しかし今思い至りましたが、最強キャラって一人旅にするとか考えないとオーバーロードの二次小説は難しいですね。
今回は三人称です。三人称の方が良いようでしたら、今後も三人称でいこうかと思うのですがね
最後に今回は短めです。
騎士がこれとは…
「見るがいい。そして思い知れ。これが【王の酒】というものだ」
部屋の一室でジャージ姿の男が骸骨に向かって喋っていた。
手には自身の用意したワインを注ぎながら。
「AUOさん。俺は食べ物とか飲み物をとると骸骨の隙間から抜けちゃうんですよ」
「ふん、つまらんな」
男はそんな乾いた反応をする骸骨にこれまた乾いた反応を返す。
骸骨は一生懸命、鏡を操作している
「おっ、祭ですかね?」
骸骨は自分が写っているはずの鏡を見て言うが、これはマジックアイテムで、自分の顔ではなく周囲の地形などを調べられるアイテムなのだ。
男はワインを楽しみながら、その鏡の中を見て睨んだと思ったら、骸骨が次の場面を鏡に映すと同時に消える。
ーーーーーーーー
駆け抜ける銀閃に音は無く、風も置き去り、五感で捉えられるのは月の光を反射した刀身の煌めき。
そしてその銀閃の正体は刀。装飾は一切なく、禍々しさも流麗さもない。闇夜に紛れては月の光を反射して煌めいた光だけが唯一の装飾といえるだろうか。
刀が向かう先には鉄の塊。いや、鉄の塊は動いている。ならば、生物なのだろう。鉄の塊は命を乞うている。ならば、動物なのだろう。
鉄の塊は命を乞うが、それを見ている男にはそんなものに価値はない。
「雑種」
鉄の塊には許される道理などなかったのだ。命を乞うた時には、宙を翔ける一筋の銀閃があり、背を向けて逃げ出した時には、鉄の塊は壊れたマリオネットのように崩れ落ちていた。
男はその双眸に何を映しているのだろうか?その紅蓮の虹彩は憤怒のようとも、情熱のようともとれる輝きを放っていた。
…いや、男を知るものであれば、その目には何も写っていないと答えるだろう。
男は、夜の帳も落ちたこの刻に、真昼の如き燦然と輝く黄金の鎧を見に纏い、それに負けない金色の髪を夜風に靡かせ、太陽のごとき赤い双眸は自身の放った一本の真剣に向けられていた。
男の偉容は、まさしく王としか形容できず、一目見れば目を離さぬその容貌も、王として当たり前であるかのように受ける。
男が手を真剣に翳すと、その真剣は宙に浮き、次いで高速で男の身元まで飛び帰り、男の肩の上で滑空する。
真剣は空間に波打たせたかと思うと、今度は何も空間に引き摺り込まれていくかのように、その刀身を消していく。
その場には恒星のように輝く鎧を纏った男が圧倒的な存在感を示しているだけで、後には何も残ってはいない。
僅かばかりの静謐も、男が視線を歪む空間に向けると霧散する。
「AUOさん、終わりましたか?」
現れた者は、この場に王として現界していた男、AUOに声をかける。
声をかけるからには生物なのではあろう。しかし、漆黒を封じ込めたかのようなローブをその偉丈夫に纏い、怪異という例えが様になりそうな仮面を顔に貼り付け、絶大な威風をこの場に撒き散らすこの生物には、他の生きとし生けるものものとは一線を画すものがあった。
故に、AUOは口元を緩めその者の言葉に返答する。
「モモンガか。雑種の掃討は完了した」
「そうですか。
アルベド、
偉丈夫、モモンガと呼ばれた男は、後ろに控える全身鎧に身を包んだ者、アルベドに声をかける。
アルベドはモモンガの言葉に一歩前に出て、報告する。
「アインズ様、この村を襲っていた騎士どもの殲滅、鎮圧は完了したようです」
モモンガは本来、アルベドに聞かなくても思念でわかるはずなのだが、うっかりアルベドに問いを投げかけている。
アルベドはモモンガが試しているのだと思い、しっかりと感知をした上で間断なく答える。
しかし、この言葉を受けて、AUOは眉をひそめモモンガに尋ねる。
「モモンガよ、アインズとは改名をしたのか?」
「え、ええ。悪かったでしょうか?駄目だと言うのなら戻しますけど」
そのモモンガ、いやアインズの言葉にAUOは間髪も入れずに少し頬を緩めながら自分の考えを言う。
「慢心せずして何が王か、だ。貴様も王になることを望んだのだ。誰に何を言われようとも気にする必要はないのだ」
「AUOさん……」
アインズはAUOのその一言は単に自分の意見に肯定的な意見であると考えた。
しかし、この場にいるAUO、アルベドの両名はそんなわけではなく、守護者達が忠誠を誓ったアインズ・ウール・ゴウンになるといったアインズに感心しているのだった。
その喜びも束の間、アインズはこれからの方針を決定する。
「では、
「はっ!」
その言葉にAUOが頷き、アルベドがアインズの言葉に同意を示すと、アインズは魔法の名前を唱える。
「〈
アインズは重力を無視したかのように浮き上がり、それに次ぐようにアルベドも飛行する。
それを見ていたAUOは手をかざし、先程の真剣の時と同じく空間に波を発生させる。
空間の水面から姿を現したのは、黄金とエメラルドで作られた黄金帆船。大きく開かれた飛行船の翼の周りには、光球が浮かび、そのどれもが確かなエネルギーを感じさせ、あたかも星の意思であるかのような光輝。絢爛たるはまさしく之。
現れた輝舟の名は、ヴィマーナ。一言で言うなら、戦略兵器。水銀を燃料とする周りの光球によって太陽エネルギーを発生させ駆動するが、水銀の用意などは必要ないので、言い換えれば永久機関の殲滅兵器である。
しかし、今回の用途は飛行であるので、AUOはヴィマーナに飛び乗り、ゆっくりと飛行しモモンガの横で滑空する。
「では行こうではないか、モモンガ」
かなり速い速度で宙を駆り、鎮圧の完了したところに飛ぶ。
数秒でAUOたちも目視できる所まで来たのだが、地上にいるものたちは皆同じ姿勢で平伏している。
アインズは直立して動かない
「AUOさん、生き残りの数が多いですね。どうしましょうか?殺しますか?」
「雑種ごときに手を汚すのは吐き気がするが、あやつらの蛮行は裁かねば、同じようにつけ上がる雑種が出てきてはかなわん。」
「AUO様の手は煩わせません。私が雑種の首をはねましょう」
悪辣な会話をしているがここにいる者たちは、既に人間などという下等な存在のことは、自分たちの利から捨てている。
しかし、アインズは一応この世界の知識を得たいと思っているので、村人の心象が悪くならないように配慮する。
「アルベドよ、私があいつらを一時的に逃がすから、お前はあいつらが見えなくなったところで切り捨てろ。可能な限り、生き残らせるやつに周りの連中が死んだことを悟らせるな」
ーーー帰ってみたら、一緒に逃げていた奴らが消えている。一生のトラウマだろうなぁ。
「はっ!」
ーーーアインズ様、つまりあれですね!あのいつかAUO様が仰っていた国土錬成陣!つまり、この辺の国を使って賢者の石をつくるんですね!
アルベドはアインズの言葉を、どう持っていけばそうなるのか訪ねたくなるような曲解をして聞き取っていた。
それに国土錬成陣はそんなものではないのに、殺せばなんとかなるという考えはアルベドの余程の狂乱ぶり故だろう。
アルベドは元から漆黒の全身鎧だったので、そのまま闇に紛れるように消えていった。まあ、AUOの乗るヴィマーナの光で一人がどこかに去っていくのを、きっかりと村人に目撃されていたが。
AUOとモモンガの二人は着陸すると同時に願ってもいない歓迎を受ける。
「神よ…!」
「我らを救いたもうた、神よ!感謝します!」
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
「うわあああああ!ありがどおおおお!」
神と讃えるのが多いのだが、なんとも分からないといった表情をするAUOとなんじゃこりゃと驚くモモンガ。
しかし、AUOは我慢ならなかった。
「うるさいぞ!雑種が!我を神などと一緒にするでないわ!」
AUOがそう言うとピタリと讃える声は止み、呆然としている騎士たちは急に取り繕うように跪く。
それを見たアインズは自己紹介をする。
「はじめまして、諸君。私はアインズ・ウール・ゴウンという」
それには誰もが唖然としている。
「騎士たち諸君には生きて帰ってもらう。そして諸君の上、飼い主に伝えろ」
アインズは騎士の一人の元まで足を使わずに、ふわふわと移動する。
その姿は神と敬った存在にしてみたら至極当然で、これが神!と村の人々は思っていた。
それからは騎士の兜を剥いで、仮面越しではあるがアインズは目を合わせた。
「この辺りで騒ぐな。騒ぐような時は最後、消滅するまで貴様らの悪夢は終わらない」
ーーー本当に止めとかないと、AUOさんがブチ切れちゃうぞ?
騎士は震える体で何度も首を縦に降る。
それを見ながら、AUOは蔑みの目で眺めながら、少しばかり笑っていた。
「行け。貴様らの反応が楽しみだ」
ーーーさあ、誰が生き残るかな?
騎士たちは転がるように必死に逃げていく。
AUOはモモンガの様子を見ながら考えていた。
ーーーモモンガさん、あんたいつの間にそんなクズになったんだ?
元はと言えばAUOが騎士の間引きに賛成しなければよかったのに見事な手のひら返しである。
モモンガは
「さて、君達はもう安全だ。安心してほしい」
「神よ!感謝します…!」
モモンガはこんな反応しかしてくれない村人に若干の憤りを感じながら、話を進めようと言葉を続ける。
「この村が襲われていたのが見えたのでね。助けに来たのだ」
「雑種ふぜいを助けることもなかったがな」
ーーーあんたは何言っての?AUOさん、ここでそんなこと言ったら話が進まないじゃないですか!
モモンガはこの言葉を帳消しにしたいが出来ないことと、この人のことだから、どうせ何かを言ってもまたこういう風に口を挟んでくるだろうと思い、次の一手を打つ。
「ここに来る前に姉妹を見つけてね。連れてくるから、後で話し合いの場を設けてもらってもいいかな?」
逃げの一手だった。
時間が夜になっているのはカッコつけたかったからです。
マーレとデミウルゴスとのちょいちょいがなかったのは、忠誠の儀の直後だったからと考えてください。