ゴーストにダイヤ演じる小宮さんが登場するそうですが、よりにもよって仕事がががが
ともあれ小宮さんはこれでスーパー戦隊、ウルトラマン、仮面ライダーの各特撮作品に出演したことになるんですね。そんな人が夏に放送されるサンシャインでダイヤの声優を務めるというのだから凄いなぁとしか言いようがないです。
5/31(火)内容を若干変更しました。
「さあ、ショータイムだ!」
ファントムと呼ばれる化物を目の前にしても動じない魔法使い。その後姿は堂々としていて言葉通り自分の舞台を開演しようとしています。
『君を助ける』
―朦朧とした意識の中、私に駆け寄ってきた若い男性はそう言いました
―もはや絶望していく自分をどうにもできそうにありません
―ですが、私は信じます
―彼の言葉を
―
♢♢♢♢♢
「貴様、指輪の魔法使いか!」
「ご名答。つーか気付くの遅すぎでしょ」
「チィッ! やれ、グールども!」
「「「「グゲエエエエエ」」」」
厄介なことになったと判断するや否やミノタウロスは灰色の魔石をばら撒いた。現れたのは身体が石のように罅割れ、灰色の小鬼のように二本の角を生やしたグールと呼ばれるファントム。その数は十体ほど。中には槍を持った個体もいるな。けど大した脅威じゃあない。グールは通常のファントムとは違って思考能力が著しく低く、ファントムからの簡単な命令しか実行できないからだ。
『コネクト・プリーズ』
コネクトで取り出した大型の銀色の拳銃―――ウィザーソードガン。この武器は状況に合わせてガンモードとソードモードに切り替えることができる優れもので、ガンモードだと弾丸の軌道を自在に操ることだって可能だ。
「ハアッ!」
ウィザーソードガンを片手で構え襲いかかって来た複数のグールに連射。マズルから撃ち出された弾丸は悉く命中し確実にダメージを与えていく。撃ち込まれた弾丸によってできた銃創からは黒に近い緑色のような血が流れ出しているのがわかる。今撃ち込んでいる弾丸は普通の弾丸じゃない。これは俺自身の魔力で生成した銀の弾丸だ。警察官に支給されているような普通の拳銃どころかミサイルでもグールにダメージを与えることすらできない。
―ファントムを倒すことができる方法はただ一つ
―それは魔法のみ
―すなわち俺だけにしか倒せないということだ
「「「「グゲエエエエエ」」」」
今度はガンモードからソードモードに瞬時に切り替え次々に斬りつける。全身をバネのようにして放つ縦横の回転運動を駆使したアクロバットな動きで敵を幻惑しながら斬撃や蹴りを放つ。まるで蝶のように舞い、蜂の如く刺すように―
グールは大した能力を持たないけど、特徴的な部分としてタフという点がある。タフと聞けばそれだけで厄介なように思うけど、それもたいしたことじゃない。如何に異形な存在であっても行動を起こしているということは、生きていることの証左だ。いずれ限界が訪れる。もっともファントムを純粋な生物のカテゴリーに当てはめて良いのか甚だ疑問ではあるけどね。
「「「「グゲゲゲゲゲエ……」」」」
銃撃と斬撃、それに蹴りを立て続けに喰らったことでグール達は疲労困憊といった様相を呈していた。グールに疲労という概念や痛覚があるのかは定かではないけど、かなり消耗しているみたいだな。
―ここで一気に決める!
『キャモナ・シューティング・シェイクハンズ! キャモナ・シューティング・シェイクハンズ!』
ソードモードを再びガンモードに切り替えてソードガン中央部にあるハンドオーサーの親指を引いて展開させ、スタイルチェンジ用のウィザードリングを嵌めたまま握手することで、各属性を込めた必殺技、シューティングストライクを発動させることができる。
『フレイム! シューティングストライク! ヒー・ヒー・ヒー!』
銀の弾丸にフレイムスタイルに応じたエレメントの力を付与したことにより、ソードガンの銃身―――エクセレントクリスタル内部で魔力が増幅し眩しく光る。銃口―――ブライトンマズルからは炎が激しく吹き出し今にも焼き尽くす時を待っているかのようだ。
―あとはトリガーを引くだけだ
「……おやすみ」
聞こえるか聞こえないくらいの大きさでボソリと呟き、俺はトリガーを引いた。
『『『グゲエエエエエエエエエエエエ!』』』
マズルから次々に連射された火炎弾はグールの群れを悉く焼き尽くし、直撃を受けたグールは前面に赤い魔法陣が浮かび上がると同時に断末魔の声を上げて爆散した。
「さてと。残りはお前だけみたいだな」
「おのれぇ!」
目の前に対峙する牛の姿を模した頭部に二本の角を生やしたファントム―――ミノタウロス―――が斧を振りかざして突撃してきた。その様はまるで荒々しい猛牛を思わせるが如く、尋常ならざる怪力を誇っているのが見てわかる。あれを受けてしまえばちょっとやそっとのダメージでは済まないだろう。
振り降ろされた斧をバックステップで躱し、斧を勢いよく振り降ろしたことによる重心移動で下がった頭部に向けて弾丸を連射する。
「ぐあああっ!」
放った弾丸は、意図的に操作したことによって複雑な軌道を描き、左側の角を破壊。ミノタウロスは角を破壊された衝撃で身体をくの字に折り曲げ後退さる。
「ぬぅううあっ!」
一度斧の石突で地面を突き再び突撃してくるミノタウロス。今度は上段から振り下ろした勢いを殺さず身体ごと右に薙いで来るがそれを回避し、返す刀で弾丸を胸部に向けて連射。銃撃による衝撃によって軽く吹き飛び、撃ち込まれた銃創からはグールと同じ緑色の血が噴き出している。その隙を見逃さずガンモードからソードモードへと切り替える。
「今度はこっちの番だ」
さっきの攻防で大体の強さは把握した。確かにあの巨躯から繰り出される怪力と突進力は厄介だけど、それだけだ。力任せに斧を振るい、闇雲に突進するだけの戦い方しかできないありきたりなファントムだ。そんな奴は今までにごまんといたし、今更後れを取るような相手でもない。
斧を下から斜めに掬い上げるように振るい、横の回転運動を駆使した動きで躱したところを振り下ろしてくるが、ソードガンで下から斬り上げ斧を弾く。胴ががら空きになったミノタウロスを上から袈裟斬りにし、すかさず下から袈裟斬りに。さらに右脚でハイキックをかまし胸部を蹴り上げる。
ミノタウロスは距離を取り負けじと斧による突きを繰り出し、同じタイミングでこちらもソードガンによる突きを放つ。
交差は一瞬だった。
二つの武器がぶつかり合い盛大な火花を散らしたかと思えば斧は粉砕し、ソードガンがミノタウロスの胸部を捉え後ろへ吹き飛ばす。
これでミノタウロスの斧は無くなった。奴に残された手段は火炎球による攻撃か、突進による攻撃しかない。手の平でソードガンをクルクルと回し持ち直す。
「でぇええやああああああっ!」
うつ伏せに倒れていたミノタウロスは完全に頭に血が上ったのか両手で地面を叩いて起き上がり、怜悧な角を向けて三度突進をしてきた。……まったく、困った暴れん坊ちゃんだなぁ。何度同じことをやっても意味ないでしょうに。おまけに今度の突進はさっきにも増して速そうだ。
「ちょっ、ちょちょちょちょちょ! おいおいおい!」
ソードガンを横に傾けて突進を受け止めようとするけど、やっぱり猛牛のファントムらしく突進力は半端じゃないな。踏ん張ってはいるけど後ろに押し込まれる。でもやり過ごせないわけでもない。
「なーんちゃって♪」
押し込まされても焦ることなく前方に跳躍して突進をしのぎきり、ミノタウロスに振り向いてからドライバーの左腰に装着しているリングホルダーに手を持っていく。闘牛士の役はもう終わりだ。これ以上こいつに関わっている暇はない。ホルダーから取り外したのは琥珀色の四角い形状をしたウィザードリング。それをフレイムウィザードリングと嵌め換えシフトレバーを操作し、ハンドオーサーを左に傾ける。
『ランド・プリーズ』
『ドッドッドッ・ドドドンドン・ドッドッドン!』
左手を下に向けると足元から黄色の魔法陣が出現。足元から徐々に変身していき、魔法陣が通過し終えると、四角い形状をし琥珀の如き顔をした姿へと変わる。これこそ土のエレメントを宿したランドスタイルだ。
「貴様、エレメント変化できるのか!」
「まあね」
ミノタウロスが言うエレメント変化っていうのは、操る魔法の属性を変化させること。フレイムスタイルなら火属性の魔法を、ランドスタイルなら土の属性を。もっとも魔法使いがほぼ絶滅した現代において
「いいぃぃやっ!」
気合の声を張り上げ四度目の突進を仕掛けてくるミノタウロス。……ホント、懲りないねぇ。辞書で猪突猛進って引いたらミノタウロスのことって書かれているかもしれない。むしろミノタウロスの辞書には突進って言葉しかない可能性もあるな。
『ディフェンド・プリーズ』
「ぬあっ」
ハンドオーサーを右に傾けて発動させたのは防壁を発生させる魔法だ。目の前には土のエレメントが付与された土壁が出現しミノタウロスの突進を阻んでいる。壁に挟まったミノタウロスは抜け出すべく身体を押したり引いたりしているが、その程度の力じゃビクともしない。
「ハアッ!」
「ぐあああああっ!」
未だに抜け出せずにいるミノタウロスを右脚で思い切り蹴り上げると土壁もろとも崩壊し、ミノタウロスは土砂と共に空中へ舞い上がった。ランドスタイルの特徴は最も攻撃力と防御力に優れた点にある。
「しまった、力入れ過ぎたか」
『ビッグ・プリーズ』
シフトレバーを再び操作し新たに発動させたのは、魔法陣を通過した物体を巨大化させる魔法。これで右腕を巨大化させて拳を握りハンマーのように振り下ろす!
「ぐはあああっ!」
巨大化した拳に撃ち落された衝撃と、地面に叩き付けられた衝撃が余程強かったのだろう。ミノタウロスが落下した地面にはクレーターができており、見れば息も絶え絶えでのた打ち回っている。ここまでダメージを与えれば充分。あとは止めのフィニッシュを決めるだけだ。
『フレイム・プリーズ』
『ヒーヒー・ヒ―ヒーヒー!』
『ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー! ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー!』
フレイムスタイルに再びスタイルチェンジをし、ハンドオーサーを右に傾けると魔法を発動する待機音が繰り返し鳴り響く。ホルダーからまた別のウィザードリングを取り外し、ビッグと交換する。
「フィナーレだ」
言い切ると同時に指をパチンと鳴らし、リングをハンドオーサーに翳す。
『チョーイイネ! キックストライク! サイコー!』
発動したのはキックストライクウィザードリングによる必殺技—――ストライクウィザード。ロングコートを手で払い右足を前に出して腰を落とす。
「ハァアアアアアッ……ハアッ!」
地面に出現した赤い魔法陣から右脚に炎のエレメントを集束させ、助走を付けたロンダートから背面宙返り、空中で捻りを入れながら横回転して上体を安定させて右脚を突き出す。そのままミノタウロスに向かって一直線に突撃し、空中に出現した魔法陣を通過することで、炎の勢いが更に増す。
そして―――
「ダァアアアアアアアアアアアアアッ!」
「あっ……ああ……ぐああああああああああああああああああああああっ!!!」
ストライクウィザードの直撃を受けたミノタウロスには、フレイムスタイルに応じた赤い魔法陣が浮かび上がり断末魔と共に爆散した。
「ふぃ~」
『ピイ! ピイ!』
ミノタウロスを倒したのも束の間。今までの戦闘中、女の子を介抱していたガルーダが間髪を入れず急かすように鳴き声を上げた。言われなくてもわかってる。俺の目的は最初からこの女の子を助けることなんだからな。彼女の許へ駆け寄って声を掛ける。
「待たせてごめんね。大丈夫か?」
「……魔法、使い……? もう……ダメ、みたいです……」
彼女の身体の所々には既に紫色の罅が入り始めていて、新たなファントムが生まれ出そうとしているのがわかる。
「絶望なんかしちゃダメだ。あとは俺に任せろ。約束する、俺が最後の希望だ」
「最後の、希望……」
「ああ」
ホルダーからエンゲージウィザードリングを取り外すと、俺の言葉を信じて右手を伸ばしてきた。差し出された手を取り右手の中指にリングを嵌め、ハンドオーサーを右に傾け、リングをゆっくりと翳す。
『エンゲージ・プリーズ』
すると彼女は気を失って横たわり、赤い魔法陣が出現して精神世界へと入り込む。
「ここが彼女の精神世界か……」
幾つもの魔法陣を通過して降り立ったのは、色を失ったモノクロの世界。
見渡すと夕暮れ時の高台にある公園みたいだ。
「こわいよ~!」
「ん?」
叫び声がした方に視線を向けると三人の女の子が大木に掴まっていた。一人は器用に太い枝にぶら下がっていて、残る二人は大木の幹に必死でしがみ付いている。詳しい事までは分からないけど、木登りしていたらハプニングが起こったみたいな感じなんだろうな。精神世界の風景は過去に経験したことのある記憶のうち、最も心に深く刻まれた心象風景を再現した世界。
仮面の下でその光景を微笑ましく見ていると突然世界に大きな紫色の罅が入る。あそこに罅が入ったということは……。
次の瞬間、その割れ目から勢いよく現れたのは、巨大な人魚だった。
人魚は俺に目掛けて突進してくるが、それを咄嗟にしゃがんで回避する。勢い余った人魚は精神世界に激突すると世界を更に破壊し咆哮を上げる
「――――――――――――――――!!!!」
「くっ!……人魚の姿にこの美声、正体はローレライってところか。けどやるしかない、約束したからな」
『ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー! ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー!』
『ドラゴライズ・プリーズ』
巨大なファントムには巨大なファントムを。
ドラゴライズウィザードリングによって魔法を発動させると、頭上に巨大な魔法陣が現れ、俺の内に潜むファントム―――ウィザードラゴン―――を一時的に体内から安全に召喚する。だけど、ただ召喚するだけじゃダメだ。ドラゴンは生易しい奴じゃない。今だってローレライを狙って飛び回っているが、周囲のことを考えずに行動しているせいで精神世界の崩壊を助長している。早くドラゴンを制御するしかない。
「ドラゴン! 俺に従え!」
『コネクト・プリーズ』
「ハアッ!」
コネクトを使って現実世界からマシンウィンガーを取り出しドラゴンを追いかける。上空へ高く舞い上がったかと思えば今度は俺に目掛けて急降下してくる。今だ!
ウィリーの要領で前輪を持ち上げバイクごとジャンプする。ボディを展開させて巨大な翼の形態―――グレイトフルウィンガー―――に変形させ、ドラゴンの背中に接続。そう、マシンウィンガーはドラゴンを操る上で大切な制御ユニットになるんだ。これがなかったら手の施しようがない。
「ハアッ!」
これでようやくドラゴンは俺の言うことを聞くようになった。ドラゴンを駆る竜騎士のように手綱を握りローレライへと接近するが、撃ち落そうとするかのように口から衝撃波を放ってくる。それらを全て回避して炎を放ち応戦。このまま一気に片を付ける!
上空を縦横無尽に飛び回り取っ組み合いをさせて地上へ落下させる。このせいで精神世界は破壊が進むことになるけど、それもここまでだ。次で確実に終わらせる。
取っ組み合いの形を保ったまま再び上空へ舞い上がりローレライを放り投げて旋回し必殺技の為に距離を取る。
『キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ! キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ!』
『フレイム! スラッシュストライク! ヒー・ヒー・ヒー!』
グールのときと同じようにソードガンの中央部にあるハンドオーサーの親指を引いて展開させ、フレイムウィザードリングを嵌めたまま握手することで、ソードモードの必殺技―――スラッシュストライク―――を発動させたことで、ソードガンは燃え盛る炎の剣と化した。ローレライも旋回し次第にこちらとの距離が縮まっていく。
交差は一度
二度目はない
「ハアッ!」
―一閃!
すれ違い際に放った紫電一閃はローレライを捉え、胴体をいとも容易く切り裂き巨大な魔法陣が出現すると同時に爆散した。
「ふぃ~」
これでようやく一段落着けたな。あとは現実世界に戻るだけだ。でもその前に……。
精神世界で一度変身を解除した俺は、最初に降り立った場所まで戻ってきていた。現実世界に戻る前に一つだけやっておくべきことがある。
ローレライの出現と同時に色を取り戻した精神世界は、茜色に染まり見る者を魅了していた。たまにはこういう景色を見るのも悪くない。さてと、あの娘達は……おっ、いたいた。
無事に木から降りることが出来たんだろう。三人揃って木の側に立ちながら夕日を眺めている。声をかけるなら今しかないかな。
「ねえ、君たちちょっと良い?」
♢♢♢♢♢
「うっ……うぅん……」
目を覚ますとタオルケットを掛けられ公園のベンチで寝かされているのに気が付きました。私は一体何をしていたのでしょう……。ベンチで考え事をしていたら取材を受けて……。
「ッ!」
思い出しました!ファントムと名乗る化物に襲われていたところを、男性に助けられて……それから……。私はふと、右手の中指に視線を落としました。銀色の金具にオレンジ色の宝石が嵌め込まれた大型の指輪。
最後の希望としてこの指輪を嵌めてくれたあの人はどこに行ったのでしょう。もう帰ってしまったのでしょうか。助けてくれたお礼を言いたかったのですが……。
「お、目が覚めたみたいだな」
「え?」
振り返ると後ろに立っていたのは、私を助けてくれた若い男性でした。歳は私とそれほど離れていないように見えます。彼の両手の中指には大型の指輪が嵌められていて、手にはペットボトルを二本持っています。隣にいなかったのは飲み物を買いに行っていたからなんでしょうね。
「少しは落ち着いた?」
「はい……」
「そっか……はい、これ。好みが判らなかったからお茶にしたけど良かったかな?」
「あ、ありがとうございます。助けてもらった上にお茶まで買ってもらって」
「別に気にしなくて良いよ、俺が好きでやってることだから。……さて。早速だけど君の身に起こったことについて説明したいんだけど少しだけ時間貰えるかな?」
「はい……」
得体の知らない化物に襲われた身としては、さっきの出来事を訳もわからないまま有耶無耶にしたくない気持ちがありました。それに彼に対して聞きたいことがいくつもあります。
―なぜ私が狙われたのか
―ファントムとは何なのか
―そしてあなたは何者なのか
♢♢♢♢♢
とある廃墟に二体のファントムが潜んでいた。いずれも他のファントムとは比較にならない程の圧倒的な雰囲気を醸し出している。
「どうやらミノタウロスがやられたようだな……」
「チッ。あの野郎、グールを持たせてやったっつーのにやられやがって」
先に喋ったのは蛇のような頭髪をした紫色のファントム。体形からして女型のファントムだということが分かる。そしてもう一体はヒーロー寄りの風貌を感じさせる赤いファントム。
「だがミノタウロスは我々ファントムの中でも最弱の部類……」
「ウィザードごときにやられるとはなぁ。俺なら楽勝だぜ!」
そう。ウィザードが倒したミノタウロスは尖兵の内の一体に過ぎなかったのだ。もちろん晴樹もミノタウロスが弱い部類に入ると感じとっており、それは間違いではなかった。だが、晴樹の知らない場所で事態はゆっくりと、確実に動いていた。人々に絶望を齎す悪しき存在が―—―。
戦闘回でしたが、一応一人称で書いているつもりです。もしかしたら人によっては三人称に感じる人もいるかもしれません…。そうだったら読み辛くて申し訳ないです。