グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第104話 秘密

智花の部屋

 

『明日放課後、校門前だ。じゃあな。』

 

「////・・・・・。」

 

智花は顔を赤くし、ロウの

言葉を思い出していた。

 

「////あ、あれって、やっぱり・・・。」

 

智花の頭の中には

1つの答えが浮かんでいた。

 

「////で、で・・・。」

 

どんどん顔が赤くなる。

 

「/////ああ~~・・・!」

 

ベッドの上でゴロゴロと転がる。

 

「/////やややっぱり、そういうことじゃ・・・

 ああ、でもどうして急に・・・。」

 

転がりながらしゃべる。

 

「/////・・・って、こんなことしてる

 場合じゃないんじゃ・・・?」

 

急いで起き上がり、クローゼット、

タンスを勢いよく開ける。

 

「////な、何を着れば・・・!」

 

明日の服を選ぼうと

服を手に取ろうとした。

 

「/////・・・け、けど、もし

 ロウさんがで、で、デートと考えて

 なかったら・・・。」

 

そんな不安が智花の脳裏によぎる。

 

「/////・・・・うぅ~・・・!!」

 

どうすればいいかわからず、

頭を抱える。

 

「/////ど、どうすれば・・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「・・・・んん・・・?」

 

智花は重たい目を開ける。

どうやら、いつのまにか寝てしまったようだ。

 

「はれ・・・わたひ・・・・

 ねちゃって・・・?」

 

寝ぼけた目で時計を見る。

時刻は16時になっていた。

 

「・・・ふぇ・・・・ええええ!?」

 

智花の顔が青ざめ、慌て始める。

 

「あわわわわ・・・!!

 い、いい急がなきゃ~~~!!!」

 

急いで制服に着替え、

ロウとの待ち合わせに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

校門前

 

「・・・・・。」

 

校門の柱に背を預け、

ロウは空を見上げていた。

 

「お、お待たせしました~!!」

 

「気にするな。それより、今日なんで

 教室にいなかったんだ?」

 

「///え、あ、そ、それは・・・。」

 

少しずつ目をそらし始める。

 

「///ちょちょ、ちょっといろいろ

 ありまして・・・。」

 

「? そうか。・・・さて、

 んじゃあ行くか。」

 

ロウはスタスタと歩き出す。

 

「///あ、は、はい!」

 

智花はそれを追って軽く走り出した。

 

 

 

 

<ロウ、智花、移動中>

 

 

 

 

風飛市内

 

街中

 

「ろ、ロウさん・・・。」

 

「ん?」

 

「きょ、今日はどこに行くんですか・・・?」

 

目的地のことを聞いていなかったため

恐る恐るロウに聞いた。

 

「ああ心配するな。お前は一度来たことある場所だ。」

 

「一度来た・・・?」

 

「ああ。だが、その前に・・・。」

 

ロウはちらっと後ろを見る。

 

「? あの・・・。」

 

智花も後ろを見ようとする。

 

「見んな。」

 

「え?」

 

「・・・南、先に駅に行っててくれ。

 俺は軽い用事を済ませてから来る。」

 

「は、はい・・・わかりました。」

 

そう言って、智花は駅の方に

歩き出し、ロウは逆の方向に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

路地裏

 

さぁて・・・。

 

ロウはそこで立ち止まった。

 

「隠れてないで出て来い。

 もう、尾行はバレてるぞ。」

 

誰かに向かって話し始める。

 

「・・・出てこねえんなら・・・。」

 

手をかざし、手のひらに

青色のサークルを作る。

 

「これで無理やりにでも引きずり出すぞ。」

 

「・・・・くっ!」

 

物陰から出てきたのはロウと

同じ制服を着て、腕に『風紀』と

書かれた腕章をつけていた男子生徒だった。

 

「それで、何の用だ。」

 

「・・・・。」

 

だんまりを決め込む。

 

「・・・・まあ、俺からいうことは簡単なことだ。」

 

風紀委員を力によって

壁に押し付ける。

 

「ぐっ!?」

 

「今日の尾行はこれでやめとけ。

 もしできねえなら・・・。」

 

懐から銃を取り出す。

 

「!!」

 

「お前の脳天をここで撃ち抜くだけだ。」

 

銃口を風紀委員の頭に当てる。

 

「ひっ!? ま、待て! わかった!

 わかった!!」

 

「・・・・・。」

 

ゆっくり銃を下す。

 

「わかればいいんだ。ついでにこの脅しの

 ことも言うんじゃねえぞ。」

 

「わ、わかってる!」

 

「なら行け。」

 

「は、はい!!」

 

怯えた表情をしながら、

駆け出して行った。

 

「・・・・・。」

 

その姿をロウは静かに見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたな。」

 

尾行を追い払ったロウは

智花と合流した。

 

「用事は終わったんですか?」

 

「ああ。大した用じゃなかったからな。」

 

首をコキコキと鳴らす。

 

「そうなんですか・・・。」

 

「さて、行くぞ。」

 

 

 

 

<ロウ、智花、移動中>

 

 

 

 

「・・・ロウさん、ここって・・・。」

 

智花はロウに連れてこられた

場所に見覚えがあった。

 

「ああ、純雄さんの寺だ。」

 

クリスマスの時にロウが

訪れた寺であった。

 

「あ、あの・・・。」

 

「おお、ロウ君に南ちゃん!」

 

ロウに話しかけようとしたとき

純雄がこちらにやってきた。

 

「どうも。」

 

「あ、こ、こんにちはです!」

 

「はい、こんにちは。」

 

純雄は深々と頭を下げる。

 

「それで、今日は何かな?」

 

「・・・奥の離れを借りたい。」

 

「ん、離れかい? 問題ないが・・・

 ・・・! そうか・・・。」

 

純雄はロウの顔を見て、

何かを察した。

 

「君にもとうとうその時が

 来たか・・・・。」

 

「単なる気まぐれですよ。

 じゃあ、離れを借りますよ。」

 

「ああ、好きにしなさい。」

 

軽い溜息を吐いたロウを

純雄は穏やかな笑顔を浮かべる。

 

「・・・行くぞ、南。」

 

スタスタと歩いていく。

 

「あ、は、はい!」

 

「ふふふ・・・。」

 

ロウと智花に手を振る。

 

「・・・・そうか・・・・そうか・・・・。」

 

空を見上げつぶやく。

純雄はロウとのある会話を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『何か用ですか? 純雄さん。』

 

息を切らせたロウが

純雄に尋ねる。

 

『いやいや、最近の君の様子が

 聞きたくてね。』

 

『まったく、ここがつぶれるのかと

 思いましたよ・・・。』

 

『ははは・・・それで、どうだい?』

 

微笑みあがら尋ねる。

 

『どうって、何がです?』

 

『今の君には人の心配ができても

 自分のことには触れさせないようにするからね。』

 

『別にそうする必要もないでしょ。』

 

『・・・果たしてそうかな?』

 

『・・・え?』

 

純雄はロウの肩に手をポンと置く。

 

『君は、自分のことを秘密にしている。

 しかし、秘密というのはね。いつか、

 明かされるものなんだ。』

 

『・・・・・。』

 

『いつか君は話すよ。魔法学園の

 みんなにね。』

 

『・・・ふふ。』

 

軽く笑いだす。

 

『そんな日は来ませんよ。永遠に。』

 

『いいや、来る。・・・必ず。』

 

『・・・・・・言いたいことはそれだけですか?』

 

『・・・・ああ。』

 

『・・・では、もう帰ります。』

 

ロウは背を向け、帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ふふ。」

 

空を見ながら微笑んだ。

 

「みんなにではなかったけど・・・

 ・・・やはり来たね。ロウ君。」

 

 

 

 

 

 

離れ

 

「あ、あの・・・。」

 

「まあ、座ってくれ。」

 

質問しようとした智花の言葉を遮り

座るように促す。

 

「は、はい。」

 

「・・・・・。」

 

智花は座るが、数分の間

ロウは黙っていた。

 

「・・・・・ろ、ロウさん・・・?」

 

「・・・・・南。」

 

「はい?」

 

「・・・今から言う話は

 まだ他の奴らには話さないでほしい。」

 

「話・・・ですか?」

 

「ああ・・・。」

 

ロウはゆっくりと目を閉じ、

そして、ゆっくり目を開ける。

 

「・・・この話を知ってるのは

 おっさんと純雄さんだけだ。ほかの

 グリモアの生徒には一切話していない。」

 

「・・・そう、なんですか・・・?」

 

「・・・話すのが、お前でよかった。」

 

「・・・え?」

 

小さい声で言ったため、

智花は聞き取れなかった。

 

「・・・今から話すのは、俺の過去だ。」

 

ロウの口から重々しく、

その言葉が出てきた。

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