超能少年テレキスこうき   作:井坂 環世

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ふふ~ん。

特に前書きで書くようなことが無くなってきちゃった~

はは~ん

はい、第6話ですね。ブラックコーヒーの準備をしてからお読みください。


第6話

春の陽気で照らされら駅前広場。そこに一人の少年がいた。青と白のチェック柄の長袖のYシャツに黒のジーンズを履いている。それだけならどこにでもいる普通の少年なのだが、その目と鼻まで隠している前髪が彼をその風景から浮き彫りにしていた。その名前を宮崎光輝という。まぁ、平凡からは程遠い少年だ。

 

今日は日曜日、光輝はここではやてと待ち合わせをしていた。はやてと遊ぶ、というのは光輝にとってもありふれた日常なのだが、今日はちょっとばかり意味が違っていた。

 

(あの「ジュエルシード」とやらがあるからな。なるでくはやてと一緒にいたほうがいいだろう。)

 

そう、今この海鳴市には危険物である「ジュエルシード」があるのだ。そのため光輝ははやてを護るために彼女の傍にいて護ろうとしているのである。

 

もちろん、光輝は父と母が心配ではないのかと問われるとそうじゃない。が、足に障害を負っているはやてのほうが危険度は高いため、こちらを優先しているということだ。

 

(それにはやてには魔法の素質があるかもしれないからな。)

 

よって光輝ははやてを護るためにも今日は一日の大半を彼女とともに過ごすつもりである。まぁ、事情を知らない人から見れば普通にデートに行くだけなのだが。ちなみに光輝も光輝で彼女と過ごす休日は楽しみなのである。

 

「こうく~ん!」

 

とそこで声をかけられた。関西地方独特のイントネーションであるその声を発した人物は言うまでもなくはやてである。光輝もその声に手を挙げることで応えた。

 

「ごめ~ん。待った?」

 

「いや、今来たところだ。」

 

そんな会話をする2人。その台詞ははっきり言って待ち合わせをしていた恋人同士のそれにしか聞こえない。2人もそれは自覚が有ったようで、

 

「ふふ、なんや恋人みたいな感じやなぁ。」

 

「ま、確かに一度は言ってみたい台詞上位には食い込んでるだろうな。」

 

「恋人」という単語が出たにもかかわらずちっとも慌てるようすのない男、光輝。はやてはそれが気に入らなかったようで、頬を膨らませた。

 

「なんやちょっとは動揺してもいいんとちゃうかな?」

 

「あいにくそんな初心じゃないんでね。期待はずれだったか?」

 

「ま、別にいいけど。ほな、遊びに行くで~。」

 

「はいはい。」

 

そう言って自然にはやての車椅子を押し出す。その所作にぎこちなさなど微塵もなく。2人がどれだけ気安い仲なのかが見て取れる。

 

「で、今日はどこに行くんだ?」

 

「う~ん。どこ行こっか?」

 

「て、決めてないのかよ。」

 

「まぁいいやん。」

 

2人は会話しながら歩いていく。どうやら特に行き先を決めることもなくぶらぶらするようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれだけ楽しい時間でも、それには必ず終わりというものが訪れるもので。2人、光輝とはやては今日という日を思う存分楽しんだようだが、既に時刻は夕暮れ時、もうそろそろ家に帰らなければならない時間となっていた。

 

「今日は楽しかったなぁ。」

 

「そうだな。」

 

光輝もそれには素直に同意した。思わず「ジュエルシード」のことを忘れるくらいには今日という日を満喫した光輝である。

 

「もう帰らないと行けない時間だろ。家まで送ってくよ。」

 

「ほんま?じゃぁお願いするわ。」

 

家路に着く2人。本来ならばこのまま今日と言う日を終えたのであろうが・・・。「災害」というのは何事も人がその脅威を忘れたころにやってくるものなのだ。

 

ゴゴゴゴゴゴ・・・!

 

「うぉっ!」

 

「キャァッ!何?地震か?!」

 

いきなり揺れだす地面。周りの人々もいきなりの事態に頭が混乱して冷静な判断が出来ていないらしい。と、そこではやてはありえないものを見た。

 

「こ、こう君!あれ!なんやでかい木が生えとる!」

 

「なんだとっ!」

 

はやてが指差す方向。そちらには確かに伝説にある世界樹と呼ぶにふさわしいような大樹が生えてきていた。明らかに自然現象ではない。その意味するところは・・・。

 

(くっ!ジュエルシードかっ!ここまで規模のでかい暴走をするとは。俺の見積もりが甘かったか!)

 

そうこれほどの規模で暴走をしていれば確実に犠牲者は出てるだろう。光輝の判断は甘かったと言わざるを得ない。せいぜいこの前の狼らしきものくらいの規模かそれよりチョイ上くらいの規模だと想像していたのだ。これは完全に想定外だ。

 

そのとき、光輝の足元からピシッ!ピシッ!という音が聞こえた。そして地面に亀裂が入り始めている。

 

「はやて!」

 

「うわ!」

 

咄嗟にはやてを抱えて横っ飛びする。その直後、地面から木の根っこが飛び出してきた。はやてのいた場所にあった車椅子が粉々に砕け散る。もう少し判断が遅れていれば打撲ではすまなかっただろう。光輝はその場にはやてをおろし、その木の根っこと向かいあった。

 

その木の根っこはどうやらはやてを標的としているらしい。そのとがった根の先をはやてに向けて猛スピードで迫ってくる。

 

「キャッ!」

 

はやては咄嗟に目を閉じた。1秒後に迫り来る痛みを想像し、歯を食いしばっていたが、その瞬間はいつまでたっても来ない。恐る恐る目を開けると、驚愕で頭の中がいっぱいになった。

 

「はやてに・・・手を出すんじゃねぇよっ!」

 

光輝がその手で木の根っこを掴んで止めていたのだ。巨大な根っこの超重量の突進を見事にその小さな体で止めていた。

 

テレキネシスを使うことによって結構余裕で止めれているのだが、周りの目には小さな子供がそれを成し遂げたのだから、かなりの膂力を持っていると誤解されたろう。ま、誤解でもなんでもなく事実そうなのだが。

 

その状態を維持したまま周囲の様子を探る光輝だが、そこで意外な光景を目にした。

 

(はやて以外は襲われていないな。どうやら魔法的資質のある人間を優先的に襲ってるのか?)

 

そう判断した光輝は、周囲に注意を向けながらも、自らが掴んでる根っこを絶対に離さないように力をこめ続ける。

 

ギリッ・・・ギリッ・・・

 

何分かそうしていただろうか。その状況は唐突に終わった。

 

凄まじい轟音とともに大樹に向かって桃色のビームが迫る。何本か枝を伸ばしてガードしていたようだが、そのビームはそんなものは無意味だとでも言うかのように枝を貫通していき、そして大樹に突き刺さった。するとなんということでしょう。大樹が光の粒子に包まれていくではありませんか。

 

光輝が掴んでる根っこも光に包まれていき、そして消え去った。まるで夢のような光景だが、あたりに残された蹂躙の痕が、今起こったことが現実だと言っている。

 

「ふぅ。終わったか。」

 

「こう君、大丈夫なん?」

 

はやてが心配そうに声をかけてくる。その目には親友が怪我をしてるんじゃないかという不安でいっぱいだった。

 

「あんぐらいで怪我しねぇよ。俺は通信八極拳習ってるんだぜ?」

 

「いや、拳法習っててもあんなん対処できひんやろ!」

 

光輝のボケに即座にツッコムはやて。どうやらもう大丈夫のようだ。

 

と、そこで光輝ははやてが地面に直接座ってるのを見てばつの悪いような表情になる。

 

「あ~、悪いなはやて、車椅子壊れちまったみたいだ。」

 

「いや、こう君が無事やったから別にええねんけど・・・。ほんまに大丈夫なん?怪我ないん?」

 

その言葉を聞いて何かを考えるようなしぐさをする。数秒後、こうきはまるで悪戯を思いついた悪がきのようなニヤニヤ笑いをした。

 

「別に大丈夫ですよ?お姫様。」

 

そう言ってはやてを持ち上げる。右手を脇の下から通して背中を支え、左手は膝裏を支えている。所謂お姫様抱っこというやつだった。

 

「ひゃぁ!な、何すんねん!」

 

「いや、車椅子壊れたからはやて抱えないと駄目だろ?」

 

そういって本当にイイ笑顔をする。どうやら抗議の声を聞き入れる気はないようだ。

 

「それはそうやねんけど・・・。」

 

「ん?イヤか?」

 

「・・・べつにイヤやない。」

 

「素直でよろしい。」

 

そういうはやての顔は真っ赤に染まっていたが、どうやら満更でもないようだ。

 

そうして若きお姫様と超能力を扱う騎士は夕暮れに染まる街を家に向かって足を進めていくのであった。

 

 

 

 

 

 

「はやて、1.2キロ増えたな。」

 

「なんでそんな正確にわかんねん!」

 

スパーン!




どうでしょう?

まぁ、ばればれだったとは思いますがヒロインははやてです。

増やすつもりはありません!

関西弁違和感ないですかね?
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