~舞洲鎮守府・防波堤~
俺と壮介書類を全て終わらせて暇を持て余したんで、壮介の趣味である釣りに興じようということになった。
壮介「時に武氏よ」
武氏「なんだ。壮介よ」
壮介「俺ら三人ってどうやったら逝けると思う?」
武氏「どうした。藪からスティックに」
壮介「いやな。俺らって軍人だろ?軍人って職業は状況にもよるが、命がけの職業じゃねぇか」
武氏「そうだな。確かに。今みたいに深海棲艦との戦争で、いつ死んでもおかしくないわな」
壮介「そこなんだよ。俺が気になってるのは」
武氏「ほう。その心は?」
壮介「俺らは、生粋の職業軍人じゃないだろ?つい六ヶ月前に、いきなり着任した、言わばルーキーよ」
武氏「おう」
壮介「それで、お前が切り出したのは『後方の安全なところで指示は出したくない』というセリフだった。聞いた当初はとてつもない恐怖感に襲われた。だが、今考えてみれば、現場でしか判断できないことが分かった。だが、一つだけ未だに分からないことがある」
武氏「ほう?」
壮介「それが最初に言った『俺らは何時逝けるか』だ」
武氏「壮介。俺らはいずれ死ぬ。人間には寿命があるからな。あの娘たちは知らんが。ただ、これだけは言える」
『まだ死ぬべきではない』と
壮介「ということは、俺たちにまだ『死』という単語を使うことを許されないと」
武氏「そうだ。ましてや、家族の如く接してくれてるあの娘たちを置いて戦場で死ぬことは残念ながら許されていない。許されているのは最前線で敵を叩きのめして帰還すること。そして、敵を叩きのめすのはいいが、その時に忘れちゃいけないのが如何なる敵だろうと敬意を払うということだ。敵さんだって、俺らと立場だけで考えると同じなんだからな。ただ、恨みつらみがある特定の敵に対しても敬意を払えというのは、流石に無理がある。そこは論外だ」
壮介「・・・確かにそうだな。すまん。話を聞いてもらって」
武氏「しかし、珍しいこともあるもんよ。お前が弱音を吐くたぁ」
壮介「六ヶ月前に右足吹っ飛んだろ?」
武氏「あぁ」
壮介「その時から頻繁に考えるようになったんだよな」
武氏「そーなのかー。と言うことで、こんな水臭い話は終わりだ。これ以上水臭い話を書く技量を作者は持ち合わせていない。それと、この作品の性に合わん」
壮介「おい。しれっとメタ発言するのはやめーや」
武氏「作者をディスったことに関しては何も突っ込まねぇんだなw」
壮介「事実だから仕方ない」
作者「泣くぞ・・・」
武氏「そして、作者もしれっと出てくんじゃねぇ!これ書く作業に戻れ!」
作者「扱い酷くね?」
武氏「いいから、とっと書いてこい!」
作者「はーい」
壮介「そう言えば、ここ最近めっきり敵が来なくなったな」
武氏「あぁ、それに関してのことなんだが、深海棲艦どもにもこの鎮守府の噂が広まっているらしい」
壮介「どこで仕入れた情報なんだ?」
武氏「横須賀のとこの提督だったかな?そいつ曰く、深海棲艦が『ここはスツーカ鎮守府じゃないですよね・・・』って震えながら小声で言っていたらしい」
壮介「そりゃ、姫級をズタズタどころか、沈ませた鎮守府だもんな。そら怖がられてもおかしくは無い」
武氏「こちとら出撃できなくて暇なんだよ」
壮介「お前ホント出撃するの好きだよな」
武氏「空飛んでるときの快感と来たら、これはもう、良いぞ」
壮介「俺はごめんだね。お前の後ろに座るのは」
武氏「なんでよ?」
壮介「だって、お前。もう『編隊』飛行じゃなくて『変態』飛行なんだもんな」
武氏「そうか?」
壮介「・・・スツーカで空中ドリフト出来る奴なんかいないぞ?」
武氏「そうなのか?てっきり基本動作さと思っていたが」
壮介「一回お前の中の常識というものを見てみたい」
武氏「もしかして壮介・・・そういう趣味持ってたのか?まぁ、趣味は人それぞれだしいいんじゃないかな」
壮介「お前は一回地獄に墜ちろ」
武氏「まだ死にたくないでゴザル。ていうか、壮介。かかってるぞ」
壮介「マジか・・・よっ!これはかなりのデカ物だな。よいしょ!」
ざばーん!
武・壮「・・・えっ」
釣り上げたのはまさかの「艦娘用の艤装」だった。ただ、ずっと海水に浸かっていたためかかなり錆ていたんで使えるかどうかは分からないそうだ
武氏「この艤装は・・・大きさ的に重巡かな?」
壮介「そう考えて差支えは無いんじゃないかな?」
武氏「まさかとは思うが・・・壮介さんや」
壮介「なんだい?武氏さん」
武氏「この辺に島かなんかあったっけかな?」
壮介「いや、少なくとも俺は聞いたことない」
武氏「・・・こいつぁ楽しみだ」
壮介「はぁ・・・もう、勝手にしてくれ・・・」