死んだ僕は提督に志願した   作:猫舌36@活動停止中

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第4話

第一艦隊が頭が痛くなるような事案を持ち帰ってきたのが17時35分。今は丁度6時を回ったところだ。

未だに解決の糸口が見つからない。

呉鎮守府の工廠爆発事故や吹雪が大破したことや、那珂ちゃんが実は轟沈してしまったLv155の那珂ちゃんの生まれ変わりだったとかが全く気にならない程の問題だ。

那珂ちゃんと夕立が気絶した吹雪と一緒に曳航してきた艦娘、それが問題だ。

医務室に向かうとそこにはベッドの上で寝ている1人の少女。

見た目は大和型一番艦の大和なのだが、それは艦娘本体に限っての話である。

大和型の艤装は本来はU字型なのだが、この艦娘の艤装はY字になっており追加された棒の部分は大きなロケットノズルとその基部の上に第三主砲塔が載っているような構造になっている。またそれらの根元部分にある煙突も上部は赤く塗られており、穴も塞がれているようだ。

まあ、ここまで言えば誰だって分かる。これは戦艦大和ではない。宇宙戦艦ヤマトだ!

勿論波動砲だって装備している。手持ちの銃器として傘の代わりに持っていた九七式自動砲っぽい何かが波動砲の役割を持っているらしい。なぜ九七式自動砲と言い切らないのかと言うとまず弾倉が無い。多分波動砲は基本単発だからだろう。他にも無重力状態でも安定した射撃をするために2脚と後脚を外し変わりにフォアグリップが着けられている。

ヤマト本人は昏睡状態。明石曰く『強い衝撃を受けたものと診断します。命に別状は無いので3日程で目を覚ますと思いますよ』とのこと。

まあ、何が原因で昏睡状態に陥ったかは予想がつくけど。

 

「あっ!提督、ここに居たの!?」

 

「ここは医務室だ、声を小さくしろ」

 

「あぅ、ごめんなさい」

 

「で、何の用かな?」

 

「えーと、提督は私が轟沈した艦娘の那珂の生まれ変わりってことを信じてるのかなーって」

 

そう言えばヤマトの問題で那珂ちゃんのことを忘れていた。

轟沈してしまったLv155の那珂ちゃんの生まれ変わり…まあ、普通は信じないだろう。でも僕自身似たような者だから否定は出来ない。

 

「まあ、信じるよ。僕だって同じ様な体験をしているし。あ、これ皆には秘密な」

 

「へ?提督?提督もなの!?」

 

「そうだけど。それは置いといて、吹雪の様子は?」

 

「えっ?あ、吹雪ちゃんね。入渠を終えてさっき目も覚ましたから多分大丈夫だよ」

 

提督と言う身分になっても詳細を教えてもらえない入渠関係の情報。この世界の提督同士の情報板によるとまず異物を取り出し、次にお風呂と言う名の鋼材や燃料を溶かした修復液を艦娘に浸け、必要によっては高速修復材と呼ばれる修復促進剤を使い損傷を修復するらしい。あくまでも噂だけど。

 

「そうか…大丈夫だったか」

 

「提督は心配しすぎだよ。幾ら駆逐艦だからって軽巡の主砲、しかも榴弾1発じゃそう簡単に轟沈しないよ!」

 

那珂ちゃんは記憶こそLv155のときのままだが、艦娘としての体は建造されたばかりのLv1の状態なので思うように体が動かないらしい。それでも那珂ちゃんの記憶や経験は僕にとっても非常にありがたい情報源だ。

 

「そうか…那珂が言うならそうなんだろうな」

 

「だ~か~ら~、那珂ちゃんって呼んでよぉ!」

 

医務室に那珂ちゃんの悲痛な叫びが響いた。でもあやねるボイスだから僕の耳は幸せだった。彼女は明石につまみ出された。




H29年1月7日追記
誤字修正ありがとうございました。
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