扇矢萩子の捜査録~艦これRPGリプレイ~ 作:長谷川光
某所で私は打ち合わせのために友人Y氏と会っていた。第二部の第二回のシナリオ作成中、ようやく鈍い私は気が付いた、いや彼から気付かされたのである。
ーそもそもTRPGというゲームはマイナーゲームであり、その用語が多用されるこの文章は時に難解なものに陥っているという事実に!!ー
ここではまず、TRPGとはそもそも何であるのかから説明しようと思います。TRPGの経験あるし、用語もだいたい分かるぞ!という皆さんはここをかっ飛ばして頂いても大丈夫です。
まず「TRPG」というのはテーブル(table)を囲いながら談話形式(talk)で、ある人物を演技する(Role-Playing)遊び(Game)です。なのでTRPG(テーブルトークRPG)と呼ばれており、本来「RPG」はこの種のゲームを指す言葉でした。
これをコンピュータ相手に1人でもプレイ可能にした物が、現在主流となっているコンピュータゲームのRPGです。(ドラクエとかテイルズとか)
そしてこの小説はオンライン上で参加者が集まって遊んでいる様子の記録(チャットログ)を小説形式に書き直した、リプレイです。
元々の文章がチャットログであるため、本文中では次のような書き方多用されます。
ケース1 (キャラの名前):「<キャラクターの台詞>」
例)出雲:「…私は出雲、遣支艦隊の旗艦を拝命している。」
ケース2 (キャラの名前):<メタ的な視点での、キャラの演じ手(プレイヤー)の言葉>
例)清霜:とっさだったから回避補正あるの忘れてた(
ケース3 (キャラの名前):『[キャラの台詞]』 /日本語以外の言葉で喋っていることを表現している。
例)海鴎:『あたしは海鴎 所属は中華民国!これでいいんでしょ!』
*第六話以降から徹底されています。
次に、このリプレイ内で頻出する用語をあげます。
GM:ゲームマスターのことです。TRPGに於けるゲームのシナリオ作成から司会進行役、またゲームの審判役までを務める参加者。本リプレイでは投稿者がこの役目を務めています。
PL:プレイヤーのこと。TRPGのGM以外の参加者で、各自一人のキャラクターを作成してゲームに参加しています。
PC:プレイヤーキャラクターの略。シナリオ上でのPLの操作キャラ。第三話以降では「清霜@」の用に@マークがキャラの名前に付けられているのが目印。艦これに登場するキャラ(オリジナルの艦娘は除く)はだいたいPC。
NPC:ノンプレイヤーキャラクターの略。PC以外のキャラを指します。「出雲」の用に@マークが付かないのが特徴。艦これに登場する艦娘以外のキャラはだいたいNPC。
ダイス:サイコロの事。艦これRPGでは六面体ダイスを複数使用します。
セッション:TRPGの参加者が集まり、解散するまでの一回のゲームプレイをさします。つまり章のような単位
サイクル:PCが一回ずつシーンを行うことを示す単位。
シーン:PCが行動を行うシナリオでの最小単位。「判定」という行動を行うことでシーンの成功の是非を占う。
*カレンダーに於ける「月」がセッション、「週」をサイクル、「日」をシーンとすると分かりやすいか。
nD6(nd6とも):n個の六面体サイコロを振ることを意味する。 例えば3d6とは三個のダイスを振ることである。
>=:≧の簡略化したもので、「~以上」を意味する。
ダイス判定:ゲーム中で、成功するかどうか分からない出来事が起きた際にサイコロを振って、出た目の和。 若しくは出た目の結果、判定が成功したかどうかを示す場合もある。(判定については下記参照)
オンライン上での遊びなので、仮想空間上でオープンダイスを降って成功するかどうかを判断することで、その結果のこと。
「システム:」と書かれている場合もある。
例)2d6>=5 ダイス判定:2d6=[3,4]=3+4=7>=5 成功 の様に書かれているがこの意味は以下の通り。
二個のさいころを振って出た目の和が5以上の場合、この行動は成功する。ダイスを振ったところ、二個のさいころの出目はそれぞれ3と4。その和は7であり5以上なので、この行為は成功したとする。
個性判定:単に判定とも呼ぶ。 PCは6×11個ある個性の中から六個まで個性を拾得することが出き、判定ではGMが指定した個性に対して拾得している個性から、GMが指定した個性までの距離を基準値5に足し算した数を目標値として、判定する。 という、TRPGに無縁の方に説明するにはやたら難しいシステム。
無個性判定:上記での個性を判定に使わない判定。補正として技能のレベル分を判定の達成値に+補正することが出来る。
第一部第二回「上海文化競進会」から使われている用語で、GMは <無個性判定*/技能補正:**> のようにしてプレイヤーに条件を提示している。
再判定:判定行動を再度行うこと、その際に行動力を1d6の結果分だけ減らすことが必要。(行動力については下記参照
これら二つの判定は次のようにリプレイでは書かれています。
個性判定の例
飛龍@:恋愛で代用して……目標値9か。だがしょうがない。
ダイス判定: (2D6>=9) → 4[1,3] → 4 → 失敗
無個性判定の例
GM:<無個性の判定です。目標値9でお願いします> 直感ボーナスつきでーす
響@:2d6+4>=9 難易度高いな
ダイス判定 : (2D6+4>=9) → 7[2,5]+4 → 11 → 成功
目標値:判定の際に成功の条件となる値
達成値:判定の際に、実際に二個のダイスを振って出した目の和に技能レベルなどの修正値を足したり引いたりした最終的な値。この値が目標値以上の時、「判定に成功した」としています。
スペシャル:2d6を振った結果6と6(六ゾロ)が出たときのことを指す。あらゆる判定が成功したとして扱われ、場面によっては行動力の回復や攻撃火力の増加などが起きる。
ファンブル:2d6を振った結果1と1(一ゾロ)が出たときのことを指す。あらゆる判定が失敗したとして扱われる。艦これRPGではアクシデント(本文中ではactなどで表記される)がランダムで発生する。
技能:GMのセッションに於ける独自のパラメータ。セッション毎にPCたちが獲得する経験点を支払うことで獲得することが出きる。
CQCやshoot、cookなどなど
行動力:PCのテンションやモチベーション、士気などを表す数値で本家艦これでのコンディション値のようなもの。
資材:燃料・弾薬・鋼材・ボーキサイトの四種類で、行動力を回復したり装備開発を行ったり際に消費する。 特に行動力を回復するためにPCが消費する際には「食べる」という表現がしばしば使われる。
感情値:相手を思う気持ちを数値化したもので、セッション中に上昇することがある。
声援:感情値を持っている相手に対して行うことが出来る支援行為。達成値を感情値分上昇させたり、攻撃した際のダメージ算出に使うダイスの個数を感情値個増やすことが出来る。 基本的に一度しか使えないが、感情値が上昇することで再度使用することが出来る。
任務:シナリオで決められた目的。PCたちはこれを達成するために行動を行う。
最後に、このリプレイは大日本帝国憲法下の昭和日本を舞台にしています。
海軍からは井上成美や長谷川清(第一回)など、陸軍からは石原莞爾や辻政信、海外からは蒋介石などの著明人の姿や影がちらほらと登場しています。また当時の軍内部の派閥抗争や世界情勢を反映させています。
「このような事態は起こり得ない」ということがしばしば起きていますが、そこら辺も含めて楽しんでいただければと思っています。
それでは、お待たせしました。
扇矢萩子の捜査録、スタートです!