僕のスキルと安心院さん   作:レインコート

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今回、少しだけ原作改編する。     

あ、ちなみにヒロインは二人。


No.4 バトルクライ

 模擬市街地に到着した………広い。

 改めて雄英の凄さを知った。何で学校の中に市街地なんかあるんだよ、みたいな事は思わなかったり、思ったり。

 

「…………んー、どうなるかな?」

 

 やっぱり少しだけ緊張する。別にガタガタ震えたりはしないけど。

 ちなみに僕の格好は、どっかの学生服らしい。夢の中で、安心院さんがくれた物だ。餞別だってさ。

 

「っし………!」

「フフ……」

 

 他の人達は自信あり気に佇んでいるけど、なんであんなに自信満々なんだよ………って言いたくなる。

 

 僕は結構緊張してるのになぁ。

 

 あ、よく見ると”個性“に合わせた装備してる。

 つっても僕のスキルに合わせた装備ってないよね。何だろう…………うん、何もないや。

 

「………………」

 

「さっきのメガネの人だ………」

 

 すると、視界にメガネの人が見えた。あ……同じ会場だったんだ。

 何か注意されたりして………離れるか。離れておけば大丈夫でしょ。

 

 

『ハイ、スタートー!』

 

 唐突にプレゼント・マイクの声が聴こえた。僕を含めた受験生の中で動揺が起こる。

 

『どうしたあ!?

実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!!』

 

 それはごもっとも、でも実戦じゃなくて模擬試験ですけど。

 

『賽は投げられてんぜ!!?』

 

 その言葉と同時に、僕以外の人達が一斉に走り出した。

 

「…えー………」

 

 取り残された感が凄い…………出遅れたじゃんか。そうな事言ってる場合じゃない。

 僕も行こっと。

 

 少し遅れ、前にいる皆の後を追いかける。

 

 その時、僕は安心院さんの言っていた事を思い出していた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

『緑谷君………はいコレ』

 

 そう言って手渡されたのは、学生服だった。って何で? 

 

 意味がわからないです。

 

『ふふっ………意味がわからない……って顔してるね』

 

 お見通しだったようだ。

 だって本当に意味がわからないんですよ、サイズとかは合ってると思いますけど。

 

『餞別だよ。僕からの』 

 

 学生服をですか?

 いつ着れば良いですか、これ。

 使い道がわからないです。学校に着ていく訳にもいかないですし………。

 

『もし、戦闘があったりした場合、それを着ると良いよ………緑谷君』

 

 戦闘って……何か機能でも付いてるんですか? この制服。

 明らかに普通の制服ですよ? 

 

『うん。普通の制服だよ?』

 

 いやそんな普通でしょ? みたいな事言われても。

だったら着る意味ないと思います。

 無難にヒーロースーツとかで良いんじゃないですか?

 

『わかってないな~、緑谷君。君のスキルに合うヒーロースーツなんかある訳ないでしょ? とにかく………機会が有ったら着てね?』

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 本当に着る機会があるなんて…………てか安心院さん知ってたんじゃ………絶対知ってたよ、あの人。

 

 安心院さんの事を考えていると、目の前の壁が破壊された。どうやら仮想敵のようだ。

 大きさからして、1Pだと思われる。

 小型とは言え、自分よりも大きい存在………まあだからと言って何なんだ、と言う話なんだが。

 

『標的捕捉、ブッ殺す!!』 

 

 そうして僕に近づいてくる。

 スピードは少し速いが、決して止められないレベルではない。

 と言うか安心院さんに比べると雲泥の差の差だ。あれと比べる事自体が間違っているんだが。

 

 残り4m程まで来たので、色々やってみるか……まずはスキルによって得られた身体能力からだ。

 

「おらっ!」

 

 仮想敵に対して、蹴りを喰らわせる。パァン! と言う音と共に敵が弾けとんだ。真ん中から全身に掛けて砕けているみたいだ。

 予想以上の威力に、僕は開いた口が閉じない………と同じ位驚いてしまった。どうやら僕の想像以上に身体能力は向上していたようだ。

 しかし、慣れるのには少し時間が掛かりそうだと思う。

 

 こんな威力の攻撃、人に向けられないよ。

 

『ブチ殺だー!』『ブチ殺、ブチ殺!!』

『やっちまえー!!』『もじゃ殺!!』

 

 何故だ…………何故か僕が狙われてる気がする。気のせいとは思えないんだが。

 最後の奴、もじゃとか言ってるじゃないか。もしかして砕いたから怒ってんのかな? 確かに他の人と比べると壊れ具合が異常だが。

 だが、あっちから向かってくるなら好都合だ。

 

 一つ一つ的確に破壊して、スクラップにしてやる。

 

 

「ふっ!」

 

 一体目、下に潜り込み蹴りを一発。

 

「このままッ!」

 

 二体目、うつ伏せ状態から飛び上がり回し蹴り。

 

「いって!」

 

 三体目、回し蹴りの回転を利用し裏拳。

 

「ラストォォ大切断ッッ!」

 

 最後の四体目は、間接に手を捩じ込み引き裂く。

 この攻撃に掛かった時間、およそ3秒半。

 

 向かってきた4体の敵を、目にも留まらぬ速さで叩き潰した。少しだが力加減に慣れてきた。

 この調子で叩き潰していこうと思ったら、ビルを遥かに上回ると言わんばかりの敵が表れた。これがプレゼント・マイクが言っていたギミックとやらだろう。 けど、いくらなんでもこれはちょっと………。

 

「デカすぎない?」

 

 こう言うのを圧倒的脅威って言うのかな? てか僕の攻撃って効くかな………『言葉の重み』が通用するかどうかわからないな。

 あー、でも機械だったら効くと思うし。

 

 そんな事を考えてる内に、いつの間にか周りの受験生は逃げていた。

 そりゃそうだよね………あれに喧嘩売る人なんて居ないよ、普通。僕も売らないけどね。ワザワザ死地に出向くなんて言う自殺行為、するだけ無駄だ。

 そう思い逃げようと思ったが―――

 

「…………………ん?」

 

 誰かいる。逃げ遅れたのかな?

 少し分かりにくいけど、ギミックの下に人が倒れている。それがわかった時には、既に体は動いていた。 どうやら僕は、結構なお人好しらしい。

 

「痛ッ…………………あー、最悪…………」

 

 黒髪で、耳からはイヤホンのような物が延びている。見たところ女子だろうか。

 とにかく急ごう。

 

 走って女子に近づき、声を掛ける。

 

「大丈夫?」

 

「…………大丈夫に見える? て言うか………誰?」

 

 そう言われても仕方ないか。

 急に声を掛けたんだからなぁ………まあ大丈夫には見えないけどね。

 

「誰って…………んー、助けにきたお人好し」

 

「…………あんたって馬鹿?」

 

 酷いな、助けに来たのに。まあ馬鹿と言われても仕方のない事をしてるけどね。

 ワザワザ死にに来てるような物だし。

 

「………ウチの事………ほっといて逃げれば?」

 

「駄目だよ。見捨てるなんて出来ないし、どっちにしてももう逃げられないよ」

 

 そう、もう踏み潰されても可笑しくない所に居る。

 どちらにしてもほっといて逃げる、と言う選択肢は僕には存在しない。

 

「掴まって」

 

「えっ? ちょっと……待っ」

 

 そのまま女の子の体を持ち上げる。俗に言う、お姫様抱っこ…………と言う物だ。

 ここじゃなかったら明らかにセクハラになるレベルです。

 

「ちょ…………っ………止め…!?」

 

 ジタバタしているが、全く落ちる気配がない。当然だ、女の子はただでさえ怪我をしている上に、僕の力も上がっている。

 

 落とす訳がない。

 

 

「降ろせ! は、恥ずかしい!!」

 

「ゴメン。今ちょっと無理かもしれない。だから少し、掴まってて………ね…!」

 

 そう言った瞬間、ロボットの腕が僕達の居た所を直撃した。どうやらギリギリだったようだ。

 

 そのままビルの壁に張り付いた。

 ただし足だけで。

 

「えっ!? ど、どうなってんの!?」

 

 女の子は驚いているが、答えるのも少し面倒なので無視する事にし、後で沢山謝ろうと思う。

 暴れて落ちるのも駄目なので、更に深く抱き寄せる。

 反論しようとするが、それは却下。

 

「舌噛むよ………静かに」

 

「…………えっ………ちょっ…………」

 

 ロボットは僕に気付いたようだ。さっきとは反対の腕で、こちらに向けて攻撃しようとする。

 その時、良い事を思い付いた。

 

 『言葉の重み』を使おうと思う。

 悪いのはあっちだからな、壊しても文句は受け付けないです。

 

 

「それじゃあ………………喰らえ」

 

 

 

 

 

        「『平伏せ』」

 

 

 

 

 

 

 

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