深淵歩きの古代スタート   作:ゼノモフ

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どもこん!ゼノモフです。
完全に勢いだけで新シリーズを始めましたがこっちも頑張ります。


第13話:深淵歩きの旅出

「それじゃあ、私は行くよ。」

 

決闘の日から1週間が経っていた。

「本当に行くの?」

 

「ああ、神を滅ぼす存在である私がここにいては、評判は良くないだろうしな。」

 

私は旅立ちを決意していた。

言ったとうりに、私がここにいてはいけないと思ったからだ。

 

「神奈子、諏訪子をよろしく頼むよ。こいつは少々、危なっかしいところがある。」

 

「わかった。…まあ、いつでも帰ってくるといい、私達は待っているよ。」

 

「じゃあ…行ってくる。」

 

そう言って私は、神社を後にした。

 

そうだ…あの老人に礼を言わなくては。

 

ーコンコンー

 

「はい…あなたか。」

 

「ああ、貴公の貸してくれた剣で助かったのでな、礼を言いに来た。」

 

「そうか…なら良かった。こちらからも、村を救ってくれてありがとう。」

 

「では刀を…」

 

「いや、その刀は持っていくといい。自慢ではないが…剣豪には剣の思いすら読み解くことができる。不思議なものでな…長年使われた剣は少なからず持ち主への忠誠を抱くのだ…そいつと儂は70年は共に戦ってきた、年月をかけども、その鋭さは失われていない。素晴らしい剣だ。…こんなところでこの老人と錆らせるのは勿体無い。そいつは儂の意思だよ。」

 

「そうか…ありがとう。この剣は頂いていく。」

 

「ああ、旅に出るのだろう?」

 

「そうだが、なぜわかった?」

 

「勘だよ、年寄りの。…そして、きっとこれが今生の別れになる。」

 

「そうか…名前だけ聞かせてくれ。」

 

「妖忌だよ…魂魄妖忌だ。」

 

「そうか…では妖忌、さよならだ。」

 

「ああ、さようなら。」

 

私は村から出て行った。

この先も、出会いがある限り、別れもあるのだろう…。嗚呼、なぜ人はこんなにも寿命が短いのか…

 

 

〜7ヶ月後〜

 

 

私は、旅を続けていた。様々な集落や村に滞在し、出会いと別れを繰り返してきた。

そして今は…

 

「そこの、私の右斜め後ろにいる妖怪出てこい。」

 

ーガサッー

 

「なぜ、わかったんですか?」

 

「お前は妖怪だろう?妖力は完璧に隠せているが、尾行がお粗末すぎる。」

 

「では、なぜ妖怪と?」

 

「妖怪には霊力も神力も存在しない。魔力はお前には微妙に存在していたが、魔法使いにしては少なすぎるよ。」

 

「お見それ致しました。私は、八雲紫と申します。」

 

「そうか、私はアルトリウス。」

 

「ええ、知っていますとも。私は、あなたを捜してここまで来たんですから。」

 

「ほう、だがなぜ私の事を?」

 

「情報の筋は少なく、すべては戯言と扱われていますが…あなたの情報はあります。少なくとも、千年以上前、この地上には凄まじい文明を持った都市が存在し、月に移ったと。そして、その時に妖怪の襲撃を、たった1人で退けた騎士がいると。」

 

「なるほどな。…で、私を捜していたのだろう?用件は?」

 

「私は、妖怪と人間の共存できる世界を創りたいと思っております。…ですが、私1人ではとても実現不可能な夢です。あなたに…協力して頂きたい。」

 

「構わない。で、私は具体的に何をすればいいのだ?」

 

「私に稽古をつけていただきたい。ある程度の強さが無ければ、あのような大きな夢、実現は砂漠の中から針を見つけ出す方が楽なほどです。」

 

「そうか…私の修行は厳しいぞ?」

 

「ついて行かせていただきます。」

 

「そうか…ならば一緒に来い。少なくとも50年は修行だ。」

 

「よろしくお願いいたします、師匠。」

 

「ああ、よろしく頼むよ。…あと、敬語を取ってくれ、堅苦しくてたまらない。」

 

「いえ、そのようなわけにはいきません。師弟の間には敬いが無ければ。」

 

「む、そうか…ならばそのままで構わない、だが、いつでも敬語はとっていいぞ?」

 

「ええ、機会があれば。」

 

かくして、私はこの少女と旅をすることになった。

 

〜10年後〜

 

「おお、綺麗な花だ。」

 

「ですね、これはなんというのでしょうかね?まるで太陽のような。」

 

「あなた達は?」

 

現れたのは緑色の髪をした女性であった。…ちなみに妖怪というのはある程度の外見年齢をとったらそこで固定されるらしい、ちなみに今紫は成長が止まって、完全に大人の姿だ。

 

「すまない、君の花だったか、綺麗なもので見ていたんだ。」

 

「そう…ついてくるといいわ、奥に私の家がある。」

 

「すまないな、行くぞ、紫。」

 

「あ、はい。」

 

「で、君、名前を聞いていいか?」

 

「私は風見幽香、幽香でいいわ。よろしく。」

 

「ああ、よろしく、私はアルトリウスだ。こっちは…」

 

「八雲紫よ、よろしく。」

 

「ついたわ。」

 

「ここは?何もないようだけど…」

 

「紫、目を凝らしてみろ。」

 

「え?はい…これは?」

 

「見えたか?」

 

「ええ、見えました。しかしこの術は?ものを透明にさせる術など聞いたことは…」

 

「ああ、おそらく西洋の技術だろうな。『見えない体』という術を見たことがある。それの改良版じゃあないか?」

 

「ご名答、種族は妖怪だけど、妖力も結構あってね、いい使い方を考えていたら、魔術にたどり着いたわ。にしても、よくわかったわね。初見で見破った人はいないのに。」

 

「そうだったか?意外と見えるものだぞ?」

 

「そう、ならこんど強化しておかないと。」

 

「全く見えませんでした。」

 

「魔力に対する修行も必要だな。」

 

「まあ、上がりなさい。」

 

「邪魔する。」

 

「お邪魔します。」

 

部屋の中はそこまで広くはないが、1人暮らしには十分であろうスペースがあった。

 

「待っててね、今お茶を淹れるから。」

 

「ありがとう。」

 

「すまないな。」

 

少し経つと、幽香がお茶を持ってきた。

 

「なぜ幽香はこんなところで1人暮らしを?」

 

「私は自然発生型の妖怪でね、当然親はいないわ。生まれた時から1人だったし、この力のせいで、他者とは馴れ合えなかった。でも、不思議なことに、花とは喋ることができたのよ。それからは、素敵な花を探していろいろなところを渡り歩いて、最終的にここに行き着いたわ。もともと、ここにはあの花が数本生えていてね、あの花がとても気に入ったのよ。」

 

「なるほどな、あの花に名はないのか?」

 

「ないわね。考えたこともない。」

 

「そうか。」

 

「で、あなた達は何故こんなところに?結構辺境なはずなんだけど…」

 

「ああ、私たち2人は旅をしていてな、偶然ここに行き着いたんだ。」

 

「ちなみに私が弟子。」

 

「そうなの。次の行き場所は?」

 

「いや、決まっていないよ。」

 

「そう…ならここに泊まっていくといいわ。」

 

「すまないな。」

 

「お世話になるわ。」

 

かくして、私たちは彼女と出会った。




ありがとうございました。
本当にアルトリが倒せねぇ…誰か白書いてくれませんかね?
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