今回で月移住です。まあおきまりの…
ついに月移住の日だ。
ロケットは昼に打ち出される。食料を失わないため、妖怪が一気に攻め込んでくるかもしれないというので、軍人たちがロケットを防衛するそうだ。
依姫も軍に所属しているらしい…心配だ、あいつほどの使い手が妖怪程度に遅れをとるとは思えないが…
私たちは今ロケットに乗り込んで出発を待っていた。
ーズガァァァン!!ー
やはり来たか。
私は座席のシートベルトをとって外に出た。この都市の軍人はあまり多くない。手練れは多いが妖怪の数が多すぎる。
急いで前線まで走る。
「ア、アルトリウスさんだ!」
「ほんとだ!」
ロケットの乗り込みが一番最後の平民がこちらに気づいたようだ。
「早く逃げろ!妖怪は軍と私で食い止める!」
走りながら体の中で深淵をためていた。
そして妖怪を見つけた瞬間。深淵で私をかたどり、妖怪を倒すように仕向けた。この深淵それぞれが私と同じぐらいの力をもつ。その上50体ほどを放ったのだ。これでしのげるだろう。
50体を都市の周りに配置して、戦わせる。
「軍の全員に告ぐ!!私の分身を50体放った!!連携して妖怪を倒せ!!」
そう声を張り上げる。
確実に数は減ってきている。だが、いかんせん数が多すぎる。
その妖怪の群れの中に強い妖力を持つ者が5体ほどいる。
私の分身は地の力は私と同じだが、あまり高い知性を持っていないので、この5体に勝つのは難しいだろう。
私は群れを成す妖怪を斬り、斬り、斬り、斬り、道を作って5体の中でも1番妖力を持っている妖怪の元に走る。
強い妖力を持つ妖怪は大体が人型だ。
私の前にいるこいつも例に漏れず人の形をしている。体全体をボロ布で覆っているので姿は見えないが、おそらく人の形だ。
そいつに対して、一気に間合いを詰め、首をはねる。
正直言ってこの程度大したことない。私にオーンスタインほどの速さはないが、視認できないぐらいのスピードは出せる。残り4体の強い妖怪を分身4人組で倒すように仕向ける。
残りの34人は変わらず軍人とともに戦ってもらう。
すべての強い妖怪を始末したあと。軍に退却命令が出たようだ。軍人達は続々と退却する中、依姫はまだ戦っていた。
「おい!依姫!早く退却しろ!」
「師匠!見捨てることはできません!」
「馬鹿野郎!私がこんなところで死ぬものか!」
「っ!」
妖怪が依姫に襲いかかってくる。
だが、依姫はそれに反応できないぐらい弱くはない。
妖怪を逆袈裟に切りつけて胴体を両断した。
「依姫!早く退却するんだ!私もすぐに追いつく!」
「わかりました!絶対ですよ!?」
「ああ、わかっている!」
分身を1体読んで依姫の護衛をさせる。
「前線は私がしのぐ!そいつが道を開くからついていけ!」
「はい!」
依姫は走って行った。前に方向に深淵による攻撃を放つ。
前方5キロほどの敵は消し飛んだ。
そろそろ軍の退却は終わったか!?
ーヒュウウウンー
そんな音がした。上を見てみると巨大なミサイルが落ちてきていた。
あれはやばい。私の本能がそう言っている。すべての深淵分身を体に戻し、深淵も推進力にして全力で逃げる。
「クソッ!」
すまない、依姫、約束は守れそうにない。
間に合わない。
爆発は天まで届くのではないか?というほどの爆風だった。
向かってくる爆風より早く逃げる。だが。やはり無理だ。
やがて爆発に飲まれてしまった。
朦朧とする意識のなか、空へ飛ぶ宇宙船を見て、確かな満足感を感じながら、意識の糸を切った。
第1章完!