第1話
「深海棲艦支配海域に突入、総員第一種戦闘配備!」
「私は航空隊による索敵を行います!」
私が僚艦に命令するとつい先日建造されたばかりの小型戦闘空母(小型と言うが実物は私より大きい)から新型の可変戦闘機VF‐25が飛び立つ。彼女は今まで演習しかしてなかったため今回が初陣になる。
今回の作戦は深海棲艦の拠点となっているトラック島奪還を目的にしている。私が率いる第1艦隊が陽動を担当し、マクロスさんの第2艦隊が島への攻撃を担当する。
第1艦隊のメンバーはヤマト・マクロスクォーター・利根・最上・阿賀野・能代。利根は改二、最上と阿賀野型は改になっている。
普通の水上艦の皆さんは脚に3式追加艤装と呼ばれる長距離航行用の追加艤装を装備している。燃料タンクと大型の推進機関を重巡程度の装甲で覆い船の舷側のような形にして、さらにそれを高角砲を載せるプラットフォームにしている。
高角砲により攻撃力が上がり大きな推力を得られそれ自体が追加装甲になっている。利点だけ挙げれば優れた装備に聞こえるが、高角砲による攻撃力は高が知れてるし大推力と引き換えに機動性は落ちるし、中身が燃料と機関で構成されているこの艤装に被弾したら爆発することは目に見えている。
そのため今回の作戦みたいに移動中のみ使用し、交戦を開始したらパージするような運用が一般的である。
『敵艦隊発見!1時の方向、数は28!』
「全艦砲雷撃戦用意!クォーターさん、距離の報告も!」
初めての実戦で緊張しているのだろう、肝心な情報が抜けている。あと自分達のレーダーへのデータリンクもしていない。
『距離は170キロです!』
まだ遠いわね。ミサイルでの先制攻撃…それで片付けられる数じゃない。
やっと来た開始されたデータリンクで来た敵艦隊の情報を見ながら考える。さっきまで30程度だった敵艦の数も気付けば50を超えている。
「転針面舵30、対艦ミサイル発射用意!私とクォーターさんの航空隊とミサイルで同時攻撃を行います。クォーターさんは航空隊指揮に集中してください。」
『了解!』
私達の提督は変わった人でよく現代の護衛艦に使われている兵装を艦娘用の艤装に改造してさらにそれを大本営の技術部に持ち込むことがある。一部の物は実用化された。
最も評価が高いのは90式艦対艦誘導弾で、今では魚雷よりこちらの方がよく使われている。もちろん魚雷も廃れているわけではなく、潜水艦娘用の89式魚雷が活躍している。
「航空隊、発艦!」
私の艤装後部にある航空機用カタパルトからコスモゼロ2機とコスモファルコン32機が飛び立つ。上を見るとVF‐171が多数飛んでいる。
敵艦隊との距離は151キロメートル、数は60程。これ以上増える様子は無い。
敵艦隊との距離が150キロを切った。航空隊は既に上空で待機している。
「対艦ミサイル発射!」
号令と同時に無数のミサイルが発射される。ミサイルは
しかし距離は150キロだ。相対速度を考えても着弾まで500秒くらいは掛かる。
「艦隊前進、第1戦速」
おそらくミサイルと航空隊による同時攻撃でも全てを沈めることは出来ない。掃討戦を始めることになるはず。そのためにあらかじめ敵艦隊との距離を詰めなければならない。
「着弾まで20秒、航空隊攻撃開始!」
私1人だったら敵の防衛網を突破してその上でトラック島に攻撃できるのに…。
もどかしさを感じながら私は攻撃命令を出した。