ふーははははは!ざまぁぁぁあああ!!
帰りの船の中で笑うのを堪えながらスマホのような物体で電話をかける。相手は僕がこの世界で初めて会った人でもある元帥さんだ。
あれからもたまに連絡を取っているのだが、未だに本名も階級も教えてくれない。正体不明のおっさんだ。
いい人であることは間違いないんだけどね。
元帥と言う呼び方も僕が適当に考えたものだ。本人もそれを受け入れているから問題はない。
「もしもし元帥さん?濱本です~」
『もしもし?勤務時間内に君から電話を掛けてくるとは珍しいな。確か今日は呉鎮守府との演習だったかな?知恵でも貸して欲しいのかい?』
「あ、それはいいです。もう勝ったんで」
『そ、そうなのか』
勝てるとは思ってなかったのか?あんなオーバースペックの艦娘を持っているだけで満足している奴に負けるわけないじゃん。“これくしょん”と言う意味ではマクロスとかヤマトとか持っているだけで満足しても問題ないんだけど、この世界では艦娘は戦力なのだ。使い方を考えなければならない。7号?知らない子ですね。
「本題に入らせていただきますが、呉鎮守府はブラックだったので処理をお願いします。証拠のデータもあとで送るので」
『あぁ分かった。そのことは任せてもらおう』
「はいありがとうございまーす」
そこで電話を切る。
すると顔を青くした吹雪が話しかけてきた。ほら、船に乗っているときに下向いて本読んでいるから酔っちゃうんだよ。
「司令官、誰と電話してたんですか?元帥とか言う単語が聞こえてきたんですけど」
「僕が勝手に元帥って呼んでるだけの上層部のおっさんだよ」
「…その人の見た目は?」
「まあ、太っているな。あと少し偉そうだ」
直接顔を合わせて話したのはあのときだけだからうろ覚えだけど、確かそんな感じだった。
「それって、もしかしてこんな人じゃ…」
そう言って、読んでいた本を開いたまま僕に差し出す吹雪。そしてこれを見てって感じで右上に刷られてる写真に指をさす。
そこに映っていたのは。あの偉そうなおっさんでした、本当にありがとうございます。
「吹雪、もしかしたら僕今日で提督解任されるかもしれない…」
さっきの吹雪と同じような青い顔になる。やっべーよ。いくら知らなかったとは言えあんなタメ口で話していたと考えると肝が冷える。
「だ、大丈夫ですよ!今までそれでなんとかなっていますからそんな心配ありませんよ!」
「そう、そうだよな…。と、とりあえず謝罪の電話をしなければ…白雪、電話ってどうやって掛けるんだっけ?」
「司令官落ち着いてください!私は吹雪です、白雪ちゃんはまだ居ません。大体私は3文字です!」
「そうだったな響。ダンケ」
「確かに3文字にはなりましたが、彼女は暁型の二番艦であって吹雪型一番艦じゃありません!それと響ちゃんはドイツ語じゃなくてロシア語を話します!ロシア語でありがとうはスパシーバです!」
このあと柱島に着くまでずっとこんな感じだった。当然電話も出来なかった。
次回新編スタート!