文章や描写などについての意見はなるべく取り入れたいと思います。
では、ゆっくり見ていってね!
意識が浮上していく感覚、それを感じ取った。眠りから覚めるような、自分が今、瞼を開けようとしてるのがわかるそんな感覚。そしてその一瞬後に眩しい光を瞼越しに視認して完全に意識が覚醒する。
「ここは・・・?」
その『男』の目に入り込んできた光景はまるで会議室のような、というよりは、長机に椅子、ホワイトボードがあるその空間はまさしく会議室そのものだ。
「どういうこどだ?」
そう『男』が疑問に思うのも無理はない。『男』は仕事を終えて帰宅している途中だったからだ。それが気が付けばこんな場所。むしろ取り乱さないのを褒めるべきだろう。もっとも許容量が天元突破して、呆然としているだけだが。
と、そんな時。不意に後ろの扉が開いたような、そんな気配を感じた気がして『男』は後ろに振り返った。果たしてそこには、白いYシャツに黒のスラックスを着て、サングラスを掛けた男がいた。もっとも普通の人間では放てないような威圧感?カリスマ?のようなものを放っていたが。
「よぅ。気が付いたか?いや聞くまでもねぇか。じゃぁさっそく説明に移らしてもらうが構わないな?異論は認めねぇ。」
サングラスの男、長いので以後グラさんと呼称するが、その男が『男』に向けてそう言った。まぁ、『男』も現状の説明をしてもらいたかったので別に異論はない。
「まず初めに認識して欲しいのはお前が死んだということだ。これは嘘でも虚偽でもなく純然たる真実だ。」
その言葉をきっかけにして『男』の脳裏にある映像が浮かびあがった。見覚えのある風景。『仕事場』からの帰り道だ。目の前には狂ったように笑う、いや笑い続ける女。その手には真っ赤に染まった包丁が握られている。そして自分の胸から広がる赤いシミ。道路にもそれが広がっていっている。そこで徐々に薄靄に包まれていくように視界が狭まっていき・・・。
「う・・・ぐ、あぁぁぁぁぁっっっ!!!??」
明確な自身の死の記憶(ビジョン)を思い出し、その時の痛みと恐怖も思い出してしまったために錯乱状態になる『男』。
「おら、落ち着け」
グラさんの軽いデコピンが『男』の額にあたった。ピシッという擬音が似合いそうな軽いものだったにも関わらず、『男』は正気に戻った。いや、戻された。
「そうか・・・。俺は死んだか・・・。」
「自分で正気に戻しておいて言うのもなんだが冷静だな?」
「いや・・・。そんなことはない。無理に平静を装ってるだけだ。」
真実その通りであった。『男』の人生ははっきり言って絶頂期にあった。仕事は自らの大好きなことをやらせてもらっていたし、収入も多かった。達成感も充実感も多かった。なにより、最愛の婚約者がいた・・・。これから、これからさらに幸せになっていくことが出来るはずだったのに・・・。あの狂った女のせいで全てぶち壊されたのだ。はっきり言って女に対する怒りと、人生が終わってしまったことに対する悲しみ、そして婚約者に対する罪悪感でいっぱいいっぱいだった。今すぐにでも喚きたくてしょうがなかったが、目の前のグラさんの話を聞かなければ、という思いでなんとか踏みとどまっていた。
「そうか。じゃ、説明を続けるぞ。」
グラさんのその態度はそっけなかったが、今はそれがありがたいような気がした。
「まずだ。俺は何者なのか?これを知ってもらわないと話が前に進まない。まぁ、端的に言うと俺は神だ。」
「はぁ?」
『男』が素っ頓狂な声を上げたが・・・まぁ仕方ないだろう。
「神様?God?」
「ま、その認識であってる。」
そういうグラさんの姿を見てなんとなく、ストンと「神」という言葉が腑に落ちた。グラさんが放っている雰囲気が「嘘ではない。」と認識させた。それに先ほど強制的に正気に戻されたし。
「さて、何故、神である俺がお前に会っているかというと。」
「いうと?」
「お前を転生させるためだ。」
今度こそ『男』は唖然とした。開いた口が塞がらないとは正にこのことだろう。ていうか実際に口を開けているし。
「転生ってあの輪廻転生?」
「そうだ。もっとも、記憶はもったまま転生してもらうことになるが。」
「なんで?」
まさしく『男』の頭の中はその疑問でいっぱいだった。なぜ?なにゆえ?Why?
「ふむ。まぁ色々事情があるが・・・。簡単に言うと選ばれたからだな。」
そこでグラさんが詳しく事情を説明していく。その内容ははっきり言ってびっくりせざるをえないものだった。
「つまり、神様の世界のTVで「転生した人間のドキュメント番組」を放送するために、その時点で死んだ人間の魂の中からランダムで選ばれたのが俺だと。」
「その通りだ。決してミスをしたりしてお前を死なせた訳じゃないから誤解しないように。俺のプロデューサー魂に誓って言うが。」
(あ、プロデューサーだったんだ。)
「さて、転生するにあたって、お前には特典を与えよう。」
「特典?なんだそれは」
『男』が疑問の声を上げる。特典と言うからにはもらっておいて損はしないだろうが・・・。
「番組を面白くするための特殊能力だ。」
「特殊能力?」
「そうだ。番組の方針、例えば、転生者の恋愛とかを見たいなら別に与えたりはしないのだが。」
「つまり、今回の番組の方針は転生者のバトルを見たいと。」
「そうだ。だから、あくまで戦闘に関する能力に限るぞ?ま、転生してからどう生きるかは、お前の勝手だが。ま、希望を言うなら視聴率を稼げるように面白おかしく生きてほしいがね。」
その言葉に『男』は驚いた。なにせ相手は神様である。運命を弄くるなり、魂に仕掛けを施すなり、無理やり戦わせることも不可能ではないだろうに・・・。これも彼のプロデューサー魂なのか。
「で、何にするんだ?特典。」
「え?俺が選べるのか?」
「そうだ。お前が把握できてる能力のほうが、説明する手間が省ける。ま、行く世界に合わせて調整しなければならないが、今回はその調整が比較的楽な世界に行かせるからな。あ、もちろんバトルありの世界だぞ?」
「そうか・・・。どんな世界なんだ?」
「アニメにあるような、剣と魔砲とSFの世界だ。」
剣と魔法とSF?それって明らかに危険な匂いがする単語なんだが・・・。っていうか魔法とSFは同居できるのか?と『男』は思った。そして、この特典をきちんと考えて選ばなければヤバいとも。
そして、しばらく熟考した『男』が選んだ能力は、グラさんの予想を裏切った。
「漫画『サイレン』に登場するグラナ、グリゴリ一号だな、その男並みの念動能力(テレキネシス)をくれ。」
『男』はジャン○卒業生だった。ちなみに、『サイレン』が分からない読者のために補足しておくと、グラナのテレキネシスは太陽光を捻じ曲げるほどの出力と、約1分足らずで数十メートルの塔を建てることができる精密製を誇っている。
「なぜその能力を?同じジャ○プならワ○ピースとかナ○トとか他にも色々あったろうに。」
神様の世界でも○ャンプは認知されているようだった。それはともかく。
「テレキネシスは確かに単純で、超能力の代表格だけど、シンプルだから色々なことに応用が利くし、弱点という弱点もない。だから選んだ。ド○ゴン○ールの気もそうだけど、あんな巨大すぎる力があったって困るからな。」
そもそも、グラナ並みの出力があったら応用も弱点もクソもない気がするが・・・。それはともかく。
「ふむ。では特典は漫画『サイレン』のグラナ並みのテレキネシスということでいいな?」
「あ、成長の余地もあったら嬉しいかな。」
この『男』、ただでさえ莫大な出力を誇っているのにさらにそれを上げようとしてやがる。どこの最終兵器になろうというのか。
「いいだろう。ではその条件で特典としよう。ではそろそろ転生の時間だ。これで話は終わりだしな。」
「そうか・・・。じゃぁもう会うこともないだろうけど・・・。また今度。」
「お前が俺に会うとしたら死んだ時なんだが・・・。まぁ、いいだろう。また今度、だ。」
そうして『男』の意識が薄れていった。こうして『男』は剣と魔砲とSFの世界、『魔法少女リリカルなのは』の世界へと転生することになったのだった
どうでしたでしょうか?
今後とも楽しんでいただけるようにがんばります。