僕のスキルと安心院さん   作:レインコート

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緑谷君の『人心支配』は特殊です。
王土が『理不尽な重税』で奪った『異常駆動』を使えたりします。ついでに、『人心支配』の使い方が増えています。『跪け』『平伏せ』以外にも何個か。

一部書き直し。


No.3 このメガネ、真面目につき

 

『今日は俺のライブにようこそー!!! エヴィバディセイヘイ!!!』

 

 

 大声を出しながら、耳をこちらに向ける。きっと返事を返してくれるのを期待してたんだろう。

 まあ、誰も返しちゃくれないが。ちなみに僕もだ。

 

 

『こいつあシヴィーーー!!! 受験生のリスナー!』

 

 貴方のテンションについて行けないんですよ。

 まあ、他の人がもし返事を返したとしても僕は返さないけど…………大声だすのがダルいし……。

 

『実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?  YEAHHHHH!!!』

 

 

 無駄にテンション高いなぁ、と冷めた目線。

 誰一人として返事を返さない。よく見ると、プロヒーローの[プレゼントマイク]だった。

 人気はあるのになぁ………やっぱりテンションが……。

 

「チッ………うるせえ」

 

 

 隣の席にはかっちゃん、とてもイラついた様子で舌打ちする。

 僕も少しだけ同じ気持ちだけど……かっちゃんと同じ気持ちかぁ…ちょっとなぁ…。

 

 

『入試要項通り! リスナーにはこの後! 10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ!!!』

『持ち込みは自由! プレゼン後は各自、指定の演習会場へ向かってくれよな!!』

 

 

 市街地演習………ねえ。多分、相手は機械だろう。

 自分にとっては都合が良いけどね。僕のスキルなら機械でも効果あるし、素でも結構戦えるからね。安心院さんの特訓の成果だよ。

 と言うかスキル貰ってから身体能力が異常な程上がってたんだ。スキルの使い方も増えたし。

 

 そんな事を考えていると、かっちゃんが僕の方を覗いてきた。ちなみに僕とかっちゃんは別々です。

 

 

「同校同士で協力させねえってことか」

 

「………そうだね」

 

「返事すんじゃねぇよ」

 

 

 やっぱり理不尽だ。返事して何が悪いんだ? 

 そもそも協力する人なんかいないけどね。知り合いかっちゃんだけだし。

 かと言って同じになっても、かっちゃんが協力させてくれる訳ないよね。

 

 プレゼント・マイクは話を続ける。

 やはり少しばかり五月蝿いと思ってしまう。かっちゃんも多分そう思っているだろう。なんか嫌。

 

『演習場には”仮想敵“を三種・多数配置してあり、それぞれの「攻略難易度」に応じてポイントを設けてある!!!』

『各々なりの”個性“で”仮想敵“を行動不能にし、ポイントを稼ぐのが君達の目的だ!!』

 

 プレゼント・マイクの言った事に、少しビックリした。

 もっと厳しいかと思っていたからだ。敵を全て殲滅しろ………とか、周りの人同士で戦う……とか色々するのかと思ってた。

 まあそっちの方が楽なんだけどね………かっちゃんに爆破されたくない。

 

「んだよクソデク………見てんじゃねぇ」

 

 うわっ、見てるのバレた。

 

「チッ………」

 

 更に機嫌を悪くしてしまったのか、舌打ちをして凶悪な目付きで前を睨む。

 ただでさえ悪人面が犯罪者顔に…………っと、失礼かな? 

 

 かっちゃんと話している内に、プレゼント・マイクの話は続いていく。

 

『もちろん他人への攻撃等、アンチヒーローな行為はご法度だぜ!?』

 

 かっちゃんがやりそうだな~、なんて事を思った。

かっちゃんだったら周りの受験生全員、叩き潰して行きそう。

 と言うか僕だけ狙ってくるかも………。

 

「質問よろしいでしょうか!?」

 

『オーケーエェィ!! メガネボーーイ!!』

 

 メガネの人が質問をしようとしている。

 ちょっと優等生っぽくて嫌だな、あんなの。僕的には苦手な類いの人種。

 

「プリントには四種の敵が記載されております! 誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!!」

 

 あ、本当だ……今気付いた。

 かっちゃんは多分気付いてたっぽいけど………んー、今後は観察力の特訓も要るかな?

 観察力ってどうやって鍛えればいいのかな? 

 

「我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めて、この場に座しているのです!!」

 

 ちゃんとしてるな~、とメガネの人を見ていると、何故かこちらまでに飛び火が掛かってきた。

 

「ついでに、毛が尖っている君!」

 

「あ? んだよ、メガネ」

 

 かっちゃん………何でそんなに喧嘩腰なの? メガネは失礼だよ。

 

「かっちゃん………メガネは失礼だよ」

 

「うるせえ……デクが命令すんな」

 

 なんでさ………僕は注意しただけでしょうが。なんと言う扱いの悪さ………かっちゃん酷い。

 

「先程からボソボソと……気が散る!!!」

 

 聴こえていたのか? 

 地獄耳だなぁ…………無視してくれても良かったのに。凄い真面目な人に絡まれてしまった。

 真面目とかっちゃんが混ざり合うなんて…………考えられないよ! 

 

「物見遊山のつもりなら即刻、雄英から去りたまえ!」

 

物見遊山…………ねぇ………かっちゃんとかはそんなつもりじゃなかったけど、やっぱり真面目な人はそう言う事考えちゃうんだ。

 

 少し苦手かな、あんな感じの人。

 

 

「物見遊山? はっ、んな訳ねぇだろ……メガネ」

 

「むっ! 誰がメガネだ誰が!!」

 

「お前以外に誰が居んだよ」

 

 あー、やっぱり喧嘩みたいになった。最悪じゃないか。

 

 目立ちたくはないのに………

 

 僕は溜め息をついた。この状況に溜め息をつきたくなってもしょうがないじゃないか。

 僕の知り合いが隣で喧嘩腰なんだから。巻き込まれたらどうしよ………。 

 

 すると、今まで黙っていたプレゼント・マイクが、

 

『ストップだぜ!! ダブルボーーイ!!! 喧嘩なら試験の相手に売っちまえ!!』

 

 そりゃそうだ。

 かっちゃんには関係ないと思うけど。誰にでも喧嘩売ってるし。

 

『オーケー? ダブルボーイ』

 

「………チッ…………うぜぇ」

 

「出過ぎた真似をし、すいませんでした!!」

 

 かっちゃんはイラつきながら座り、メガネの人の方は、直角90度と言わんばかりな頭の下げ方だ。

 やっぱり真面目だ。

 

『んじゃ、さっきの質問答えるぜ!! 四種目の敵は0P! そいつは言わばお邪魔虫!!』

『各会場に一体! 所狭しと大暴れしている「ギミック」よ!』

 

 大方、巨大ロボットとかそんなもんかな。ま、でもあんまり関係ないけどね。

 僕のスキルってロボットにも一応効くし………と言うか電子機器は全部か。

 

「有難う御座います、失礼致しました!」

 

 そして、プレゼント・マイクの話は終盤に入る。

 

『俺からは以上だ!!! 最後にリスナーへ我が校”校訓“をプレゼントしよう』

『かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った! 「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!』

 

『”Plus Ultra“!!!』

 

『それでは皆、良い受難を!!』

 

 

 

 頑張りますか。

 本気だして、頑張って、安心院さんに顔向け出来るようにしなくちゃ。

 

 

 

 

 

 





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