闇渦巻く夜へようこそ 作:キザな10代
ここは、どこ。
私、僕、俺は誰、何。
怖い、暗い、どこどこここどこ?
「一人か?」
一人?二人?三人?わからない。一人?一人って何?
俺?私?僕?僕は何?何なの?誰なの?
「お前も私と来るといい」
貴方、君、お前と?嫌だ、怖い、動きたくない。
「お前に拒否権はない」
痛い痛い痛い痛い!ばちばち、バチバチ、黄色い雷、電気、光。
やめて、やめろ、やめてくれ。
「私と来るんだ。この私とプロフェッサー・クローバーとな」
プロフェッサー?貴方、プロフェッサー?お前クローバー?
「ついてくるのならば、もう痛くはしない」
「クローバー様の言うことを聞いた方が身のためよ!」
君、誰。誰なの。
痛いの嫌だ、やだ。いく、いくよ、だから痛いのやだ、嫌だ。
いく、いくの。いうとこ聞く、言うとこ、とこ、こときく。
「なんだ、こいつ」
「今日から仲間になるやつだ」
誰、だれ、ダレ。この子供だれ。
名前?ない、持ってない。
シアン?君、シアンって言うの?
「あぁ」
シアン、しぁん、しあん、いい名前。
おれ、ぼく、なまえない。
「そうか」
そう、そうなの。そういうこと。
しあん、いいやつ。なかま仲間。
ふふっ、ははっ、アハハハ。
「グッギャァアァアアア」
痛いイタイいたいイタイいたいイタイイタイいたいイタイいたいイタイ!!!!
ひだり!め!目、眼瞳!左!!痛い!!!!!
やめて、やめろ、やめてくれ、しあん。シアン!!!!
「ふっふっ、はっ…はぁー……!?オレはいったいっ!」
痛いイタイシアンひどい。ひど、酷い。
シアンひどい。
うぇっ、えっぐ、ひっぐ。
「お、おい。泣くなよ、ごめん……」
泣いて、ない。泣いたら痛い、イタイもん。
目、めに滲みる。いたい。
「何をしている?」
「!!プロフェッサー……」
プロフェッサー!シアンがひどい。左目イタイ、痛いんだ。
斬りつけられた。削られた。
「まぁ、すぐに手当しないとね」
「ダウト……」
レディー・ダウト!ありがと、アリガト。滲みるしみるシミル。
包帯グルグル。へへっ、会ったときのシアンと同じだ。へへっ。
「なんだよ、気持ち悪い」
へへっ。イタイ痛かったけど、シアンとお揃い。やった、やったね。
お揃い、仲良しの証。包帯グルグルも、傷もシアンとお揃い。オソロイ。
「そうか」
そう、そういうこと。そうなの。
お揃い、オソロイ。へへっ、オソロイ。
ふふっ、おそろい。
「トロワ、お前にある事を命じる」
「はっ!何なりと」
僕はトロワ。
これは僕がつけた名前だけど、本当の名前はない。
覚えているのは元人間だったというこのだけ。確実な自我を形成するに時間がかかった。もし、プロフェッサーに拾われていなければ、僕は一生自分がわからないままだったろう。
だから、プロフェッサーに利用されていようとプロフェッサーに感謝している。利用されるのはその恩からだ。
「お前にはこの三つの宝を奪ってきてもらう」
「……プロフェッサー・クローバーの仰せのままに」
だから、プロフェッサーから命令されるのは僕の喜びでもある。
さぁ、行こう。外の世界へ。
あの子の因縁の相手だという、子に会いに行こうではないか。
「輝く夜へようこそ」
オ・ルボワール。
闇渦巻く夜へようこそ!!