超能少年テレキスこうき   作:井坂 環世

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第4話です。

そろそろ前書きに書くことが少なくなってきたかも^^;


第4話

(将来の夢、ねぇ)

 

光輝は昼食を食べながら思考をめぐらした。今日の社会の授業、そこで先生が将来の進路についての話をしていたのだ。将来の夢ではなく進路であるところが私立らしいといえばらしい。

 

(つっても、剣と魔法に巻き込まれず平穏無事に過ごせればそれでいいんだけど・・・。)

 

逆に言えばそれ以外の夢を持っていない、ということだ。

 

(あるといえばあるんだけど・・・。)

 

それは前世でもなっていたある職業だ。光輝は心底その職業が好きだった。いや正確に言えばその職業がしている行為が好きなのだが・・・。今の光輝はその職業に対して恐怖を抱いてもいた。その理由は・・・。

 

(やっぱ俺が殺されたのってそれが原因だよなぁ。)

 

そう、光輝が殺された理由の1つに確実にその職業が関わっているからだ。死ぬ間際の感情は何より強い、と何かの幽霊漫画で見たような気がするが、光輝の場合は正しくそれがあてはまる。その影響は見て分かるほど光輝の行動に現れているから・・・。光輝が剣と魔法に巻き込まれるのを恐れるのも死ぬのが怖いからである。

 

(ま、まだ小学3年生だし、そう深刻になることもないだろ。)

 

光輝は知らない、自分のクラスメイトの運動音痴なある少女がそのことでかなりネガティブになっていることを。もっとも、光輝の考えが一般的であろう。高校生や大学生ならともかく、中学生以下の年齢の少年少女で将来について真面目に考えているのはごく少数の、その夢にかなりの情熱をついやしてる子供のみであろう。

 

そんなことを考えさせられた今日の学校であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てなことを考えさせられたわけよ。」

 

「ふ~ん。」

 

ところ変わってここは風芽丘図書館。いつものようにここで光輝とはやては世間話をしていた。その話題として今日の学校の社会の授業でも言われた将来の夢についてあげたわけである。

 

「まぁ子供やったら具体的な将来の進路なんてないんが普通ちゃう?私もそうやし。」

 

「だよなぁ。」

 

まぁ、2人は普通の子供とは違う意味で将来が見えないのだが。はやては原因不明の病のせいでいつ死んでもおかしくないし、光輝はいつ剣と魔法に巻き込まれるか、と警戒しすぎてるし。

 

「そや。夢って言えばな、今日おかしな夢見たんよ。」

 

「おかしな夢?」

 

「夢」つながりかはやてがそう切り出した。まぁ夢は夢でも違う夢だが。

 

「うん。なんかな、林のなかで見たことない男の子と黒い怪物が戦う夢。男の子は手に持ってる赤いビー玉みたいなんから翠色の魔法陣を出して怪物に攻撃すんねんけど、結局怪物に逃げられてまうねん。」

 

今朝見た夢の内容を詳しく話していくはやて。しかしそれを聞いた光輝は動揺を隠すのでいっぱいいっぱいだった。

 

「そ、それは変な夢だな。」

 

(夢、ほんとにただの夢か?神様は剣と魔法の世界だと言った。そして今の話・・・何らかの魔法的事象が起こっていると考えたほうがいいんじゃ・・・。)

 

神様は正確には剣と魔砲とSFの世界と言ったのだが、流石に8年も昔のことだけに曖昧にしか覚えていないようだ。

 

そしてはやての話から「非日常」が始まったと推測する光輝だが、ここである考えに行き着く。

 

(まてよ・・・。俺はそんな夢見なかった。もしもその夢の内容が魔法的事象の影響だとすれば、はやてにも魔法の素質があるってことじゃ・・・。俺は「テレキネシス」をもらっただけでそういうのは注文しなかったから、魔法的素質が無かったとしても不思議じゃないし。)

 

この考えにぞっとする光輝。もしも今考えたことが真実ならば、はやてが魔法的な非日常に巻き込まれる可能性が高いからだ。そして光輝は、確かに危険に巻き込まれたくないと思ってるが、親友を見捨ててまで安寧を享受するほど腐ってもいない。

 

(いざとなったら俺がはやてを護るしかないかな。)

 

そう覚悟、いや覚悟というほどのものではないが決意をする光輝だった。しかし、光輝が今いるのは図書館で、会話中でもあるので。

 

「こう君!」

 

「うぉっ!」

 

いつの間にかはやての顔が目の前にあり思わず仰け反る。ちなみにはやての顔が近くにあるのでその頬に僅かに朱が走った。はやては頬を膨らませ思いっきり「不機嫌です」とアピールしてる。

 

「なんだよ。そんなに顔近づけて。」

 

「なんだよ、じゃないわ。いきなり考えこんで。れでぃとの会話中に考え事なんて失礼や。」

 

その言葉に思わず、といった様子で噴出してしまう。

 

「れ、レディってどこにいるんだよ。」

 

「失礼なやっちゃな。目の前におるやん。」

 

「え?子狸しか見えないけど。」

 

「誰が子狸や!」

 

ついつい大声で突っ込んでしまうはやてであるが、ここは図書館であるからして。

 

ジロッ!!

 

という擬音がつきそうなほどに周囲から睨まれる2人。睨んでる人の中には「図書館では静粛に!」という張り紙を指差してる人までいた。流石に「やってもーた」と思った2人は。

 

「「す、すみません。」」

 

そう素直に謝るしかないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図書館から帰り、夕飯、鍛錬、風呂、柔軟、宿題、と一通りの日課を終わらせた光輝は今日のはやてとの会話を思い出していた。

 

(確証はない、根拠もないがなんとなく合ってる気がする。この町で魔法的事件が起こってる、というの考えは。)

 

そう思う理由は光輝がこの町で生まれ育っていることにある。

 

(あの神様は今回の俺の転生の方針はバトルを見るためだと言っていた・・・。そんな方針で転生させるのに、生まれる場所をただの平穏で暮らしやすい地方都市にするはずが無い。)

 

そう、光輝の転生の理由は「転生した人間のドキュメント番組を作るため」である。そして神様は今回の番組の方針は「バトル」とも言っていた。その為に戦闘の為の能力を特典としてあげるとも。

 

(今回のはやての夢、そしてその夢を俺が見なかったことから考えて、魔法を使うためには素質がいるのだろう。そしてその素質が俺やその他大勢の一般人にはないと考えてまず間違いはない。)

 

この考えには確信を持っていた。なぜなら、もしも魔法を使うのに素質がいらなかったら、「魔法」という便利すぎる道具を使わないはずはないのだから。

 

(魔法の素質を持つ人間が極稀なのだとしたら、魔法が世間一般で知られていないのも頷ける。)

 

光輝は剣と魔法の世界である、という神様の言葉を疑ってはいなかった。そんな小さな嘘を神様はつかないだろう、という考えもあるし、単純にあの神様は信じられそうだ、とも思っているからだ。

 

(極一部の人間しか恩恵を受けられない魔法と、世間一般の全ての人間がその恩恵を受けることが可能な科学。生存競争でどちらが勝つかなど自明の理だ。もっとも世間一般の人間が恩恵を受けられる魔法があれば話は別だが。)

 

科学の恩恵も、地球規模で見れば恩恵を受けれていない人たちはいるが、それはともかく。

 

(なんにせよ、これから魔法的事象に巻き込まれる覚悟だけは決めておいた方がいいな。)

 

光輝には、その「魔法的事象」に自ら巻き込まれに行くつもりはさらさらなかった。命の危険があるのに自らそこに近づくようなMな性癖ではないのだ。光輝は多少S気はあるがノーマルである。

 

(しかし、もしもはやてが傷ついたりしたら・・・。その時は全力で殲滅してやる。)

 

光輝ははやてのことをかなり大事に思っていた。まぁ唯一の親友であるし、その親友が巻き込まれたら助けるというのはおかしな思考ではないのだが・・・。考えてることはかなり物騒だ。むしろその魔法的事象よりも光輝のほうが危険な気がする。

 

この時、どこかの家で鎖にまかれた本がぶるりと震えたとか震えていないとか、まぁ関係のない話だ。

 

(まぁ、いくら考えても答えは出ない、か。しばらくはそういうことがあるかもと警戒するしかないか。)

 

そう結論付ける。そして部屋の明りを消して、眠りにつくためにベッドに入り込むのだった。

 

 

 

 

 

次の日の朝、光輝はとある動物病院に車が突っ込んだというニュースを目にすることになる。




というわけで始まりました原作です。

次も皆さんが楽しめるような話を書けるように試行錯誤しながら頑張ります
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