〜side.コルル〜
な、なんで。なんでこいつがしおり姉ちゃんと一緒にいるの...?
全身から滲み出す汗が止まらない。
「突然、フラフラと歩いて行ってしまったので具合でも悪いんじゃないかと心配してたんです。それにしても良かったです、交通事故にでも遭ってたら大変ですからね」
気持ち悪い、声が聞こえるたび胃液が逆流しそうな程にお腹が締め付けられる。
「大事にならなくて良かったぁ。本当にありがとうね」
しおり姉ちゃんを連れて逃げなきゃ!しおり姉ちゃんはこの女の危険性が分かってない!しおり姉ちゃんが危ない目に遭う前に一刻も早くっ!
緊張か焦りか、そのせいで拳に力が入る。
クシャリと音が鳴る。手を見ると公園で作った花かんむりが握り潰され、持っていた部分が潰れていた。
「あれ、コルル?手に持ってるそれはどうしたの?」
しまった、しおり姉ちゃんにあげるつもりだったのに台無しだ。
「ティ、ティーナのお礼...のつもりだったんだけど...ほら、ティーナとお揃いの...」
「え!コルルが作ったの!?凄いわ!ねえ、コルルその花かんむり私にくれない?」
「で、でもくしゃくしゃになってるわ...」
「ううん、それがいいの。コルルが私のために作ってくれた、それだけですっごく嬉しいの」
そう言うと、私の手から花かんむりを抜き取り自分の頭に被せた。
「ふふっ、どう?」
今までの嫌なことなんて全て忘れてしまうんじゃないか、そう思えるくらいの笑顔が私の心を温めてくれる。
「良く、似合うわ!」
ありがとう、しおり姉ちゃん。私は───
「コルルちゃんも見つかったことですし、私はこれで」
不意に戻される現実。鼓動が早まるのを感じる。
「うん、本当にありがとうね。麻耶ちゃん」
「いえいえ、お気になさらず。同じ小さい子供を預かる身ですから。何かあったらいつでも呼んでください」
「麻耶ちゃんこそ、何かあったら頼ってね。これでも年上だからさ」
「ええ、是非とも頼りにさせてもらいますよ。それでは」
女は去っていった。全身から力が抜けて座り込んでしまう。
「コルルっ。麻耶ちゃんの言ってた通り具合でも悪いの?」
「ううん。ちょっと疲れただけよ...」
「ならいいけど...」
少し考える素振りを見せるしおり姉ちゃん。
「...よし、おぶさりな」
「え?いいの?」
「もちろん!家まで走ったげるわ!」
そういうと私をおんぶして立ち上がり「GOー!」という掛け声と同時に走り出した。
「きゃあ!」
いきなり走り出したので少し驚いたが次第に楽しくなり2人で笑いながら帰路についた。
家に着く頃にはあの女のことなんて頭の隅に追いやっていた。
久しぶり過ぎて書き方忘れたわ。
コルルの性格がおかしいことになってんな
また、気が向いたら書く