グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

104 / 337
第99話 驚愕

魔物の巨大な足が

ロウたちに迫った。

 

その瞬間だった。

 

「!!」

 

上空から巨大な赤色のレーザーの

ようなものが魔物に放たれた。

 

「わぁ!」

 

「ぎゃあ!」

 

あまりの衝撃に少し後ろに吹き飛ぶ。

 

「今の魔法は・・・この強さ・・・

 誰が・・・。」

 

「雪白!!」

 

あっけにとられていたましろの元に

虎千代、アイラたちが合流する。

 

「無事かと聞きたいところだが、

 そんな暇はない!」

 

「周万姫の魔法で、あのデカブツ、

 さすがに弱っておる!一気にトドメをさすぞ!」

 

「・・・はい!」

 

「まったく、あれでくたばらねえ

 とは驚いたな・・・。」

 

「ロウさん・・・。」

 

ましろはロウの隣に立つ。

 

「わかってる、魔力供給を止めるな

 って言いてえんだろ。」

 

「・・・ええ。わたくしはここで死んでも

 構わない覚悟です。」

 

「明鈴、レナ。おらたちの魔法、けっして

 強くねえけど・・・ましろを手助けするべ。」

 

「おっけー!」

 

「お、おけ! おけ!」

 

全員がそれぞれ構える。

 

「よし・・・・・。」

 

「・・・・では!!」

 

「終わらせます!!」

 

魔物の周囲から

一斉に魔法による攻撃が始まった。

 

虎千代の極太の雷、アイラの巨大な炎、

そして、ましろの氷が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

ついに魔物が倒れ、霧散した。

 

「・・・これで・・・私の・・・

 こ・・・きょ・・・・・。」

 

言葉を言いきる前に

ましろはその場に倒れた。

 

「! 雪白!」

 

倒れたましろを

ロウは抱きかかえる。

 

「・・・・まったく・・・。」

 

ロウは思わず穏やかな

笑みを浮かべた。

なぜなら、ましろは満足した顔を

して眠っていたからだ。

 

「これで、終わりか・・・・うおっ。」

 

足がふらつき、地面に座り込んでしまう。

 

「くそ・・・少し能力を使いすぎたな・・・・。」

 

ピピピピピ!

 

「・・・む?」

 

デバイスが鳴ったのは、

虎千代だった。

 

「もしもし・・・・はい・・・・

 ・・・・なに!?」

 

「・・・?」

 

相手からの電話で

虎千代が声を荒げ、数分話を聞き、通話を切る。

 

「会長、どうした?」

 

若干ふらつきながらも

虎千代のもとに行く。

 

「・・・北海道周辺を警備していた

 国軍兵士数名が・・・・・死んでいた・・・。」

 

「死んでいた・・・? どういうことだ。」

 

「・・・あまり大きな声で言うなよ?」

 

ロウに耳打ちする。

 

「・・・銃弾が? じゃあ、つまり・・・。」

 

「ああ、魔物ではなく、人間の手に

 よって・・・・・殺された。」

 

「きな臭いな・・・・。」

 

ここでロウはクエストでの

結希の言葉を思い出した。

 

『北海道で狙ってくるかもしれない。』

 

「・・・会長。」

 

「ん?」

 

「・・・俺が調べてこよう。他の奴らじゃ

 まだ動けねえだろ。」

 

「だめだ!」

 

調べに行こうとしたロウを

虎千代は肩をつかんで止める。

 

「なんでだ。」

 

「お前が狙われてないという確証がない。

 だから・・・」

 

「俺を動かすわけにはいかないって

 ことか・・・なら、俺1人じゃなきゃいいんだろ。」

 

周りを何度か見て、

何かを探す。

 

「・・・! あいつらならいいだろ。」

 

「・・・・・・・ああ、わかった・・・。」

 

かなり悩みながらも、

虎千代は許可した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この北海道に誰かが入ってきたぁ!?」

 

響くように大きな声を上げたのは

夏海だった。

 

「あまりでけえ声で言ってんじゃねえ。

 むこうに警戒されるだろ。」

 

「・・・確かにそうだな。」

 

ロウに賛成したのは怜だ。

 

「それでどうするんですか? ロウさん。」

 

ロウに尋ねたのは智花である。

 

「北海道になると広いからな。ここは

 二手に分かれる。見つけたときは・・・・

 どうにかして知らせろ。」

 

「ちょっと雑ね・・・。そうするんならじゃあ、

 私と怜。ロウと智花でどう?」

 

「//ええ!?」

 

「ああ、問題ない。」

 

あっさりと言う。

 

「そっ。 じゃあ、行こー! 怜!」

 

智花を見てニヤニヤしながら

早足で向かう。

 

「ま、待て! 夏海!」

 

夏海の後を追い、怜も調べに向かう。

 

「・・・さて、俺たちも行くぞ。」

 

「//・・・・。」

 

「・・・南?」

 

「ふぇ!? は、はい!!」

 

「大丈夫か?」

 

「///は、はい・・・。」

 

少し顔が赤くなる。

 

「ところで・・・なんで岸田の

 やつ、ニヤニヤしてたんだ?」

 

「え、さ、さぁ~・・・よく

 わからないです・・・。」

 

目を泳がせて、ごまかす。

 

「そうか・・・んじゃあ、行くぞ。」

 

「はい!」

 

 

 

 

<ロウ、智花、移動中>

 

 

 

「しかし、よくこんな場所に

 入ってこようと思ったもんだ。」

 

「え?」

 

「国軍兵士を殺した奴だ。目的がなきゃ

 魔物だらけの場所に来るはずがねえ。」

 

わからないという感じで

頭を掻く。

 

「いったい何が目的だ・・・・?」

 

歩きながら、腕を組んで

考え始める。

 

「・・・でも、さっきから誰も

 見ませんよ?」

 

「・・・・・。」

 

考えに集中して

智花の意見を聞いていなかった。

 

「・・・・ん? 今何か言ったか?」

 

「あ・・・な、何でもないです・・・。」

 

「・・・とりあえず、その侵入者を

 探すことが先決だ。」

 

「そ、そうですね!」

 

そう言って、智花は

張り切って歩き出す。

 

その時だった。

 

「・・・!」

 

ロウは智花から数メートル先に

ワイヤーが張られていることに気づいた。

そして、智花はそれに気づいていない。

 

「まずい・・・・!」

 

ロウが一気に走り出したが

智花は気づかずに、そのワイヤーを

踏んでしまう。

 

「くそ!」

 

「え・・・ひゃあ!?」

 

智花を包み込むように抱きしめ、

地面をごろごろと転がる。

 

その瞬間、2人の後ろで

大きな爆発が起きる。

 

「ぐぅ・・・・!?」

 

ロウの背中に激痛が走る。

 

「い、今のって・・・・ !!」

 

起き上がると、倒れて

苦しんでいるロウの姿を見た。

 

「ロウさん!」

 

「ぐ・・・・!」

 

苦しむ声をあげながらも

なんとか立ち上がる。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「問題ねえよ・・・!」

 

「智花ー! ロウー!」

 

2人の名前を叫びながら

夏海、怜が合流する。

 

「2人とも! 大丈夫か!?」

 

「ああ、どうにかな・・・。

 ・・・! あれは・・・。」

 

ロウが指さした先には

白いコートを着て、フードをすっぽりかぶった

人が立っていた。

 

「・・・・。」

 

白いコートの人物に向かって

ロウは歩き出す。

 

「ちょ、あ、危ないんじゃ・・・。」

 

「お前らそこにいろ。」

 

そう言って、夏海をにらみつけた。

 

「・・・お前、いったい何者だ。」

 

「・・・・ふふっ。」

 

声の感じから・・・・女か・・・。

 

「何者だと聞いている。」

 

「・・・やっぱりこれじゃあ気づかないよね。」

 

「・・・何の話だ。」

 

「いいよ、フード取ってあげる。」

 

そう言って、ゆっくりフードに

手をかけ、それを取る。

 

その時、ロウの目は大きく開いた。

 

「・・・・お前・・・まさか・・・・。」

 

声が震え、持っていた

刀を落とす。

 

「何? 何なの?」

 

「ロウさん?」

 

「・・・・・。」

 

「まあ、驚くのも無理はないっか。

 ・・・・久しぶりだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロウ兄。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。