やはり俺が人外なのはまちがっている。   作:KN HR

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そうして俺は初めて親の愛情を知る

 

俺はまたあの場所にいた。

 

”天の声”に会ったあの場所だ、

 

またあの声が聞こえる。

 

”もう死んだんだね、さすがに早すぎだと思うよ”

 

やっぱり俺は死んだんだよな、

 

これからどうなるんだろうなと思っていると天の声はこういった。

 

”なにあきらめたような顔してるんだい?”

 

「何言ってんだよ、俺はまた死んだんだろ」

 

「さすがに次はないだろう」

 

 

ああそうだ、これで本当の終わりに決まっている。

 

俺は転生してまた死んだんだ、さすがにそんなに人生は都合よくできていない。

 

俺は知っている、人生がどんなに理不尽かを。

 

 

”確かに君は死んだよ・・・だがまだ君の物語は終わらないし、終わらせない”

 

”君はこれから《永遠に》生き続けなければならないのだから"

 

(え?)

 

「・・・どういうことだ」

 

"そのままの意味だよ"

 

"君は死なない"

 

"正確には死んでも生き返るのさ"

 

"そして老いもしない"

 

”不老不死というやつだよ”

 

「・・・なんてことをしてくれたんだ!」

 

俺は俺らしくもなく怒鳴った。

 

"死にきれないのがそんなに恐ろしいかい?”

 

「当たり前だろ!」

 

"君は本当に面白いね"

 

"どれだけの人が不老不死を夢見ていると思っているんだい"

 

「・・・そいつらと一緒にするな」

 

 

俺は少しずつ冷静になってきた。

 

だが俺はこいつを許せそうにない。

 

俺は自分でも驚くほどの低い声で"天の声"に言った。

 

 

『それで、なぜこんなことをした?』

 

"お〜なかなかのマイナスだね〜"

 

"これは将来が楽しみだね"

 

『何を言っている?』

 

『早く質問に答えろ』

 

"あ〜そうだね、面白そうだから転生させたのに死なれると意味がないからね"

 

"もうどうしようもないんだから諦めなよ"

 

 

『生きるっていうのがどんなに辛いことだと思っているんだ!』

 

 

"だから力を与えるといっているんだよ"

 

"生きるってことが楽しいと思えるくらい強くなれとね"

 

"いままで君は弱いから、全てにおいて下だったから見下され拒絶され続けていたんだよ

 

 

『そうだとしても俺はこんなこと望んでい・・・』

 

俺の怒鳴り声をうち消すように"天の声"が感情のこもった声で話しはじめた。

 

 

"僕は君に同情したといっていただろう?"

 

"僕はね、君に幸せになって欲しいと本気で思っているんだよ"

 

 

その声は親が子供に言い聞かせるような俺が感じたことのないあたたかさのある声だった。

 

 

"君は親の愛情を注がれずに育ったから、わからないかもしれないが"

 

"僕は君を本当の自分の子供のように思っているよ"

 

"新しい命を与えたのは僕だから親というのもあながち間違っていないしね"

 

(・・・)

 

俺はなにか言葉を返すつもりだった。

 

 

・・・だがなぜか言葉がでなかった。

 

 

涙が頬を濡らす。

 

 

"泣く程嫌だったのかい?"

 

 

いつのまにか泣いていたようだ。

 

俺ってこんなに単純だっただろうか。

 

それでもこの声になぜか安心してしまう自分がいる。

 

「・・・嫌ってわけじゃ・・・ない」

 

 

"それは良かった"

 

"これからは僕のことを実の親だと思って接してくれよ"

 

俺にはこの誘いを断ることはできなかった。

 

「・・・たよ」

 

"よく聞こえないなぁ〜"

 

(絶対こいつニヤニヤしてるな)

 

「わかったっていってんだよ!」

 

"あっはっは!怒鳴るなよ"

 

"少しからかっただけだよ"

 

"まあ、これで僕達は親子だ"

 

「・・・血はつながってないけどな」

 

"そんなの関係ないさ、大事なのは気持ちだよ"

 

「・・・気持ちね」

 

"そうさ、そして僕は君の親になったんだ"

 

"だから君、いや八幡君と呼ぼうか"

 

名前で呼ばれるだけでとても嬉しく感じてしまう。

 

"まず親としてやるべきことをやろうか"

 

「なんだよそれ」

 

"いままで八幡君が心に溜め込んでいたものを吐き出そうか"

 

「どういうことだよ」

 

"八幡君は自分の本当の気持ちを誰かに伝えたことがないだろう?"

 

"嫌なことは全部吐いちゃったほうがらくになるよ"

 

"僕は親になったのは初めてだけど、八幡君が辛そうにしているならその辛さを一緒に分けあってあげるのが君の親になった僕の義務だ"

 

 

俺はまた泣きそうになってしまった。

 

"八幡君は自分が精神は強いと思っているかもしれないが、そんなことはないんだ"

 

"八幡君は弱い、だがそれは悪いことではないよ"

 

"親にとって自分の子が弱いのは当たり前だ"

 

涙が零れ落ちていく。

 

"弱い子どもを助けられるのは親にとってとても嬉しく誇らしいことなんだ"

 

"だからそんな弱い八幡君を僕に助けさせてくれないかな"

 

 

涙が止まらない。

 

俺がこんなに泣いたのは初めてだ。

 

俺は今日初めて弱音を吐いた。

 

 

あれが辛かったとか、

 

あれが悲しかったとか、

 

なんで俺がこんな目に遭うんだとか。

 

俺は何時間も話し続けた。

 

天の声はうんとかそうだねとか相づちをうってくれた。

 

それだけで安心し気がらくになっていく、

 

親ってのはすごいんだなと実感できた。

 

今日は俺にとっていままでで一番幸せな日になった。

 

 

 

〜そうして俺は親の愛情を知る〜

 




読んでいただきありがとうございます。

変な展開になってしまいました。
すみません。
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