俺が拠点に帰ると安心院のやつは俺の想像した漫画を読んでいた。
俺は嫌われる覚悟をして挨拶をする。
「ただいま」
この挨拶にもさすがに慣れてきた。
もともと小町にしかまともに挨拶してなかったから、慣れるまでが大変だったな・・・
せっかく慣れたのにその安心院にも嫌われるのか。
なんやかんやで一番一緒にいたからな、できれば嫌われたくないなって思っている。
安心院はこっちに顔を向けると口をひらく、
俺はどんなことを言われるのかとドキドキしていた。
「おかえり、どうしたんだい?今にも自殺しそうな顔をして」
「へ?」
「ん?なに驚いているんだい?」
「いや、え?・・・なんで・・・」
普通にいつも通りの安心院だった。
「本当にどうしたんだい?」
「いつもより目も腐っているようだし」
そんなにひどい顔だろうか。
「・・・厄介なスキルを持ってしまってな」
「誰からも嫌われるというスキルだ。」
ちなみに
まだ安心院を信用できていない、というかまだ他人を信用したくないんだろう。
「なるほど、それで僕が普通の対応だったのに驚いたというわけか」
「あぁ、それでなんでスキルの影響を受けていないんだ?」
「僕にはスキルを無効化するスキル
「よかったね、僕に嫌われなくて」
「というか比企谷君だけを嫌うなんて
安心院には嫌われないですむわけだ
まあ、一人でも嫌われないだけましだな。
「なんだいその顔は、僕だけじゃ不満なのかい」
「いや、そういうわけじゃないけどよ・・・」
「比企谷君は”ぼっちなだけの人外”だって自分でいいながら他人を求めるのかい?」
「そ、それは・・・」
「"本物"が欲しいからかい?」
「!?」
「なんでそのことを!」
「比企谷君は知らないだろうがたまに君は"本物が欲しい"と寝言で言っていたりするんだよ」
「それに無意識だろうが君は"本物"という単語を口走っているんだぜ」
・・・
「比企谷君にとっての"本物"とやらが何か知らないがどんなものかなんとなく予想できたよ」
「その反応からするにあたっていたようだね」
そんなに俺はわかりやすいのだろうか。
「・・・あたっているからなんだってんだよ」
そうだ、それがわかったからってなにかができるわけじゃないんだから・・・
「なんとかしてあげようか、そのスキル」
やっぱりそうなるよな・・・ん?
え?
「いや・・え?・・なんて?」
「だからさ、なんとかしてあげようかっていってるんだよ」
「できる・・のか?」
「できるよ、それくらい僕からしたら一瞬だぜ」
「じゃあ!・・・」
「そうあわてるなよ、その前に比企谷君のいう”本物”についてどう思っているのか君の口から教えてくれよ」
「なんでそんなこと・・・」
「君の言う”本物”についてハッキリさせたいだけだよ」
「それともこのまま永遠に”本物”とやらが手に入らくてもいいのかい?」
・・・
「安心院はこの世界に”本物”ってあると思うか?」
「それを僕に聞くかい?」
「世界は”偽物”ばかりだ」
「人の心は簡単に変わる」
「人はいくらでも嘘をつくし、すぐに裏切る」
「友達、親友、恋人、家族、それらが”本物”であると言い切れるか?」
「アニメや小説のような確かな絆も、深い友情も、真実の愛も、最高の仲間も・・・」
「でもそんなあるかもわからないものだったとしても」
『俺は”本物”が欲しいんだ』
「安心院はそんなものあると思うか?」
安心院はどう思うだろうか。
「さあ?あるんじゃない?」
「そんな適当な・・・」
「逆に”本物”がないと言い切れないだろう?」
「だいたい僕は
まあ確かにそうだよな。
「でだ、八幡君の言う”本物”とは表裏のない関係ということでいいのかな」
「・・・まあ・・そんな感じだよ」
「じゃあさ、比企谷君は僕との関係をどう思っているんだい」
「安心院との・・関係?」
「そう、僕は比企谷君に表裏なく接していたつもりだけど君にとってそれは”本物”ではないのかい?」
「・・・」
「比企谷君は”本物”とやらを手に入れたことがないからわからないんだろうけど、これだって見方によっては君の言う”本物”なんじゃないかな」
「そ、それは・・・」
「確かに僕は
「僕は比企谷君の言う”本物”ではないのかもしれないけど、君の言う”本物”に近いものではあると思うよ」
・・・
「だからさ、きっと”本物”もすぐに見つかるさ」
・・・
「そう・・・なのかな」
俺は3兆年ぶりに泣きそうになっている。
「そうだよ、じゃあスキルをどうにかしようか」
「どうするん・・・」 チュ
「!?」
キスされた。
なかなか唇が離れない。
〜数秒後〜
やっと離れた。
「はぁはぁはぁ」
安心院は唇に指をあててなんか乙女みたいな顔をして言った。
「うふっ! よりによって比企谷君なんかに僕の大切なファーストキス、あーげちゃった☆」
いや、え! なんだったんだ今のは!?
俺は混乱した。
マジで焦った。
頭が真っ白になった。
すると安心院は何もなかったかのような顔をして言った。
「なーんてね 今の
・・・
・・・
「おーい、どうしたんだい」
「僕のキスにメロメロにでもなったかい?」
「え!あ、いや」
俺は放心していたようだ。
まあ、スキルは何とかなったから良かったのかな?
こうして俺は安心院に救われたのだった。
ちなみにその日俺は安心院とのキスを思い出してしまい寝むれなかった。
うん、キスってやばい。
いやだってあんな美少女にキスされたんだ。
気にしないでいられるわけがないだろ!
明日からどんな顔であえばよいのだろうか・・・
どうだったでしょうか。
変ではないでしょうか。