期間内に書ききれるか不安だけど、まぁ完結は出来るだろ
私はこの世界が嫌いだ
なんて言えば厭世家みたいで格好いいだろうか?それとも随分と遅めの中二病だと笑われるだろうか?
まぁ言ったところで私はしがない大学生でしかないし、この世の中がまともになるわけでもなし
無い物ねだりをするくらいなら、現状を受け入れ適当なところで満足するしかないのだけれど、いや、むしろある程度満足出来ると言う点で良くできた世の中だと思うけれど
それでもだからゆえに結局
私はこの世界が嫌いなのだ
時はxxxx年、人類は肉体を捨てて生きている
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歴史を習うに、どうやら昔の人類はとかく簡単に死んでしまう生き物だったらしい
要所に刃物が刺されば死に、燃えれば死に、体にナノサイズの異物が混ざるだけで(ビョーキ又はヤマイと言うらしい)大勢の人間が死んだとか
正直想像もつかないけれど、そういった時代が有ったからこそきっと今の世の中が出来てるのだろう
まぁ死なないから幸せかと言えばそうでも無いと断言するが…
いや、別に死にたい訳じゃないんだけどね
その点に関しては人類の進化が…いや、先人達の努力によってもはや死ぬと言う概念が無くなりそうな具合である
バイオスキンは燃える事も無ければ腐食もしないし、人工筋繊維は古代兵器ニホントーをもってしても断ち切れず、強化外骨格はマリアナ海溝の底まで辿り着ける
それらに守られている生命維持器官を破壊するには…どうすりゃ良いんだろうね?
ん?どうやら思考の坩堝に嵌まってるうちに授業は終っていたらしい
いやはや、時間が経つのは早いなぁ
「お、考え事は終わったかい?」
『ん、ちょっと人はどうやったら死ねるのかな?ってね』
どうやら私は人を待たせていたらしい、こいつは申し訳ないね
…と、言うか一昨日告白してきた私の彼氏じゃないか
何故ここに居る
「そりゃあまたえらく物騒な事を…ん~、決められた年数を生き終わんない限り死ねないんじゃないかな?」
『そこで思考を止めるから人類は停滞し続けてるんだよ、この死にづらい世の中で如何にして死ぬかを考えることが人類の進歩に繋がっていくのさ』
「そうなのかい?よく解らないけど流石だね!」
ま、根拠も意味もない戯れ言だけどね
私なんかが人類の進歩なんて壮大な事を考えるなんて、ロボットが何故自分はロボットなのかと考えるくらい有り得ないね
『で、何でここに居るの?』
「何でって、そりゃ君の彼氏だから?」
何故疑問形だ、微妙に答えにもなってないし
本当に不思議なのだがなぜ彼は私の彼氏になったのだろうか?
単純に考えれば彼が告白して、私が了承したからなのだが、その動機となる好意の理由が解らない
本人曰く一目惚れ、だそうだが解せぬ
私に与えられた体は175㎝と女性の中ではかなりの長身で、そのでかい体の割に胸は無いと言う誰得ボディーであり、顔は可もなく不可もなくと言ったところ
附属品として与えられたメガネをかければそこそこ美人に見えると言われてるが、わざわざ装飾品を付ける意味が解らない
役所に聞いてみたことがあるのだが、何でも大昔から伝わる【モエヨウソ】と言うものにしたがって適正のある個体に附属品が与えられるとかナントカ…
んん?思考が逸れてるな
私の体を見て私的に良いと思えるのは腰元まで伸びた黒髪ぐらいだろうか…
ん?つまり彼は私の髪に一目惚れしたのか?
こりゃ大変だ、私の彼氏は変態だ
「おーい、また考え事?」
『黙りなさい変態』
「なんで変態っ!?」
『私の髪の毛が目的なんだろう?私の髪の毛をクンカクンカしたりhshsしてペロペロしたくて私の彼氏になったんだろう?あいにく、私の感性は普通でね!変態の感性には付き合ってられないのさ!!』
迂闊だった、私のような欠陥認定されてる人間にまともな人間が寄ってくるはずが無かった
「なっ!?は?いや、ち…違うし…」
え?違うの?
「そもそもなんで僕が変態だと思ったの…」
かくかくしかじか~
なるほど、まるまるうまうま~、と
「君って頭は良いのにバカだよね」
彼氏にバカにされた、死にたい…
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バカを巡る問答を小一時間程続け、気付けば辺りも薄暗くなりつつあったのでいい加減帰るか、となり二人並んで帰りながらそっちの授業はどうだった?とか、サークルはどっか入る?だの、とりとめも無い事を話し、また明日と言って別れる
恋人同士の接し方なんて知りやしないけど、正直この程度のやり取りをするのに恋人になる必要は有ったのだろうか?
友達でよくね?まぁ私に友達なんて居たためしが無いけれども…
結局向こうが何を求めて私の恋人になったのか解らず、私から求めるものは何も無いので、向こうがこれで満足してるならそれで良いかと納得しておく
さて、学校からだらだらと歩くこと大体10分、距離にして約5キロ程の位置に私の帰るべき場所はある
帰るべき場所であり、帰りたいとは思えない場所であるのがなんとも悲しい事ではあるけれど…
思考変性異常者矯正収容所にちまい共和国支部
先天的、或いは人格を形成する過程で後天的に思考にバグが生まれた人間が集められて文字通り矯正させるための施設
ここが私の住む住居であり、檻である
檻である、とは言ったが別に牢屋のような場所では無いし、特に他人に迷惑を掛けるようなバグでなければ私の様に学校に通ったり労働することも出来る
まぁこの施設に収容されてるってだけで普通の人からはイカれた奴等って認識をされる以上なんの慰めにもなってないのだけれどね
実際、目につく物全てを壊そうとする奴とか、何もしたくないからって体を休眠状態にして100年以上眠ったまま生きてるんだか死んでるんだか解らん奴とか、独自の数列言語を造ってそれだけでしか会話をしない奴とか、そんな奴等ばかりだから普通の人にとって避けるべき対象になるのは当然である
さて、そんな施設に住んでる私も当然異常を抱えている一人な訳で
私的には異常なのは周りの人間の方だと思うのだけれど、そんな思考をする事こそがバグなのだろう
私にとって周りの人間は、人間に見えなかった
造られ与えられた成長しない体によって生き、思考は機械によって制御され、定められた自由を謳歌しているそれらが気味悪く、ソレが人の皮を被ったただの機械に思えて気持ち悪い
こんな風に思ってしまう原因は実は既に解っていたりする
なんでも本来なら危険思考(誰かを害してやりたいとか、そもそも腹が立つとかのマイナス思考)に対して掛かる筈のプロテクトが私には存在しないらしい
つまり普通の人は、いや、私以外の全ての人は私が感じてる気持ち悪いと言う感覚も差別視に対する悲しみも理解出来ないのだ
なんたる悲劇!!
そして私はその悲劇のヒロインと、言う訳だ
なんつってw
ぶっちゃけ、他人がどう思ってようと知った事では無いし、気にもならん
こちらが向こうを気味悪く思っているのだから、向こうがこちらに好意を向けないのも当然である
まぁ、例外も居たけど…
さて
前座はこのくらいでいいだろうか?
随分と長い前書きになったけど、この話の本筋は至ってシンプル
これは私が忌まわしき虚飾の世界に別れを告げるだけの遺書
全ては私の愛する彼氏が語ってくれるでしょう
それでは、忌まわしきクソ喰らえなこの世界の皆様が不快感を感じていただければ幸いです