狩人様は神喰いに。   作:zakuzaku

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休みなのでついつい夜中まで書いてしまった……。
想像力が止まらない。


狩人から神喰いへ

「……どういった状況だこれは?」

 

 

前にも同じことを言った気がする。というか言った。しかもごく最近……いや、もっと前にも言ったな。確かあれは、ヨセフカの診療所で目覚めたときだったか。

 

 

「で、なんでまた診察台みたいなやつの上で目を覚ましたんだか……」

 

「気を楽になさい」

 

「あ?」

 

 

どこからか声が聞こえた。というか反響したように聞こえる。そのためどこからの声かわからない。そう思い周りを見渡している俺を尻目に、その声は話を勝手に続けた。

 

 

「貴方は既に選ばれているのです。だから、何も不安がる必要はありませんよ」

 

 

……なんのことだか意味だかさっぱり分からない。ちょっと記憶を辿ってみるとしよう。たしか俺は荒野で目覚めて……。

 

 

「今から貴方には、対アラガミ討伐部隊「ゴッドイーター」の適合試験を受けて頂きます。さあ、右手を装置に置いてください」

 

 

何?右手?あぁ、はいはい。で、どこまで思い出した?あー……そうだ、俺は変な獣どもに襲われたんだったな。

 

 

 

「そう、それでいいのです。全て、身を任せなさい。貴方は既に……「荒ぶる神々」に選ばれているのだから……フフッ」

 

 

あぁ、そうか。あいつらと戦って、血をなめたら意識を失ったんだ。いや、あそこまで刺激の強い血は初めてだったな……。って、何故腕が固定されてる?

 

 

 

 

 

 

「貴方に祝福があらんことを……」

 

「ッッァアア!?」

 

 

その声を聴いた刹那、俺の腕に激痛が走った。

 

 

いでででででで!!!!??なんだコレ痛ぇ!!?今まで味わってきた痛みで3本目のへその緒、じゃなくて3本の指に入るほどに!!まるで発狂と劇毒がいっぺんに発症した3割増しぐらいにはヤバい。ってんなこと言ってる場合じゃ……ッッァアア!!つまで続くよこの痛みぃぃぃぃッッッッッ!!!!??

 

 

そんなこと思いながら、腕を抑える。だが決して声は出さない。昔の経験上痛みで叫びまくってたら周りから獣がさらに寄ってきてミンチよりひどい死に方をしたことがあった。それ以来俺は、決して声を出して痛がらないようにしているのだ。とはいえ、今回の痛みも中々にキツイ。流石に無言を貫くのは難しく、うめき声が少し漏れた。

 

 

「……静か、だな。あの痛みを経験して叫ばなかった者などいないと聞くが?」

 

「ええ……やはり、彼は少し『特別』のようね……フフッ」

 

 

そう話す二人組のことなどいざ知らず。俺は腕の痛みを抑えるために呼吸法と脳内計算すら始めていた。

 

 

4つ数える息を吸う、4つ数える息を吐く……1000-7=993、993-7=986……。

よし、だいぶ落ち着いてきた。なんとか凌いだらしい。とにかくこの上から降りよう。何されるか分かったもんじゃない。

 

 

そう思って、降りようとした瞬間。俺は無意識に手に持ってるそれを見て、数秒固まった。

 

 

「え……なんだ……コレ」

 

 

握られていたのは……大剣と言うべきか。身の丈にもなりそうな剣、ルドウイークの聖剣ほどはある。だが、形状が少し異質だ。柄の近くには細長い銃のようなものが付いており、今まで愛用してきたレイテルパラッシュや銃槍を彷彿とさせた。

 

 

「おめでとう。これであなたは神を喰らう者『ゴッドイーター』になりました」

 

God Eater(神を喰らう者)...?」

 

 

……いったいそれは何だ?いつの間にそんな大それたものになったんだ俺は?

 

 

「……すまないが、先ほどから話が読めない。俺はどうしてここにいる、アンタ連れてきたのか?」

 

 

とりあえず、得体のしれない声に問いかけてみることにした。それに対して、後ろの男は目を丸くした。

 

 

「ラケル博士……まさか同意を得ないで、彼に適合試験を施したのか?」

 

「フフッ……同意はしていたわ。彼の意志ではなく……彼の『血の意志』がそう望んだのよ。だから、私はそれに応えた……いけないかしら?」

 

「仮にそうだったとしても、彼は――」

 

「貴方は否定するかもしれないけど、どの道……あの状態ではオラクル細胞を投与しなければ死んでいたわ。命を救った代償が……ゴッドイーターとなることなら、寧ろ感謝されるべきだと思うのだけれど」

 

「……!」

 

 

男は呆れた。全くこの人は本当に自分の考えは曲げない。そして、狡猾でもある。ひどい言い方のようだが、現にそれを行動に示した。そして、今も――。

 

 

「……(都合のいい部分だけマイクをオンにしていたか)」

 

 

 

 

 

 

 

その会話の内、俺が聞こえた内容がこうだった。

 

 

「……『血の意志』がそう望んだのよ。私はそれに応えた……いけないかしら?」

 

「……何?」

 

「貴方は……あの状態ではオラクル細胞を投与しなければ死んでいたわ。命を救った代償が……ゴッドイーターとなることなら、寧ろ感謝されるべきだと思うのだけれど」

 

「……」

 

 

俺は黙ってその声が示す意味を脳内で模索した。断片的に理解できる言葉から意味を抽出し俺が理解しえたこと……それは「死にそうになってたところを声の主から治療を受け、一命をとりとめた」という事実。「オラクル細胞」……と言ったか。恐らく、俺の知る「血の医療」のような何かを体に入れる治療なのだろう。得体のしれないものが体に入れられるのは二度目だが、それで命が助かった手前文句は言えないだろう。

 

 

「相手がそんな恩人だったとは知らず、無礼を働いてしまった。申し訳ない」

 

 

とりあえず、謝罪はしておく。狩人にだって礼儀は存在する。アンナリーゼ女王に一度は使えた身だ。最低限の儀礼作法は心得ているつもりだ。

 

 

「フフッ……気にしなくていいのよ。私は、迷える貴方に道を示すためにいるのだから。不安に思うかもしれませんが……今は私の言葉を信じて、ゴッドイーターとしての役目を果たしなさい」

 

「……了解した。貴女の言葉を信じよう」

 

 

――死、目覚め、助言。

 

どうしようもない既視感に襲われる。ただ、経験則から言えることは、その声の主はこの世界で俺の助言者となる人物なのだろうということ。状況から見て彼女の指示に従って今後は動いた方が良さそうだ。そう決意を固め、俺は再度自分の持つ武器を振るう。

 

 

「まずは、体力の回復に努めなさい……貴方には……期待していますよ」

 

 

 

 

 

 

――この瞬間から、狩人「Adolphus Djanogly(アドルファス ジャノグリー)」は「神を喰らう者」……

 

 

 

 

 

 

ゴッドイーターとして、新たなる物語を歩むこととなった。

 

 

 




さて、今後どうなっていくんでしょうか……。
私もどうなるか楽しみです。
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