死んだ僕は提督に志願した   作:猫舌36@活動停止中

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ギリギリセーフ!


第5話

ヤマトと思しき艦娘を保護してから一晩明けた。

未だに目覚めない。一晩で目を覚ますとは思わないけど。

起きたら起きたで事情聴取とかめんどいことがあるんだけど。

今なら仕事もそんなに無いし(仕事が回されないとも言う。新興司令部には仕事が無いのだ)艦娘の数も少ないからはっきり言って暇だ。

書類仕事を任せた吹雪が僕がトイレに行っている間に仕事を片付け僕と一緒にヤマトのお見舞いに行けるくらいには暇なのだ。

だから今のうちにそういうめんどいことは済ましておきたい。ついでに呉鎮守府にやり返したい。

まだ起きるまで時間がかかりそうだから医務室を出ようとした瞬間。

 

「うぅん…こ、ここは?」

 

と聞こえた。声まで大和そっくりだ。予想してたけど。

 

「吹雪、廊下で走るなとか口うるさいことは言わないからすぐに明石を呼んで来るんだ。今は工廠で遊んでいるはずだ」

 

「言われなくても分かってます!」

 

「医務室で大きな声を出すな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、医務室に駆けつけた明石に診察を受けた後、まだベッドの上で安静にしているヤマト。

ベッドのそばにあったパイプ椅子を開いて座り、大和のほうを向く。

 

「と言う訳で、ようこそ我が鎮守府へ」

 

「どう言う訳かはまったく分からないですがよろしくお願いします」

 

案外すんなり受け入れてくれて助かったけど。これで『そんなこと言う人、嫌いです』とか言われたら心が折れる。

 

「一応軍記に書いてあるじゃないですか、『作戦海域で保護した艦娘は保護した艦隊司令部所属とする』って」

 

「僕はそんな細かいところまで読んでないよ」

 

全500ページの本なんて読んでられるか。座学の授業で出たことしか覚えてない。それ以外は覚える必要がないとまで言われた。早速ボロが出たけど。

 

「艦娘なら建造時の刷り込みで全て覚えてますよ」

 

刷り込みなんて、SFみたいだな。って、SFみたいなものか。人型兵器が存在してなおかつ量産している世界だもんな。

妖精さんなんてものが居るからファンタジーの世界でもあるか。

 

「まあいいや。正確にはここは鎮守府ではなく泊地なんだけど」

 

「どこの泊地ですか?」

 

「柱島泊地だよ。呉の目と鼻の先だ」

 

そう言った瞬間目の色を変えて壁をぶち破り外に出て艤装展開。

やめてよね、この壁直すのは僕と明石なんだぞ。

その前にまだ安静にしてないといけないんじゃないの?

 

「補助エンジン始動、安定翼展開、上昇角35度。ヤマト浮上!」

 

ご丁寧に何をしているのかを口に出してくれるけど、これから何をするつもりだよ。

 

「主砲三式弾装填。目標、呉鎮守府!」

 

「待って、僕の立場が危うくなるから待って!」

 

やるならもっと離れた所でやって!お願いだから!

 

「すみません、ですがあの鎮守府だけは潰さないと…私の、いえ…私達の気が済みません!」

 

「その前に今攻撃したら所属している艦娘にも被害が出ると思うが…」

 

「…あっ、その可能性を考えてませんでした」

 

こいつはバカなのかアホなのか、それとも天然なのか。それが問題だ。

前2つなら何とかなるかも知れないけど、天然はどうにも出来ない。

両足についてる補助エンジンの出力を落として高度を下げる。

 

「呉鎮守府にどんな恨みがあるかは知らないが、今は休むように。詳しい話は明日聞くことにするから」

 

本当は今日聞きたかったよ。でもね、僕はこれから明石と一緒に壁の修理に取り掛からなければいけないんだ。

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