AC版で鶴姉妹が実装しますね。まあお金も艦娘も揃っていない自分にはあまり関係のないことですが。
とりあえず自分にできるのは本家の方で艦娘を育てつつ装備の充実化ですかね。もうすこし層に厚みが欲しいところなんです。
そして最後に少しだけご報告をさせていただきます。
それでは本編参りましょう!
〈千葉県館山市館山基地執務室‐現地時刻8月26日10:59〉
ひとりの執務室で峻は新聞を開いた。見出しには濃く太い文字で《ナポリクーデター鎮圧!》と書かれている。
ペラリと1枚めくると詳細に書かれたページが現れた。
「事態を重く見た欧州連邦政府は軍隊を投入。その後は間もなく鎮圧された……か」
まだ詳しくは発表されていないが、死傷者も数多く出たはずだ。少なくともナポリ駐在の治安維持部隊はボロボロのはず。
死者を悼みながらも読み進める。小さく貼られたモノクロの写真には道端に供えられた花束やお菓子、ワインボトルが写っている。
全て読み終えてから机の上に畳んだ新聞紙を投げた。乱雑に放られた新聞紙はペンなどを押しのけて滑り、端から落ちる前に止まった。
自分たちのことは一切のっていなかった。あの産業スパイもどきのこともだ。あの処理は上層部がうまいこと片付けたのだろう。峻がやったことと言えば報告書を送っただけだ。
「実行犯は未だわからずか」
軍内部の人間である疑いが高いため、若狭のいる対内課が動いているのだろう。だが有力な証拠もないままに捜査したところで見つかるはずもない。これは難航するだろうと峻は個人的に思っていた。証拠であるパソコンは復元不能なレベルで壊されているからだ。止めを刺した本人が言うことではないかもしれないが、あそこまで破壊し尽くした常盤が悪いという事でそこは一つ。
あの後はヘリコプターに艤装を乗せてから峻たちも乗り込みナポリを脱出。フランスの空港に移動し、政府のチャーター便に乗り換えるとそのまま日本へと帰った。ヨーロッパの国々が見えなくなっていくのに比例して眠気と気だるさが体を襲い、起きた時には日本に到着していた。そのまま峻は左肩を治すためにその足で病院へ行き、叢雲たちは館山基地へ一足先に戻った。幸いなことに左肩は大したこともなく、今ではもう完全に元通りだ。帰ってきた当初は瑞鶴たちは憔悴していたものの、今はいつも通りに戻り、トラウマにならなくてよかったと胸をなでおろしていた。恐らくは峻が外している間に加賀あたりがフォローを入れたのだろう。
「入る……わよ……」
ドアを無理やり体で押し開けて荷物の塊、正確に言うと大きなカバンを抱えている叢雲が入ってきた。部屋にキャリーバッグと抱えていたカバンを下ろして荒い息を吐きながら机にエアメールをスライドさせる。
「お疲れさん」
「秘書艦遣いが荒いのよ……ったく」
「別にもう休んでていいぞ」
「ふうん……ならそうさせてもらうわ」
ふわりと髪を揺らして叢雲が執務室から消える。置いていった荷物には見覚えがあった。あれは峻が欧州連邦に行く際にまとめた着替えなどのパッキングされたカバンだ。誰かがわざわざ送ってきてくれたということだろうか。机の上に叢雲が残していったエアメールを手に取り、ペーパーナイフで綺麗に封を切った。
「……オルター少将から? あの人って意識不明の重体だって話だったが何とかなったのか」
《そちらは元気だろうか。私の方といえば一時は生死の淵をさまよったが今では怪我も快方に向かい、間もなく退院になるはずだ。ビスマルクの乱雑すぎる看病がなければもう少し早かったかもしれないが。プリンツに怒られて小さくなっているビスマルクはなかなか見物だった。
すまない、話が逸れた。今回の騒動は巻き込んでしまって申し訳ない。全ては私の不注意が招いてしまったことだ。肩を撃たれたと聞いたが大丈夫だろうか? 発端となった人間が何をと思われるかもしれないが無事を祈っている。
ホテルに置いたままになっていた荷物だが、私が引き取りそちらに送らせてもらった。なにか無くなったものがないか確認してほしい。もしあった場合はこちらで見つけ次第、送らせてもらう。
最後に、本当に巻き込んで申し訳ない。また会えた時に直接謝らせて欲しい。それではまた》
敬語を使わない口調を崩すことなく、それでもこちらのことを心配していることの伝わる文面だ。実にお人好しなオルター少将らしい。
「なんとか欧州連邦は立て直したか……」
立て直したとしてもいつまた崩れるかわからない不安定さを残しているが、表面では落ち着きを取り戻した。峻が何かをするまでもなく、持ち直して回り続けていく。
それは傲慢だ。
わかっていてもなにか出来たのではないかと思ってしまう。何もしなかった自分に腹が立つ。これでは何のために軍に入ったのかすらわからないではないか。
もし。
もし自分があの時、自由な立場だったらもっと簡単に解決することが出来たのではないかと不遜にも思ってしまう。
「『おもしろき ことのなき世を おもしろく』……よく言うぜ、くそったれめ」
自分への嫌悪感を丸出しにして吐き捨てた。おもしろくなどと言っておきながら出来ずに逃げ出しておいておこがましい事この上ない。
「…………工廠行くか」
目を逸らすために開発でもしよう。作りかけのプログラムがあるし、長らく見なかった居残り組の艤装をチェックするのもいいかもしれない。それで気分転換くらいにはなるだろう。何かに没頭していれば嫌な考え方をしなくて済むかもしれない。
「行くとしたらもう少し後ででいいか。眠いから昼寝してからで」
暑すぎる日射しを避けるためにカーテンを引いて椅子に深く腰掛けてから腕を組む。瞼を閉じれば視界が闇に覆われる。夢は見たくない。だからすぐに起きよう。
峻は微睡みに身をゆだねた。
〈千葉県館山市館山基地屋内演習場-現地時刻同日11:10〉
「やあああああ!」
叢雲が裂帛の気合いと共に、勢いをつけて振り下ろした断雨が仮想敵として置いてある、杭に巻かれた畳表を斜めに斬り飛ばした。間髪入れずに踏み込みで次の標的の間を詰めて、袈裟懸けに振り抜いた。くるくると斬り飛ばされた畳表が空中で回転してから地面に落ちてから、中段に刀を構えて残心。溜めていた息を解放して吐き出した。
自動で杭が出現するのを待って叢雲がまた飛び出した。今度は斬りつけるために足を止めるのではなく、駆け抜けるようにしてすべての杭を斬り払う。すべてを斬ってから刀を鞘に収めて、最初の長さから半分程度に短くなった杭の切り口をみた。
「ささくれてるわね……」
綺麗な切り口ではないということはまだ未熟な証だ。本来ならば自らの腕のなさを嘆く所だ。そしてそれを糧にして先へと進む。だが今の叢雲は違った。むしろその顔に笑みすら浮かべている。
「私はまだ未熟……つまりまだ強くなれる! もっと……もっと!」
ここが行き止まりじゃない。まだ先がある。もしここが終着点なら絶望していたかもしれない。でも違う。更なる高みはある。手を伸ばした先にきっとそれはある。
そしてその先にはきっとあいつがいる。あいつと同じステージに立たなければいけない。そうでなくては秘書艦の資格なんてない。
「『おもしろき ことのなき世を おもしろく』……あんたが願うならばそれを私が実現させてみせる。それが秘書艦としての務めだから」
叢雲は執務室から出た後、すぐに立ち去ったわけではなかった。まだ少しだけ荒かった息を整えるために廊下の壁にもたれて休憩していたのだ。だから叢雲が出ていった直後に峻の呟いた句は耳に入ってきた。意図せずにその弱音とも取れる言葉を聞いてしまった。
自分は無力だ。ヨーロッパで路地裏にアサルトライフルを持ったテロリストの2人が飛び込んできた時にも体が固まって咄嗟に動くことが出来なかった。もしあの場にあいつがいなかったら。どんな悲惨な結末になっていたのかを想像するのは簡単だ。
あいつが思い詰めているのはそうやって全て押し付けてしまっている自分のせいなのだろう。自分で対処出来なければいけなかった。トランペットの経験者だからいざとなったら殺すことくらいできると過信していた。殺すたことがあるから大丈夫だと。その驕りがあいつを苦悩させるという結果を招いてしまった。それはひとえに私が弱いから。けれど弱いなら強くなればいい。どんな手を使っても。どんな無茶をしてでも。
壁際のスイッチを荒っぽく押すと、床がせり上がり、次の杭が出現する。畳表が巻かれた杭を睨みつけて大きく踏み込んだ。
「はあああああ!」
がらんとした屋内演習場に叢雲の叫び声が木霊した。
〈埼玉県さいたま市海軍本部防諜対策部ビル4F-現地時刻同日18:37〉
何度も繰り返して読んだ報告書を若狭はデスクに叩きつけた。普段から冷静沈着な若狭にしては珍しいため、長月が年代物の骨董品を見るような目で若狭をちらりと見つめた。
「不遜な輩が艤装に無許可で接続してデータをコピーしようとしていたから止めました。ここまではいいさ。なんでコピーに使用されていたパソコンを穴だらけにしてまで破壊し尽くした常盤!」
解析班から回ってきた報告書にはデータの復旧は不可能である、と断言されていた。これほどまで重要な案件で出来ないなどと言われてたまるかと思いつつ、報告書のページをめくればこれである。解析班が頭を抱えるわけだ。データのサルベージを試みようにも大元が物理的に壊されていては拾えたはずのデータも拾えない。
「これじゃあ隠蔽の仕方から辿って過去に似たような事例がないかどうかの確認すらできないじゃないか……」
ただでさえ対内課は、というよりも防諜対策部は人員が少なくて喘いでいるのだ。この仕事は国防に深く関わる案件のため、ずば抜けて優秀で裏切ることのない人間しか任せられない。そもそもトランペットのせいで日本海軍は人員不足が問題に上がっているのに、その中からさらに厳しい条件が付いているのなら数が減るのは必然だ。
「若狭、手伝おうか?」
「いや、いいよ。長月はシャーマンが直接的に、もしくは間接的に接触したであろう人物の人間関係を洗い出しておいて」
「心得た。とはいってもな……これで絞り込めるのか?」
「……やらないよりはマシだよ。もしかしたらそこから何か法則性が見えるかもしれない」
「そうか。若狭がそういうのならば信じよう。それにしても膨大な量になるが」
矢田が資材を着服して横流ししていた相手先から賄賂の送り先、果ては行きつけの店の従業員まで。この作業を関わっている可能性のある人物全てにやるのだ。絞り込めているかと聞かれれば恐ろしく微妙なラインだ。だがそれを言っていてはこの手の仕事はできない。効率など二の次にして考え得る可能性を徹底的に洗い出し、全て試す。面倒だ、などという言葉は論外だ。
「それにしても長月も様になってきたね」
「マルチタスクをこなしている若狭に言われても褒められている気がしないぞ」
「たった2件だよ。軽い軽い」
「3件だろう? シャーマンの件、欧州スパイの件、そして……帆波大佐の過去」
「はは……長月にはバレても仕方ないか」
若狭の顔は笑っている。長月を射抜くような目線を放ちながら。だがその程度ではもう長月は引かない。むしろ正面から若狭の目を真っ直ぐに見つめ返す。
「僕はシャーマンが帆波にこだわっていると睨んでる。だとすれば帆波にこだわる理由があるはずだ。だから過去をさらっているんだよ」
「結果は?」
「ダメだね。帆波が幼少期に入った施設は今はもう潰れてるから探りを入れる事は無理だ。さらにそこの院長は病死しているから聞き込むことも出来ない。その他に関連していた人間も深海棲艦の湾岸砲撃や、内地暴動などに巻き込まれて死んでる。やりようが無いね」
「それ以外に足取りはないのか?」
「ない。海大に入るまでは一切が謎だよ」
海大に入ってからは若狭と峻は同期の訓練生だ。その後はだいたいのことは分かっていた。けれどその前は知らない。どこからともなくいきなり現れて海大に入り、そのまま基地司令にまで流れでのし上がった。本当にそれだけだ。
「若狭、悪手ではあるかもしれないがいっそのこと直接聞いてみるのはどうだ? 昔は何をやっていたんだ、と」
「帆波にかい? 無理だったよ」
「無理……
若狭の過去形に対して長月が耳ざとく反応する。
「そう。昔、なんとなく気になって聞いてみたんだよ。もちろん露骨に聞いたわけじゃないけど、明らかにはぐらかされたね。それも1回や2回じゃない。僕以外に聞かれた時も全部有耶無耶にして誤魔化してた」
当時の若狭には別になにか思惑があるわけでなく、なんとなく聞いてみただけだった。それを峻は話巧みに話題を逸らして逃げたのだ。これはつまり意図的に隠している。どうあっても知られたくない過去らしい。そこまでして秘密にしているものを真正面から聞いたところであの峻があっさりと教えてくれるとは若狭には思えなかった。
「そうなるとこっそり調べるしかないわけか……」
「そういうことさ。でも骨が折れるね。まさか足取りすらも掴めないとは」
「謎だらけの人だな」
「まったくだよ」
ヴェールに覆い隠された過去を暴くのは難しい。それを本人が意図してさらに隠蔽しようとしているならば尚更だ。
「ヨーロッパの産業スパイもどきの方も厳しいのか?」
「あれは厳しいどころの話じゃないね。なにせ証拠になる可能性があったものが破壊されてるんだから。こっちの身にもなってほしいよ」
「打つ手なしか……」
「どこから情報が漏れたのか早急に対策しなくちゃいけないんだけどこれじゃあね。だれがパスを漏らしたかの特定もしなくちゃならない」
「目処はついているのか?」
「あるって言えればどんなに良かったことか。証拠なし、照合するためのデータもなしではお手上げさ」
若狭はほとほと参っていた。東雲がシャーマンだと疑っていたが尻尾を出す様子もない。産業スパイもどきにパスや突破ルートを教えた人物の目星もつかず、峻の過去については皆目検討もつかない。どうすればいいのか頭を悩ますのも無理ないことだ。
「長月、矢田の周辺に怪しい人物はいたかい?」
「今のところ当たりはなしだ。黒いことをしている人間はいるが、いずれもそこまでのハックスキルは持っていない。シャーマンである可能性は皆無だろう」
「そっちも収穫はなしか……」
ぐぐっと伸びをする長月を見ながら若狭も1度手を休める。煮詰まってきていたため、休憩を入れた方がいい。それにそろそろ夕食時だ。腹が減っては戦はできぬ、とも言うくらいなので、そろそろ食事をとった方が後々の効率を考えるならいいかもしれない。
そう思っていたタイミングを狙ったかのように長月のお腹がキュルルゥ……という可愛らしく思える音を鳴らした。状況を理解するのに一瞬の間が空いた後に長月の顔が赤く染まっていく。
「長月、ご飯にしようか」
「…………」
長月が無言でこくりと頷いて、そのまま俯いた。流れるような緑色の髪が赤い顔を隠してしまう。最近になって段々と動じることも無くなってきたように思われたが、こういった方向を突かれるとどうも弱いようだ。まあ仕事においてはしっかりしているため若狭は特に気にしてはいなかった。支障を出しているようなら補佐に付けたりなどしない。
「じゃあ行こうか」
切り替えは大事。一旦は仕事の事は置いておいて思考を食事に変更する。廊下を歩く若狭の後ろを長月がてこてことついていった。
〈神奈川県横須賀市横須賀鎮守府-現地時刻同日19:46〉
夜の帳が下りた埠頭を何となしにぼんやりと歩く。咥えたタバコが紫煙を立ち上らせては解けて消えていく。
東雲は短くなったタバコの火を消して携帯灰皿に入れた。2本目を咥えると使い込まれたオイルライターで火をつけた。ニコチンの煙を肺に取り込み、ゆっくりと時間をかけて吐き出した。
普段は連続して吸おうものなら翔鶴が止めにくる。だが今日は翔鶴はオフの日だ。今頃は羽根を伸ばしているため、止める者はいない。
「翔鶴さんに怒られますよ?」
「そう言うなよ。偶にはいいだろ?」
たそがれていた東雲の後方に吹雪が風でスカートがめくれるのを抑えながら立っていた。
「まあ黙っといてあげます。ただ体は大切にしてくださいね?」
「分かってるよ。ただ吸わなきゃやってらんねえ時もあるってことだ」
「私にはよくわかんないです」
「それでいい。本来ならこんなもんは吸わないに越したことは無いんだからな」
くしゃっと空になった箱を握りつぶしてポケットに入れた。不健康だとわかっていてもやりたいことだってある。どうしても連続して吸いたくなる時もあるのだ。
「私にも1本ください」
「空になっちまったよ。残念だったな」
「上着の内ポケット」
「……気づいてやがったか。駄目だ。1度やったら癖になるぞ」
「そういうものなんですか?」
「そういうもんだ」
1回やってしまえば2回目以降は慣れてしまう。その後も回数を重ねるにつれてだんだんと当たり前になる。
吐き出した煙が上り、宵闇へと消えていくのを眺めながら咥えたタバコを上下に動かした。1本だけと言って吸い始めた東雲も今では立派なニコチン中毒者だ。
「ヨーロッパ、大変でしたね」
「シュンの奴か。大変ではあったろうが、俺には何もできん」
「司令官はなんで帆波大佐のことをあんなに気にかけているんですか? 普通しませんよ、不祥事の握り潰しとか」
「うぐ……まあ色々あんだよ」
「その色々が聞いてみたいんですっ」
「む……なんていうかあいつには不思議な感じがするんだよ」
「不思議……ですか?」
「ちょっと違うかもな。ただ……」
「ただ?」
言い淀む東雲を吹雪が促す。言葉を探すようにフィルターを噛み潰している。
「なんだろな、俺はあいつがこの閉塞した現状を変えれるような気がしたんだ。初めてあいつと組んだ日にな」
「……? すみません、よくわかんないです」
「それでいいんだよ。半分は山勘みたいなもんだ」
自分は主人公になれない。
その事実に気がついたのはいつの頃だったろうか。どこまでいっても自分は
村人A以上の存在にはなれないのだと理解すると同時に東雲は、そうと決まったのならばいっそのこと脇役を極めてやろうと思った。
そんな時、帆波峻という人間に出会った。東雲には彼の全てが輝いて見えたのだ。それと共に自分は脇役だという確信が強くなっていった。
だがそれでいい。
きっと峻は世界をよりいい方向に変えるという、東雲には出来ないことをやってのけるのだろう。いや、やってのけると信じている。ならば村人Aとして主人公を支えてやるのが自分に与えられた役割だ。
「ま、しばらくは休ませてやるとするか」
さしあたっては暫しの休息を取らせよう。心身ともに疲労しているはずだ。残念ではあるが、頭の中に作っていた演習リストは破棄してやることにした。
携帯灰皿にタバコを押し付けて火を消し、灰皿の中に落とす。
「吹雪、戻るぞ」
「はい。明日はサボっちゃダメですよ?」
「休憩だっての。それに仕事は片付けてある」
埠頭を離れる東雲の半歩後ろを吹雪がついて歩く。さあっと吹いた冷たい海風が首筋を撫でて身震いをした。
「夏も終わりだな……」
「そうですね……」
夜になると肌寒くなってきた。もうすぐ秋が生まれる。
あと何回季節が移り変わればこの戦いは終わりを告げるのだろう。
長々と続いた欧州編、これで遂に完結となります。これで次回からは新章突入です! 話数的にみればそんなに変わんないんですけど、文字数が……はじめの頃は1話あたりの平均が2000文字ちょっとだったのが最近では6000オーバーが当たり前になってきたので結果的には増えてます。今回のも7600くらいですし。
で、報告というのはですね。
この度、3人のハーメルン作家さんたちと共同執筆でストライクウィッチーズの小説をかかせていただいてます! お声をかけていただいた時は今日が自分の命日かと思いました。
ゴールデンカイトウィッチーズというタイトルでやってます! 一緒にやらせて頂いている先生方は、
オーバードライヴ 先生
帝都造営 先生
矢神敏一 先生
の御三方です。本当に御三方ともすごい方たちばかりですよ。もしよろしければ読んで頂けると非常に嬉しいです。
https://novel.syosetu.org/100180/
ダイマ失礼しました。
感想、評価などお待ちしております。それでは!