超能少年テレキスこうき   作:井坂 環世

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第2話です。やっと1日が終わりました。

頑張って早く原作に追いつきたいと思います^^;


第2話

キーンコーンカーンコーン♪

 

「今日はこれまで!じゃあ、気を付けて帰るんだぞ。」

 

《は~い!》

 

担任のその言葉に元気よく返す生徒たち。しかし、すぐにわいわい、ガヤガヤと友達同士で集まって会話してる姿を見る限り、効果はあまりないようだ。

 

そんななか、光輝は手早く帰る準備を終える。

 

「アリサちゃんとすずかちゃんは今日はバイオリン教室だっけ?」

 

「えぇ、そうよ。」

 

「なのはちゃんは?」

 

「にゃはは、私は今日はお店の手伝いかな。」

 

そんな会話を背中に受けながら、光輝は教室を出た。学校に残ってもやることがない為、さっさと帰宅するにかぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして家に帰った光輝だが、別に趣味がないわけではない。光輝の趣味、それは読書である。特に、兵法書の類いをよく読む。これは意図してできた趣味ではなく、また前世から続く趣味ということもない。これは光輝なりの対策だったのだ。バトルなどやるつもりは微塵も無いが、巻き込まれる、という可能性もある。特にこの世界は剣と魔法の世界だという。そういうのは日常が唐突に非日常に変わる、というのがお約束だ。だから、今が平穏だとしても、対策しておくに越したことはない。故に、戦闘の際の心構えを身に付ける為に読み始めたのだが、戦闘以外でも為になるようなことも多く書いてあり、はまっていったのだった。そうして趣味に「読書」という項目が追加されたのだ。

 

と言っても未だに子供の身、そう自由に出来るお金もなく、家に帰ったら荷物を置き、着替えて図書館に行くのが光輝の日常だ。

 

「いってきます。」

 

「いってらっしゃ~い。」

 

黒と赤のストライプのポロシャツにジーパンに着替えた光輝は 、図書館へ向かう。しかしその足取りは明らかに軽く、朝学校に行く時とは大違いだ。図書館に行くのが楽しみ、というのが良くわかる、というものだ。

 

図書館に着いた光輝は早速自らのお気に入りのコーナーに向かう。そうして手に取ったのは「孫子」。かなり有名な兵法書で、内容は知らなくとも、その名前を聞いたことのある人も多いだろう。光輝も愛読しており、もう何回も読んでいる。

 

(敵を知り、己を知れば百戦危うからず、か)

 

そうして光輝は本を読むことに没頭していく。小学3年生が分厚い兵法書をかなり真剣に読む様ははっきり言って異様だったが、そんなことに光輝が気付く筈もなかった。

 

と、そんなとき、不意に光輝の肩を誰かが叩いた。読書を邪魔された光輝は不機嫌です、という雰囲気を出しながら振り向く。そこにいたのは茶色の髪をショートボブにし、愛嬌のある顔立ちをした少女だった。しかし、少女を構成するパーツの中で最も目を引くのはその美少女と言ってもいい顔ではなく、車椅子だろう。何らかの障害を患っているのは明らかだった。

 

「こうくん、何読んどるん?」

 

「なんだ、はやてか。」

 

「なんだ、ってなんやねん。」

 

「別に。」

 

聞いただけでは仲が悪いのか、と思ってしまいそうな会話だが、二人の醸し出す雰囲気が二人の仲が良いのだと分からせてくれる。学校では絶対に出さないような空気を光輝は出していた。

 

この少女の名は八神はやて。光輝の唯一の親友である。前述した通り、車椅子生活を余儀なくされており、そのせいで学校も休学中だ。故に同年代と触れあう機会も少なく、はやてにとっての友達も光輝一人だけだ。

 

「で、結局何読んどるん?」

 

元の質問に戻るはやて。別に隠す事でもないので、光輝は素直に答えた。

 

「孫子だよ。」

 

その答えにはやてはあからさまに呆れたような顔をする。なぜなら先ほど述べた通り光輝は孫子を何回も何回も読んでるからだ。

 

「飽きひんの?」

 

それは恐らく誰もが疑問に思う事だろう。まぁ、返ってくる答えなどわかりきっているが。

 

「別に。とても為になることが書いてあるし。」

 

実際、孫子はとても為になる。紀元前500年前頃に書かれ、紀元前200年前頃に魏の曹操によって整理されたものが伝わっているというものにも関わらず、近代の軍や、それだけでなく会社の経営にも役立てるという話もあるくらいだ。

 

「それはわかんねんけどなぁ。」

 

「まぁいいじゃん。それではやては何を読もうとしてるの?」

 

「あぁ、私はなぁ・・・」

 

そうして、会話を続けていく二人。二人ともとても楽しそうで、周りの人たちは微笑ましいものを見るような視線になってしまっている。一部、女性とのかかわりの少ない男性からの殺気に満ちた目線もあるが・・・。実に大人げないが、それも仕方のないことだろう。はやてはかなりの美少女で、光輝ははっきり言って不気味といっていい容姿だ。もうちょっと歳をとったら、釣り合ってないんだよ、的な視線も混ざることだろう。

 

そんな視線に気付かずに、二人は世間話を続けていたが、やはり楽しい時間というのは早く過ぎ去っていくものであるため、

 

「あ、もうちょいで閉館時刻や。」

 

そう言いはやては車椅子を動かしだす。光輝もそれに続いて椅子から立つ。

 

「ん。じゃぁまた今度、になるのかな?」

 

その言葉を聞いて、はやてはあからさまにがっかりした空気を出す。彼女にとって光輝との時間は人と触れ合える貴重なものなのだ。

 

「そうやね。私は明日は無理やし。」

 

会話をしながらも本を借りるために、司書のところに向かう二人。二人とも3冊ほど借りることにしたようだ。

 

「じゃぁまたね。」

 

「じゃぁまた。ていうかいい加減携帯買い~や。そのほうが連絡しやすいし。」

 

そうなのだ。光輝は携帯を持ってはいない。ていうか小学生の間はいらないと思っている。実際、彼の周りのクラスメイトでも持ってるのは少数派だ。

 

「俺の家にかけたらいいだろ。電話番号知ってるんだし。」

 

「そうやねんけど・・・。」

 

しょぼん。まさにその擬音が似合う雰囲気をはやては出す。携帯があればもっと話出来るのに、とその顔に書いてある。前世もあり、特に鈍感というわけでもない光輝は、一瞬ウッとなり、続けて「仕方ないなぁ」とでも言うように溜息を吐いた。

 

「わかったよ。母さんに聞いてみるから。」

 

その言葉にパァっと顔を輝かせたはやて。そして会話してる最中にも本を借りる手続きを終え、図書館を出ていたこともあり、

 

「じゃぁ、今度また会おな~。電話するから~。」

 

「りょ~かい。じゃ、バイバイはやて。」

 

そういい手を振る。本当は家まで送っていくのが男としてはいいのだろうが、図書館からは二人の家は反対方向であるため、はやてが遠慮するのだ。

 

「バイバイ!こう君!」

 

そう言いながらブンブンと手を振る。どうやら光輝が携帯を買うかもしれないというのがよほど嬉しいらしい。

 

そのまま光輝は家に帰るために歩き出したが、時々後ろを振り返るあたり、かなりはやてのことが心配らしい。そしてその度に未だに手を振っているはやてが目に映り、苦笑を浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま。」

 

 

家へと帰宅した光輝を待っていたのは良い匂いだった。どうやら夕食はもうちょっとで出来るらしい。そう思った光輝はまず図書館で借りた本を部屋に置き、それから洗面所で手洗いうがいをする。このあたり、光輝はきっちりと今の両親から躾られていたのだった。

 

そうしている間にも着々と夕食の準備は進んでいき、そして全員がそろったところで、

 

「「「いただきま~す。」」」

 

始まった夕食、今日のメニューはハンバーグのようだ。新タマネギの甘みがおいしい。まぁ、個人的には食べ物の評価は「美味い」か「まずい」だけでいいと思うのだが。料理番組は無駄に美辞麗句を言おうとしすぎて意味わからなくなっていると作者は思うわけです。

 

閑話休題(それはそうとして)

 

食事も終わった光輝は風呂に入る前に日課をすることにした。自分の部屋でカーペットの敷いてある床に直接座り、胡坐をかいて目を瞑り、瞑想(といっても真似事)をし集中する光輝。そうしてしばらくすると、光輝の前に氷の結晶が出来始めた。

 

これは光輝の鍛錬、テレキネシスの練習である。特に精密操作性に重点を置いた鍛錬だ。グラナ並みのテレキネシスをもらった、ということでその威力に関しては問題無いと確認を終えた上で結論付け、精密操作性を重点的に鍛えてるわけである。ちなみに今の訓練は空気中に存在している分子の中で水分子だけをより分け、その強力無比な力で無理やり凝固させた氷を使ってオブジェを作っているわけである。これだけでどれだけ凄まじい力かはわかるというものだ。

 

そうして力を行使すること数分、光輝の目の前にはとある世界遺産の寺院が出来ていた。純粋な氷を使って作られたそのオブジェはなんだか神秘的に見え、結構な値段で売れそうである。

 

「ふぅ、出来たか。」

 

そう言った光輝の顔は汗に塗れていた。当たり前と言えば当たり前のことである。これだけ緻密なものを造りだしたのだ。疲れるのは当然と言えるだろう。

 

「さて、どれだけ再現出来てるかね。」

 

そう言ってパラパラと世界遺産の写真が載っている本を捲る。実はこの訓練は記憶力の訓練も兼ねていたのだ。抜け目のない少年(中身おっさん)だ。

 

「やっぱ写真に写ってないとこは大雑把に成りがちだなぁ。ま、しゃぁないか。」

 

そんな風に言っていると風呂場から音が聞こえた。風呂が溜まったのだ。

 

「今日はここまでにしとくかな。使いすぎると頭痛くなるし。」

 

そうなのだ。「サイレン」に登場する人物並の力という注文をしたせいか、力を使いすぎると頭痛がするのである。

 

ちなみに「サイレン」を知らない読者の為に補足しておくと、「サイレン」における超能力は脳の普通の人間では使われていない部分を使うことで行使するというものだ。そのため使いすぎると頭痛、鼻血、眩暈などの症状が現れる。

 

閑話休題(くわしくはウィキペディア見て)

 

そんなこんなで風呂に入った光輝はキチンと宿題を終わらせ、明日の準備も終わらせてから眠りについた。

 

だいたい、こんな感じの光輝の日常である。




テレキネシスの使い方はどうですか?

大体どんな使い方をするかは考えてるので、出番が来るまで楽しみにしといてください!

楽しめる書き方が出来るよう頑張ります
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