王土が『理不尽な重税』で奪った『異常駆動』を使えたりします。ついでに、『人心支配』の使い方が増えています。『跪け』『平伏せ』以外にも何個か。
一部書き直し。
『今日は俺のライブにようこそー!!! エヴィバディセイヘイ!!!』
大声を出しながら、耳をこちらに向ける。きっと返事を返してくれるのを期待してたんだろう。
まあ、誰も返しちゃくれないが。ちなみに僕もだ。
『こいつあシヴィーーー!!! 受験生のリスナー!』
貴方のテンションについて行けないんですよ。
まあ、他の人がもし返事を返したとしても僕は返さないけど…………大声だすのがダルいし……。
『実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!? YEAHHHHH!!!』
無駄にテンション高いなぁ、と冷めた目線。
誰一人として返事を返さない。よく見ると、プロヒーローの[プレゼントマイク]だった。
人気はあるのになぁ………やっぱりテンションが……。
「チッ………うるせえ」
隣の席にはかっちゃん、とてもイラついた様子で舌打ちする。
僕も少しだけ同じ気持ちだけど……かっちゃんと同じ気持ちかぁ…ちょっとなぁ…。
『入試要項通り! リスナーにはこの後! 10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ!!!』
『持ち込みは自由! プレゼン後は各自、指定の演習会場へ向かってくれよな!!』
市街地演習………ねえ。多分、相手は機械だろう。
自分にとっては都合が良いけどね。僕のスキルなら機械でも効果あるし、素でも結構戦えるからね。安心院さんの特訓の成果だよ。
と言うかスキル貰ってから身体能力が異常な程上がってたんだ。スキルの使い方も増えたし。
そんな事を考えていると、かっちゃんが僕の方を覗いてきた。ちなみに僕とかっちゃんは別々です。
「同校同士で協力させねえってことか」
「………そうだね」
「返事すんじゃねぇよ」
やっぱり理不尽だ。返事して何が悪いんだ?
そもそも協力する人なんかいないけどね。知り合いかっちゃんだけだし。
かと言って同じになっても、かっちゃんが協力させてくれる訳ないよね。
プレゼント・マイクは話を続ける。
やはり少しばかり五月蝿いと思ってしまう。かっちゃんも多分そう思っているだろう。なんか嫌。
『演習場には”仮想敵“を三種・多数配置してあり、それぞれの「攻略難易度」に応じてポイントを設けてある!!!』
『各々なりの”個性“で”仮想敵“を行動不能にし、ポイントを稼ぐのが君達の目的だ!!』
プレゼント・マイクの言った事に、少しビックリした。
もっと厳しいかと思っていたからだ。敵を全て殲滅しろ………とか、周りの人同士で戦う……とか色々するのかと思ってた。
まあそっちの方が楽なんだけどね………かっちゃんに爆破されたくない。
「んだよクソデク………見てんじゃねぇ」
うわっ、見てるのバレた。
「チッ………」
更に機嫌を悪くしてしまったのか、舌打ちをして凶悪な目付きで前を睨む。
ただでさえ悪人面が犯罪者顔に…………っと、失礼かな?
かっちゃんと話している内に、プレゼント・マイクの話は続いていく。
『もちろん他人への攻撃等、アンチヒーローな行為はご法度だぜ!?』
かっちゃんがやりそうだな~、なんて事を思った。
かっちゃんだったら周りの受験生全員、叩き潰して行きそう。
と言うか僕だけ狙ってくるかも………。
「質問よろしいでしょうか!?」
『オーケーエェィ!! メガネボーーイ!!』
メガネの人が質問をしようとしている。
ちょっと優等生っぽくて嫌だな、あんなの。僕的には苦手な類いの人種。
「プリントには四種の敵が記載されております! 誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!!」
あ、本当だ……今気付いた。
かっちゃんは多分気付いてたっぽいけど………んー、今後は観察力の特訓も要るかな?
観察力ってどうやって鍛えればいいのかな?
「我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めて、この場に座しているのです!!」
ちゃんとしてるな~、とメガネの人を見ていると、何故かこちらまでに飛び火が掛かってきた。
「ついでに、毛が尖っている君!」
「あ? んだよ、メガネ」
かっちゃん………何でそんなに喧嘩腰なの? メガネは失礼だよ。
「かっちゃん………メガネは失礼だよ」
「うるせえ……デクが命令すんな」
なんでさ………僕は注意しただけでしょうが。なんと言う扱いの悪さ………かっちゃん酷い。
「先程からボソボソと……気が散る!!!」
聴こえていたのか?
地獄耳だなぁ…………無視してくれても良かったのに。凄い真面目な人に絡まれてしまった。
真面目とかっちゃんが混ざり合うなんて…………考えられないよ!
「物見遊山のつもりなら即刻、雄英から去りたまえ!」
物見遊山…………ねぇ………かっちゃんとかはそんなつもりじゃなかったけど、やっぱり真面目な人はそう言う事考えちゃうんだ。
少し苦手かな、あんな感じの人。
「物見遊山? はっ、んな訳ねぇだろ……メガネ」
「むっ! 誰がメガネだ誰が!!」
「お前以外に誰が居んだよ」
あー、やっぱり喧嘩みたいになった。最悪じゃないか。
目立ちたくはないのに………
僕は溜め息をついた。この状況に溜め息をつきたくなってもしょうがないじゃないか。
僕の知り合いが隣で喧嘩腰なんだから。巻き込まれたらどうしよ………。
すると、今まで黙っていたプレゼント・マイクが、
『ストップだぜ!! ダブルボーーイ!!! 喧嘩なら試験の相手に売っちまえ!!』
そりゃそうだ。
かっちゃんには関係ないと思うけど。誰にでも喧嘩売ってるし。
『オーケー? ダブルボーイ』
「………チッ…………うぜぇ」
「出過ぎた真似をし、すいませんでした!!」
かっちゃんはイラつきながら座り、メガネの人の方は、直角90度と言わんばかりな頭の下げ方だ。
やっぱり真面目だ。
『んじゃ、さっきの質問答えるぜ!! 四種目の敵は0P! そいつは言わばお邪魔虫!!』
『各会場に一体! 所狭しと大暴れしている「ギミック」よ!』
大方、巨大ロボットとかそんなもんかな。ま、でもあんまり関係ないけどね。
僕のスキルってロボットにも一応効くし………と言うか電子機器は全部か。
「有難う御座います、失礼致しました!」
そして、プレゼント・マイクの話は終盤に入る。
『俺からは以上だ!!! 最後にリスナーへ我が校”校訓“をプレゼントしよう』
『かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った! 「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!』
『”Plus Ultra“!!!』
『それでは皆、良い受難を!!』
頑張りますか。
本気だして、頑張って、安心院さんに顔向け出来るようにしなくちゃ。