!

 何でこんなこと言ったかラトにも分からなかった。けど。

 

「・・・・。」

 

 コイツに背負われて嫌に気もしない。むしろ体がポカポカしている。これはもしかして、秘かに憧れていて本で勉強していたことじゃないのかな?

 

「!?」ブンブンブンブン

 

「?」

 

 な、何言っているのよ!確かに助けに来てくれた時はカッコ良かったし、背中が頼もしく見えたけど・・・。ああ~!ラトは何言ってるの~!?

 

「ごめんな。」

 

「え?」

 

「だから、ごめんな。一度買い物に行ってたから大丈夫だろと思って、ラトから目を離した俺が悪かった。」

 

 なんでアンタが謝るのよ。悪いのはラトなのに・・・。あんたはラトを叱っていいのよ。両親のようにドラゴニュートだから、それくらい自分でなんとかしろって。

 

「そ、そうよ!あんたはラトをステイさせているっていう自覚、いえ責任感はないの?」

 

 違う、そうじゃないの。悪いのは私と言いたいの。

 

「・・・目が赤かったけど?」

 

「こ、これはゴミが入っていたのよ!泣いていないもん!」

 

 違う、とても怖かった。助けに来てくれて嬉しかった。

 

「・・・そうだな。ホントに悪かった。これからはお使いは俺が行くからラトは家で待っていてくれ。」

 

「・・・え?」

 

 嫌だ。1人で居たくない。一緒がいい。

 これはもう隠しようがない。もしかしなくても、ラトはこの人のことを・・・。

 

「・・・。」ギューッ!

 

「おっとっ!・・・ラト?」

 

 頑張れラト、少しでも正直になるのよ。頑張って感謝を伝えるのよ。

 

「あ、あ、あ・・・。」

 

「あ?」

 

「あ・・・当たり前じゃない!ラトは偉いのよ!偉い人は何もしないていいのよ!」

 

 ちがーーーうっ!そうじゃなぁーーーい!!

 

「お、おう。」

 

 ああ、違うのよ、そうじゃないの!頑張れ、頑張るのよラト!少しでいいから勇気をだすのよ!

 

「で、でもラトを守ったことは評価してあげるわ!世帯主にはラトのお世話係として一緒にいてもらうわ!」

 

「ああ、これまでと変わらないで・・・て。ん?ラト、お前今、俺の事を。」

 

「ふ、ふん!これまでの頑張りも評価してアンタを世帯主って認めてあげるわ!ありがたく思いなさい!」

 

「・・・そうか。ありがとな。」

 

「だから・・・。」

 

「ん?」

 

 少し、もう少しだけだから頑張って・・・。

 

「あ、甘えて、いい・・・?」

 

「・・・・。」

 

 これが今ラトができる精一杯の勇気。

 

「ね、ねぇ、答えてよ~。甘えていいの~?」

 

「・・・ぷ。」

 

「わ、笑うなー!!」

 

 失礼しちゃう!せっかくラトが勇気を出して振り絞ったのに!

 

「いやいや、別におかしいわけじゃない。ただ・・・。」

 

「ただ、なによ?」

 

「少しは素直になったか?」

 

「なっ!?別に素直になっていないし!いつもの華麗で高貴なラトだし!」

 

 ああ、せっかくのチャンスがぁ!

 

「いいよ。思いっきり甘えればいいさ。ラトも女の子なんだし、変な遠慮しないでくれれば俺も嬉しいしさ。」

 

「・・・・。」

 

「じゃ、こっちも素直に言わせて貰うとだな・・・。」

 

「な、なによ?」

 

「子供じゃないって言ってるけど、確かに一部は発育いいしな。」

 

「発育?・・・・っ!?」カァー!

 

「役得だし、これくらいは許してくれよ?」

 

「~~っ!エッチ!スケベ!バカ世帯主!」

 

「ははは、聴こえんな。」

 

「バカバカバカー!!」

 

 でも、嫌いになれない。当たり前だ。ラトはこの人間が好きになってしまったんだ。

 こんな正直になれない、少し、すこーし面倒くさいラトだけど、簡単に甘えさせてくれるこの優しい人間を。ラトを思って叱ってくれる人間を。

 今すぐには無理だけど、少し待っててほしい。少しずつだけでも素直になっていくから。

 そして、いつか本当に心から素直になれたなら、貴方を好きっていいですか?

 

 




お疲れ様でした。

どうでしたでしょうか?
今回はオンラインでお世話をしていると出てくる2つ目のエピソードを参考しさせてもらいました。
原作でもアニメでも出てきたあの濃い顔の2人は便利でいいですな。
やりすぎな感じもしますが、後悔はしていません。

原作のようなスケベェなハプニングが少ないかもしれませんが、それは本格的に投稿するさいに気を付けたいですw

主人公の名前もまだ決まってません。思い付きの間はこのままでいいかな。ボソッ

前書きでもいっていましたがラト編はこれで終わりです。
他の2名はやる気があれば投稿します。イラスト勉強中なので、マシになればやる気が出るかもしれません。
今は↓の通りです。

【挿絵表示】


あれ?これラトの高感度60%超えてる?

次に出すキャラが難しいので描けるようになりたいです。
では、また会いましょう!
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